資料 1 全国健康保険協会千葉支部 第 12 回健康保険委員研修会 健康保険給付 高額療養費 について 平成 27 年 2 月 26 日 ( 木 ) : 千葉市文化センター / 平成 27 年 3 月 3 日 ( 火 ) : 習志野商工会議所
主な健康保険の給付 ( 現金給付 ) の種類 療養費 やむを得ない事情で 保険医療機関で保険診療を受けることができず 自費で受診したときなど特別な場合に支給 高額療養費 医療費の自己負担額が高額となり 一定の金額 ( 自己負担限度額 ) を超えた場合に 超えた部分を支給 傷病手当金 病気やけがのために会社を休み 事業主から報酬が受けられない場合に支給 出産手当金 出産のため会社を休み 事業主から報酬が受けられない場合に支給 出産育児一時金 出産した場合に支給 埋葬料 ( 費 ) 家族埋葬料 亡くなった場合に支給 1
高額療養費の説明の前に 一部負担金の割合 健康保険証を提示して 保険医療機関 ( 病院 診療所 ) で診療を受けた時や 保険薬局で薬が出された時は 窓口で一部負担金を支払います 一部負担金の割合は 下記のとおりです 小学校入学前 小学校入学後 ~70 歳未満 70 歳以上 ~75 歳未満 ( 誕生日が昭和 19 年 4 月 2 日以降の方 ) 70 歳以上 ~75 歳未満 ( 誕生日が昭和 19 年 4 月 1 日以前の方 ) 70 歳以上 ~75 歳未満 ( 現役並み所得者 ) 現役並み所得者 標準報酬月額が 28 万円以上の被保険者 ( ただし 申請により 1 割又は 2 割になる場合があります ) 現役並み所得者に 70 歳以上 ~75 歳未満の被扶養者がいる場合は被扶養者の割合も 3 割となります 2 割 3 割 2 割 1 割 3 割 健康保険の加入者 被保険者 ご自身で 健康保険料を支払い 健康保険に加入している方 被用者保険では 従業員のことをいいます 被扶養者 被保険者に扶養されているご家族の方 保険料の負担はありません ただし 被扶養者になるためには収入等の条件があります 2
高額療養費制度とは? 高額療養費 高額療養費制度 1 ヵ月 (1 日から月末まで ) に医療機関や薬局の窓口で支払った額 ( ) が 一定額 ( 自己負担限度額 ) を超えた場合 申請により超えた額が後から払い戻される制度です 保険適用外の負担分 差額ベッド代 食事代などは対象外です!! イメージ図 総医療費 (10 割 ) 自己負担限度額 高額療養費払い戻し 協会けんぽの負担 ( 総医療費の 7 割 ) 医療機関窓口で支払った医療費 ( 総医療費の 3 割 ) 3
高額療養費の対象とならないもの 保険適用外の負担分 差額ベッド代 食事代としてお支払いした分は 高額療養費の対象外です 6,500 例では 一部負担金 と表記していますが 自己負担額 患者負担額 など医療機関によって表示が異なる場合があります は 対象になりません! 4
高額療養費の計算は 1 ヶ月 (1 日 ~ 末日 ) 単位です 高額療養費の計算は 1 ヶ月単位 ( 月の 1 日から末日まで ) で行います 月をまたいで入院する場合などは注意が必要です 例 1 月 10 日から 2 月 20 日まで入院 (1 月分 ) (2 月分 ) 1 月 10 日から 1 月 31 日 2 月 1 日から 2 月 20 日 1 月分と 2 月分に分けて計算を行います 上記のようなケースでは 医療機関も 1 月分と 2 月分とに分けて患者に請求を行います 領収書についても 2 枚 (1 月分と 2 月分 ) 発行されます 5
70 歳未満の自己負担限度額 ( 平成 27 年 1 月に制度改正が行われました ) 70 歳未満の自己負担限度額 被保険者の所得区分適用区分自己負担限度額 上位所得者 ( 標準報酬月額 53 万円以上の方 ) 一般所得者 ( 上位 低所得者以外の方 ) 低所得者 ( 被保険者が市区町村民税の非課税者等 ) 平成 26 年 12 月診療分まで 3 区分 (A~C) 多数該当の自己負担限度額 A 150,000 円 +( 総医療費 -500,000) 1% 83,400 円 B 80,100 円 +( 総医療費 -267,000) 1% 44,400 円 C 35,400 円 24,600 円 被保険者の所得区分適用区分自己負担限度額 注 ) 区分 A に該当する場合 市区町村民税が非課税であっても 標準報酬月額での 区分 A の該当となります 平成 27 年 1 月診療分から 5 区分 ( ア ~ オ ) へ細分化 多数該当の自己負担限度額 標準報酬月額 83 万円以上の方ア 252,600 円 +( 