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下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

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1.一般の贈与の場合(暦年課税)編

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

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給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

(2) 父母 ( 祖父母 ) から子 ( 孫 ) への住宅取得等資金の贈不 父母 ( 祖父母 ) など直系尊属から その子 ( 孫 ) へ居住用の家屋の新築 取得または増改築のための金銭 ( 住宅取得等資金 ) を贈不した場合 表の通りの金額について贈不税が非課税となります また 贈不税の基礎控除

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5 適用手続 ⑴ 相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は 贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に 相続時精算課税選択届出書 ( 贈与者ごとに作成が必要 ) を贈与税の申告書に添付して 納税地の所轄税務署長に提出する ( 相法 21の92) なお 提出された当該届出書は撤回することができない

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目次 申告共通情報登録 申告共通情報登録画面を表示する 申告共通情報を登録する P5 P6 法人税申告書データの作成 法人税申告書データを新規作成する P11 申告基本情報登録 申告単位情報を登録する 事業所情報を編集する 事業所を追加する 登録した事業所を削除する 帳票選択情報を編集する 入力設定

目次 事業概況データの作成 事業概況データを新規作成する P3 申告基本情報の登録 編集 申告単位情報を登録する P5 機能説明 メニューボタンの機能説明 P7 データ連動 ( 会計データ 事業概況説明書 ) 主要科目連動設定画面を表示する 主要科目連動設定で連動する会計科目を追加する 主要科目連動

(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与

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A. 受贈者に一定の債務を負担させることを条件に 財産を贈与することを 負担付贈与 といいます 本ケースでは 夫は1 妻の住宅ローン債務を引き受ける代わりに 2 妻の自宅の所有権持分を取得する ( 持分の贈与を受ける 以下持分と記載 ) ことになります したがって 夫は1と2を合わせ 妻から負担付贈

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源 泉 所 得 税 の 支 払 に 注 意 いる 会 社 は1 年 に2 回 しかないイベントですので 納 付 手 続 きを 忘 れないようにしなければなりません いる 会 社 は 1 年 に 2 回 しかないイベントですので 納 付 手 続 きを 忘 れないようにしなければなりません 源 泉 所

き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

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税法入門コース 相続税 学習スケジュール 回数学習テーマ内容 第 1 回 第 2 回 第 3 回 第 4 回 第 4 回 第 1 章 第 2 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 4 章 第 5 章 テーマ 1 相続税 贈与税とは? テーマ 2 用語の説明 テーマ 1 相続人となれる人は? テ

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N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

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法人税 faq

である 12 遺留分とは 遺言の内容にかかわらず一定の相続人が確実に受け取ることができる一定の 割合のことである 直系尊属のみが相続人である場合は 被相続人の財産の 1/3 その 他の場合には 被相続人の財産の 1/2 である ただし 兄弟姉妹には遺留分はない 13 相続の放棄は 被相続人の生前に行

申告所得税関係 手続名 帳票名平成年分セルフメディケーション税制の明細書 ( 次葉 ) 特定証券投資信託に係る配当控除額の計算書 平成 年分給与所得の源泉徴収票 ( 平成 28 年以降用 ) 平成 年分特定口座年間取引報告書 ( 平成 28 年以降用 ) 平成 年分公的年金等の源泉徴収票 ( 平成

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3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申

2. 改正の趣旨 背景 国内に住所を有しないことにより相続税 贈与税の課税を免れる租税回避行為を抑制するため 平成 12 年度改正 ( 相続人 受贈者の国籍による納税義務判定の導入 ) 平成 25 年度改正 ( 相続人 受贈者が日本国籍なしの場合の課税強化 ) が行われてきた 平成 29 年度改正で

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平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

目次 1 調査概要 P2~P4 2 平成 29 年度の販売見込みについて ( 住宅事業者 ) P5~P6 3 平成 29 年度の住宅の買い時感について ( 一般消費者 ) P7 4 住宅で重視するポイントは?( 住宅事業者 一般消費者 ) P8~P9 5 建物の性能で重視する事項は?( 住宅事業者

