平成 25 年 3 月 6 日 参考資料 65 歳までの継続雇用の確保について関連する法律 : 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律 ( 平成 24 年 8 月 29 日成立 9 月 5 日公布 平成 25 年 4 月 1 日施行 ) 1 2013 年度から 65 歳までの継続雇用の確保 を進める背景 2013 年度 ( 平成 25 年度 ) に 60 歳になる会社員 [1953 年度 ( 昭和 28 年度 ) 生まれの男性 ( 注 1)] から [ ( )]( 以下 年金 ) の支給開始年齢が 61 歳に引上げられる 以後 生年月日が若くなるに応じて段階的に支給開始年齢が引き上げられ [1961 年度 ( 昭和 36 年度 ) 生まれの男性 ] からは 65 歳支給になる ( 別紙参照 ) したがって 年金の支給開始年齢に達するまでは 雇用を確保しないと 無収入で無年金 の期間が生じる場合がある これを避けるため 関連する法律が改正された ( 注 1) 女性の支給開始年齢は5 年遅れで適用されるが 継続雇用の確保は男性と同じ扱い 2 改正の概要 (1) 継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みを廃止する 経過措置 ( 注 2) あり (2) 継続雇用制度の対象者を雇用する企業の範囲を拡大する ~グループ企業 ( 関係子会社など ) にまで拡大 ( 詳細は関係省令により定められた ) (3) 高齢者雇用確保措置義務に関する勧告に従わない企業名を公表する規定を設ける (4) 高齢者雇用確保措置の実施と運用に関する指針 が定められた ~ 心身の故障のため業務の遂行に堪えない場合等の取扱いを含む ( 注 2) 改正前の継続雇用に係る対象者基準は 年金の支給開始年齢に達した後は引き続き適用できる この適用が可能となる年齢 ( 基準適用可能年齢 ) と経過措置の関係は 次ページのとおりであり 基準適用可能年齢に達するまでは 希望者全員を継続雇用する必要がある 1
[ 経過措置 ]: 生年月日と基準適用可能年齢に達する時期の関係 ( ) 内は年金の支給開始年齢 ( 基準適用可能年齢 ) 生年月日 60 歳に達する時期 基準適用可能年齢に達する時期 昭和 28 年 4 月 2 日 ~29 年 4 月 1 日 平成 25 年 4 月 1 日 ( 施行日 ) ~26 年 3 月 31 日 (61 歳 ) 平成 26 年 4 月 1 日 ~27 年 3 月 31 日 昭和 29 年 4 月 2 日 ~30 年 4 月 1 日 平成 26 年 4 月 1 日 ~27 年 3 月 31 日 (61 歳 ) 平成 27 年 4 月 1 日 ~28 年 3 月 31 日 昭和 30 年 4 月 2 日 ~31 年 4 月 1 日 平成 27 年 4 月 1 日 ~28 年 3 月 31 日 (62 歳 ) 平成 29 年 4 月 1 日 ~30 年 3 月 31 日 昭和 31 年 4 月 2 日 ~32 年 4 月 1 日 平成 28 年 4 月 1 日 ~29 年 3 月 31 日 (62 歳 ) 平成 30 年 4 月 1 日 ~31 年 3 月 31 日 昭和 32 年 4 月 2 日 ~33 年 4 月 1 日 平成 29 年 4 月 1 日 ~30 年 3 月 31 日 (63 歳 ) 平成 32 年 4 月 1 日 ~33 年 3 月 31 日 昭和 33 年 4 月 2 日 ~34 年 4 月 1 日 平成 30 年 4 月 1 日 ~31 年 3 月 31 日 (63 歳 ) 平成 33 年 4 月 1 日 ~34 年 3 月 31 日 昭和 34 年 4 月 2 日 ~35 年 4 月 1 日 平成 31 年 4 月 1 日 ~32 年 3 月 31 日 (64 歳 ) 平成 35 年 4 月 1 日 ~36 年 3 月 31 日 昭和 35 年 4 月 2 日 ~36 年 4 月 1 日 平成 32 年 4 月 1 日 ~33 年 3 月 31 日 (64 歳 ) 平成 36 年 4 月 1 日 ~37 年 3 月 31 日 ( 経過措置期間が終了 ) 昭和 36 年 4 月 2 日 ~ 平成 33 年 4 月 1 日 ~ (65 歳 ) 原則適用 2
