問題 1 1 問題 1 1 納税義務者 相続税の納税義務者及び課税財産の範囲 課税価格 1 納税義務者 ⑴ 次に掲げる者は 相続税を納める義務がある 1 居住無制限納税義務者 ( 法 1 の 3 1 一 ) 相続又は遺贈により財産を取得した個人でその財産を取得した時において法施行地に住所を有するもの

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5 適用手続 ⑴ 相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は 贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に 相続時精算課税選択届出書 ( 贈与者ごとに作成が必要 ) を贈与税の申告書に添付して 納税地の所轄税務署長に提出する ( 相法 21の92) なお 提出された当該届出書は撤回することができない

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( 相続時精算課税適用者の死亡後に特定贈与者が死亡した場合 ) (6) 相続時精算課税適用者 ( 相続税法第 21 条の9 第 5 項に規定する 相続時精算課税適用者 をいう 以下 (6) において同じ ) の死亡後に当該相続時精算課税適用者に係る特定贈与者 ( 同条第 5 項に規定する 特定贈与者

問 1 ( 続き ) ⑵ 債務の意義 1 控除すべき債務 (➋ 点 ) ⑴ により控除すべき債務は 確実と認められるものに限る 2 公租公課の金額 (➍ 点 ) ⑴ により控除すべき公租公課の額は 被相続人の死亡の際納税義務が確定しているもののほか 被相続人の死亡後 相続税の納税義務者が納付し 又は

き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

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コピー又は web からダウンロードしてご使用ください 答案用紙 Chapter1 問題 1 個人とみなされる納税義務者 Ⅰ 相続人及び受遺者の相続税の課税価格の計算 1 遺贈財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 取得者財産の種類計算過程金額 2 生前贈与加算される贈与財産の額の計算 ( 単位 :

2. 改正の趣旨 背景 国内に住所を有しないことにより相続税 贈与税の課税を免れる租税回避行為を抑制するため 平成 12 年度改正 ( 相続人 受贈者の国籍による納税義務判定の導入 ) 平成 25 年度改正 ( 相続人 受贈者が日本国籍なしの場合の課税強化 ) が行われてきた 平成 29 年度改正で

2 税額控除等の計算 ( 単位 : 円 ) 項目対象者計算過程金額 答案用紙 Chapter2 問題 3 課税価格の計算 Ⅰ 相続人及び受遺者の相続税の課税価格の計算 1 分割財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 2 みなし取得財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 取得者財産の種類計算過程金額

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叔父から財産の贈与(1~3) を受けた場合 1/1 12/31 2/1 3/15 相選養続択与子贈時届贈精出縁与算書与 1組課提2 税出3 暦年課税相続時精算課税 養子縁組前の贈与 1については 暦年課税により贈与税額を計算し 養子縁組以後の贈与 2 及び 3は 相続時精算課税により贈与税額を計算し

所令要綱

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用語の意義 この FAQ において使用している用語の意義は 次のとおりです 用語 意義 所得税法 ( 所法 ) 所得税法 ( 昭和 40 年法律第 33 号 ) をいいます 所得税法施行令 ( 所令 ) 所得税法施行令 ( 昭和 40 年政令第 96 号 ) をいいます 改正所令 所得税法施行令の一

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時価で譲渡したものとみなされ所得税が課税され かつ その所得税は相続税の課税価格の計算上被相続人の債務として控除されていることにより 所得税と相続税の負担の調整は済んでいますので この特例の適用は受けられません 2 取得費に加算される金額平成 26 年度の改正前は 相続財産である土地等の一部を譲渡し

(2) みなし相続財産ものか13 第1 章12 2 課税される 相続財産 の範囲 海外にある財産も課税対象となる 贈与税の暦年課税適用財産も 3 年以内は課税対象となる 葬式費用 墓地や墓碑 仏壇 仏具等は非課税 相続税の課税対象となる相続財産は (1) 被相続人が亡くなったときに所有していた財産

[2] 税率構造の見直し 相続税の税率構造が現行の6 段階から8 段階に変更されるとともに 最高税率が 50% から 55% に引き上げられることとなりました ただし 各法定相続人の取得金額が2 億円以下の場合の税率は と変わりありません この改正は 平成 27 年 1 月 1 日以後に相続または遺

~ 改正の変遷 ~ (1) 平成 12 年度改正前相続人 受贈者がの場合には 国内財産のみ課税 (2) 平成 12 年度改正後 平成 25 年度改正前平成 12 年度改正 : 相続人 受贈者について国籍主義を導入 H12 年度改正 : 国内財産 国外財産ともに課税 相続人 受贈者 相続人 受贈者 被