4. 平成 27 年度税制改正の概要 (1) 住宅の取得に関わる税制 登録免許税 不動産取得税 改正項目ヘ ーシ 改正内容 所有権保存登記 所有権移転登記 所有権の信託 抵当権設定の登記の軽減措置 税率の軽減措置 宅地評価土地の課税標準の軽減措置 軽減税率の適用期限を平成 27 年 3

(3) 年金所得者公的年金等の収入金額が400 万円以下であり かつ その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる場合において公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20 万円以下である場合には 確定申告の必要はありません また 上記 (2) 又は (3) に該当する方であっても 医療費控除や住宅借入金

3 税目 3. 国税 ( 所得税 ) 土地建物等の分離課税の譲渡所得の見直し 土地建物等の譲渡損益の課税方式を累進税率による 所有期間を考慮した N 分 N 乗方式 とし 他の所得との損益通算及び譲渡損失の繰越控除を認めべきである 土地建物等の譲渡所得に対する課税は他の所得と分離して行われているが

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ニュースレター 2013 年 5 月号 May. 2013 5 YOSHIKAWA TAX JOURNAL 平成 25 年 3 月決算で 注意すべき税制改正項目 注目トピックス 01 平成 25 年 3 月決算で注意すべき税制改正項目 1 年改正の 2 つの税制改正の影響を受けることになります 3 月決算で注意すべき税制改正項目について解説します 02 平成 25 年 3 月決算で注意すべき税制改正項目 2 前項に引き続き 平成 25 年 3 月決算で注意すべき税制改正項目について解説します 話題のビジネス書をナナメ読み 04 雑談力が上がる話し方 ( ダイヤモンド社 ) 雑談 とひとくくりにされている会話の意味とそれが持つ力を 著者が軽快な口調で解説していきます 組織を運営して行く人たちにも是非読んでいただきたい 目からうろこ のコミュニケーション力解説書です 特集 03 教育資金贈与 1500 万円の非課税特例について平成 25 年度税制改正で 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた時 贈与税を非課税とする特例ができました

平成 25 年 3 月決算で 注意すべき税制改正項目 1 平成 25 年 3 月決算では 平成 23 年 12 月改正 と平成 24 年改正の 2 つの税制改正の影響を受 けることになるため 注意が必要です 年改正の 2 つの税制改正の影響を受けることになるため 注意が必要です ここでは 平成 25 年 3 月決算で注意すべき税制改正項目を整理します 法人税率の引き下げと復興特別法人税 以下の表のとおり 法人税率が引き下げられます 住民税 法人税割についても 法人税率の引き下げに連動して引き 下げられることになりますので 実効税率が大きく引き下 げられることになります 現行 法人税率 年 800 万円以下 ( 特例 ) 普通法人 ( 大法人 ) 30% - 中小法人など 30% 22% (18%) 改正後法人税率年 800 万円以下 ( 特例 ) 普通法人 ( 大法人 ) 25.5% - 中小法人など 25.5% 19% (15%) 欠損金の繰越控除制限および繰越期間の延長 中小法人や投資法人などを除き 青色申告書を提出した事 業年度の欠損金など ( 以下 欠損金 ) の繰越控除制度に おける控除限度額が所得の 80% に引き下げられます こ れに伴い 平成 20 年 4 月 1 日以後に終了した事業年度に おいて生じた欠損期の繰越期間が 7 年から 9 年に延長さ れます 改正後の欠損金の繰越控除制度は 下表のとおりです 中小法人 投資法人など 控除限度額 繰越期間 普通法人 ( 大法人 ) 控除限度額 繰越期間 現行 7 年 7 年 改正後 9 年 所得の 80% 9 年 上記のとおり 欠損金の控除限度額が控除前の課税所得の 80% となるため 欠損金を有していたことで今まで課税 所得が生じていなかった法人であっても 平成 25 年 3 月 期以降は課税所得が生じる可能性があるので注意が必要 です また 平成 24 年 4 月 1 日から平成 27 年 3 月 31 日までの期間内で 最初に開始する事業年度開始の日から同日以後 3 年を経過する日までの期間内に属する事業年度 (3 月決算の会社においては 平成 25 年 3 月決算から平成 27 年 3 月決算までの 3 事業年度 ) については 法人税に対して 10% の復興特別法人税が適用されます

