自衛官ってどんな人達 AN GROUND JAP 陸上自衛隊 SE LF DEFE O NSE F RC E 陸上自衛隊の役割 陸上自衛隊の機能 陸上自衛隊は 主として陸において行動し 国土防衛 現在の陸上自衛隊は ５個の方面隊 北部方面隊 東北 の最終的な力として 地形を活用しながら強大な火力と 方面隊 東部方面隊 中部方面隊 西部方面隊 が並立し 機動力を発揮し 侵攻してくる敵をわが国の領土から排 各方面総監が担当区域の防衛 警備 災害派遣等を行って 除することを主な役割としています います また大規模 特殊災害 国際平和協力活動 国際緊 平成30年3月の陸上総隊新編後は 陸上総隊司令官が一 急援助活動等に派遣され 人力や機械力をもって各種の 体的に陸上自衛隊の部隊運用を担うことができる体制とな 重要な役割を行います り 防衛大臣の指揮の下 海 空自衛隊と共に陸上自衛隊 の師団 旅団など迅速 柔軟な全国的運用が可能となります 師団 旅団 司令部及び付隊 普通科部隊 普通科部隊 特科部隊 戦車部隊 飛行部隊 特科部隊 戦車部隊 高射特科部隊 偵察部隊 施設部隊 通信部隊 後方支援部隊 飛行部隊 特殊武器防護部隊 後方支援部隊 2 DEFENSE WORLD 18 燃料補給 エンジンの交換
立川駐屯地 DW17から引用 東部方面航空隊 ３等陸尉 2等陸曹 東部方面航空野整備隊 東部方面管制気象隊 職 名 第2小隊長 採用種目 自衛隊生徒 現 高等工科学校生徒 出 身 宮城県 職 名 航空管制員 採用種目 一般 出 身 佐賀県 佐々木 健 28歳 父と姉が元陸上自衛官 兄が航空自衛官です 親からの薦めもあ り少年工科学校 現在 / 高等工科学校 に入学しました 現在は航空 機の高段階整備を実施する部隊の小隊長をしています 整備を完了 した航空機が飛行して問題ないかの検査をすることが主な任務です 幹部として 常に隊員の状態や訓練練度を把握し 目標となる練度 に到達させるための指導や教育を計画しています 人は生まれ育っ た環境や性格も違います 部隊の状況や業務の把握に苦労していま す 15 歳で親元を離れたこともあり 両親には心配をかけてきまし た 両親に頑張っている様子を見せてあげたいと思います 大松 慎之介 30歳 体を動かすことが好きで それを活かせる仕事を探していたところ 自衛官は自分の求めていた職業そのものでした 私の職務は航空管制 員です 管制員になるために管制員選抜試験をクリアした仲間たちと 選ばれたことに感謝しながら約１年間勉強をしました その時の仲間 は私にとって財産です 有事の際 国民のために力を発揮することが できるように 普段から業務や訓練に取り組んでいます 災害派遣先 で 自衛隊ありがとう と声をかけられました 自衛官になって正解で した 自衛官として活躍し 多くの人から惜しまれながら定年退官を 迎えられる そんな自衛官を目指しています 第1飛行隊 １等陸尉 1等陸士 飛行隊 通信班 職 名 航空操縦士 採用種目 一般曹候補学生 出 身 岩手県 職 名 有線通信手 出 身 栃木県 鈴木 克史 37歳 父が自衛官でした 自衛隊で活躍しながら家族を守る父親の姿に男 としての憧れを持っていました 現在はパイロットとして UH-1 ヘ リコプター を操縦し 防災支援等の任務を遂行しています 幹部とし て後輩隊員のための服務や規律に関する指導等を行い 組織として若 手の育成に努めています 任務全般の把握に努め効果的な行動ができ るように心がけています 上司から人の身になることの大切さを学ぶ とともに部下隊員に対しての思いやりを大切にしながら接しています 将来は新型 UH の操縦に携わりながら 知識と技量を身に付けて 教 官として操縦士を育成していきたいと思います 木村 華 19歳 高校生の時に人の命を守るために活動する自衛隊の姿に感銘を受け たのが入隊の動機です 入隊して１年にもならないこともあり わか らないことがいっぱいありますが 先輩から任された仕事が達成でき た時や 評価をしてもらった時にやり甲斐を感じます 入隊前は集団 で活動する経験があまりありませんでしたが 最近では周囲に気を遣 えるようにもなり 社会人としての成長も実感しています 将来は陸 曹になり 前期教育で自分たちを指導してくれたような凛々しくかっ こいい女性自衛官教育隊の助教として勤務したいと思っています 3 DEFENSE WORLD 18