住宅取得等資金贈与の非課税特例 教育資金一括贈与の非課税特例 結婚 子育て資金贈与の非課税特例 相続時精算課税制度 贈与者 贈与年の 1 月 1 日現在で 60 歳以上の父母または祖父母 受贈者 贈与者の直系卑属 ( 子 孫 ひ孫等 ) で贈与の年の 1 月 1 日現在 20 歳以上 受贈年の合計所

<TAC> 無断複写 複製を禁じます ( 税 18) 相上 (8)C10-1 相続税法 上級 演習 8 テキスト 2 第 8 回 - 解答 点 - 第一問 問 1 持分の定めのない法人に対し財産の贈与又は遺贈があった場合において 税負担の不当減少を防 止

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

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税制改正を踏まえた生前贈与方法の検討<訂正版>

税法入門コース 相続税 学習スケジュール 回数学習テーマ内容 第 1 回 第 2 回 第 3 回 第 4 回 第 4 回 第 1 章 第 2 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 4 章 第 5 章 テーマ 1 相続税 贈与税とは? テーマ 2 用語の説明 テーマ 1 相続人となれる人は? テ

理     論     編

2 制限納税義務者及び相続開始の時において相続税法の施行地に住所を有しない特定納税義務者 ( 法 32 2の52 令 5の4)7 相続又は遺贈により財産を取得した者が制限納税義務者又は特定納税義務者 ( 相続開始の時において法施行地に住所を有しない者に限る ) である場合においては その相続又は遺贈

4.住宅取得等資金の非課税の適用を受ける場合編

Microsoft Word - 第67号 来年からの贈与税改正と相続時精算課税を選択する際の注意点

特別障害者一人につき 75 万円を所得から控除することができます 障害者控除は 扶養控除の適用がない16 歳未満の扶養親族を有する場合においても適用されます ⑶ 心身障害者扶養共済掛金の控除 P128 条例の規定により地方公共団体が実施するいわゆる心身障害者扶養共済制度による契約で一定の要件を備えて

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 法定相続人の数と基礎控除法定相続人の数と基礎控除 法定相続人の数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 60,000 千円 70,000 千円 80,000 千円 90,000 千円 100,000 千円 36,000

5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申

2015 年 1 月いよいよ施行! 相続税増税の影響と対策 Part 1 相続税はどう変わる? 影響は? Part 2 相続税の負担を軽減するには?

3.相続時精算課税の適用を受ける場合編

2011年税制改正のポイント

テキスト編 第 1 章相続税 贈与税とはなにか 目次 1 相続税が課税される理由 1 2 どれくらいの遺産がある場合 相続税は課税されるか 2 3 贈与税が課税される理由 3 4 相続税と贈与税の関係 4 第 2 章相続人と相続分 1 相続人と相続順位 5 2 相続の承認と放棄 14 3 相続人の相

1.一般の贈与の場合(暦年課税)編

目 次 最近における相続税の課税割合 負担割合及び税収の推移 1 地価公示価格指数と基礎控除(58 年 =100) の推移 2 最近における相続税の税率構造の推移 3 小規模宅地等の課税の特例の推移 4 相続税負担の推移( 東京都区部のケース ) 5 ( 補足資料 ) 相続税の概要 6 相続税の仕組

4.住宅取得等資金の非課税の適用を受ける場合編

1. 相続税 (1) 基礎控除額の引き下げ 1) 改正の趣旨現在 ( ) の相続税の仕組みは 下図の通りです すなわち 合計課税価格から 基礎控除額を除いた課税遺産総額が相続税の計算の対象となるため 合計課税価格が基礎控除額の範囲内である場合には 相続税が課税されません その結果として 現状の相続税

平成19年12月○日

このうち 申告納税額がある方 ( 納税人員 ) は640 万 8 千人で は41 兆 4,298 億円 申告納税額は3 兆 2,037 億円となっており 平成 28 年分と比較すると 人数 (+0.6%) (+ 3.4%) 及び申告納税額 (+4.6%) はいずれも増加しました 所得者区分別の状況イ

3.相続時精算課税の適用を受ける場合編

(2) 父母 ( 祖父母 ) から子 ( 孫 ) への住宅取得等資金の贈不 父母 ( 祖父母 ) など直系尊属から その子 ( 孫 ) へ居住用の家屋の新築 取得または増改築のための金銭 ( 住宅取得等資金 ) を贈不した場合 表の通りの金額について贈不税が非課税となります また 贈不税の基礎控除

2. 二世帯住宅と特定居住用宅地等 [1] 区分所有なし : 外階段 / 親族が取得する場合 Q. 被相続人 A が所有する宅地の上に A の所有する建物があり 1 階に A が居住し 2 階に子 B とその家族が居住しています ( 建物内部では行き来ができない構造 ) A と B は別生計です こ