総医療費 -842,000 円 ) 1% 140,100 円 標準報酬月額 53 万 ~79 万円の方イ 167,400 円 +( 総医療費 -558,000 円 ) 1% 93,000 円 標準報酬月額 28 万 ~50 万円の方ウ 80,100 円 +( 総医療費 -267,000 円 ) 1% 44,400 円 標準報酬月額 26 万円以下の方エ 57,600 円 44,400 円 低所得者 ( 被保険者が市区町村民税の非課税者等 ) オ 35,400 円 24,600 円 注 ) 区分ア または 区分イ に該当する場合 市区町村民税が非課税であっても 標準報酬月額での 区分ア または 区分イ の該当となります 6 14 ページ参照
制度改正のポイント 平成 27 年 1 月に行われた制度改正のポイント 70 歳未満の所得区分が現行の 3 区分から 5 区分に細分化された ( 従前の 一般所得者 及び 上位所得者 がそれぞれ 2 つに細分化された ) 標準報酬月額 が 26 万円以下の場合は負担減となった一方で 標準報酬月額が 53 万円以上の場合は負担増となった 低所得者 ( 非課税者等 ) については 変更なし 標準報酬月額とは? 保険料を控除する際に使用する保険料額表健康保険では 被保険者が事業主から受ける毎月の給料などの報酬の月額を区切りのよい幅で区分した 標準報酬月額 が設定されており この標準報酬月額に基づき保険料の額や保険給付の額が決定されます 健康保険の標準報酬月額は 第 1 級の5 万 8 千円から第 47 級の121 万円までの全 47 等級に区分されています 標準報酬月額 7
自己負担限度額を計算してみましょう! 実際に自己負担限度額を計算して高額療養費の支給金額を求めてみましょう! 例 入院して 総医療費 (10 割 ) が 100 万円かかった場合 医療機関の窓口での支払いは 30 万円 (100 万円 3 割 ) 適用区分 ウ の計算式に当てはめて自己負担限度額を計算してみましょう! ウ の計算式 80,100 円 +( 総医療費 -267,000 円 ) 1% = 自己負担限度額 80,100 円 +(1,000,000 円 -267,000 円 ) 1% = 87,430 円 = 7,330 円 自己負担限度額 窓口で 30 万円支払っているわけですから 300,000 円 - 87,430 円 = 212,570 円 窓口で負担した額自己負担限度額 ( 自己負担額 ) 高額療養費として支給 8
70 歳から 75 歳未満の自己負担限度額 70 歳から 75 歳未満の自己負担限度額 所得区分 現役並み所得者 ( 標準報酬月額 28 万円以上の方 ) 外来 ( 個人ごと ) 44,400 円 自己負担限度額 外来 + 入院 ( 世帯ごと ) 80,100 円 +( 総医療費 -267,000 円 ) 1% 多数回該当の場合は 44,400 円 一般所得者 ( 標準報酬月額 26 万円以下の方 ) 12,000 円 44,400 円 低所得者 Ⅱ ( 被保険者が市区町村民税の非課税者等 ) 低所得者 Ⅰ ( 被保険者 被扶養者全員の各所得がすべて 0 円の方 ) 8,000 円 注 ) 現役並み所得者 に該当する場合 市区町村民税が非課税であっても 現役並み所得者となります 24,600 円 15,000 円 同じ世帯に 70 歳未満 と 70 歳 ~75 歳未満 がいる場合 1 70 歳 ~75 歳未満の人の払い戻し額を計算します ( 上記表に当てはめる ) 2 1 の払い戻し額を除いた負担額と 70 歳未満の人 の負担額を合算して 70 歳未満の自己負担限度額 (6 ページ参照 ) に当てはめ 払い戻し額を計算します 3 1 と 2 を合わせた額が世帯全体の払い戻し額となります 9
所得区分の 低所得者 について 被保険者が市区町村民税の非課税者である場合 高額療養費の所得区分は 低所得者 に該当します ただし 70 歳未満で標準報酬月額が 53 万以上の場合や 70 歳以上で現役並み所得者に該当する場合を除く 所得区分の 低所得者 低所得者に該当するには 被保険者が非課税であることが必要です ( 被扶養者の所得では判断しません ) 毎年 8 月が基準となります 住民税の 所属年度 に注意が必要です 平成 25 年度の住民税 が非課税であることが必要 平成 24 年 1 月から平成 24 年 12 月までの所得が基準 平成 26 年度の住民税 が非課税であることが必要 平成 25 年 1 月から平成 25 年 12 月までの所得が基準 10