化学学校 中央特殊武器防護隊 ３等陸佐 3等陸曹 研究部 第103特殊武器防護隊 職 名 研究員 採用種目 防衛大学校学生 出 身 福岡県 職 名 装輸操縦陸曹 採用種目 自衛官候補生 出 身 神奈川県 池地 庸平 35歳 人とのつながりを大切にできる仕事に就きたいと思い教員を目指し ていたところ 高校の部活の顧問から防衛大学校を勧められました 調べていくと教職との共通点を通じ 入校を決めました 現在 化学 学校の研究員として 教育や訓練の質の向上を目指しています 入隊 当時 小隊長として部隊一丸となり訓練に励んでいた時期に 隊員か らもらった意見やアドバイスが自身の成長に結びつきました その経 験は私の財産です 私がここまで成長できたのは諸先輩方をはじめ部 隊を通じて出会った人達のおかげです 今度は自分が恩返しできるよ うに日々努めていきたいと思います 平和のために人を守り 人のために尽くしたいとの思いから入隊を 決意しました 現在 除染小隊装輪操縦陸曹として除染車を用いて地 域等の除染の任務を担っています 入隊前は精神的にも肉体的にもあ まり強い方ではありませんでしたが 訓練等を重ねることにより 職 務遂行への自信がつきました また 駐屯地外を車両で移動する時に 子ども達が手を振ってくれたり敬礼をしてくれると さらに頑張る活 力になります 将来は部内幹部候補生選抜試験を受験し 幹部になる ことが目標です そのために小隊長の業務や行動を見習い 幹部の業 務に理解を深められるよう自己研鑽に努めています 3等陸曹 陸士長 化学教導隊 偵察小隊 本部中隊 職 名 装輸操縦手 出 身 神奈川県 職 名 発煙手 出 身 神奈川県 小佐野 孝太 28歳 東日本大震災の際に 災害派遣で活動する自衛隊員の姿に感銘を受 け また国を守るという崇高な職務に携わりたいとの思いから入隊 を決意しました 偵察小隊の装輪操縦手として汚染地域の状況を解 明するための化学防護車 NBC 偵察車の操縦が主な職務です 化学 教導隊として学校教官等が円滑な教育 調査および研究が実施でき るように支援しています 部隊で習得した知識や技術は国民の尊い 命と財産を守ることにつながっていると思うとやり甲斐を感じます 知識と経験豊かな沢山の先輩方を目標に 技術と知識を高め 化学 科職種のプロフェッショナルな隊員を目指していきたいと思います 陸士長 企画室 光畑 亜美 25歳 職 名 庶務 出 身 岡山県 小学生の頃 台風による土砂災害に遭い その現場で献身的に活動 する自衛隊員の姿に心を打たれ 父が自衛官だったこともあり入隊し ました 入隊して素晴らしい上司 同僚に出会えたことで心身ともに 強くなれたと思います 化学学校では主に学校長 副校長に関する庶 務業務を行っています 化学科には 開拓精神 および 没我支援の精 神 の２つの精神が掲げられており これらを常に意識しながら任務 を遂行しています 私は陸士で初めての女性化学科隊員に任命されま した 女性に任務が開放されたことを誇りに 頼れる女性自衛官とし て成長し 国民の期待に応えていけるよう頑張ります 4 DEFENSE WORLD 18 工藤 直也 23歳 飛塚 康太 21歳 社会に貢献できる やりがいのある仕事だと思い入隊しました 私 は現在発煙手として 発煙機を用いて目標を煙で覆う任務を担ってい ます 発煙専門部隊は中央特殊武器防護隊しか保有しておらず 全国 唯一の仕事としての誇りを胸に日々訓練しています 発煙だけではな く 自衛隊でしか学べないことが数多くあり 毎日が勉強です 大変 な時もありますが 仲間との助け合いで築く絆や信頼が困難を乗り越 える力となります 自衛隊に入隊することに対して迷っている方がい るかもしれませんが 得られるものはとても大きいです 私は多くの 隊員から信頼される自衛官を目指し頑張っています