の範囲は 築 20 年以内の非耐火建築物及び築 25 年以内の耐火建築物 ((2) については築 25 年以内の既存住宅 ) のほか 建築基準法施行令 ( 昭和二十五年政令第三百三十八号 ) 第三章及び第五章の四の規定又は地震に対する安全上耐震関係規定に準ずるものとして定める基準に適合する一定の既存

(2) 課税状況の累年比較 申告状況 課税価格相続税額税額控除被相続人の数相続人の数金額人千円千円千円人 平成 24 年 平成 25 年 平成 26 年 平成 27 年 8, ,371,256 50,659,924 15,868

海外財産の相続 : 事例研究 ~ 米国の財産の相続手続き ( 第 4 回 ) 三輪壮一氏三菱 UFJ 信託銀行株式会社リテール受託業務部海外相続相談グループ米国税理士 これまで 海外に財産を保有する場合の 海外相続リスク の存在 特にプロベイト手続き等の相続手続きの煩雑さについて 米国の例を基に説明

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

souzoku

国外転出時課税制度(出国税)の導入

2018年度改正 相続税・贈与税外国人納税義務の見直し

3.相続時精算課税の適用を受ける場合編

Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

第 5 章 N

2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

2011年度税制改正大綱(相続・贈与税)

野村資本市場研究所|顕著に現れた相続税制改正の影響-課税対象者は8割増、課税割合は過去最高の8%へ-(PDF)

措置法第 69 条の 4(( 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 )) 関係 ( 被相続人等の居住の用に供されていた宅地等の範囲 ) 69 の 4-7 措置法第 69 条の 4 第 1 項に規定する被相続人等の居住の用に供されていた宅地等 ( 以下 69 の 4-8 までにおいて 居

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

2. 改正の趣旨 背景 (1) 問題となっていたケース < 親族図 > 前提条件 1. 父 母 ( 死亡 ) 父の財産 :50 億円 ( すべて現金 ) 財産は 父 子 孫の順に相続する ( 各相続時の法定相続人は 1 名 ) 2. 子 子の妻 ( 死亡 ) 父及び子の相続における相次相続控除は考慮

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

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法人税 結婚 子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設教育資金贈与の見直し非上場株式等に係る贈与税 相続税の納税猶予制度の見直し法人税率の引き下げについて 個人 (20 歳以上 50 歳未満の者に限る 以下 受贈者 という ) の結婚 子育て資金の支払に充てるためにその直系尊属 ( 以下

税金読本(13-1)贈与税と二つの課税方法

経 ViewPoint 営相談 相続時における小規模宅地等の特例の改正 谷口敬三相談部東京相談室 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 ( 以下 小規模宅地等の特例 ) は 一定の要件を満たす宅地等 ( 特定事業用等宅地等 特定居住用宅地等 貸付事業用宅地等 ) につ

目次 特例措置の概要等... 5 ( 問 1) 非上場株式等についての相続税 贈与税の納税猶予及び免除に係る一般措置と特例措置との違い... 5 ( 問 2) 相続開始後の特例承継計画の提出... 8 ( 問 3) 特例措置の対象となる株式等の種類... 9 ( 問 4) 特例措置における雇用確保要

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暦年課税の贈与を毎年する人のデータ 暦年課税の贈与は 現金を贈与するのか不動産を贈与するのかで違ってきます 土地は路線価方式または倍率方式で評価し建物は固定資産税評価額で評価しますので 現金での贈与の場合よりも税率は低くなります ただし不動産の贈与では 土地や建物の贈与または共有持分の贈与になります

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て 次に掲げる要件が定められているものに限る 以下この条において 特定新株予約権等 という ) を当該契約に従つて行使することにより当該特定新株予約権等に係る株式の取得をした場合には 当該株式の取得に係る経済的利益については 所得税を課さない ただし 当該取締役等又は権利承継相続人 ( 以下この項及

である 12 遺留分とは 遺言の内容にかかわらず一定の相続人が確実に受け取ることができる一定の 割合のことである 直系尊属のみが相続人である場合は 被相続人の財産の 1/3 その 他の場合には 被相続人の財産の 1/2 である ただし 兄弟姉妹には遺留分はない 13 相続の放棄は 被相続人の生前に行



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の規定により支給を受ける年金を含む ) 上記の追加された改正は 平成 27 年 10 月 1 日以後に支給を受ける一時金又は年金に係る相続税について適用される ( 相続税法施行令の一部を改正する政令 ( 平成 26 年政令第 140 号附則 2)) が 平成 27 年 10 月 1 日前に退職共済年