[ 継続雇用確保の経過措置と ( ) の支給開始年齢 ] 別紙 生年月日上段 : 男性 下段 : 女性網掛け部分 =( 原則 ) 希望者全員の雇用を確保する期間経過措置 = 年金を受給できる期間は改正前の対象者基準を適用できる ( 男女ともに ) 生年月日 60 歳 61 歳 62 歳 63 歳 64 歳 65 歳 昭和 20 年 4 月 2 日 ~22 年 4 月 1 日 昭和 25 年 4 月 2 日 ~27 年 4 月 1 日定額部分 昭和 22 年 4 月 2 日 ~24 年 4 月 1 日 昭和 27 年 4 月 2 日 ~29 年 4 月 1 日定額部分 昭和 24 年 4 月 2 日 ~28 年 4 月 1 日 昭和 29 年 4 月 2 日 ~33 年 4 月 1 日 昭和 28 年 4 月 2 日 ~30 年 4 月 1 日 昭和 33 年 4 月 2 日 ~35 年 4 月 1 日 昭和 30 年 4 月 2 日 ~32 年 4 月 1 日 昭和 35 年 4 月 2 日 ~37 年 4 月 1 日 昭和 32 年 4 月 2 日 ~34 年 4 月 1 日 昭和 37 年 4 月 2 日 ~39 年 4 月 1 日 昭和 34 年 4 月 2 日 ~36 年 4 月 1 日 昭和 39 年 4 月 2 日 ~41 年 4 月 1 日 報酬比例 昭和 36 年 4 月 2 日 ~ 昭和 41 年 4 月 2 日 ~ 65 歳までの継続雇用確保が終了 3
高年齢者雇用安定法 ( 以下 高年法 ) の改正に対応する就業規則の主な規程例 ( 参考例 ) 下記の規程例は いずれも定年退職年齢は 60 歳で 退職後は再雇用制度 ( 契約期間 1 年で更新あり ) を採用する場合を想定している 留意点 1 就業規則に定める解雇事由または退職事由に該当する場合は 継続雇用しないことができる 根拠 [ 高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針 ] ( 平成 24 年 11 月 9 日厚生労働省告示第 560 号 ) < 規程例 1>( 原則として希望者全員を再雇用する場合 ) 原則として希望者全員を再雇用するが 就業規則に定める解雇事由または退職事由に該当する場合は再雇用しないことを規定する例 第 条 ( 定年後再雇用の対象者 ) 会社は 60 歳で定年退職した正社員が退職後の再雇用を希望するときは 契約期間を1 年とする嘱託社員として原則 65 歳に達するまでを上限として再雇用する ただし 再雇用を希望する者が 就業規則第 条に定める解雇事由 または第 条に定める退職事由に該当する場合は再雇用の対象者としない 留意点 2 定年退職者が ( ) の支給開始年齢 ( 注 ) に至った後は 労使協定に定める対象者基準により再雇用の対象者を限定することができる 根拠 [ 改正高年法附則第 3 条 ( 経過措置 )] ( 注 ) 女性の支給開始年齢は男性より5 年遅れで引き上げられていくが 定年後継続雇用については男性と同じ扱いにしなければならない したがって 当分の間は 女性が 60 歳から年金を受給できる場合でも 対象者基準を適用できる年齢は男性と同じ 61 歳以後になる < 規程例 2>( 改正高年法の経過措置を利用する場合で 契約更新も対象者基準による場合 ) 第 条 ( 定年後再雇用の対象者と対象者基準の適用 ) 会社は 60 歳で定年退職した正社員が退職後の再雇用を希望するときは 就業規則第 条に定める解雇事由 または第 条に定める退職事由に該当する場合を除き 契約期間を1 年とする嘱託社員として再雇用の対象者 ( 定年後再雇用者 ) とする なお 定年後再雇用者が次項に定める年齢 4
( 基準適用可能年齢 ) に達したとき以後は 労使協定に定める対象者基準を満たす場合は 65 歳に達するまでを上限として契約を更新する しかし 対象者基準を満たさない場合は契約を更新しないものとし 基準適用可能年齢に達する時期を上限として再雇用を終了する [ 労使協定に定める対象者基準 ]( 以下は基準の参考例 内は数字または率など ) 1 過去 年間の定期健康診断を受診し その結果などから再雇用後に従事する業務を遂行するうえで健康上の支障がないこと 2 再雇用後に従事する業務を遂行する技術 または能力を有していること 3 過去 年間の出勤率が 以上であること 4 過去 年間の人事評価が平均 以上であること 5 過去 年間に懲戒処分を受けていないこと または懲戒処分に相当する事実がないこと 6 協調性があり かつ勤務態度が良好であること 7 会社が提示する職務内容 労働条件に合意できること 2 前項の対象者基準を適用することができる年齢 ( 基準適用可能年齢 ) は 下記の表に定め るとおりとする 生年月日による区分 60 歳に達する時期 基準適用可能年齢 左記年齢に至る時期 昭和 28 年 4 月 2 日 ~ 昭和 30 年 4 月 1 日 平成 25 年 4 月 1 日 ~ 平成 27 年 3 月 31 日 61 歳 平成 26 年 4 月 1 日 ~ 平成 28 年 3 月 31 日 昭和 30 年 4 月 2 日 ~ 昭和 32 年 4 月 1 日 平成 27 年 4 月 1 日 ~ 平成 29 年 3 月 31 日 62 歳 平成 29 年 4 月 1 日 ~ 昭和 32 年 4 月 2 日 ~ 昭和 34 年 4 月 1 日 平成 29 年 4 月 1 日 ~ 63 歳 平成 32 年 4 月 1 日 ~ 平成 34 