大宮駐屯地 第32普通科連隊 2等陸尉 本部管理中隊 情報小隊 高橋 昌平 28歳 職 名 運用訓練幹部 情報小隊長 採用種目 防衛大学校学生 出 身 山梨県 テレビで見た防衛大学校卒業式の伝統的な帽子投げに感銘を受け いつかは自分もと思いを馳せ入校しました 現在の主務は 偵察 です 部隊が必要とする情報を収集する情報小隊の小隊長として指揮を執っ ています 上司から何を期待されているか 自分にできることは何か を考え任務を達成できるように心がけています 幹部レンジャー課程 では不屈の精神とスキルが鍛えられ その経験がいまに結びついてい ます 機会に恵まれ多くを学ぶことができました 今度は自分が学び 成長できたように 自分の経験を部隊と組織に還元し いつかは連隊 長として部隊から信頼される指揮官になりたいと思います 3等陸曹 本部管理中隊 通信小隊 熱海 奈津実 27歳 職 名 無線陸曹 出 身 千葉県 大学時代 東日本大震災で被災した友人から災害派遣で活躍する自 衛隊の話を聞き 人が困った時 それを救える大きな力になりたいと 思いました また 自衛官だった父からも女性自衛官の話を耳にして いたこともあり不安なく入隊できました 入隊してからは心身ともに 鍛えられ 特に弱かったメンタル面では諦め癖がなくなりました 主 人と出会ったのも自衛隊です 自衛官になれたことに感謝の気持ちで いっぱいです 家庭を大切にしながら与えられた任務を完遂する努力 を惜しみなく続けていきたいと考えています 機会があれば 英語を 勉強して日米共同訓練で通訳の仕事もしていきたいと思います 陸士長 本部管理中隊 施設作業小隊 高階 潤 22歳 職 名 施設手 出 身 茨城県 父が自衛官でした 小さな頃から頼もしい姿を見て育ち憧れを持っ ていました 同時に人々を守り 役に立つ仕事に就きたいとの思いか ら志願しました 施設手として 障害の処理 構成 施設技術を駆使 した作業などを幅広く遂行しています 自衛隊では職種に応じた訓練 があります 分隊全員が一丸となり任務達成に向かって厳しい訓練を やり終えた時は 何事にも変え難い達成感があります 信頼できる同期 先輩 頼もしい後輩と仕事ができることは自身の成長にもつながりま す 後輩も徐々に増えてきました 自衛隊ならではの伝統を引き継ぎ ながら 後輩隊員の模範となるような陸曹になりたいと思います 5 DEFENSE WORLD 18
自衛官ってどんな人達 海上自衛隊 S E DEFENSE FO LF AN MARITIM JAP E RC E 海上自衛隊の役割 海上自衛隊の機能 海上自衛隊は 海上からの侵略に対し わが国を防衛 海上自衛隊の主力部隊である自衛艦隊 船越 の隷下 するとともに わが国周辺海域における海上交通の安全 には護衛艦隊 航空集団 潜水艦隊および掃海隊群等 を確保することを主な任務としています また 災害時は があります その他 横須賀 呉 佐世保 舞鶴 大 艦船 航空機等を利用した物資の輸送や捜索救難を行い 湊の各地方総監部があり 基地機能の運用および水上部 ます さらにソマリア沖 アデン湾における海賊対処行 隊の支援等のさまざまな業務を行います 動や国際平和協力活動など海外でも活躍しています 自衛艦隊 護衛艦隊 航空集団 潜水艦隊 ４個の護衛隊群等からなり 護衛艦を もってわが国の海上防衛にあたります 7個の航空群からなり 航空機をもって わが国の海上防衛にあたります ２個の潜水隊群からなり 潜水艦をもって わが国の海上防衛にあたります 掃海隊 救難飛行艇 輸送艦 その他の機能 6 DEFENSE WORLD 18
下総基地 DW17から引用 下総教育航空群 1等海尉 3等海曹 第203教育航空隊 下総航空基地隊 職 名 戦術航空士 採用種目 航空学生 出 身 宮城県 職 名 施設班員 採用種目 練習員 出 身 千葉県 長嶋 竜介 31歳 実家の近所に航空基地がありました 幼少期から訓練をする航空機を 見る機会も多く 将来は搭乗員になりたいと思っていたところ 航空学 生制度を知り入隊しました 現在は航空士戦術教官として 飛行幹部候 補生に知識や技能の教育を行っています 育成した学生がウイング マークを胸に全国の部隊に旅立つ姿を見送る瞬間に充実感や生き甲斐 を感じ 活力になります 指導の中で心掛けていることは crew の話を よく聞き 力をさらに引き出せるようにすることです 将来は教育のプ ロを目指し 経験を活かしながら 新たに導入されるP-１ 哨戒機 の搭 乗員育成に携わっていきたいと考えています 増田 貴士 27歳 自衛官になった先輩からの勧めもあり入隊しました 基地施設の維持 