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

はじめに 1946 年 ( 昭和 21 年 )11 月 3 日に公布され 翌年 月 3 日 ( 憲法記念日 ) に施行された日本国憲法には 国民の義務として 納税の義務 が そして財政に関して 租税法律主義 が規定されています 文章を眺めてみると法律によって定められた租税を納める義務が規定され この

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第66回税理士試験 相続税法 解説

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第68回税理士試験 消費税法 模範解答(理論)

( 外国 ) 同上 ケース ( ) 相続人が取得した全 2 財産に対して課税 ( 外国 ) 国内財産に対しての み課税 ケース ( ) 相続人が取得した全 3 財産に対して課税 ( 外国 ) 同上 ( 平成 25 年度税制改正より ) ケース ( ) 被相続人 相続人いず 4 れも 5 年超居住の場

未成年者控除 障害者控除の見直し 未成年者控除 障害者控除 6 万円 20 歳に達するまでの年数 6 万円 ( 特別障害者 :12 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 10 万円 20 歳に達するまでの年数 10 万円 ( 特別障害者 :20 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 小規模宅地等につ

Z-64-A 簿記論〔第一問〕-解 答-

(3) 年金所得者公的年金等の収入金額が400 万円以下であり かつ その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる場合において公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20 万円以下である場合には 確定申告の必要はありません また 上記 (2) 又は (3) に該当する方であっても 医療費控除や住宅借入金

スライド 1

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問題 1 1 問題 1 1 納税義務者 相続税の納税義務者及び課税財産の範囲 課税価格 1 納税義務者 ⑴ 次に掲げる者は 相続税を納める義務がある 1 居住無制限納税義務者 ( 法 1 の 3 1 一 ) 相続又は遺贈により財産を取得した個人でその財産を取得した時において法施行地に住所を有するもの 2 非居住無制限納税義務者 ( 法 1 の 3 1 二 ) 相続又は遺贈により財産を取得した次に掲げる者であって その財産を取得した時において法施行地に住所を有しないものイ日本国籍を有する個人 ( その個人又は被相続人がその相続開始前 5 年以内のいずれかの時において法施行地に住所を有していたことがある場合に限る ) ロ日本国籍を有しない個人 ( 被相続人がその相続開始時において法施行地に住所を有していた場合に限る ) 3 制限納税義務者 ( 法 1 の 3 1 三 ) 相続又は遺贈により法施行地にある財産を取得した個人でその財産を取得した時において法施行地に住所を有しないもの (2を除く ) 4 特定納税義務者 ( 法 1 の 3 1 四 ) 贈与により相続時精算課税の規定の適用を受ける財産を取得した個人 (123を除く ) ⑵ 所得税法に規定する国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予又は贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予の規定の適用がある場合における⑴2イの適用については 次に定めるところによる 1 国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予に係る期限の延長を受ける個人が死亡した場合には その個人の死亡に係る相続税の⑴2イの規定の適用については その個人は その個人の死亡に係る相続の開始前 5 年以内のいずれかの時において法施行地に住所を有していたものとみなす -28-

2 贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場義務者問題 1 1 1合の納税猶予 ( その納税猶予に係る期限の延長を受ける場合を含む 以下同じ ) の規定の適用を受ける者からその贈与により財産を取得した者 ( 以下 受贈者 という ) が死亡した場合には その受贈者の死亡に係る相続税の⑴2イの規定の適用については その受贈者は その受贈者の死亡に係る相続の開始前 5 年以内のいずれかの時において法施行地に住所を有していたものとみなす ただし その受贈者がその贈与前 5 年以内のいずれの時においても法施行地に住所を有していたことがない場合には この限りでない 3 贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予の適用を受ける相続人 ( 包括受遺者を含む 以下同じ ) が死亡した場合には その相続に係る相続税の⑴2イの規定の適用については その死亡した相続人は その相続の開始前 5 年以内のいずれかの時において法施行地に住所を有していたものとみなす ただし その死亡した相続人がその所得税法の特例に係る相続の開始前 5 年以内のいずれの時においても法施行地に住所を有していたことがない場合には この限りでない 納税 2 課税財産の範囲 課税価格 ⑴ 無制限納税義務者 ( 法 2 1 11の 2 1) 居住無制限納税義務者又は非居住無制限納税義務者に該当する者については その者が相続又は遺贈により取得した財産の全部に対し相続税を課し その相続又は遺贈により取得した財産の価額の合計額をもって 相続税の課税価格とする ⑵ 制限納税義務者 ( 法 2 2 11の 2 2) 制限納税義務者に該当する者については その者が相続又は遺贈により取得した財産で法施行地にあるものに対し相続税を課し その相続又は遺贈により取得した財産で法施行地にあるものの価額の合計額をもって 相続税の課税価格とする ⑶ 特定納税義務者 ( 法 21の161 3) 特定贈与者から相続又は遺贈により財産を取得しなかった相続時精算課税適用者については 相続時精算課税適用財産を特定贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなして相続税の計算規定を適用する この場合において 相続税の課税価格に算入すべき相続時精算課税適用財産の価額は その贈与の時における価額による -29-

