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加藤 中川 雄樹 ほか 連続血圧計測を実現するセンサ技術 したがって ワイヤ保護樹脂から受ける応力を最小化する ような新たな構造や工法 樹脂の選定が必要となる 筆者 らは 図4 b に示すように ワイヤ保護樹脂の量を削減 し センサチップがワイヤ保護樹脂から受ける応力を最小 化するために バスタブ状のセラミック基板にセンサチッ プをダイボンドする構造を考案した セラミック基板がキャ ビティを有しており このキャビティにセンサチップを固 定し セラミック基板とセンサチップの隙間を応力の影響 が殆ど出ない低い弾性率の樹脂 以下 フィル樹脂と記載 で埋めることで 弾性率の高いワイヤ保護樹脂の量を最小 図3 化できる さらに センサチップの表面にのみワイヤ保護 従来センサと新センサの雑音耐性比較 樹脂が塗布されているために ワイヤ保護樹脂による残留 応力が発生しにくいと考えられる 次節では バスタブ形 3.2 新パッケージ構造の提案 オシロメトリック法に 状基板の最適化について その詳細を記述する よる血圧計測では カフ内の圧力が空気を媒体として半導 体の圧力センサに直接伝達されるが トノメトリ法による 連続血圧計測では圧力センサを皮膚に直接押圧する必要が あることは前述の通りである そのため 圧力センサを生 体適合性の良い樹脂封止 以下 ポッティングと記載 す る必要があるが ポッティングする樹脂の弾性率が低すぎ ると変形量が大きくなり正しく圧力を伝達できないため ある程度硬さのある樹脂を選択する必要がある しかしな がら 弾性率が高くなると 樹脂は硬化時にセンサチップ に応力を残存させ さらに樹脂は周辺温度の変化に伴い膨 張収縮するために 圧力センサを樹脂でポッティングする と一般的には特性が著しく悪化してしまう したがって a 旧パッケージ 弾性率の高い樹脂でポッティングしたとしても特性を悪化 させない これまでにないパッケージ構造や工法を新たに 開発する必要がある 特に 46個もの圧力センサ全てが 均一かつ圧力計測の精度を確保できるようにパッケージン グすることが重要である また センサチップから信号を引き出すために 種々の 工法の中からワイヤ ボンディングを選択する ワイヤ ボンディングは チップサイズの小型化に伴う電極端子の 狭ピッチ化にも対応してきた背景があり また一般的に低 コストで生産性が高い利点がある8 一方で 通常ワイヤ ボンディングの場合には ワイヤにストレスが加わらない ようにパッケージングする必要があるが 前述したように 連続血圧計測のために皮膚に直接押圧するため ワイヤを b 新パッケージ 図4 パッケージ構造の新旧比較 保護するための樹脂も必要となる 纏めると 図4 a に 示すように ワイヤを保護するためのストレス強度の高い 樹脂と センサチップ全体を覆う生体適合性の良い樹脂で のポッティングが必要となる すなわち異なる特性が要求 される高弾性の樹脂を二重に塗布する必要がある 前述したようにワイヤ保護樹脂は ワイヤの断線を保護 するために弾性率の高い樹脂を選定する必要がある しか しながら 図4 a で示した構造では ワイヤ保護樹脂が センサチップの短辺方向への圧縮および引張応力を残存さ せ 46個の圧力センサの特性が不均一となる また温度 特性が著しく悪化することが事前評価で観測されている (29) 29