補修が任務です 作業したことが見た目にも分かりやすく 経験や反省点 が次に活かせるのでやり甲斐につながります 携わったものを大切に使っ ていただくことは喜びになります 高校を卒業して入隊したこともあり 先 輩 上司から様々なことを学びました 自衛官として修得したことは 私 生活にも役立ちます しっかりとした行動も取れるようになり責任感も生 まれました これからはいままでの経験を活かし 知識 技術の向上はも ちろん どのようなことにも耐えしのげる精神力と身体作りにも力を入れ ていきたいと思います ２等海曹 第203整備補給隊 福田 希望 35歳 職 名 補給員 採用種目 曹候補士 出 身 徳島県 テレビ等を通じて活躍する自衛隊の姿を見ているうちに 人の役に 立てる仕事に就きたいと思い入隊しました 職務は補給員です 物品 管理法による法規に基づき 任務遂行のための物品の調達管理を行って います 自衛隊は頑張った分 評価されるので充実感や生き甲斐になり ます 現在 2 歳半になる息子がいます 私のような子育てをしながらの 勤務においても 職場等から家族的で温かなサポートがあり 不安なく 安心して働ける環境があります 私は基地周辺に住んでいます 息子が 飛んでいる飛行機を見つけて喜びます その息子にとって 自衛官として かっこいい母 であり続けたいと思います 海士長 下総航空基地隊 圷 麻斗 20歳 職 名 給養員 出 身 茨城県 子どもの頃から基地祭等のイベントに参加する機会が多く自衛隊員へ 憧れていました 加えて元自衛官である母の影響もあり入隊しました 基地での食事を調理 提供し 航空機へは機上食の発注などを行って います 食を通じて隊員や学生を支えています 最初は先輩の仕事を 見ながら 米炊きから始めました 基地では一度に大量の食事を作ります 効率よく調理することが大切です 隊員からの 美味しいよ の一言が 自分の成長 やり甲斐になります 給養員として 基地の厨房を預かって いる気持ちを大切にしながら 将来は後輩から目標にされる隊員になれ るように一歩一歩前に進んでいきたいと思います 7 DEFENSE WORLD 18
横須賀地方総監部 3等海尉 1等海曹 管理部 総務課 管理部 総務課 職 名 航空電機計器整備 採用種目 練習員 出 身 兵庫県 職 名 航空電子整備 採用種目 一般曹候補学生 出 身 神奈川県 向 剛志 46歳 小さい頃から乗り物が好きでした 自衛隊に興味を持ち始めると 海 上自衛隊には艦艇だけではなく航空部隊もあることに魅力を感じ入隊しま した 海曹士の頃は P-3C 航空機の電機計器整備員が任務でした 現在 は総監部広報係として艦艇見学者への対応 自衛隊イベントの支援から 調整までを行っています 幹部として部下の体調管理や怪我をしないよ うに安全第一を心がけ任務を遂行しています 各種行事で各部隊課から 担当者を招集することが多々あります 無事にイベントを終了できた時 は充実感と安堵感が得られます 今後は航空機や艦艇 自衛隊全般のこ とをより深く勉強し任務のさらなる向上を目指します 第41掃海隊 2等海曹 掃海艇 ちちじま 太田 正剛 35歳 職 名 航海員 採用種目 一般曹候補学生 出 身 長崎県 基地の街 大村で育ちました 自衛隊祭等に行く機会もあり身近な存 在でした また 自衛官となった高校の部活の先輩から活動について聞 いていく中で興味を持ち入隊しました 航海員として掃海艇の航海補佐 ラッパの吹奏 手旗 発光信号を駆使して周囲の艦と交信をしています 広報行事でラッパの展示をしたことがあるのですが その説明を聞いた 若者が自分と同じ航海員を目指して入隊しました 自分達の活動がきっ かけになったことに感慨深いものがあります 掃海艇では隊員同士で寝 食を共にする時間が長く 家族のような一体感が生まれます 乗員艦船 の航行安全 無事故に努めて任務を遂行してまいります 8 DEFENSE WORLD 18 梶原 貴子 42歳 地域だけではなく全国的に活躍する自衛隊に憧れを持ち入隊しまし た 広報係として横須賀地方総監部で主催する行事の準備や調整を行 っています ふれあいコンサート での横須賀音楽隊の演奏に 元気を もらいました ありがとうございました とお客様からお声がけをいた だき 音楽が人を元気にすることを肌で感じました 入隊後は海外で 勤務することが目標でしたが 派遣海賊対処行動で その目標が叶い 充実感がありました 今後も広報の経験を積み重ね より多くの方が たに海上自衛隊の活動を知っていただき 海上自衛官への志願者が増 えるようになるよう 広報活動を頑張っていきたいと思います
