いきたいと考えるはずである 水溶液を区別する ためには, 水溶液のどんな性質やはたらきに着目していったらよいか, 子どもたちの考えを大切にしながら学習を進めていきたい 本単元の問題を解決するためには, いくつかの実験結果から, 総合的に判断することが必要である そこで,5つの水溶液を区別するという意

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6年 ゆで卵を取り出そう

第 6 学年理科学習指導案指導者千葉市立小中台小学校本間希世 1 研究主題 (1) 市教研統一テーマ 自ら学び 心豊かに生きる力を身につけた児童生徒の育成 (2) 部会テーマ 個を生かした学習指導の進め方 小中合同主題 教材の本質にもとづき 児童の力で自然を調べる楽しさが体得される場の工夫と指導方法

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単元の系統 粒子 学年 粒子の存在 粒子の結合 粒子の保存性 粒子のもつエネルギー 小学校ものの重さ 年 形と重さ 体積と重さ 4 年 空気と水の性質 空気の圧縮 水の圧縮 金属 水 空気と温度 温度と体積の変化 温まり方の違い 水の三態変化 5 年 ものの溶け方 物が水に溶ける量の限度 物が水に溶

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

(Microsoft Word - 201\214\366\212J\216\366\213\3061\224N\211\271.docx)

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

第4学年算数科学習指導案

7 3. 単元の指導計画 (7 時間扱い ) 時 学習内容 授業のねらい 物質の溶解と水溶液の均一性 コーヒーシュガーが水に溶ける様子を観察し, 色の様子からコーヒーシュガーの拡散と水溶液の均一性を理解する ( 観 実 ) コーヒーシュガーと食塩の溶解 物質の溶解と水溶液の均一性 2 物質が目に見え

理科学習指導案

ア 単元の指導内容と身に付けさせたい力 この単元では, いろいろな水溶液を使い その性質や金属を変化させる様子を調べ, 水溶液に は 1 酸性 アルカリ性及び中性のものがあること 2 気体が溶けているものがあること 3 金 属を変化させるものがあることなど 水溶液の性質や働きについての考えを児童がも

国語科学習指導案様式(案)

第 6 学年 1 組理科学習指導案単元名 : 瀬野川の生き物のつながり 生き物のくらしと環境 男子 18 名女子 21 名計 39 名 単元について 指導者澄川和生 単元観本単元は, 小学校学習指導要領解説理科編第 6 学年 内容 B(3) の 動物や植物の生活を観察したり, 資料を活用したりして調

4. 題材の評価規準 題材の評価規準 については, B 日常の食事と調理の基礎 (2),(3), D 身近な消費生活 と環境 (1) の 評価規準に盛り込むべき事項 及び 評価規準の設定例 を参考に設定して いる 家庭生活への関心 意欲 態度 お弁当作りに関心をもち, おか 生活を創意工夫する能力

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座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

Microsoft Word - 6年国語「パネルディスカッションをしよう」

た, 導入で扱うイメージキャラクターについて, デザインやネーミングの意図, 理由について疑問や関心を持つことにより, より北広島町に興味を持つことが可能となる その他, 調べる際に新聞記事を利用することにより, 記事をスクラップすることができる 記録性 に優れ, 疑問を解決するための手立て, 情報

Microsoft Word - 社会科

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第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

小学校理科の観察,実験の手引き 第3学年A(1) 物と重さ

3. ➀ 1 1 ➁ 2 ➀ ➁ /

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子葉と本葉に注目すると植物の成長の変化を見ることができるという見方や, 植物は 葉 茎 根 からできていて, それらからできているものが植物であるという見方ができるようにしていく また, 学んだことを生かして科学的なものの見方を育てるために, 生活の中で口にしている野菜も取り上げて観察する活動を取り

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

(2) 計画学習課題 学習内容 時間 連立方程式とその解 二元一次方程式とその解の意味 2 連立方程式とその解の意味 ( 本時 1/2) 連立方程式の解き方 文字の消去の意味 加減法による連立方程式の解き方 5 代入法による連立方程式の解き方 連立方程式の利用 問題を解決するために 2つの文字を使っ