窓口負担が複数あるとき ( 世帯合算 ) 同一月内に同一世帯 で複数の窓口負担がある場合 条件を満たせば合算することができます これを高額療養費の 世帯合算 といいます ここでいう同一世帯とは 健康保険の 被保険者 と その被扶養者 を指します ( 健康保険証の記号番号が同一の方 ) 従って 一緒に住んでいても それぞれが被保険者である場合などは 合算の対象にはなりません 70 歳未満の負担分 下記の要件で 21,000 円以上であれば 合算できます 受診者 ( 被保険者 被扶養者 ) ごと 医療機関ごと 医科 歯科ごと 入院 通院 ( 薬局でのお薬代を含む ) ごと 70 歳 ~75 歳未満の負担分全ての負担分を合算することができます 11
世帯合算の対象となるのは?(70 歳未満のケース ) 世帯合算の例 (70 歳未満の世帯の場合 ) 1 受診者ごと受診者 ( 加入者本人 ) 受診者 ( 被扶養者 ) 2 医療機関ごと 病院 診療所 病院 3 医科 歯科ごと医科歯科医科 医科 4 入院 通院ごと入院通院入院通院通院入院通院 自己負担額 75,000 20,000 0 5,000 21,000 39,000 18,000 通院には 薬局でのお薬代も含めることができます 上記の赤い部分についてのみ 合算することができます 12
世帯合算の対象となるのは?(70 歳 ~75 歳未満を含むケース ) 世帯合算の例 (70 歳 ~75 歳未満を含む場合 ) 1 受診者ごと 受診者 ( 被保険者 ) 45 歳 受診者 ( 被扶養者 A) 40 歳 受診者 ( 被扶養者 B) 72 歳 2 医療機関ごと 病院 歯科 病院 診療所 3 医科 歯科ごと医科歯科医科 医科 4 入院 通院ごと入院通院通院通院通院 自己負担額 90,000 6,000 5,000 3,000 700 通院には 薬局でのお薬代も含めることができます 上記の赤い部分について 合算することができます (70 歳以上は 全ての負担分を合算することができます ) 13
多数該当 医療を受けた月以前の直近 1 年間に 3 回以上高額療養費に該当している場合は その月の自己負担限度額が引き下げられます これを 多数該当 といいます 被保険者所得区分 標準報酬月額 83 万円以上の方 標準報酬月額 53 万 ~79 万円の方 標準報酬月額 28 万 ~50 万円の方 標準報酬月額 26 万円以下の方 低所得者 ( 住民税が非課税の方など ) 自己負担限度額 252,600 円 +( 総医療費 -842,000 円 ) 1% 167,400 円 +( 総医療費 -558,000 円 ) 1% 80,100 円 +( 総医療費 -267,000 円 ) 1% 57,600 円 35,400 円 自己負担限度額 ( 多数該当 ) 140,100 円 93,000 円 44,400 円 44,400 円 24,600 円 限度額認定証 (17 18 ページ参照 ) の提示により自己負担限度額までの支払いした分についても高額療養費としてカウントすることができます 14
多数該当 多数該当になるには 医療を受けた月以前の 11 ヶ月間に 3 回以上高額療養費に該当している 必要があります 多数該当となる月の数え方 ( 例 ) 5 月では 3 回目なので まだ多数該当にはなりません! 1 2 3 11 カ月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 高額療養費 高額療養費 高額療養費 高額療養費 高額療養費 11 カ月 1 2 3 多数該当 12 月は 4 回目となり 多数該当となります! 注 ) 同じ保険でも被保険者が変わった場合や 保険制度が変わった場合は 高額療養費の回数は引き継ぎしません 例 : 被保険者の変更 本人 被扶養者 保険制度 ( 保険者 ) の変更 協会けんぽ 健康保険組合 15
高額療養費が支給されるまで 高額療養費が支給されるまでの流れ 2-1 高額療養費支給申請書 の提出 加入者 3 払い戻し ( 高額療養費の支給 ) 協会けんぽ 一部負担金の割合が 3 割の場合 2-2 レセプト ( 診療報酬明細書等 ) の提出 社会保険診療報酬支払基金での審査を経て協会けんぽに提出されます このため 協会けんぽに提出されるのは受診された月から概ね 2~3 ヶ月後になります 医療機関など 高額療養費は 医療機関等から提出されるレセプト ( 診療報酬明細書等 ) を基に決定します このため 高額療養費が支給されるのは受診された月から 4 カ月程度 後になります 社会保険診療報酬基金での審査 ( 上記 2-2) に時間を要した場合など さらに決定が遅れることがあります 16
