小学校の学習指導案例 ( 知的 ) 学級 グループ国語科学習指導案 1 単元名 先生にインタビューをしよう 指導者 2 単元について (1) 児童観 学級では国語科において 児童の学習速度や発達段階を踏まえて5つのグループに分けて学習を進めている 本グループは 生 名 年生 名の計 名で構成されている 話すこと 聞くこと の実態であるが 自己紹介や昨日の出来事の紹介 体験した行事のスピーチを 3 文程度であればすることのできる児童が 名いる また その友達の話を聞き 自分で考えて質問をすることもできる しかし日常の場面を見ると 周りの人に話しかけたいという思いはあるが 何を話してよいのかが分からなかったり恥ずかしかったりして 自分から話ができないという様子が見られる 朝の会のスピーチなどの決められた時間であれば話すことができるが 場面や相手に応じて臨機応変に話したり聞いたりすることはできていない これまでに本グループでは 6 月に スピーチをしよう を行い 大きな声で伝えたいことを伝えられるようにするスピーチの学習を行った それにより 事前に考えた内容をスピーチするときに大きな声で話せることが増えてきた しかし 話すときに下を向いてしまうなど よい姿勢をとれないことがあった また 友達のスピーチを聞く際 他のことが気になってしまい 集中して聞けないという課題も残った (2) 単元観そこで 先生にインタビューをしよう という単元を設定する 日常生活の中での場に応じた話し方や聞き方について知り 実際に校内の先生方にインタビューするという学習を行う インタビューは 話す内容を考えること 相手の話を最後まで聞くこと 相手に応じた適切な話し方や態度を知ること が大切である 相手や場によって話ができなくなってしまったり 話を聞けなくなってしまったりする本グループの児童にとっては適切な活動であると考えた 本単元では初めに 日常生活で起こったことを題材とした自作の拡大絵本 こんな時 どう話す? を見せて 状況を想起させた上で どのように話せばよいのかを話し合ったり役割演技をしたりして確認する また 様々な状況に応じた適切な話し方をパターンで覚えられるようにする 次に 校内の先生方にインタビューをする活動を行う 親しみを持っている先生にインタビューをする内容により もっと知りたい という気持ちを高め どのようなことを聞けばよいかを自発的に考えられるようにしたいと考える また 児童が興味のあることを質問することで 最後まで聞く 態度を身につけられるようにしたいと考える 最後に 実際にインタビューを行った様子をビデオに撮って振り返りを行う そのようなビデオによる振り返りを繰り返し行うことで インタビューの内容を深め より適切な話し方や聞き方を自分で気づけるようにしたいと考える (3) 指導観本単元では 以下の2 点に留意して指導する 第一に基本的なインタビューの仕方を示すことである 児童は インタビューしてみたい という気持ちは旺盛だが どのようにしてよいかわからないという児童が多い はじめはインタビューの形式を示して パターンに沿った質問の仕方に慣れるようにする インタビューの時の態度や立ち居振る舞い 言葉遣い等も礼儀として大切であることも同時に指導して
いきたいと考える 第二に ビデオに撮ったインタビューの様子を繰り返し見て振り返ることで パターンに沿った質問だけでなく 自分なりの質問を考える活動に発展させていきたい そのために ビデオ視聴による振り返りを3 回行う また 自己評価だけでなく 他者評価により互いの良さを確認することで 話すことへの自信を持たせるようにしていきたいと考える これらの活動を行うことで 自信をもって進んで人と話をする力を育成していきたいと考える 3 単元の目標 自分の聞きたいことや伝えたいことを進んで話そうとする ( 関心 意欲 態度 ) 自分の聞きたいことをはっきりとさせて わかりやすく伝わるように話し 相手の話も最後まで聞くことができる ( 話すこと 聞くこと ) 相手やその場の状況に応じて丁寧な言葉や態度で話すことができる ( 言語についての知識 理解 技能 ) 4 本題材における児童の実態及び個別目標 児童名 題材に関する実態 題材の個別目標 A 児 はっきりとした発音で丁寧な言葉遣いで話すことができる 間をあけず 相手を見ずに話 