○数学科 2年 連立方程式

4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

(3) 計画 学習課題学習内容時間 変わり方のようすをわかりやすく表すにはどうしたらよいか考えよう変わり方が大きいか小さいかを調べるにはグラフのどこに目をつけるとよいのだろう 2つの折れ線グラフからどんなことが分かるだろう折れ線グラフをかこう 変わり方を分かりやすく表す工夫 折れ線グラフの縦軸と横軸

授業では, 課題を解決するための情報を集める前に, どのような方法だと必要な情報を集めることができるのかを考えています 58.8% 41.2% 授業では, 調べたことなどを, 図, グラフ, 表などにまとめています 73.5% 26.5% 授業では, 情報を比べたり ( 比較 ), 仲間分けしたり

Microsoft Word - 中学校数学(福島).doc

とで児童に活動の見通しを持たせ, 自分で課題を立て情報を集め整理し, 発表する等に取り組めるようにしていきたい 調査計画の場面では, 目的に照らしてどのような調査をしていくことがよいのか児童にしっかりと考えさせたい 例えば, データはどう集めたらよいのか, アンケートを実施する場合には, 誰にアンケ

第 3 学年 2 組算数科学習指導案 1 単元名たし算とひき算の筆算 指導者永田佳江 2 単元について (1) 単元観 該当する学習指導要領の内容 A 数と計算 A(2) 加法, 減法 (2) 加法及び減法の計算が確実にできるようにし, それらを適切に用いる能力を伸ばす 本単元で扱う たし算とひき算

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彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

第 6 学年理科学習指導案 平成 28 年度 12 月 6 日 ( 火 ) 第 5 校時 場所 理科室 1 単元名変わり続ける大地 2 単元について本単元では 第 5 学年 流れる水のはたらき 第 6 学年 大地のつくり の学習を踏まえて 地球 につ内容の関連と学習の系統性いての基本的な見方や概念を

第6学年2組 理科学習指導案

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関心 意欲 態度科学的思考力観察 実験の技能 表現第 5 学年理科学習指導案平成 16 年 6 月 15 日 ( 火 ) 第 3 校時指導者宇多幹子場所理科室 1 単元名 植物の発芽と成長 2 単元の目標と評価規準 植物の発芽と成長を, それにかかわる条件に着目しながら調べる活動を通して, 見いだし

(2) 単元構想図 学習の手立て 数は時数軸 授業の目標 視点 1 果物で電池を作り 電流を取り出す 果物電池から電流を取り出す実験を通して 電池の仕組みについて 疑問や関心を抱くことができる ( 自然事象への関心 意欲 態度 ) 小集団の中で果物電池を作り 疑問を出し合ったり 共有したりする姿 自

第 4 学年算数科指導案 平成 28 年 11 月 2 日 ( 水 ) 第 5 校時場所 4 年 2 組男子 22 名女子 10 名指導者垣見遥 ともなって変わる量 思考力 判断力 表現力の育成 ~ 児童の考えを引きだす算数的活動の工夫 ~ 1 単元名 ともなって変わる量 2 単元の目標 ともなって

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画像, 映像などの気象情報や天気と1 日の気温の変化の仕方に興味 関心をもち, 自ら気象情報を収集して天気を予想したり天気の観測をしたりしようとしている 気象情報を活用して, 天気の変化を予想することができる 1 日の気温の変化の仕方を適切に測り, 記録することができる 天気の変化は気象情報を用いて

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1 単元名 分数 ( 全 10 時間 ) 教材名 分数をくわしく調べよう ( 東京書籍 4 年下 ) 第 4 学年算数科学習指導案平成 26 年 11 月 26 日 ( 水 ) 5 校時 4 年 1 組 ( 男子 13 名 女子 10 名計 23 名 ) 指導者上田稚子 ( 学習指導要領 ) A 数

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

群教セ G04-03 平 集 理科 - 中 生徒が解決の見通しを持って実験方法を立案する理科授業 モデル図やグラフを使った予想の共有と タブレット端末の活用を通して 特別研修員奈良達也 Ⅰ 研究テーマ設定の理由 平成 29 年 3 月公示の新学習指導要領では 内容のイとして思考 判断

第 2 学年 5 組理科学習指導案 日時平成 26 年 12 月 12 日 ( 金 ) 場所城北中学校授業者酒井佑太 1 単元名電気の世界 2 単元について (1) 教材観今日の私たちの日常生活において 電気製品はなくてはならないものであり 電気についての基礎的な知識は必要不可欠である しかし 実際