OMRON TECHNICS Vol.50 No.1 通巻 161 号 2018 a Model 1 図5 a Model 1 図6 b Model 2 c Model 3 応力分布シミュレーション b Model 2 c Model 3 応力分布シミュレーション結果 3.3 応力シミュレーションによる構造最適化 提案す るバスタブ形状基板において ワイヤ保護樹脂の膨張収縮 による応力がセンサチップに最も影響を与えない形状を応 力分布シミュレーションによって構造を最適化する シミュ レーションモデルは図5に示す3パターン用意した Model 1は単純なバスタブ構造 図5 a で Model 2はバスタ ブの中央部分を削除した構造 図5 b Model 3はワイ ヤ保護樹脂部分のみバスタブ構造となっており中央部分は 全く壁が無い構造 図5 c とした センサチップはシ リコン半導体としての物性値を用い バスタブ基板はセラ ミックの物性値を用いた また ワイヤ保護樹脂は弾性率 470 MPa 熱膨張係数51 ppm/ とし 温度を50 変化 させた時センサチップにどのような応力分布が発生するか を解析した 図7 構造パラメータ調整後の応力分布 0に近づいており 圧力センサエレメント間のばらつきが 図6に Model 1 3のダイアフラム上に発生する応力分 小さくなっている Model 2はダイアフラムが受ける応力 布のシミュレーション結果を示す 図6の横軸 L はダイア の平均値は0に近づいているが 圧力センサエレメント間 フラム中心からの距離であり 実際のセンサチップでは でのばらつきは旧パッケージと同等である また Model 4500 4500 µm までに200 µm ピッチで圧力センサが 3は旧パッケージと同等の応力分布であり 構造変更によ 配置されている 図6の縦軸は y 軸方向への応力を示し る効果が殆ど現れていない 以上より センサチップの周 ており 正の値は圧縮応力 負の値は引張応力を意味する 辺が全て壁で囲まれているバスタブ形状が ワイヤ保護樹 また 図6の a b c にそれぞれ Model 1 3の結 脂による応力の影響を受けにくい構造であり センサ特性 果を示しているが Reference Old package と記載し を悪化させず各圧力センサエレメントの特性を均一に保つ てグラフ化しているのは 図5に示したシミュレーション ことができる構造であると考えられる さらに 詳細は省 モデルには記載がないが 図4 a に示した旧パッケージ 略するが Model 1における構造に関する種々のパラメー の応力分布シミュレーション結果であり 参考として併記 タを微調整することによって 図7に示すように応力分布 した Model 1は旧パッケージと比較して応力の平均値が をよりフラットに近づけることが可能となる 30 (30)

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OMRON TECHNICS Vol.50 No.1 通巻 161 号 2018 する また TCO と TCS のセンサチップの設計仕様はそ れぞれ typ.0.036%fs/ 0.034 0.107%FS/ お よび typ. 0.203%/ 0.353 0.107%/ であり 設計仕様範囲内であることがわかる 実装による特性悪化 の影響を受けているとすれば パッケージングで使用する 樹脂の中で最も弾性率が高いワイヤ保護樹脂の影響が温度 特性として現れるはずである また ワイヤ保護樹脂はセ ンサチップの両端にのみ塗布しているため 両端の圧力セ ンサエレメントでその影響が顕著になるはずであるが 図 9の結果からその傾向は見受けられない したがって 応 力分布シミュレーションの結果を元に提案した新たなパッ ケージ構造および工法によって 圧力センサエレメント 46個全ての特性を良好に保ったまま センサ周辺に種々 の樹脂を塗布できることが示された 4.2 手首ファントムを用いた評価 4.1節では センサ モジュールに圧力および温度を印可し 一般的な圧力セン 図8 センサモジュールの圧力温度特性 サとしての特性を評価したが 空気による圧力印可である こと また静的圧力であることから 人体に直接センサモ ジュールを押圧する状況とは異なる そこで 我々は一般 的な圧力センサとしての特性評価だけでなく 実条件に近 く さらに再現性の良い手首ファントムを開発し評価を実 施した 開発した手首ファントムによるセンサ評価システ ムを図10に示す 手首ファントムは 図10 a に示すよ うに 橈骨動脈を模擬する管 皮膚を模擬するゴムシート 組織を模擬するゴムシートで構成される 構成要素はそれ ぞれ 生体を機械的に模擬できる材料パラメータで予め選 定されている また 模擬血管内は水で満たされており さらに図10 b に示すように人体の動脈の拍動を模擬し 図9 オフセットとセンサ感度の温度係数 こともわかる 一方で 図8ではオフセットおよびセンサ a 概要図 感度共に 中央から端の圧力センサエレメントにかけて緩 やかに特性が変化しているように見えるが これは周辺樹 脂の影響ではなく センサチップのダイアフラム形状に依 存する特性であり 実装前のセンサチップ単体での特性評 価においても同様の傾向となるため 実装によって特性が 悪化しているものではない さらに 図9から TCO は約 0.05%FS/ TCS は約0.2%/ で圧力センサエレメント 毎に差が無く均一な特性となっている これは オフセッ トおよびセンサ感度の温度による影響が 各圧力センサエ b チューブ内圧波形 レメントで あるいは低温側から高温側までの各温度にお いて 温度係数が小さいかつ均一な特性であることを意味 32 (32) 図10 手首ファントムによるセンサ評価システム

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