横須賀基地 第2潜水隊群 1等海尉 3等海曹 群司令部 後方幕僚 潜水艦 なるしお 職 名 整備補給幕僚 採用種目 一般幹部候補生 出 身 京都府 職 名 機関科電機員 出 身 静岡県 若松 雄太 32歳 公安職を中心に就職活動をしていたところ 海上自衛隊の制服に憧 憬の念を抱きました また 大学の卒業論文のテーマは 大規模災害時 の自衛隊の対処力 でした 自衛隊への関心が高かったこともあり入隊 を決意しました 整備補給幕僚として隷下艦艇の保留計画の作成 補 給業務等 運用に必要な業務の円滑な進行と 第 2 潜水隊群全体の効 率的な部隊運用を心がけています 所要の任務を完遂し 入港までを 滞りなく果せると 自分の任務が機能として果せたことに安堵感を覚 えます 今後は幹部として自分自身の管理に努め 学んできたことを 実現できるように 錬度の向上を図ります 森 充 31歳 災害派遣で懸命に働く自衛官の頼もしい姿に心を打たれました 人 のために自分を活かせる仕事に就きたいと思い入隊しました 潜水艦 なるしおの乗務員として艦内の電機機器の保守整備が主な任務です ほかに士官室係として士官の食事の用意 艦内を良好な衛生状態に保 つ衛生管理の任務にも就いています 整備した機器が出航中に故障す ることなく 無事 基地に帰ってきた時にやり甲斐を感じます 艦内 は狭い空間です 潜水艦ならではの家族的な一体感とそれをも超える 絆が生まれ より頑張ろうという意識が高まります 日頃から努力を 重ね 周りから信頼される機関科電機員を目指します 海士長 潜水艦 なるしお 佐々木 諒 20歳 職 名 船務科 電子整備 採用種目 自衛官候補生 出 身 岩手県 国を守るという大きな使命を自覚し 責任のある仕事に就きたいと思 い志願しました 潜水艦なるしおの電子機器の整備 士官室係の任務に 就いています また出入港の際には 部員としても上甲に立ち 岸壁係 留作業をしています 潜水艦に乗務してから約半年になりますが 覚え ることが多く苦労の連続です 給養の方々が作ってくださる食事は栄養 バランスも良く 心を満たし鋭気を養ってくれます 自衛官になって目 標に向かって一生懸命に取り組めるようになり 任務に対して責任感を 持って行動できるようになりました １日でも早く一人前の潜水艦員に なり 誰からも信頼される自衛官になりたいと思います 9 DEFENSE WORLD 18
自衛官ってどんな人達 JAPAN AIR 航空自衛隊 S E DEFENSE FO LF RC E 航空自衛隊の役割 航空自衛隊の機能 航空自衛隊は 航空機などによる侵略に対して 主とし 航空自衛隊は 任務達成のために航空総隊 航空支援集 て空において行動し わが国の防衛にあたります 団 航空教育集団 航空開発集団 補給本部の 5 つのメジャー また 平時から警戒監視態勢をとり 侵略を未然に防止 コマンドに分かれています しています さらに 災害発生時の捜索救難などのほか このうち航空総隊が主たる防空機能を有しており 主な 国際平和協力活動においては 航空機による人員 物資 組織には 戦闘機部隊 警戒管制部隊 高射部隊 が 等の輸送を行います あります 防空 戦闘機部隊 F-2 F-15 F-4 警戒管制部隊 FPS-5 E-767 レーダーサイト AWACS 高射部隊 PAC-3 (ペトリオット) 10 DEFENSE WORLD 18