限度額適用認定証 該当すれば その都度申請が必要である 後で払い戻されるとはいえ 一度まとまった金額を窓口で支払う必要がある 払い戻しされるまでに 時間がかかる ( 通常は受診した月から 3 4 ヶ月程度 ) 自己負担が高額になりそうな場合は 限度額適用認定証を利用すると便利です! 限度額適用認定証 を利用すると 窓口での支払い額が 自己負担限度額 までで済むようになります 70 歳未満の方で医療費 ( 入院 通院を問いません ) が高額になりそうなときは 限度額適用認定証をぜひご利用ください 被保険者の市区町村民税が非課税の場合は 限度額適用 標準負担額減額認定証 例 入院して 総医療費 (10 割 ) が 100 万円かかった場合 適用区分 ウ 自己負担限度額 87,430 円 医療機関窓口での支払い額 87,430 円 高額療養費の手続き不要 医療機関窓口での支払い額 300,000 円 後日 高額療養費の申請により自己負担限度額との差額 (212,570 円 ) を払い戻し 注 ) 限度額適用認定証を使用しても 複数の医療機関を受診した場合等 高額療養費の申請が必要となるケースもあります 17
限度額適用認定証 限度額適用認定証を利用するまでの流れ 限度額適用認定申請書はホームページから印刷できます 限度額適用認定申請書 認定証の発行 ご指定の場所へ郵送 ( 入院先にもお届けできます ) 適用区分を基に医療機関等が自己負担限度額を計算し 患者に請求を行います ( 残りは医療機関が協会けんぽに請求します ) 医療機関等に認定証を提示 ( 健康保険証も併せて提示して下さい ) 申請書受付月より前の月の限度額適用認定証の交付は原則できません 日程に余裕をもってお手続きをしてください 18
高額療養費の支給事例 高額療養費の支給事例を いくつか挙げてみました 一緒に見ていきましょう! 19
高額療養費の支給事例 1 ケース 1 登場人物 A さん (47 歳の被保険者 標準報酬月額は 30 万円のため適用区分は ウ ) A さんは 1 月 27 日から 2 月 10 日まで 病院 に入院しました ( 限度額適用認定証の適用はなし ) 領収書 A 様 1/27~1/31 入院分総医療費 400,000 円自己負担額 120,000 円 病院 領収書 A 様 2/1~2/10 入院分総医療費 250,000 円自己負担額 75,000 円 病院 退院後 A さんは同じ 病院 に 2 月 17 日と 24 日の 2 回通院し治療を受けました 17 日の診療の時に処方箋が発行されたので 薬局 で薬をもらいました 領収書 A 様 2/17 通院分総医療費 10,000 円自己負担額 3,000 円 病院 領収書 A 様 2/17 調剤分 ( 病院処方 ) 総医療費 45,000 円自己負担額 13,500 円 薬局 領収書 A 様 2/24 通院分総医療費 6,000 円自己負担額 1,800 円 病院 上記のような場合 高額療養費の支給はどうなるでしょうか? ウ の計算式 80,100 円 +( 総医療費 -267,000 円 ) 1% 20
高額療養費の支給事例 1 この事例の ポイ ント 高額療養費の算定は 1 ヶ月単位です 月をまたいで入院した場合は 月ごとに分けて計算します 高額療養費に合算できる自己負担分は 70 歳未満の場合 受診者 医療機関 入院通院ごとで 21,000 円以上が対象となります ( 通院時に処方箋をもらって薬局で薬をもらった場合は通院に含まれます ) 1 月分 2 月分 領収書 A 様 1/27~1/31 入院分総医療費 400,000 円自己負担額 120,000 円 病院 領収書 A 様 2/1~2/10 入院分総医療費 250,000 円自己負担額 75,000 円 病院 領収書 A 様通院 2/17 通院分総医療費 10,000 円自己負担額 3,000 円 病院 領収書 A 様通院 2/24 通院分総医療費 6,000 円自己負担額 1,800 円 病院 領収書 A 様通院 2/17 調剤分 ( 病院処方 ) 総医療費 45,000 円自己負担額 13,500 円 薬局 入院分 自己負担額 75,000 円 通院分 自己負担額計 18,300 円 21,000 円未満のため合算できない 入院分のみでは自己負担限度額を超えないため 2 月は高額療養費の対象とはなりません 自己負担限度額 80,100 円 +(400,000 円 -267,000 円 ) 1% = 81,430 円 120,000 円 - 81,430 円 = 38,570 円 自己負担額 自己負担限度額 高額療養費支給額 21