5 児童の実態と主題に迫るための手だて (1) 児童の実態本学級の児童は明るく 男女の仲もよい いろいろな場面で声を掛け合ったり 仕事を手伝ったりできる児童も多い 話し合い活動では 友達の意見のいいところを取り上げて考えをまとめることができたり 人の意見を聞いて自分の考えを変えることができたりする児

算数科学習指導案 1 単元名三角形と四角形 授業者小澤勇司 2 単元について児童は第 1 学年で, 箱や積み木の面を写し取ったり, 数え棒を使って形を作ったりするなどの活動を通して, 図形の構成要素である辺や頂点 角についての素地的な経験をしている ここでは, 児童が日常使っている さんかく や し

指導計画 評価の具体例 単元の目標 単元 1 化学変化とイオン 化学変化についての観察, 実験を通して, 水溶液の電気伝導性や中和反応について理解するとともに, これらの事物 現象をイオンのモデルと関連づけて見る見方や考え方を養い, 物質や化学変化に対する興味 関心を高め, 身のまわりの物質や事象を

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第6学年 理科学習指導案

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第1学年国語科学習指導案

に見えない世界の中でどのような化学的変化が起こったのかという推論が必要になる さらに 洗剤などの日常生活用品に付いている 酸性 中性 アルカリ性などの言葉が 初めて学習に出てくることで 実験で扱う水溶液と 生活の中にある様々な水溶液とを関連付けて考えることができるようにしたい そして 水溶液の学習を

Taro-【HP用】指導案.jtd

具体的な場面を設定し 実際に整理 整頓の計画を立てることで 実生活に繋げていくことができる よう指導していきたい また 第 3 次には環境とのかかわりについても押さえ 広い視野で考えられ るようにしていきたい 3 題材の目標 身の回りの整理 整頓に関心をもち 気持ちよく過ごそうとする 家庭生活への関

Taro-(HP)指導案(改訂).jtd

(3) 指導観公民的分野は地理的分野と歴史的分野の学びの積み重ねによるところが大きい 用語や概念も高度化し 生徒の感想にも 難しい と感じるものが多くなっている そこで その難しいと感じる公民の用語などは積極的に用語集を活用し 難しい言葉に対する抵抗感を少しでも和らげるよう授業でも活用している また

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<小学校 生活科>

能を習得したり活用したりすることの必要性について確認する グラフをかく力やグラフを読み取る力を身に付けさせるとともに, 一次関数を学ぶことに対する意欲を高めたい 小単元全体を通して主体的に学ぶ意欲を高め, 自分の考えを説明したいという気持ちにさせた上で, 目的や方法等を明確にした意図のあるペアやグル

社会科学習指導案

価 がら読んでいる 語句には性質や役割の上で類別 規 文章を読んで考えたこ があることを理解している 準 とを発表し合い 一人 指示語や接続語が文と文との意 一人の感じ方につい 味のつながりに果たす役割を理 て 違いのあることに 解し 使っている 気付いている 学 登場人物の思いを想像し 時代の状況

H26関ブロ美術プレ大会学習指導案(完成版)

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3 題材の目標 (1) (2) 4 題材の評価規準 ( 指導要録の四つの観点 ( 生活や技術への関心 意欲 態度 ) から題材の学習を通して目指す生徒の姿を示します ) 文章の語尾は 評価規準の作成, 評価方法の工夫改善のための参考資料 ( 中学校技術 家庭 ) 平成 23 年 11 月 ( 国立教

(2) 本単元に関わる生徒の実態及び指導方針 1 既習の学習内容 水溶液には酸性 中性 アルカリ性のものがあること 金属を変化させる水溶液があること( 小 6) 気体の発生と性質 物質への水への溶解について( 第 1 学年 ) 物質が原子や分子でできていること( 第 2 学年 ) 電流が電子の流れで

3 第 3 学年及び第 4 学年の評価規準 集団活動や生活への関心 意欲態度 集団の一員としての思考 判断 実践 学級の生活上の問題に関心 楽しい学級をつくるために を持ち 他の児童と協力して意 話し合い 自己の役割や集団と 欲的に集団活動に取り組もう してよりよい方法について考 としている え 判