岐阜基地 飛行開発実験団 DW17から引用 第2補給処 3等空佐 空士長 飛行実験群飛行隊 業務部施設課 職 名 操縦幹部 採用種目 航空学生 出 身 岡山県 職 名 消防員 採用種目 自衛官候補生 出 身 岐阜県 影山 直人 37歳 砂山 晟吾 21歳 戦闘機 F-2 のテストパイロットとして 各種飛行試験を行うことで 機体や武器等の開発業務に携わっています 憧れていたパイロットとい う職務に就けて毎日が充実していますが ここまでたどり着くのに苦労 もありました 若手操縦者の頃は厳しい訓練についていくのが精一杯で した 自分はパイロットに向いていないのではないか 理想と現実のギ ャップに毎日のように悩んでいました そんな時 先輩から 身近なとこ ろに目標を設ければ前に進める とのアドバイスをもらい乗り越えられま した 今度はこれまでの経験を活かしながら 後輩パイロットの模範と なれるように頑張り続けたいです 中学生の頃から将来は消防の仕事に就きたいと思っていました 高校 3 年生の時に 自衛隊にも消防職があることを知りました 努力次第で その職種に就けると聞き 入隊を決意しました 現在は航空機救難およ び建物火災の対処を行っています 各務原市との協定による基地近傍の 火災対処をはじめ 市民の方の安全にも最善を尽くしています 入隊後 自衛隊独自の礼儀作法にとまどいましたが 先輩方の指導により身に付 けることができました この経験を後輩の育成につなげるとともに自身 ももっと成長することを意識しています 尊敬する上司に早く追いつける ように スキルアップしていきたいと思います 岐阜管制隊 第4高射群 空士長 1等空尉 管制班 整備補給隊 職 名 航空管制員 出 身 奈良県 職 名 整備管理班長 採用種目 一般幹部候補生 出 身 大阪府 新谷 ふみか 20歳 教師をはじめ 子どもにかかわれる仕事に関心を持っていました 調 べていく中で自衛隊の存在を知り 子どもを守る仕事がしたいと思い 志願しました 私の目標は技量や知識を身に付けて国家資格を取り 一人前の管制官になることです 訓練を続ける中で自分のできることが 増えていくことが嬉しく それがやり甲斐につながっています 自衛隊 では人との出会いも多く いろいろなことを学べます 特に教育隊で ともに汗を流した同期と強い絆を築けたことは私の宝です 今後も管 制官を目指して精進し 有事や災害時などで自衛隊が必要とされる時 に 人の役に立てる自衛官になりたいと思います 辻 修平 33歳 前職は公務員でした 当時活発化する中国の海洋進出 北朝鮮による 核ミサイル開発の脅威に国防の重要性を感じ その一翼を担いたいと の思いから入隊しました 職務は 侵攻する敵攻撃機や弾道ミサイル等 に対処する地対空誘導弾 ペトリオットシステム の維持 管理です 器材 の状況を管理 分析 把握すると共に 限られた整備員および部品の効 率的な配分を統制し 防空態勢に穴の出ないように努めています 最 近では 部隊として高射関連の競技大会に参加し 総合優勝できたこと は仕事へのモチベーションにつながっています 今後は将来的な計画 に携わりながら自らの視野の拡大に努めたいと思います 11 DEFENSE WORLD 18
第4航空団 ３等空佐 1等空曹 飛行群 第21飛行隊 整備補給群 修理隊 職 名 操縦幹部 採用種目 航空学生 出 身 神奈川県 職 名 救命装備品整備員 採用種目 曹候補士 出 身 埼玉県 坂本 正樹 39歳 父が民間航空会社の操縦士でした 父の影響もあり航空学生の制度を 知り 戦闘機の操縦士を目指し入隊しました 現職の前はF-2の操縦士で した 数々の経験を積み現在は戦闘機操縦課程の学生に操縦教育を行っ ています 飛行訓練では前後に座席のある複座型戦闘機の後部座席に乗 り込み指導をしています 育成した学生が全国で活躍することに充実感 があります 幹部として 健康と明るい心 を心がけています これは祖 母の口癖でした 明るい心があれば自ずと道は拓けます 教官操縦士と しての知識 技能をさらに身に付け 操縦士として 教育者として能力 を高め 組織の精強化に努めたいと思います 子どもの頃から戦闘機に興味があり 航空自衛隊に入隊しました 救命装備品整備員として 航空機の救命装備品の維持管理を行ってい ます 救命装備品はパイロットの命を守るもの パラシュート一つを たたむにも高い整備能力と集中力が求められます 整備したものが評 価されることに生き甲斐を感じます 私の任務は自衛隊に入隊しない と経験できなかったことで 日々の職務が自身の見聞を拡げてくれま す 入隊当初は体力面で苦労しましたが 訓練を重ねることで克服で きました 自衛官として必要な知識 技能の修得に努め 気力 体力 を維持し有事の際に必要な能力を保持していきたいと思います 3等空曹 空士長 団司令部 監理部 広報班 基地業務群 