2 2015 Vol.21 No.2 12 CONTENTS 16 20 3 9 25 29 55
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加齢黄斑変性の治療指針 第 44 回 - 完 加齢黄斑変性の治療指針 加齢黄斑変性の病態と症状 よろしくお願いいたします まず, 加齢黄斑変性と は, どういう病気なのでしょうか それから黄斑とは一体どこで, どういう働きをしているのでしょうか 湯澤 ( 図 1) 黄斑が変性することによって, さまざまな症状があるのですよね PROFILE Mitsuko Yuzawa 湯澤美都子日本大学医学部眼科 1975 年 日本大学医学部卒業 1995 年 日本大学医学部助教授 2003 年 日本大学医学部眼科教授 湯澤 図 1 眼部の構造 29 (161)
ダクルインザ錠 60mg スンベプラカプセル 100mg( ダクラタスビル塩酸塩 アスナプレビル ) 167 ダクルインザ錠 60mg スンベプラカプセル 100mg ( ダクラタスビル塩酸塩 アスナプレビル ) 虎の門病院薬剤部 菱沼加代子, 林昌洋 P o i n t ダクラタスビル塩酸塩 (DCV)/ アスナプレビル (ASV) 併用療法は,C 型慢性肝炎治療に用いる抗ウイルス薬では初めてインターフェロン (IFN) フリーの経口 2 剤のみを用いる治療法である C 型肝炎治療ガイドライン ( 第 3.1 版 ) では, ジェノタイプ 1 型の C 型慢性肝炎または C 型代償性肝硬変の治療において,IFN を含む治療法に不適格の未治療あるいは不耐容の患者, または IFN を含む治療法で無効の患者に対し第一選択となっている IFN を含む治療法に不適格の未治療患者 / 不耐容患者で 87.4%, 前治療無効患者で 80.5% と高いウイルス持続陰性化率が認められている 医薬品リスク管理計画 (RMP;Risk Management Plan) において重要な特定されたリスクは肝機能障害である 頻度の高い副作用も ALT(GPT) 増加,AST(GOT) 増加などである なお, ALT 上昇の発現時期に一定の傾向はみられていない 特徴 1. ガイドラインにおける位置付け 2. 類薬との比較 ( 表 1) 3. 有効性 (1)DCV/ASV 併用療法の臨床試験成績 39 (171)
処方監査や疑義照会で検査値を使いこなす 糖尿病の血糖管理を検査値から考えてみよう 糖尿病の血糖管理を検査値から考えてみよう 第 5 回 大津赤十字病院薬剤部田中香奈フロンティア薬局本宮店松尾陽介西陣病院薬剤部 医薬品情報室三宅健文 はじめに 糖尿病治療に関連した検査値 HbA1c( 基準値 :4.6 6.2%) ( 表 1) ( 図 1) 1HbA1c(NGSP)=JDS 1.02+0.25 簡易式 NGSP=JDS+0.4 2HbA1c(JDS)=0.98 NGSP-0.245 3HbA1c(NGSP)=GA 0.245+1.73 簡易式 HbA1c(NGSP)=GA 4+1.7 4 推定平均血糖値 =28.7 HbA1c(NGSP)-46.7 GA( 基準値 :11 16%) 表 1 糖尿病関連検査値に影響を及ぼす因子 HbA1c GA 1,5AG 低値となる場合 高値となる場合 55 (187)
薬剤師によるケアロードマップ 計画的 継続的ケア支援ツール 5 高血圧ケアロードマップ 高血圧ケアロードマップ 砂川市立病院薬剤部 北海道薬科大学薬物治療学分野 竹内里哉早川達 2014 年 6 月施行の改正薬事法および薬剤師法では, 薬剤師は 患者またはその看護に当たっている者に対し, 必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない ( 下線筆者 ) とされた 処方せんに基づく情報提供義務から, 服用後の有効性 安全性確保までの管理 指導義務を求められたのは大きなパラダイムシフトである しかし, 服薬指導に必要な情報は数多くあるが, それらの情報をどのタイミングでどのように利用するかの観点で述べたものは少ない そこで, 本連載は薬局薬剤師が継続的に患者ケア ( 情報収集, 指導, 確認 ) をするための時間軸を取り入れた ケアロードマップ を疾患ごとに提示し, それを解説するものである これは, 薬剤師の日常業務に少しだけ計画性と継続性をもたせて指導と確認を行うことによって, 患者ケアの向上に役立ててもらうことを趣旨としている これから治療を開始する初回来局の患者には, 高血圧ケアロードマップ に従って, 各種情報, メーカー提供の資材 支援ツールなどを利用しながら, できる範囲で時系列的に指導 確認を継続していただきたい 経過途中の患者であってもケアの要素は一緒である この場合も適宜指導 確認をしていっていただきたい その結果として,6 カ月後ないしは 1 年後の患者コンプライアンスの向上と良好な臨床効果が得られることを期待する ぜひ, 日常業務に少しだけ 患者を思う気持ち を加えて, 高血圧ケア に参画する薬剤師の 1 人となっていただきたい 患者のために! 私たちの未来のために! 高血圧 ( 図 1) 図 1 健康日本 21 における循環器の目標設定の考え方 61 (193)
