3. 表計算ソフトによるグラフの作成 表計算ソフトのすばらしい機能の一つに グラフ作成機能があります 表から実に簡単にグラフを作成できるのです この章では エクセルのグラフ作成機能について学び 同時に 情報を視覚的に表現して伝達するというグラフの特長についても考えていくことにしましょう 3-1 グラフの種類 グラフには実に様々な種類がありますが エクセルでは以下のような表を標準で作成することが できます 縦棒グラフ 横棒グラフ 折れ線グラフ 円グラフ 散布図 面グラフ ドーナツグラフ レーダーチャート 等高線グラフ バブルチャート 株価チャート さらに 各グラフには数種類の形式が用意されており 中でも棒グラフには 7 種類の様々な形式以外に 円柱 円錐 ピラミッド など形状の異なるものまであります このようなグラフの多様性は それぞれ特定の目的のために考案されてきたという事実と深く関係しています すなわち グラフは目的に合わせて最適のものを選んで利用していくように常に心がける必要があるのです 代表的なグラフの特徴的な用途を以下に挙げておきましょう 棒グラフ : 基本的に項目ごとの値を比較するのに使う折れ線グラフ : 時間的推移や傾向を表すのに使う円グラフ : 項目の構成的割合を比較するのに使うレーダーチャート : 集団の長所短所を比較するのに適している 3-2 グラフ作成の実際では 実際にグラフを作成してみましょう 基になる表としては 最初に作成した Happy Pizza 本郷店売上集計表 を使用します まず このファイルを開いてください そして 以下の手順に従って グラフを作る体験をしてみましょう 最初は 各品目の売上金額を比較するグラフを作ります グラフ作成において重要なことは どのような目的でどのようなグラフにするのか そのためには x 軸にはどのような値が対応し y 軸にはどのような値が対応するのかを前もってイメージしておくことです 品目売上金額比較グラフ 操作手順 : 1グラフの範囲指定 x 軸にはメニュー品目を y 軸には売上金額を対応させますから まずこの 2 列を反転させて グラフ化する範囲を指定します ただし この 2 列は離れているので トロピカル から タバスコ まで反転し 続いて Ctrl キーを押しながら売上金額の対応する箇所を同時に反転させます 2グラフの種類の決定次に インメニューの 挿入 グラフ から右下( 図 3-1 グラフの挿入 の立ち上げ ) 24
をクリックして グラフの挿入 ダイアログを立ち上げます 図 3-1 グラフの挿入 の立ち上げ 図 3-2 グラフの挿入 この時点で いったいどのくらいのグラフパターンが用意されているか グラフの種類と形式を色々とクリックして見ておきましょう ここでは 縦棒の 集合縦棒 を選択し OK をクリックします 3データの選択グラフエリアをクリックし メインメニューの デザイン データ から データの選択 をクリックします データ範囲が表内で破線で示されるので正しいか確認します ( 次ページの図 3-3 参照 ) データ範囲が正しくない場合は 右端の赤い矢印のボタンをクリックして正しく指定し直します また 行と列の入れ替えも 行 / 列の切り替え で調整することができます 今回は そのままで結構です 4レイアウト次に グラフエリアをクリックし メインメニューの レイアウト ダイアログボックスの ラベル メニューや 軸 メニューで グラフを表示する上で必要な様々な情報を決めて 25
いきます 最初に ラベル メニューで編集を行います グラフタイトルラベル : グラフの上 を選択し 図 3-4 のように書きましょう 軸ラベル : 軸ラベル を使って 図 3-5 のように編集します 主横軸ラベル からは 軸ラベルを軸の下に配置 を 主縦軸ラベル からは 軸ラベルを縦に配置 を選択します 凡例 : 今回は必要ないので 凡例なし を選択しましょう 表示する場合は その位置も指定できます ( 図 3-6) データラベル : 今回は なし にしますが 値を表示する をクリックしてみてください 最後は元に戻しておくように ( 図 3-7) データテーブル : これも今回は表示しませんが 他の表示方法を確かめてください 最後は元に戻しておくように ( 図 3-8) 次に 軸 メニューで編集を行います 軸: 変更する必要なし ただし 練習のために色々とクリックして試しておきましょう 最後は元に戻しておくように ( 図 3-9) 目盛線 : こちらも変更する必要なし ただし 練習のために色々とクリックして試しておきましょう 最後は元に戻しておくように ( 図 3-10) 図 3-3 データソースの選択 26
図 3-4 レイアウト グラフタイトルラベル 図 3-5 レイアウト 軸ラベル 27
図 3-6 レイアウト 凡例 図 3-7 レイアウト データラベル 28
図 3-8 レイアウト データテーブル 図 3-9 レイアウト 軸 図 3-10 レイアウト 目盛線 29