管理隊 職 名 基地防空操作員 出 身 群馬県 職 名 輸送員 出 身 岩手県 福島 雄介 33歳 制服を着て人のために働ける職業に憧れていました 広報班員とし て基地に見学に訪れた方に自衛隊の活動や基地についての説明を行っ ています 見学した方が満足し 理解を深めてもらえたと感じられる ことがやりがいになります 東日本大震災では最前線で災害支援活動 を行いました 自衛官になったからこそ災害時に 人の役に立つ 活動 ができたのだと思います 自衛官は昇任のための試験や体力測定があ り 勉強や体力維持に苦労をしますが努力が結果に結びつきます 基 地の近くに住んでいるので 間近に飛ぶ戦闘機に子どもは大喜びです 将来自衛官として一緒に仕事ができるといいなと思います 12 DEFENSE WORLD 18 佐々木 毅征 43歳 菊池 真理 24歳 民間企業に就職しましたが 自衛隊の存在意義や任務への憧れを 抱き入隊を決意しました 入隊当初は普通自動車の免許でさえ持っ ていませんでしたが 任務に必要な免許を取らせていただきました 輸送 を主務に本務操縦手 プロ として大型トラックなどの車両を 操縦し 人員や物品などを運んでいました 各地へ車両で移動する ため 知人も増えつながりが広がりました 現在は管理隊の総括班で 隊務運営の基盤となる各種庶務業務をしています 自衛隊では女性 が活躍できる環境が広がりつつあります そのため 私は率先して 男女共に 働きやすい環境の構築に貢献したいと思っています
松島基地 松島救難隊 ２等空尉 2等空曹 飛行班 飛行班 職 名 操縦幹部 採用種目 航空学生 出 身 長崎県 職 名 救難員 採用種目 一般2士 出 身 福岡県 澤田 拓磨 31歳 立山 哲也 36歳 幼い頃からパイロットになりたいと夢を抱き続け 航空学生として 入隊しました 入隊直後は 規律正しい生活に慣れるまで苦労しまし た 現在は 救難隊に所属し自衛隊機が遭難した際に備え救難待機に 着くほか 他の防災機関が対応できないような災害等が発生した際は 要請を受けて出動しています 日頃から他の隊員との関係を大切にし 働き甲斐のある職場環境づくりに心がけ 災害派遣等で出動した際に クルー一丸となって任務を完遂し 遭難者を無事に病院等へ搬送でき た時には充実感を感じます 今後も後輩隊員を育成し航空救難団の精 強化に努めたいと思います 父が航空自衛官でした 幼少の頃から航空祭などに連れて行っても らう機会も多く 将来は航空機に携わる仕事をしたいと思い入隊しま した 救難員として救難機に搭乗し 捜索 救助および救護を行って います 厳しい条件下での救助活動を強いられるため 日々の訓練で 体力および技量の向上を図っています 救難員としての任務を達成し た時や災害派遣等で感謝の言葉をいただいた時には自分のやっている ことは間違いではないと感じ さらに頑張らなければと意識が高まり ます 自衛隊の装備は日進月歩です それに合わせた技量や技術の向 上に努め 後輩育成にも力を注ぎたいと思います 松島気象隊 松島管制隊 3等空尉 空士長 予報班 整備班 職 名 気象幹部 採用種目 曹候補士 出 身 福島県 職 名 航空管制器材整備員 出 身 宮崎県 山縣 亜沙美 29歳 幼いころに松島基地の航空祭で見たブルーインパルスの展示飛行に 感動しました 航空自衛官だった母と兄から松島基地の隊員の方々が 日本の空を守っていると聞き 感銘を受け自衛官になりました 任務 遂行に必要な気象情報の提供と支援を行っています 無事に任務を終 えて帰投したパイロットから ありがとう と言われた時に 一連の流 れがこなせるようになったという充実感がありました 組織を良くす るためにも 自身の行動で組織や後輩のために貢献できることが何か ないかと日々追求しています 予報の精度を高めどこの基地に行って も重宝されるような気象幹部を目指したいと思います 池田 昂輝 20歳 新燃岳噴火の際 テレビを通して被災地で活躍する自衛官の姿を見て 災害派遣に興味をもち航空自衛隊に志願しました 航空管制器材の保守 整備が任務です 管制塔やレーダー室にある器材等を点検し 調整や部 品交換を行っています 任務を自分一人で遂行できた時は達成感があり やり甲斐になります 航空祭等で地域の方々と交流する機会があり 感 謝や激励の言葉をかけていただいた時に自衛官になって良かったと思い ました 自衛官になったことは自分を変えるきっかけにもなり 親の存 在の大切さを感じられるようになりました 今後は幹部自衛官を目指し 組織にも貢献できるように頑張ります 13 DEFENSE WORLD 18