間をあけながら相手を見て話すことができる すことがある 話を最後まで聞くことができる B 児 丁寧な言葉遣いで話すが 口の開き方が小さかったり 体を揺らしながら話したりする時がある 話を最後まで聞けない時がある 姿勢や口形 声の大きさや速さに気を付けて話すことができる 話を最後まで聞くことができる C 児 自分の気持ちを上手く伝えられず 泣いてしまったり うつむいてしまったりすることがある 慣れない人の前だと声が小さくなってしまうことがある 話を最後まで聞くことができるが 姿勢が悪 聞きたいことを3つ以上 自分で考えることができる 少しでも慣れている先生にインタビューすることで 相手を見てよい姿勢で話すことができる くなったり相手を見ずに話したりする D 児 場面緘黙である を忘れた などは伝えることができる 場面に応じた話し方を知っている 紙に書いて自分の気持ちを伝えられることが多い 話を最後までしっかりと聞くことができる 台詞カードをめくりながら それを見せることで相手にインタビューすることができる うなずきながら話を聞き 始めと終わりに相手に礼をすることができる E 児 大きな声で話せるが 順序立てて話ができない時がある 気分ののらないことがあると話が聞けなくなってしまったり 逃げて座り込んでしまったりすることがある インタビューの依頼や質問の時の言葉を考え 原稿に表すことができる 自分の聞きたいことを考え質問することで 話を最後まで聞くことができる
5 指導計画 (14 時間扱い ) 時 学習活動 指導や支援の手立て 評価 第一次場面に 1 絵本 こんな時 どう話す? の読み聞かせを聞き感想を発表する 全員で確認しやすいように自作の拡大絵本を使って読み聞かせをする 応じた 2 役割演技を行い より良い 話し方 実際の場面を具体的に想起できるように言葉か 話し方を考えよう 3 4 について話し合う こんな時 どう話す? の自作台本を作成する けをする 場面に応じた話し方がわかる ( 言語についての知識 理解 技能 ) 第二次インタビューの依頼をしよう 5 6 7 インタビューの計画を立てる インタビューの依頼原稿を書き 練習する 単元計画表を作成し見通しを持つようにする インタビュー依頼原稿を書きやすいように 基本パターンの原稿掲示物を用意する 休み時間 担当の先生にインタビューの依頼をする 困ったときには原稿を見てよいことを話す 8 依頼をした時の話し方を振り返り 依頼をした際のビデオ映像を見て留意点を振り 自己評価 相互評価をする 返られるようにする 第 3 次インタビューをしようまとめ 9 10 インタビューの原稿を考えて書く インタビューの練習をする 休み 担当する先生にインタビューをす 時間 る 11 インタビューの映像を見て 留意点 本時 を話し合う 12 さらに聞きたいことを想起し原稿 を作る 13 インタビューの練習をする 休み 前回の反省を活かして再度インタ 時間 ビューをする 14 活動全体を振り返り 今後話すとき や聞くときに気を付けることを確 認する 自分の聞きたいことを原稿に表すことができる ( 話すこと 聞くこと ) 留意点を相互評価できるようにするため 2 人組で役割を決めて練習をする 困ったときは原稿を見てよいことを伝える 姿勢や声の大きさに注意してインタビューすることができる ( 話すこと ) 話を最後まで聞くことができる ( 聞くこと ) インタビューした時の映像を見て 留意点を意識できるような言葉かけをする インタビューの答えを掲示しながら さらに聞きたいことを考えるようにする 聞きたいことを考え原稿に表すことができる ( 話すこと 聞くこと ) 留意点を再度確認するようにする 姿勢や目線 声の大きさ 速さ等に気を付けて注意して話すことができる ( 話すこと ) 相手の話に頷くなどしながら 適切に最後まで聞くことができる ( 聞くこと ) インタビューした時の映像を見て 留意点ができているかを確認する 自分の聞きたいことや伝えたいことを進んで話そうそうとしている ( 関心 意欲 態度 )