問題 1 1 要旨 1 納税義務者結論次に掲げる者は 相続税を納める義務がある 5 ⑴1 居住無制限納税義務者 対象者 相続又は遺贈により財産を取得した個人 時点 財産を取得した時 住所 法施行地に住所を有するもの 2 非居住無制限納税義務者 相続又は遺贈により財産を取得した次に掲対象者げる者時点 日本国籍を有する個人 イその個人又は被相続人がその相続開始前 5 年以内のいずれかの時において法施行地に住所を有していたことがある場合に限る日本国籍を有しない個人 ロ被相続人がその相続開始時において法施行地に住所を有していた場合に限る財産を取得した時 住所法施行地に住所を有しないもの 3 制限納税義務者 内容解説 1 対象者時点住所 ( 除外 ) 相続又は遺贈により法施行地にある財産を取得した個人財産を取得した時法施行地に住所を有しないもの 2を除く 4 特定納税義務者 内容解説 2 3 対象者贈与により相続時精算課税の規定の適用を受ける財産を取得した個人 ( 除外 ) 123を除く --

納税義務者5 問題 1 1 1内容解説 1 1 ⑴3 制限納税義務者の ( ) 書き 条文上では 法施行地にある財産を取得した者が法施行地に住所を有しない場合に ( ) 書きにより非居住無制限納税義務者に該当する者を除き 制限納税義務者に該当することとされている なお ( ) 書きにより制限納税義務者から除かれる非居住無制限納税義務者とは 被相続人の住所 : 日本 取得者の住所 : 外国 ( 下記 ⑴の表を参照 ) であるもの 被相続人及び取得者の住所 : 外国 取得者の国籍 : 日本 ( 下記 ⑵の表を参照 ) であるものとなる ⑴ 被相続人の相続開始時の住所が法施行地にある場合 住所 国籍 納税義務者の区分 課税財産 日本 居住無制限納税義務者 全財産課税 ( 国内 国外両方 ) 外国 日本 非居住無制限納税義務者 全財産課税 ( 国内 国外両方 ) 外国 外国 非居住無制限納税義務者 全財産課税 ( 国内 国外両方 ) 被相続人の相続開始時の住所が法施行地にある場合には 居住無制限納税義務者 又は 非居住無制限納税義務者 のいずれかで納税義務を判定することとなる ( 制限納税義務者として判定することはない ) ⑵ 被相続人の相続開始時の住所が法施行地外にある場合 住所 国籍 納税義務者の区分 課税財産 日本 居住無制限納税義務者 全財産課税 ( 国内 国外両方 ) 外国 日本 全財産課税非居住無制限納税義務者 ( 注 ) ( 国内 国外両方 ) 外国 外国 制限納税義務者 国内財産課税 ( 注 ) その個人又は被相続人が相続開始前 5 年以内のいずれかの時において法施行地に住所を有していた場合に限る 非居住無制限納税義務者の ( 注 ) 書きに該当しない場合は 制限納税義務者となり国内財産のみ課税される 取得者の住所 : 外国 制限納税義務者 被相続人の住所 : 日本又は取得者の国籍 : 日本 非居住無制限納税義務者 非居住無制限納税義務者を除く -31-

問題 1 1 5 2 1 ⑴4 特定納税義務者相続又は遺贈により財産を取得していない者は 本来相続税を納める義務はないが 相続時精算課税の規定の適用を受ける財産を贈与により取得した場合には 相続税の納税義務者となる 贈与相続 相続時精算課税相続又は遺贈による取得なし 相続税課税 3 1 ⑴4 特定納税義務者の ( ) 書き相続時精算課税に係る贈与甲 ( 特定贈与者 ) A 特定納税義務者相続又は遺贈による取得なし相続時精算課税に係る贈与 1 ⑴1から3の区分に甲 ( 特定贈与者 ) A 相続又は遺贈による取得ありよる納税義務者 4. 1 ⑴2イ非居住無制限納税義務者の判定 ( 日本国籍を有する場合 ) 平成 27 年 7 月 1 日以後 相続又は遺贈により財産を取得した場合に適用される 1 ⑵1のケース ( 注 ) 甲国外転出 国内国外 個人甲 ( 被相続人 ) ( 注 ) 所得税法の取扱い 1 億円以上の有価証券等を所有している居住者 ( 甲 ) が国外転出した場合には 国外転出時にその居住者 ( 甲 ) がその有価証券等を譲渡したものとみなして所得税が課される その際 居住者 ( 甲 ) は一定の要件により所得税の納税猶予の適用を受けることができる ( 国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予 ) -32-