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第5学年  算数科学習指導案

2年D組 理科学習指導案

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上に食に関する指導の充実が求められている 食環境の乱れが社会的課題とっている今日 中学生が食生活の自立を目指した学習をすることは大切なことであるので 本時は 自分や家族の食生活の中で見付けた問題点の改善に自主的に取り組むことができるように 指導を進めることにした 指導に当たっては これまでの学習を踏

中学校第 3 学年国語科学習指導案 日時平成 28 年 月 日第 校時対象第 3 学年 組学校名 中学校授業者 1 教材名 故郷 2 単元の目標 情景や人物を描写する語句や表現を読み取り 内容への理解を深めることができる 作品を通して 社会の中での人間の生き方について考え 自分の意見をもつことができ

単元の目標 カレーライスを作ることに興味 関心をもち, 進んで活動する カレーライスの作り方を調べ, 作り方, 材料, 用具を発表することができる カレーライス作りの活動を通して, 食材を知ったり, 道具を使う仕事にふれたりして, 生活経験を豊かにする 人との関わりを通してコミュニケーション能力を身

授業の構成要素 学び合う授業で育つ 3 つの力 資料 2 基礎 基本の力知識 理解 技能 問題解決力思考力 判断力 表現力 想像力 学ぼうとする力学習意欲 自己有用感 身に付けた知識 技能を活用したり その成果を踏まえた探究活動を行う中で学び合う授業を展開する 教師の役割 < 問題提示の工夫 > 多

ICTを軸にした小中連携

小学校理科の観察,実験の手引き 第5学年A(1) 物の溶け方

内容 児童 経験したことや調べたことから選んで話す 内容 ( 考え ) を分かりやすく話す はっきりした発音で声の大きさを考えて話す 丁寧な言葉を使って話す 相手の顔を見ながら話す 大事なこと

( ) 単元計画 ( 全 6 時間 ) 段階 主な学習活動と内容 指導上の留意点 配時 私たちが食べているものは, どこからきて 既習を想起できるように, 農業や いるか考える 水産業の学習内容を掲示しておく 給食の献立から調べた食料自給率から, 給食の献立から調べた食料自給率本つ気づいたことや疑問

中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

見いださせる 3 章 化学変化と電池 本章では電解質水溶液と2 種類の金属を用いて電池をつくる実験を行い 電流が取り出せることを見いださせる このとき化学エネルギーが電気エネルギーに変換されていることを理解させる また 電極での電子の授受をイオンのモデルで表し 電池のしくみを微視的視点でとらえさせる

2 単元の目標 廿日市市 についての魅力を目的意識や相手意識を明確にして地域内外に発信することができる 自分たちの住む 廿日市市 に愛着をもつことができる 3 単元の評価規準 学習方法 自分自身 他者や社会 課題発見力 思考力 判断力 表現力 主体性 自らへの自信 対象と積極的にかかわる中で, 課題

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指導観指導にあたっては 基本となる回転技に取り組み 自己の能力に適した技が安定してできるようにするとともに 発展技にも挑戦できるようにする その際には 友達の動きを見て技のポイントに気づき 伝えあったりしながら意識して練習できるようにする 運動は 柔軟性が要求される運動であり 体を痛めたりうまく回れ

他の単元との連関 子どもが獲得する見方や考え方 教師の持つ指導ポイント 評価規準 小学 4 年生 もののあたたまり方 小学 6 年生 電気の利用 ~ エネルギーの工場と変身と銀行 ~ 中学 1 年生 光と音 ( 光のエネルギーを利用しよう ) 中学 2 年生 電流 ( 電気とそのエネルギー ) 電流

2 児童観復習プリントから 乗法の交換法則 4 7=7 乗法の結合法則 = 加減混合の式や乗除混合の式の計算はできていると考えられる しかし 分配法則 6 10=6 9+ や 7 8=7 9 はできない児童が数名いて 定着していないことが分かる また 計算の仕方は理解してい

理科科学習指導案

Transcription:

第 6 学年 3 組理科学習指導案 指導者小林絢子学習者第 6 学年 3 組児童 34 名 1 単元名水よう液の性質とはたらき~ミニ科学者になろう!~ 2 単元について 本単元にかかわる学習指導要領の内容は, 次の通りである 6 年 B 物質とエネルギー (1) いろいろな水溶液を使い, その性質や金属を変化させる様子を調べ, 水溶液の性質や働きについての考えをもつようにする ア水溶液には, 酸性, アルカリ性及び中性のものがあること イ水溶液には, 気体が溶けているものがあること ウ水溶液には, 金属を変化させるものがあること 子どもたちはこれまで,4 年生の時に もののかさと温度 や 水のすがたとゆくえ の学習を通して, ものの状態変化やその要因について学習してきた また,5 年生の もののとけ方 では, 条件を制御しながら, 食塩水とホウ酸水を比べ, ものの溶け方についての見方や考え方を学んできた さらに6 年生では ものの燃え方と空気 で, 燃焼と空気について多面的に調べ, 酸素や二酸化炭素の性質について学習してきた これらの学習を通し, 子どもたちはいくつかの固体や気体の性質, その判別方法などについて理解してきている 本単元では, これまでの学習を生かし, 水溶液の性質やはたらきについての共通性や個々の特徴を多面的に追究していく これらの活動を通して, その性質やはたらきについての見方や考え方を養うことをねらっている 身のまわりには洗剤や炭酸飲料のように水溶液の性質を利用して作られたものが数多くあるが, 子どもたちはそれらを水溶液として意識しているわけではない 本単元では, 水溶液の性質を利用しているものが身近にあることに気付き, 学習したことを生かしたり, 生活を見直したりする態度を育てていく また, 酸性雨 を取り上げて, 水溶液と環境についてのつながりを考え, 環境を大切にする態度を育てていく 子どもたちはこれまで様々な実験を行ってきた その中で, 自分たちで実験方法を考えていく場面もあった 実験の順序や使う器具を考え, 実際に実験をすることに対しての意欲は高い しかし,1つのことを調べるためにいくつかの方法を組み合わせて解決していく活動はほとんどしてきていない そこで, 本単元では, 水溶液の性質やはたらきについて自分たちで調べて, 自分たちで解決していくという学習の進め方をしていきたい 指導において, まず導入部分でラベルのない5つの水溶液を提示する これらの水溶液の状態を観察し, 安全に注意しながらにおいをかぐなど, 五感を働かせた活動をさせていく この活動の中から, 子どもたちが気付いたことや知りたいこと, 調べたいことなどを出させ, それをもとにクラス全体で学習問題をつくっていく 与えらた学習問題ではなく, 自分たちでつくったものとして意識できるようにしたい 子どもたちは5つのラベルのない水溶液を区別して - 24 -

いきたいと考えるはずである 水溶液を区別する ためには, 水溶液のどんな性質やはたらきに着目していったらよいか, 子どもたちの考えを大切にしながら学習を進めていきたい 本単元の問題を解決するためには, いくつかの実験結果から, 総合的に判断することが必要である そこで,5つの水溶液を区別するという意識を持たせながら様々な方法で実験し, 性質やはたらきを多面的に追究する力を育てていきたい 実験だけではなく, 子どもたち同士の考えを情報交換して, 問題を解決していく活動も取り入れていきたい そして, 単元の最後には, 学習して得た知識や技能, 見方 考え方を生かして5つの水溶液を子どもたちの力で区別していけるようにしたい 3 部会テーマとのかかわり理科部会テーマ 自らの学びをとらえ, 意欲的に追究する子を育てる指導と評価 (1) 子どもの既有の知識や考えを指導に生かす工夫子どもたちは 学びのスタート問題 に答えることで, 水溶液についての既有の知識や考えを自覚することができる また, 教師はこの記述から, 子どもたちがどのようなことを知っているのか, また考えているのかをつかむことができる このことから, 教師は単元構成や各時間の目標を設定できる 子どもの実態にそった授業を行うことによって, 子どもの学びの意欲は高まると考える 水よう液の性質とはたらき における 学びのスタート問題 は, 日常生活や学習内容にかかわり, 子どもが思考して答えられるような以下の3つの問題を設定した 1 水よう液 という言葉を使って文を書きましょう ( 水溶液の性質やはたらき全体に関する問題 ) 2 炭酸飲料をコップに入れて,1 日たつとシュワッとした感じがなくなるのはなぜでしょう ( 水溶液には気体が溶けているものがあることに関する問題 ) 3 酸性雨にはどんなはたらきがあるでしょう ( 水溶液には金属を溶かすものがあることに関する問題 ) 問題 1から, 水溶液は水にものが溶けて透明になっていると知っているが, 性質やはたらきについてはほとんど知らないことがわかった 問題 2からは, 炭酸が気体であるという認識がない子どもが多いこと, 気体だと考えていても自分たちがよく知っている二酸化炭素だとは考えていないことがわかった 問題 3に関しては, 人に聞いたり本で見たりして, 溶かす と答えている子が多かった しかし, どんなものを溶かすのかについては, はっきりとしていない 木を枯らす, 髪が抜けるなどの答えも見られた また 学びのスタート問題 からは, 水溶液 は理科で使うものというとらえ方をしていることがわかった そこで, 生活の中で使っている洗剤や酸性雨について調べ話し合う活動を通して, 水溶液を理科で学習するものとしてではなく, 身近なものだと感じさせたい 汚れを落とす水溶液があることや, 性質の違う洗剤を混ぜ合わせると危険があることなどを知ることから, 生活に生かしたり見直したりする態度を育てていきたい また, 廃液をそのまま捨てたり, 酸性雨の原因になるものを出さないように心がけたりするなど環境に配慮しようとする気持ちも育てていきたい - 25 -