自衛官になるには? 自衛隊の任務 自衛隊の主たる任務は わが国の平和と独立を守り わが国に対する侵略を未然に防止するとともに 万一侵略を受けた場合に これを排除することです 自衛官は 国の防衛 をはじめ 災害派遣 国際平和協力活動 等に携わります 自衛官とは防衛省 自衛隊に勤務する職員のほとんどが特別職国家公務員としての 自衛隊員 で 事務次官をはじめとする事務官 技官などいわゆる文官と 統合幕僚長を頂点とする陸 海 空自衛官からなっています 自衛隊員のうち 階級を有して 制服を着用し 武器を持って独立と平和を守ることを任務としているのが 自衛官 です 自衛官の人事制度の特色自衛官の人事の大きな特色として階級制度 若年定年制度 2 年または 3 年を任用期間とする 任期制 が採られています 自衛官の階級は上から 将 将補 1 3 佐 1 3 尉 准尉 曹長 1 3 曹 士長 1 2 士です 自衛官になるためのコース 防衛大学校や防衛医科大学校への入校 あるいは一般大学校を卒業して幹部候補生となって 将来の陸 海 空自衛隊の幹部自衛官になるためのコース 航空学生として海 空自衛隊の航空機パイロットになるためのコース 自衛隊の看護官になるためのコース 陸 海 空自衛隊の中堅の曹になるための一般曹候補生のコース 中学校卒業後 陸曹を目指す高等工科学校生徒のコース 自衛官候補生として入隊 3ケ月の教育修了後 1 年 9ケ月 ( 陸上自衛官 ) または 2 年 9ケ月 ( 海 空自衛官 ) の任期制自衛官になるコース 採用後の任用 幹部自衛官になるためのコース以外からも勤務実績や功労に基づく選考 または試験によって 上位の階級に昇任して幹部自衛官になる道が開かれています 能力と努力次第で さらに上を目指すチャンスが公平 平等に設けられています 各コースの内容とその将来 幹部自衛官を目指すコース幹部候補生 ( 一般 歯科 薬剤科 ) 一般大学卒業者等を対象とする幹部自衛官 ( パイロットを含む ) を養成します 採用とともに陸 海 空曹長に任命され 幹部候補生として約 1 年間の教育を受け 3 等陸 海 空尉 ( 院卒者試験の合格者は2 尉 ) に昇任します 自衛隊の指揮官を目指すコース 防衛大学校学生 将来 陸 海 空の幹部自衛官 ( パイロットを含む ) となる者を養成します 防衛大学校で4 年間の教育を受け 卒業後 陸 海 空自衛隊の幹部候補生として約 1 年間の教育および部隊実習を経て 3 等陸 海 空尉に昇任します 自衛隊の医師を目指すコース パイロットを目指すコース 防衛医科大学校学生医学科 将来 陸 海 空自衛隊で医官として勤務する幹部自衛官となる者を養成します 防衛医科大学校で 6 年間の教育を受け 第 6 学年時に国家試験を受験して 合格者には厚生労働大臣から医師免許が与えられ 幹部候補生として約 6 週間の教育を受けて 2 等陸 海 空尉に昇任します 自衛隊の看護師を目指すコース 航空学生 ( 海自 空自 ) 高校卒業者等を対象に 将来の海上 航空自衛隊のパイロット 戦術航空士 ( 海上自衛隊 ) を養成します 採用後約 6 年で3 等海 空尉に昇任します 技術を身につけ陸曹を目指すコース 防衛医科大学校学生看護学科 ( 自衛官候補看護学生 ) 将来 陸 海 空自衛隊の病院 部隊等で看護官として勤務する幹部自衛官となる者を養成します 防衛医科大学校で 4 年間の教育を受け 国家試験を受験して 合格者には厚生労働大臣から看護師免許が与えられ 幹部候補生として教育を受け幹部自衛官となります 高等工科学校生徒 ( 陸自 ) 中学校卒業者を対象に 技術関係の職務に従事する陸曹となるための知識 技能を教育します 課程 (3 年 ) 修了時 陸士長に任用され 生徒陸曹候補生課程を経て3 等陸曹になります 生徒教育修了時には高等学校卒業と同等の学力を身につけ 高等学校卒業の資格を取得できます 将来は幹部自衛官への道も開かれています 14 DEFENSE WORLD 18