納税義務者5 問題 1 1 1 1 ⑵2 のケース ( 注 ) 丙贈与 国内国外 受贈者甲 ( 被相続人 ) ( 注 ) 所得税法の取扱い 1 億円以上の有価証券等を所有している居住者 ( 丙 ) が国外の親族等にその有価証券等を贈与した場合には 贈与時にその居住者 ( 丙 ) がその有価証券等を譲渡したものとみなして所得税が課される その際 居住者 ( 丙 ) は一定の要件により所得税の納税猶予の適用を受けることができる ( 贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予 ) 1 ⑵3 のケース 国内国外 丙 相続又は遺贈 ( 注 ) 相続人甲 ( 被相続人 ) ( 注 ) 所得税法の取扱い 1 億円以上の有価証券等を所有している居住者 ( 丙 ) が死亡し 国外の相続人等が相続又は遺贈によりその有価証券等を取得した場合には 相続時にその居住者 ( 丙 ) がその有価証券等を譲渡したものとみなして所得税が課される その際 非居住者 ( 相続人甲 ) は一定の要件により居住者 ( 丙 ) に係る所得税の納税猶予の適用を受けることができる ( 贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予 ) 要旨 2 課税財産の範囲 課税価格 ⑴ 無制限納税義務者対象者居住無制限納税義務者又は非居住無制限納税義務者課税財産の範囲相続又は遺贈により取得した財産の全部課税価格相続又は遺贈により取得した財産の価額の合計額 -33-

問題 1 1 ⑵ 制限納税義務者 5 対 象 者 制限納税義務者 課税財産の範囲 相続又は遺贈により取得した財産で法施行地にあるもの 課 税 価 格 相続又は遺贈により取得した財産で法施行地にあるものの価額の合計額 ⑶ 特定納税義務者 特定贈与者から相続又は遺贈により財産を取得しなかった相続時精算対象者課税適用者対象財産相続時精算課税適用財産相続又は遺贈により取得したものとみなして相続税の計算規定を適用取扱いする価額贈与の時における価額理論チェック < 問題 > 次の場合の納税義務者の区分を答えなさい ⑴ A( 住所 : 日本 国籍 : 米国 ) は 被相続人甲 ( 住所 : 日本 ) から相続により在外財産を取得した ⑵ 相続時精算課税適用者であるB( 住所 : 米国 国籍 : 米国 ) は 被相続人甲 ( 住所 : 米国 ) から遺贈により在外財産のみを取得した ⑶ 相続時精算課税適用者である C( 住所 : 米国 国籍 : 日本 ) は 被相続人甲 ( 住所 : 日本 ) から遺贈により在外財産を取得した < 解答 > ⑴ 相続税の居住無制限納税義務者 ⑵ 特定納税義務者 Bの住所 国籍がともに外国であり かつ 被相続人甲の住所が外国であるため 非居住無制限納税義務者には該当しない また Bが遺贈により取得した財産が在外財産であるため 相続税の制限納税義務者には該当しない ただし 相続時精算課税適用者であるため 特定納税義務者として相続税を納める義務がある ⑶ 相続税の非居住無制限納税義務者過去試験問題昭和 56 年度 ( 第 31 回 ) 1 省略 2 相続又は遺贈により相続税法の施行地にある財産を取得した個人で 当該財産を取得した時において同法の施行地に住所を有しないものである場合の相続税の課税価格について説明しなさい -34-

納税義務者5 問題 1 1 1主な関連理論相続税の納税義務者の区分によって 取扱いが異なる主なものは次のとおりである 問題 3 7 相続税の債務控除 問題 4 5 未成年者控除及び障害者控除 問題 6 3 相続税法の納税地 --