平成 25 年 3 月決算で 注意すべき税制改正項目 2 新しく創設された制度の他にも 研究開発 税制や交際費課税など既存の制度について 拡充が図られています 年度改正の 2 つの税制改正についての影響を受けることになるため注意が必要だと前項で説明しました 引き続き 平成 25 年 3 月決算で注意すべき税制改正項目について整理します 定率法による減価償却限度額計算の見直し 平成 24 年 4 月 1 日以後に取得をする減価償却資産の定率 法の償却率が 定額法の償却率 (1/ 耐用年数 ) を 2.5 倍 した率 (250% 定率法 ) から 2 倍した率 (200% 定率 法 ) に引き下げられます 貸倒引当金制度の廃止 中小企業などや銀行などを除き 貸倒引当金の設定が認められなくなりました ただし 資本金 1 億円以下の中小法人は これまで通り 貸倒引当金の設定ができます 償却率 2.5 倍 2 倍この改正も 原則として平成 25 年 3 月決算から適用されます 中小企業等や銀行等に該当しない場合 原則として貸倒引 当金制度の適用がなくなりますが 経過措置として段階的に繰入限度額が縮小されます 3 月決算法人の繰入限度額は以下のようになります 決算期繰入限度額 寄附金の損金算入限度額の縮減 一般の寄附金の損金算入限度額が現行の 1/2 に縮減されます この改正に伴い 特定公益増進法人に対する寄付金の別枠の損金算入限度額については 拡充が行われます 平成 24 年 3 月期平成 25 年 3 月期平成 26 年 3 月期平成 27 年 3 月期 従前どおり 3/4(*) 2/4(*) 1/4(*) 消費税の仕入税額控除におけるいわゆる 95% ルール の見直し 課税売上割合が 95% 以上の場合に課税仕入れなどの税額 の全額を仕入税額控除できる制度については その課税期 間の課税売上高が 5 億円以下の事業者に限り適用される ことになりました 平成 28 年 0(*) 3 月期 (*) 改正前の規定を適用したとした場合に 計算される限度額に当該割合を乗じた金額 平成 25 年 3 月決算で注意すべき税制改正項目についてのご相談は 当事務所までお気軽にお問合せください

教育資金贈与の 1500 万円 の非課税特例について 平成 25 年度税制改正で 直系尊属から教育資 金の一括贈与を受けた場合 贈与税を非課税 とする特例が創設されました 平成 25 年度税制改正で創設された 平成 25 年 4 月 1 日から平成 27 年 12 月 31 日までに 30 歳未満の者が直系尊属から教育資金の贈与を受けた場合 1500 万円まで贈与税が非課税となる制度について解説します 概要 教育資金贈与の 1500 万円の非課税特例は 信託会社 銀行 証券会社などと結んだ教育資金管理契約に基づき 下記 1~3 のいずれかの方法をとることで 受贈者が取得した信託受益権や金銭などのうち 1500 万円まで贈与税が非課税となる制度です 余ってしまった金額の取り扱い 信託会社などと結んだ教育資金管理契約は 受贈者が 30 歳になった場合や受贈者が死亡した場合などに終了することになります 受贈者が 30 歳に達する日までに 教育資金の支払に充てられなかった金額については 贈与税の課税対象となってしまうため注意が必要です ただし 受贈者が死亡したことで教育資金管理契約が終了した場合は 教育資金の支払に充てられなかった金額についても 贈与税の課税対象にはなりません 1 直系尊属 ( 祖父母などが該当 以下同じ ) が信託会社と締結した信託の受益権を受贈者 ( 孫などが該当 以下同じ ) が取得する 2 直系尊属から書面で贈与された金銭を受贈者が銀行などに預け入れる 3 直系尊属から書面で贈与された金銭などで受贈者が有価証券を購入するまた 一括贈与でなくても 平成 25 年 4 月 1 日から平成 27 年 12 月 31 日までの 3 年間であれば 1 年間で 500 万円ずつ贈与を受けるような分割贈与も可能です 相続開始前 3 年以内の贈与の相続税加算は適用なし 原則的に 相続などにより財産を取得した者が 相続開始 前 3 年以内にその被相続人から贈与を受けた財産の価額 は 相続税の課税価格に加算されます この際 相続税の 課税価格に加算されるのは 贈与税の課税価格に算入され るものに限られています そのため 相続開始前 3 年以内に直系尊属から信託受益権や金銭などの贈与を受けていても 教育資金贈与の 1500 万円の非課税特例の適用を受けた金額は 相続税の課税価格に加算されません 教育資金贈与の非課税特例についての不明点は 当事務所 までお問い合わせください