高額療養費の支給事例 2 ケース 2 登場人物 Bさん (36 歳 被保険者 標準報酬月額は38 万円のため適用区分は ウ ) Cさん (34 歳 Bさんの妻で被扶養者 ) B さんは 1 月 10 日から 1 月 22 日まで 病院 に入院しました ( 限度額適用認定証の適用あり ) 領収書 B 様 1/10~1/22 入院分総医療費 520,000 円自己負担額 82,630 円 ( 限度額適用認定証の適用有 ) 病院 C さんは 1 月 17 日に 病院 へ通院しました 領収書 C 様 1/17 通院分総医療費 80,000 円自己負担額 24,000 円 病院 上記のような場合 高額療養費の支給はどうなるでしょうか? ウ の計算式 80,100 円 +( 総医療費 -267,000 円 ) 1% 22
高額療養費の支給事例 2 この事例の ポイ ント 限度額適用認定証を使用すれば高額療養費の申請が完全に不要になるわけではありません この事例のように 他に合算できるものがある場合は 申請により高額療養費が払い戻されることになります 領収書 B 様 1/10~1/22 入院分総医療費 520,000 円自己負担額 82,630 円 ( 限度額適用認定証の適用有 ) 病院 領収書 C 様 1/17 通院分総医療費 80,000 円自己負担額 24,000 円 病院 21,000 円を超えているため合算対象 自己負担限度額 80,100 円 +(600,000 円 -267,000 円 ) 1% = 83,430 円 (82,630 円 +24,000 円 ) - 83,430 円 = 23,200 円自己負担額自己負担限度額高額療養費支給額 23
高額療養費の支給事例 3 ケース 3 登場人物 D さん (43 歳 被保険者 標準報酬月額は 50 万円のため適用区分は ウ ) E さん (40 歳 D さんの妻で被扶養者 ) F さん (73 歳 D さんの母で被扶養者 ) D さんは 2 月 10 日に 病院 へ通院しました 診療の時に処方箋が発行されたので 薬局 で薬をもらいました 領収書 D 様 2/10 通院分総医療費 30,000 円自己負担額 9,000 円 病院 領収書 D 様 2/10 調剤分総医療費 42,000 円自己負担額 12,600 円 薬局 E さんは 2 月 4 日から 10 日に 病院 に入院しました ( 限度額適用認定証の適用はなし ) 領収書 E 様 2/4~10 入院分総医療費 350,000 円自己負担額 105,000 円 病院 F さんは 2 月 5 日 15 日に 病院 8 日に 歯科 に通院しました 領収書 F 様 2/5 通院分総医療費 26,000 円自己負担額 2,600 円 病院 領収書 F 様 2/15 通院分総医療費 5,000 円自己負担額 500 円 病院 領収書 F 様 2/8 通院分総医療費 10,000 円自己負担額 1,000 円 歯科 F さんの誕生日は昭和 19 年 4 月 1 日以前とし 一部負担金の割合は 1 割 とします 上記のような場合 高額療養費の支給はどうなるでしょうか? ウ の計算式 80,100 円 +( 総医療費 -267,000 円 ) 1% 24
高額療養費の支給事例 3 この事例の ポイ ント F さん (D さんの母 ) は 70 歳以上であるため 全ての自己負担額が合算の対象になります D さん 領収書 D 様通院 2/10 通院分総医療費 30,000 円自己負担額 9,000 円 領収書 D 様通院 2/10 調剤分総医療費 42,000 円自己負担額 12,600 円 薬局 E さん 病院領収書 E 様 2/4~10 入院分 総医療費 350,000 円自己負担額 105,000 円 病院 F さん 領収書 F 様 70 歳以上 2/5 通院分総医療費 26,000 円自己負担額 2,600 円 病院 領収書 F 様領収書 F 様 70 歳以上 70 歳以上 2/15 通院分 2/8 通院分総医療費 5,000 円総医療費 10,000 円自己負担額 500 円自己負担額 1,000 円 病院 歯科 21,000 円を超えているため合算対象 ( 調剤分は通院分に含めることができる ) 70 歳以上のため全て合算対象 自己負担限度額 80,100 円 +(463,000 円 -267,000 円 ) 1% = 82,060 円 (21,600 円 +105,000 円 +4,100 円 ) - 82,060 円 = 48,640 円自己負担額自己負担限度額高額療養費支給額 25