問題 1 2 問題 1 2 納税義務者 贈与税の納税義務者及び課税財産の範囲 課税価格 1 納税義務者 ⑴ 次に掲げる者は 贈与税を納める義務がある 1 居住無制限納税義務者 ( 法 1 の 4 1 一 ) 贈与により財産を取得した個人でその財産を取得した時において法施行地に住所を有するもの 2 非居住無制限納税義務者 ( 法 1 の 4 1 二 ) 贈与により財産を取得した次に掲げる者であって その財産を取得した時において法施行地に住所を有しないものイ日本国籍を有する個人 ( その個人又は贈与者がその贈与前 5 年以内のいずれかの時において法施行地に住所を有していたことがある場合に限る ) ロ日本国籍を有しない個人 ( 贈与者がその贈与時において法施行地に住所を有していた場合に限る ) 3 制限納税義務者 ( 法 1 の 4 1 三 ) 贈与により法施行地にある財産を取得した個人でその財産を取得した時において法施行地に住所を有しないもの (2を除く ) ⑵ 所得税法に規定する国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予又は贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予の規定の適用がある場合における⑴2イの適用については 次に定めるところによる 1 国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予に係る期限の延長を受ける個人が財産の贈与をした場合には その贈与に係る贈与税の⑴2イの規定の適用については その個人は その贈与前 5 年以内のいずれかの時において法施行地に住所を有していたものとみなす -36-

2 贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場義務者問題 1 2 1合の納税猶予 ( その納税猶予に係る期限の延長を受ける場合を含む 以下同じ ) の規定の適用を受ける者からその贈与により財産を取得した者 ( 以下 受贈者 という ) が財産の贈与をした場合には その贈与に係る贈与税の⑴2イの規定の適用については その受贈者は その贈与前 5 年以内のいずれかの時において法施行地に住所を有していたものとみなす ただし その受贈者がその所得税法の特例に係る贈与前 5 年以内のいずれの時においても法施行地に住所を有していたことがない場合には この限りでない 3 贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予の適用を受ける相続人 ( 包括受遺者を含む 以下同じ ) が財産の贈与をした場合には その贈与に係る贈与税の⑴2イの規定の適用については その贈与をした相続人は その贈与前 5 年以内のいずれかの時において法施行地に住所を有していたものとみなす ただし その贈与をした相続人がその所得税法の特例に係る相続の開始前 5 年以内のいずれの時においても法施行地に住所を有していたことがない場合には この限りでない 納税 2 課税財産の範囲 課税価格 ⑴ 無制限納税義務者 ( 法 2 の 2 1 21の 2 1) 居住無制限納税義務者又は非居住無制限納税義務者に該当する者については その者が贈与により取得した財産の全部に対し贈与税を課し その年中において贈与により取得した財産の価額の合計額をもって 贈与税の課税価格とする ⑵ 制限納税義務者 ( 法 2 の 2 2 21の 2 2) 制限納税義務者に該当する者については その者が贈与により取得した財産で法施行地にあるものに対し贈与税を課し その年中において贈与により取得した財産で法施行地にあるものの価額の合計額をもって 贈与税の課税価格とする ⑶ 年の中途において課税財産の範囲が異なることとなった場合 ( 法 21の 2 3) 贈与により財産を取得した者がその年中における贈与による財産の取得について無制限納税義務者及び制限納税義務者に該当する場合には それぞれ⑴ 及び⑵の区分に従って 贈与税の課税価格を計算する ⑷ 相続開始の年において被相続人から贈与を受けた場合 ( 法 21の 2 4) 相続又は遺贈により財産を取得した者が相続開始の年においてその相続に係る被相続人から受けた贈与により取得した財産の価額で生前贈与加算の規定により相続税の課税価格に加算されるものは 贈与税の課税価格に算入しない -37-

問題 1 2 要旨 1 納税義務者結論次に掲げる者は 贈与税を納める義務がある 5 ⑴1 居住無制限納税義務者 対象者 贈与により財産を取得した個人 時点 財産を取得した時 住所 法施行地に住所を有するもの 2 非居住無制限納税義務者 贈与により財産を取得した次に掲対象者げる者時点 日本国籍を有する個人 イその個人又は贈与者がその贈与前 5 年以内のいずれかの時において法施行地に住所を有していたことがある場合に限る日本国籍を有しない個人 ロ贈与者がその贈与時において法施行地に住所を有していた場合に限る財産を取得した時 住所法施行地に住所を有しないもの 3 制限納税義務者 対象者時点住所 ( 除外 ) 贈与により法施行地にある財産を取得した個人財産を取得した時法施行地に住所を有しないもの 2を除く 贈与税の納税義務者には 特定納税義務者の概念がない -38-