5グラフの場所最後に グラフを表示する場所を指定します デザイン メニューの グラフ移動 をクリックします 新しいシート :Graph1 を選べば 新しいシート Graph1 の画面一杯にグラフが表示されます オブジェクト :Sheet1 を選べば 表のあるシート上にグラフが示されます ここでは まず オブジェクト :Sheet1 を選んでおきましょう ( 図 3-11 参照 ) 図 3-11 グラフウィザード 目盛線 3-3 グラフの編集これでグラフが一応できました ただし グラフの大きさや位置が不適切であったり グラフ内の字が大きすぎたりと まだ少し調節が必要です グラフは作成してからも様々に編集できるので この節では編集の仕方について学びましょう まずは グラフの領域をグラフエリアといって他のセルと区別し セルとは独立してシート内に存在することを確認しましょう そして グラフエリアの各部の名称も マウスポインタを宛てることで確認しておきましょう 1 変形 : グラフエリアをクリックして 上下左右四隅のハンドルマークをドラッグします 2 移動 : グラフエリアをドラッグ & ドロップすれば 移動できます または 切り取り 貼り付け を使うなど 表と同じように移動できます 3コピー : Ctrl キーを押しながら移動させれば コピーできます または コピー 貼り付け を使うなど 表と同じようにコピーできます 4 消去 : グラフエリアをクリックして Delete キーを押します 5グラフエリアのショートカットメニューによる編集 : グラフエリアで右クリックしてショートカットメニューを表示すると グラフの種類やグラフオプション 元のデータからグラフの場所まで ほとんどすべての項目を変更できることが分かります コピーを一つ作り 色々と試してみましょう 30
図 3-12 グラフエリアのショートカットメニュー また グラフエリアの書式設定 をクリックして 塗りつぶし や 3-D 書式 で背景に色を付けたり 字の大きさを変えたりしてみましょう ( 図 3-13 参照 ) 6 他の部分のショートカットメニューによる編集 : 他の部分上で右クリックすると やはりその部分に合ったショートカットメニューが出てきます 様々に編集してみましょう 特に タイトル 軸 軸ラベル などのフォント パターン 表示形式 配置 ( 文字の向き ) などを変更してみましょう 7 各部の移動 : ドラッグ & ドロップによって各部分も移動できます このような編集作業によって 見やすいグラフを完成させます 最後に一つコピーを作って グ ラフの場所を新しいシートに変えて見ましょう 図 3-13 グラフエリアの書式設定 31
以下のようなグラフができましたか 図 3-14 グラフ : Happy Pizza 本郷店 売上集計表 32
3-4 グラフの印刷では 印刷してみましょう グラフだけ印刷するには グラフエリアをクリックしてから印刷プレビューを見てください 用紙一杯にグラフが印刷されます 表や他のグラフと一緒に印刷するには グラフ以外のセルをクリックしてグラフエリアを離れ 印刷範囲の設定をした後 印刷プレビューを見ながらページ設定を行い 望む形に印刷されるように設定します [ 課題 3] 様々なグラフの作成以下のグラフを実際に作りなさい ( 図 3-15 3-16 3-17) グラフは表と同じシートに並べて表示するようにします 一つのグラフの大きさは 画面の 1/4 ぐらいがよいでしょう 完成したら 表とともにファイル名 [ 課題 3] グラフ で保存し 提出用フォルダに提出するとともに 三つのグラフすべてが A4 用紙 1 枚に収まるようにページ設定して 印刷 提出しなさい ヒント :y 軸に複数の値を対応させるには その列や行を同時に指定してやるだけで OK です また 凡例が必要な場合は グラフ範囲を決めるとき凡例に対応する項目も含めると 自動的に凡例が与えられることが多いので便利ですよ 1 品名に対する週ごとの売上数 図 3-15 品名に対する週ごとの売上数 33
2 各週の品名の売上数 図 3-16 各週の品名の売上数 3 構成比 図 3-17 構成比 34
[ 課題 4] 様々なグラフの作成 (2) 以下 ( 次ページ ) の表を完成し 提示してあるグラフを字句や配色にいたるまで正確に再現しなさい グラフは表と同じシートに並べて表示するようにし 大きさも与えられている程度にします 完成したら 表とともにファイル名 穀類生産額 で保存し 提出用フォルダに提出してください ヒントは少し与えますが それ以外のスキルは様々に試行錯誤しながら自分で見つけるようにします ヒント 1グラフウィザードの各項目と作成後のグラフ各部分に関するショートカットメニューをを十分に活用すること 2データ範囲を正しく指定することが最も重要です 連続した範囲の場合は一度に反転させ 分離した範囲の場合は Ctrl キーを押しながら同時に反転させます 3 軸の最小値 最大値 目盛間隔などを手動で決める場合は 軸上のショートカットメニューの 軸の書式設定 軸のオプション で決めます 4 円グラフにおけるデータラベルは レイアウト メニューで指定します パーセンテージ表示 と 引き出し線表示 はでーたラベルを右クリックして標示される データラベルの書式設定 の ラベルオプション で指定します ただし データラベルをドラッグして少し引き出さないと 引き出し線は見えません 53-D 系のグラフも系列の順序を変更できます 35
図 3-18 穀物生産額のグラフ 36