難消化性デキストリン 14 難消化性デキストリン 国立健康 栄養研究所情報センター 梅垣敬三 難消化性デキストリンはトウモロコシやジャガイモのデンプンから調製された水溶性食物繊維のひとつで, 整腸作用, 食後の血糖や中性脂肪の上昇抑制作用があり, 現在許可されている多くの特定保健用食品の有効成分となっています ただし, 食品ですから薬のような強い効果はなく, 炭水化物や脂質の消化吸収過程に影響する機序で作用することから, 食事とともに 4 8g の量で摂取しなければ効果は期待できません 1. 概要 基本情報 2. 成分 制度と摂取状況 75 (207)
包装類似の薬を毎回虫眼鏡で確認して四苦八苦していた患者 第 53 回包装類似の薬を毎回虫眼鏡で確認して四苦八苦していた患者 隊長東京大学大学院薬学系研究科医薬品情報学講座 澤田康文 薬局, 患者宅 ( 在宅 ) において, 医薬品が関係したインシデント アクシデントの例は枚挙にいとまがありません これらの原因として, 薬剤師や医師などの医療従事者の薬学的知識, 技能 技術と医療従事者としての態度の問題や, 医療施設における薬剤関係のシステムの問題などが考えられます 結果的に多種多様なトラブルが発生しています その発生場面を大きくカテゴリー分類すると,1 処方設計 チェックと治療のチェック,2 一般調剤業務,3 患者への指導 説明 などに分けることができます 今回も, これらカテゴリーにおいて発生した代表的事例を紹介しましょう ケース 1:リリカのつもりでセララ誤処方の医師, 疑義照会が不備の薬剤師 ケース 2: 生年月日が同じ患者に薬袋, 薬の説明書, 手帳シールを誤交付 ケース 3: 包装類似の薬を毎回虫眼鏡で確認して四苦八苦していた患者 ケース 1 リリカのつもりでセララ誤処方の医師, 疑義照会が不備の薬剤師 発生場面は? カテゴリー 1 処方設計 チェックと治療のチェック 処方内容は? 患者 :64 歳の男性, 病院の心臓血管外科, 印字処方 今回の処方 Rp.1 メチコバール錠 500μg 3 錠 1 日 3 回朝昼夕食後 35 日分タケプロン OD 錠 15mg 1 錠 1 日 1 回寝る前 35 日分バイアスピリン錠 100mg 1 錠 1 日 1 回朝食後 35 日分アーチスト錠 2.5mg 2 錠 1 日 2 回朝夕食後 35 日分レンドルミン D 錠 0.25mg 1 錠 1 日 1 回寝る前 35 日分 シグマート錠 5mg 2 錠 1 日 2 回朝夕食後 35 日分クレストール錠 5mg 1 錠 1 日 1 回朝食後 35 日分セララ錠 50mg 1 錠 1 日 1 回夕食後 35 日分前回の処方 Rp.2 メチコバール錠 500μg 3 錠 1 日 3 回朝昼夕食後 35 日分タケプロン OD 錠 15mg 1 錠 1 日 1 回寝る前 35 日分バイアスピリン錠 100mg 1 錠 1 日 1 回朝食後 35 日分アーチスト錠 2.5mg 2 錠 1 日 2 回朝夕食後 35 日分レンドルミン D 錠 0.25mg 1 錠 不眠時 10 回分カロナール錠 200mg 1 錠 疼痛時 10 回分 91 (223)
第 20 回 アトモキセチン塩酸塩 アトモキセチン塩酸塩 医薬情報研究所 / エス アイ シー 阿部尚子, 堀美智子 発達障害は, 親の愛情不足が原因 とする条例案が大阪で提出されようとしたことは記憶に新しいところですが, 発達障害の原因は, 親の愛情不足ではなく, 脳の機能障害です しかし, このように発達障害に対する偏見は根強いのが現状です アトモキセチン塩酸塩は, 発達障害である注意欠如 多動性障害の治療薬です もちろん, この疾患は生まれつきの脳機能の障害によるものですから, 医学的処置によって完治させることはできませんが, 治療により日常的に生じる生活上の困難やトラブルを軽減させることは可能です 今回は, アトモキセチン塩酸塩を取り上げます 薬局でも注意欠如 多動性障害について理解を深め, 患者対応にあたる必要があります ただし, 発達障害については, 正しい診断がなされることが大切で, 親の愛情不足に起因する多動性などの症状を示す人もいることを忘れてはなりません 1. 注意欠如 多動性障害 (ADHD) の病態は 2. ADHD とドパミン, ノルアドレナリンの関係は 3. ADHD の治療は 4. アトモキセチンの作用機序は 5. アトモキセチン服用にあたって注意することは 6. アトモキセチンの相互作用は 7. アトモキセチンを処方されている患者へのお薬手帳の記載は 1. 注意欠如 多動性障害 (ADHD) の病態は 定義 101 (233)