納税義務者5 問題 1 2 1 2 課税財産の範囲 課税価格 ⑴ 無制限納税義務者対象者居住無制限納税義務者又は非居住無制限納税義務者課税財産の範囲その者が贈与により取得した財産の全部課税価格その年中において贈与により取得した財産の価額の合計額 ⑵ 制限納税義務者 対 象 者 制限納税義務者 課税財産の範囲 その者が贈与により取得した財産で法施行地にあるもの 課 税 価 格 その年中において贈与により取得した財産で法施行地にあるものの価額の合計額 ⑶ 年の中途において課税財産の範囲が異なることとなった場合 内容解説 1 対象者 贈与により財産を取得した者 状 況 その年中における贈与による財産の取得について 無制限納税義務者及び制限納税義務者に該当する場合 それぞれ 課税価格 ⑴の区分 ⑵の区分 に従って 結 論 贈与税の課税価格を計算する 暦年単位課税のため ⑷ 相続開始の年において被相続人から贈与を受けた場合 内容解説 3 問題 3 3 1 ⑻と同様の内容 対象者状況 1 状況 2 結論 相続又は遺贈により財産を取得した者相続開始の年においてその相続に係る被相続人から受けた贈与により取得した財産の価額生前贈与加算の規定により相続税の課税価格に加算されるもの 理論問題 4 3 1 贈与税の課税価格に算入しない= 非課税 -39-

問題 1 2 内容解説 1 年の中途において課税財産の範囲が異なることとなった場合 <ケース 1 > 5 居住無制限納税義務者に該当する期間 制限納税義務者に該当する期間 贈与により取得した財産の価額贈与により取得した財産で法施行地にあるものの価額 合計額をもって贈与税の課税価格とする < ケース 2 > 非居住無制限納税義務者に該当する期間 制限納税義務者に該当する期間 贈与により取得した財産の価額贈与により取得した財産で法施行地にあるものの価額 合計額をもって贈与税の課税価格とする 2. 1 ⑴2 イ非居住無制限納税義務者の判定 ( 日本国籍を有する場合 ) 平成 27 年 7 月 1 日以後 贈与により財産を取得した場合に適用される 1 ⑵1 のケース 国内国外 ( 注 ) 甲国外転出 個人甲 ( 贈与者 ) ( 注 ) 所得税法の取扱い 1 億円以上の有価証券等を所有している居住者 ( 甲 ) が国外転出した場合には 国外転出時にその居住者 ( 甲 ) がその有価証券等を譲渡したものとみなして所得税が課される その際 居住者 ( 甲 ) は一定の要件により所得税の納税猶予の適用を受けることができる ( 国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予 ) -40-

納税義務者5 問題 1 2 1 1 ⑵2 のケース ( 注 ) 丙贈与 国内国外 受贈者甲 ( 贈与者 ) ( 注 ) 所得税法の取扱い 1 億円以上の有価証券等を所有している居住者 ( 丙 ) が国外の親族等にその有価証券等を贈与した場合には 贈与時にその居住者 ( 丙 ) がその有価証券等を譲渡したものとみなして所得税が課される その際 居住者 ( 丙 ) は一定の要件により所得税の納税猶予の適用を受けることができる ( 贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予 ) 1 ⑵3 のケース 国内国外 丙 相続又は遺贈 ( 注 ) 相続人甲 ( 贈与者 ) ( 注 ) 所得税法の取扱い 1 億円以上の有価証券等を所有している居住者 ( 丙 ) が死亡し 国外の相続人等が相続又は遺贈によりその有価証券等を取得した場合には 相続時にその居住者 ( 丙 ) がその有価証券等を譲渡したものとみなして所得税が課される その際 非居住者 ( 相続人甲 ) は一定の要件により居住者 ( 丙 ) に係る所得税の納税猶予の適用を受けることができる ( 贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予 ) 3 相続開始の年において被相続人から贈与を受けた場合 1 1 甲以外からの贈与 甲からの贈与 甲以外からの贈与 甲死亡 12 31 生前贈与加算 甲からの贈与は贈与税の課税価格に算入しない 贈与税の課税価格に算入される財産は 甲以外からの贈与 部分だけである -41-

問題 1 2 5 理論チェック < 問題 > 次の場合の納税義務者の区分を答えなさい なお 納税義務がない場合には なし と答えること ⑴ A( 国籍 : 日本 ) は X( 住所 : 日本 ) から贈与により在外財産を取得した なお Aは 6 年前から米国に住所を有している ⑵ B( 国籍 : 日本 ) は Yから贈与により在外財産を取得した なお B 及びYは 6 年前から外国に住所を有している < 解答 > ⑴ 贈与税の非居住無制限納税義務者 ⑵ なし主な関連理論贈与税の納税義務者の区分によって 取扱いが異なるものは次のとおりである 問題 3 3 贈与税の非課税財産 ( 特定障害者に対する信託受益権 ) 問題 3 4 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税 問題 5 4 住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例 問題 6 3 相続税法の納税地 -42-