6 本時の指導 (1) 全体目標 ビデオを見て より良いインタビューの仕方を考えることができる (2) 個別目標 児童 本時の個別目標 個別の手立て A 児 相手を見て話していないことに気づき よく見るように修正して話すことができる 目をみることが恥ずかしい時は 相手の鼻を見ることを伝える B 児 口の開き方が小さいことに気づき 口を大きく開けて話すことができる 口を大きく開けた時と小さく開けた時の声の大きさを教師が示し 気づけるようにする C 児 自信を持って少しでも相手を見てインタビューをする練習ができる ビデオを見てよいところを取り上げ称賛することで 自信を持ってインタビューができるようにする D 児 相手の反応を見ながらカードをめくるとよいことに気付き練習することができる ビデオ視聴の際 相手の受けこたえとカードをめくるタイミングに目を向けるように話し 気づけるようにする E 児 相手に伝わるようなインタビュー原稿を再考することができる 順序だてて質問ができるように 質問を短冊形に分けて書き 順序が意識できるようにする (3) 本時の展開 (11/14) 学習活動の内容 1 前時までの学習を振り返 る 教師の指導 支援 ( ) 個別の支援( ) 評価 ( ) 準備物 前時までの学習内容を想起するために インタビュ単元計画表ーした先生の写真を見せたり ルールを確認したりする インタビューを受けて インタビューのルールくれた先生 1せすじをのばす ( 姿勢 ) の写真 2 口を大きくあける ( 声の大きさ ) 3 相手の目を見る ( 目線 ) 4ゆっくり話す ( 速さ ) 5 聞いているサインを出す 2 本時の学習内容を確認す る ビデオを見てインタビュー名人になろう 3 インタビューをした時の 映像を視聴し 気づいた点 を発表する インタビューをした時に気を付けたことを確認する 映像のどの部分が良かったか思い出しやすいようにインタビュー原稿を黒板に貼るようにする 具体的に発表できるように ~~のところで だったのがよかったです など発表の仕方の具体例を示すようにする インタビューの映像個別の目標シート
4 どのようにすればより良いインタビューができるかを話し合う 5 留意点に気をつけながら インタビューの練習をする 6 今日の振り返りをし 次時で学習することを知る 自己評価ができるように 映像を見ながら評価カードに記入する (A 児 ) 相手を見てインタビューができているかに着目してビデオを見るように話す (C 児 ) 自信を持ってインタビューができるように よいところを取り上げ称賛するようにする (D 児 ) 相手の受け答えとカードをめくるタイミン個別の目標グに気づけるように ビデオ視聴のさいに声をかけシートる 相互評価ができるように友達のポイント表を記入すポイント表るようにし 良かったところや気を付けることに着目できるようにして 発表するようにする 気を付けることを明確にできるように個別の目標シートに書いて掲示しておく (B 児 ) 大きく声を出す方法がわからない場合は 口を大きく開けた時と小さく開けた時の声の大きさを教師が示し 気づけるようにする (E 児 ) より順序立てて質問ができるように 質問を短冊に分けて書き 順序が意識できるようにする (E 児 ) より相手に伝わるように 順序を再考することができたか 自信をもってインタビューできるように インタビューする言葉を忘れてしまった時は拡大した台本を拡大台本見て良いことを伝える (A 児 ) 目を見ることが恥ずかしいときには 相手単元計画表の鼻を見ることを伝えるようにする (A 児 ) 相手を見て話すことができたか (B 児 ) 口を大きく開けて話すことができたか (C 児 ) 進んでインタビューの練習ができたか (D 児 ) インタビュー相手の反応を見ながら カードをめくることができたか (ABCE 児 ) インタビューをした人の話を最後まで興味を持って聞くことができたか 本時の頑張りを認め 次時の意欲化を図る 単元計画表を見て 次時の予定に見通しが持てるようにする
< 場の設定 > スピーチ のルール 今日の流れテレビ個別の目標 T 児 単元計画表 < 資料編 > 拡大絵本 こんな時 どう話す? 個別の目標の掲示 拡大絵本は全員で確認するときに使 う 日常生活で起きたことや起きそう なことを題材にした 目標を意識してインタビューできるよう に 1 人 1 人目標を掲示した 学習の流れの本 D 児のインタビューカード 学習の見通しが持てるように学習したことを本に まとめる インタビューをした先生の写真を貼る