(2) 学びの意欲を高める 学びのみちしるべ を活用した指導と評価の工夫 学びのみちしるべ には, 水よう液の性質とはたらき の学習履歴が子ども自身の言葉として残される 本単元で重要な学習内容を中心に一枚にまとめられているので, 簡単に学習をふりかえることができる また, 学びのみちしるべ には, 授業のまとまりごとに, わかったことや感想を書く欄がある わかったことは, 自分の言葉で書いていく 教師は, わかったことの欄にどんなことをかいてほしいかを設定しておくことで, 子どもの記述から授業をふりかえることができる また, 今後の指導に役立てることもできる 特に一言, 言葉を書くことは個に応じた指導となり, 子どもの学びの意欲をより高めていくことにつながると考える さらに, 学習前と学習後の自分の知識や考えを比べながら自己評価できるので, 自己の変容が子ども自身にとってわかりやすい 子どもたちが学ぶ意味を実感し, 学びへの意欲が高まると考える 子どもたちの記述からは, 自己効力感や, 新たな課題への意欲を持っているかなどを見取っていくこともできる 以上のことから 学びのみちしるべ は指導と評価の一体化をはかることができるといえる (3) 意欲的に問題解決が行われるための指導の工夫 水溶液の性質とはたらき についての学びの意欲を高めるため, 子どもの問題意識をつなげていくよう単元構成を工夫した ミニ科学者になろう! を合い言葉に, 単元の終わりには初めに提示した5つの水溶液を自分たちで区別できるようにしていきたい それまでにわかったことをもとにして, 自分たちで実験計画を立て, 自分たちで調べて解決していくことができるようになるのである 学習の初めにはわからなかったことが, 学習後には自分たちの力でわかるようになったということを実感させ, 学びの意欲へとつなげていきたい また, 実験の予想や見通し, 実験結果についての考察を通して, より科学的に考えることができるようになると考える 子どもたち同士の話し合いの場を大切にすることで, 意欲的に問題を追究していく態度を育てていきたい 4 単元の目標 水溶液の性質や変化を調べ, 見出した問題を多面的に追究する活動を通して, 水溶液の性質 や働きについての見方や考え方を持つようにする 5 単元の評価規準 関心 意欲 態度 水溶液の性質や変化を意欲的に追究し, 身の回りにある水溶液を見直そうとする 科学的な思考 水溶液の性質や変化とその要因との関係に問題を見出し多面的に追究して問題を解決する 技能 表現 問題解決に適した方法を工夫し, 実験器具を組み立てたり使ったりして観察や実験を行い, その過程や結果を的確に表す 知識 理解 水溶液にはいくつかの性質や働きがあることを理解している - 26 -