年 3 月 31 日 昭和 34 年 4 月 2 日 ~ 昭和 36 年 4 月 1 日 平成 31 年 4 月 1 日 ~ 平成 33 年 3 月 31 日 64 歳 平成 35 年 4 月 1 日 ~ 平成 37 年 3 月 31 日 < 規程例 3>( 改正高年法の経過措置を利用する場合で 契約更新は別の基準による場合 ) 第 条 ( 定年後再雇用の対象者と対象者基準の適用 ) 会社は 60 歳で定年退職した正社員が退職後の再雇用を希望するときは 就業規則第 条に定める解雇事由 または第 条に定める退職事由に該当する場合を除き 契約期間を1 年とする嘱託社員として再雇用の対象者 ( 定年後再雇用者 ) とする なお 定年後再雇用者が次項に定める年齢 ( 基準適用可能年齢 ) に達したときは 労使協定に定める対象者基準を満たす場合は契約を更新する しかし 対象者基準を満たさない場合は契約を更新しないものとし 基準適用可能年齢に達する時期を上限として再雇用を終了する 5
2 前項の対象者基準を適用することができる年齢 ( 基準適用可能年齢 ) は 下記の表に定め るとおりとする 生年月日による区分 60 歳に達する時期 基準適用可能年齢 左記年齢に至る時期 昭和 28 年 4 月 2 日 ~ 昭和 30 年 4 月 1 日 平成 25 年 4 月 1 日 ~ 平成 27 年 3 月 31 日 61 歳 平成 26 年 4 月 1 日 ~ 平成 28 年 3 月 31 日 昭和 30 年 4 月 2 日 ~ 昭和 32 年 4 月 1 日 平成 27 年 4 月 1 日 ~ 平成 29 年 3 月 31 日 62 歳 平成 29 年 4 月 1 日 ~ 昭和 32 年 4 月 2 日 ~ 昭和 34 年 4 月 1 日 平成 29 年 4 月 1 日 ~ 63 歳 平成 32 年 4 月 1 日 ~ 平成 34 年 3 月 31 日 昭和 34 年 4 月 2 日 ~ 昭和 36 年 4 月 1 日 平成 31 年 4 月 1 日 ~ 平成 33 年 3 月 31 日 64 歳 平成 35 年 4 月 1 日 ~ 平成 37 年 3 月 31 日 第 条 ( 契約更新の基準 ) 定年後再雇用者が嘱託契約の更新を希望するときは 会社は 次項に定める契約更新の基準を総合的に考慮したうえで 契約更新の有無を判断する 更新に際して会社が提示する労働条件は 更新前と異なることがあり 定年後再雇用者が会社が提示する労働条件に合意した場合に契約を更新するものとする 2 前項の契約更新に関する基準は 以下のとおりとする 1 更新後に従事する業務の量 2 更新後の業務に従事するうえで健康状態に支障がないこと 3 社員の勤務意欲 勤務態度 4 直近 1 年間における勤務成績 人事評価 5 会社の経営状況 6 その他 業務運営上の必要性など 6
高年法に定める継続雇用に関する労使協定の例 ( 参考例 ) 株式会社 と従業員代表 ( 注 ) は 就業規則第 条に基づき 継続雇用制度の対象となる基準 ( 以下 対象者基準 ) を次のように定めることに合意する ( 注 ) 事業所に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合は その労働組合と本協定を締結する 第 1 条 ( 継続雇用制度の対象者 ) 会社が定める継続雇用制度の対象者は 60 歳で定年退職した正社員で次の対象者基準をすべて満たす者とする ( 以下の対象者基準は あくまでも参考例 内は数字または率など ) 1 過去 年間の定期健康診断を受診し その結果などから再雇用後に従事する業務を遂行するうえで健康上の支障がないこと 2 再雇用後に従事する業務を遂行する技術 または能力を有していること 3 過去 年間の出勤率が 以上であること 4 過去 年間の人事評価が平均 以上であること 5 過去 年間に懲戒処分を受けていないこと または懲戒処分に相当する事実がないこと 6 協調性があり かつ勤務態度が良好であること 7 会社が提示する職務内容 労働条件に合意できること 2 前項に定める基準を満たさない者であっても 会社が特に必要と認めた場合は 継続雇用制度の対象者とすることができる 第 2 条 ( 継続雇用に関する申出 ) 定年退職後の継続雇用を希望する者は 定年退職予定日の ヵ月前までに 所定の様式により 会社に継続雇用を希望する旨を申し出なければならない 第 3 条 ( 継続雇用の契約 ) 会社は 継続雇用制度の対象になった者と 原則として期間 1 年の嘱託契約を締結する その契約内容は個別に定めるものとする 第 4 条 ( 変更 ) 本協定の内容は 会社の業績 または経営環境の変化などがあったときは 労使の合意により変更することがある 上記のとおり合意した証として 本協定を 2 通作成し 記名押印のうえ各 1 通を所持する 平成 年 月 日 株式会社 代表取締役社長 印株式会社 従業員代表 印 7