雑談力が上がる話し方 齋藤孝著 単行本 :182 ページ 出版 : ダイヤモンド社 価格 :1,500 円 ( 税込 ) 雑談 とひとくくりにされている会話の意味とそれが持 つ力を 解説していきます ビジネス界における 雑談力 の必要性は単に会話下手な若者たちだけにとどまらず 会 社の組織を担う人 ひいては経営者にも向けられています 雑談力は雑草力 著者は 雑談力は 厳しい時代を生きる力 と主張します かつてはコミュニティで自然に培われていた 雑談をする 力 が現在では失われつつあり 近頃はたった 30 秒の雑談 すら出来なくなっている人も多いようです その結果 雑 談は時間のムダだ と考えている人も増えてきています しかし 雑談はあなた自身の人間性 人格 社会性がすべ て凝縮されており その全てをたった 30 秒の何気ない会話 の中で見破られてしまっている としたらどうでしょうか 雑談についてあらためて重要性を認識し その能力を向上 社長の仕事は雑談と決断 そもそも経営者の仕事とは 雑談 と決断 であり ビジネス上のコ ミュニケーションにおいて重要な 意思決定力と雑談力の 2 つだけが 社長の仕事と言っても過言ではな いと筆者は続けます させるための訓練が必要になっていると筆者は述べてます 突破口になりうるのです 新しいニーズを探る アイデアを掘り起こす トップ営業 を仕掛ける 時には社内を回って社員を叱咤激励し 現場 の情報を収集する 全ての行為に関わってくるのが 雑談 力です 取引先への根回しをするため 相手が来社したときに社長 がふらりと現れ 二 三の雑談の後に手短に挨拶をして場 を立ち去る この何気ない雑談がビジネスを大きく動かす ニュートラルな人は雑談がうまい 三人集まれば派閥ができるのが人間の習性 しかしそれは ひとつ間違えると 派閥抗争 まで発展することもあります そのような時に組織全体から求められるのが グループや派閥に属さずに全員と同じスタンスで関わることができる ニュートラル な人です そして その人たちに共通しているのが 雑談がうまい ということです そういうニュートラルな人が入るだけで 場の空気がグンと開かれるのです 筆者は ニュートラルなスタンスがもたらすのは周囲からの 人望 であり ビジネスにおいて ニュートラル雑談力 は最強の武器である と述べています 雑談力を上げる方法 簡単に 雑談力 を上げる方法を 筆者は次のように分類して述べています 1 これで気まずくならない! 雑談の基本マナー 2 すぐにできる 雑談の鍛え方 & ネタの仕入れ方 3 ビジネスに使える雑談力 4 人 マンガ テレビ あらゆる達人からテクを学ぼうこれから社会人として歩み出す若い人たちのガイドブックであると同時に 組織を運営して行く人たちにも是非読んでいただきたい 目からうろこ のコミュニケーション力解説書です