7 本時の学習 (1) 日時 2006 年 11 月 1 日 ( 水 )5 校時 (14:00~14:45) (2) 場所理科室 (3) 本時の活動水溶液を蒸発させて出てくるものを調べよう ( 第 1 次第 2 時 ) (4) 本時の目標水溶液を蒸発させると何も残らないことから, 固体以外のものが溶けていると考えることができる 科学的な思考 (5) 指導のポイント ( 研究テーマからの具体的手だて ) 本単元で初めて実験を行う 5 年生で, 水溶液を蒸発させると溶けているものをとりだすことができる ということを学習しているので, これまでの学習を生かしながらみんなで考えた実験を行うことは意欲につながると考える 本時では食塩水 石灰水 塩酸の3つの水溶液を使って実験をする 固体以外のものが溶けている水溶液があるということをわかりやすくとらえられるように,5つの水溶液の中から3つを比べていくようにした 実験結果からは なぜ, 何も残らないのだろうか という新たな疑問が生まれるであろう この疑問を友だち同士で話し合っていくことで, 思考を深めていきたい そして, この話し合いを次時の活動へつなげ, 解決できたという喜びを感じさせるようにしていきたい (6) 本時の展開学習活動 内容教師の指導 支援 1 学習活動を確認する 前時の学習を思い出させ, 水溶液を区別するため水よう液を蒸発させて, どんなに蒸発させて調べることをおさえる ものが出てくるか調べよう 本時では食塩水 石灰水 塩酸を調べることを伝える 2 実験方法を確認をする 食塩水 石灰水 塩酸 蒸発皿 アルコールランプ マッチ もえさし入れ 試験管 試験管立て ピペット ビーカー 水 軍手 マッチやアルコールランプの安全な使い方を確認する 一人一人が実験に積極的に参加するように助言する 試験管に顔を近づけたり, においをかぐときにはきをつけたりするように伝える 余熱でも十分に蒸発するので, 熱し続けないように助言する 3 実験する 蒸発しているときの様子をよく観察するようにして, 記録するように伝える 早く実験が終わったら, 何か気づいたことや疑問に思ったことはないかを考えさせる - 27 -

4 実験結果を確認する 食塩水 白い粉が出てくる 石灰水 白い粉が出てくる 塩酸 何も出てこない それぞれのグループから結果を出し合い, 確認する 5 実験結果について考える どうして何も出てこないのだろう 目に見えないものが溶けている 気体かな 液体かな においがした 水溶液は必ず溶けているものがあることをおさえた上で話し合いを進めるようにする グループで話し合いを進めていく その後, それぞれのグループから話し合いの内容を出し合う 6 わかったことをまとめる 水よう液には, 固体がとけているものと, 固体以外のものがとけているものがある 子どもたちの気づきからまとめるようにする 7 本時の学習のふりかえりをする なかなか書き出せない子には, 板書を参考にさせる 学びのみちしるべにわかったことと感想を自分の言葉で書くようにする 新たな疑問があれば書くよう助言する 8 次時の学習内容を知る 次時では, 残りの 2 つの水溶液について何が溶けて いるか調べることを伝える (7) 評価 ( 科学的な思考 ) なぜ水溶液を蒸発させても何も出てこなかったのかについて, 自分なりに考えているかを 学びのみちしるべ の記述内容や発言の様子から評価する B A(B+) 支援を要する子どもへの対応 支援 水溶液を蒸発させると何も残らないことから, 固体以外のものが溶けていると考えることができる いろいろな事例から, 水溶液には目に見えない気体が溶けているものがあると考えることができる 蒸発させると固体が出てきた水溶液と何も残らない水溶液があることを比べて考えさせるようにする 蒸発させている時の様子やにおいを思い出させるようにする - 28 -

(8) 学びの意欲を持って問題解決に取り組む 子どもの姿 3つの水溶液を蒸発させるとどんなものが出てくるかを調べるという実験に, 意欲的に取り組み, 結果を考察することができたかをノートや 学びのみちしるべ の記述内容や行動の様子から見取るようにする 意欲的に学ぶ子どもの姿学びの意欲を高める手だて 自らの見通しを大切にしながら 自分の予想と経過を照らし合わせなが実験や観察をしようとする ら, 実験 観察が意欲的に行えるように 友だちとの話し合いの中で, 実させる 験 観察を総合的に判断しようと 友だちとの話し合いをさせることで, 結する 果を考察していけるようにする グループでの話し合いで一人一人が発言できるようにする - 29 -