成人の人体に占める水の量 ( 重量 ) は細胞内液が 35%, 細胞外液が 25% を占める. 細胞外液は血漿, 組織間液, 消化液に分けられる. 血液は体重の ( 13 ) 分の 1 であり, 血漿は血液から血球 ( 赤血球, 白血球, 血小板 ) を除いたものである. 血液の ph は ( 7.

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細胞膜などの生体膜は ( リン脂質 ) を主成分とする二重層膜である. 粗面小胞体の膜表面に付着している小さな粒子は ( リボソーム ) である. ここ ( リボソーム ) で,( タンパク質 ) が合成される. この ( リボソームの ) 成分はタンパク質と ( rrna ) で ある. ミトコンドリアはエネルギー産生の場で, 反応系として ( クエン酸,TCA, クレブス ) 回路と ( 電子伝達系 ) 系,β 酸化が存在する.

成人の人体に占める水の量 ( 重量 ) は細胞内液が 35%, 細胞外液が 25% を占める. 細胞外液は血漿, 組織間液, 消化液に分けられる. 血液は体重の ( 13 ) 分の 1 であり, 血漿は血液から血球 ( 赤血球, 白血球, 血小板 ) を除いたものである. 血液の ph は ( 7.4 ), 胃液の ph は ( 1.0 ~ 2.0 ) ある. 生体液は緩衝作用をもち, 外界から酸や塩基が侵入しても ph が大きく変化しない. 緩衝作用の一つの, CO 2 + H 2 O H + + HCO 3 - の反応は酵素 ( カルボニックアンヒドラーゼ ) で触媒される. 炭酸脱水酵素

三大栄養素 ( 炭水化物 )( 脂質 )( タンパク質 ) 五大栄養素 = 三大栄養素 + ( ビタミン )+ ( ミネラル ) ミネラル は 無機質 でも 食物として取り入れた栄養素はそのまま体の構成成分になるのでなく, いったん消化管で消化された後, 吸収され, 体に必要な生体構成成分に再構築 ( 合成 ) される. 糖質から糖質, 脂質から脂質, アミノ酸からタンパク質が合成されることが多いが, それ以外に, 糖質から ( 脂 ) 質, タンパク質から ( 糖 ) 質,( 脂 ) 質が合成される. 核酸は糖質, アミノ酸に由来するさまざまな物質を原料に合成される. 分解 ( 異化 ), 合成 ( 同化 ) などの化学反応 ( 代謝 ) は, ほとんどが酵素が作用して進行する. 酵素の主成分は ( タンパク質 ) である. 酵素反応を助ける補酵素はほとんどが栄養素 ( ビタミン ) に由来する.

スクロースは ( グルコース ) と ( フルクトース ) が α1,β2 グリコシド結合した二糖. ラクトースは ( ガラクトース ) と ( グルコース ) が α1,4 グリコシド結合した二糖. マルトースは ( グルコース ) と ( グルコース ) が α1,4 グリコシド結合した二糖. 血糖は血液中の ( グルコース ) である. デンプンは枝分かれ構造をもたないアミロースと枝分かれ構造をもつアミロペクチンの混合物であり, うるち米では両者の比が 20:80 で, もち米ではほとんどがアミロペクチンである. アミロースはらせん構造をとり, ヨウ素分子がらせんに内に収まることで着色する. デンプンは植物の貯蔵糖であり, 動物の貯蔵糖は ( グリコーゲン ) で, 構造はデンプンの ( アミロペクチン ) に類似している. セルロースは ( グルコース ) が β1,4 結合した直線状ポリマーである.

唾液 α- アミラーゼ, 膵 α- アミラーゼは α1,4 グリコシド結合をランダムに加水分解し, 三糖のマルトトリオース, デキストリンを生じる. デンプン, グリコーゲンを分解するセルロースは分解しない 糖質はエネルギー源になるが, そのほかに重要な下記の機能がある. (ABO 式血液型の凝集原 )( 細胞間コミュニケーション ) 脂質に分類されるものには単純脂質, 複合脂質, ステロールがある. 貯蔵エネルギー源である ( トリアシルグリセロール ), 生体膜の脂質二重層を形成する ( リン脂質 ), コレステロールなどがある

タンパク質は ( 20 ) 種類のL-α-アミノ酸が ( ペプチド ) 結合した高分子である. 必須アミノ酸は ( フェニルアラニン )( ロイシン )( バリン )( イソロイシン )( スレオニン )( ヒスチジン )( トリプトファン )( リジン ) ( メチオニン ) である. 脂溶性ビタミンは ( A )( D )( E ) ( K ) の 4 種類, 水溶性ビタミンは ( C ) ( B 1 )( B 2 )( ナイアシン )( B 6 ) ( B 12 )( 葉酸 )( ビオチン )( パントテン酸 ) の 9 種類である. 食物を構成する高分子 ( 多糖, 脂質, タンパク質 ) は消化管で消化され,( 小腸 ) から体内に吸収される.

酸素は赤血球の ( ヘモグロビン ) と結合して組織に運搬される. 組織で生じた二酸化炭素は ( 赤血球 ) で炭酸になり, 肺で再び二酸化炭素となり排出される 脂質は小腸で吸収され,( リンパ管 ) から胸管を経て血液中に移行する. グルコースは ( 解糖系 ),( クエン酸回路 ),( 電子伝達系 ) という一連の代謝過程を経てエネルギー (ATP) を産生する. エネルギーが十分に供給されている場合はグルコースは ( グリコーゲン ) となり肝臓や ( 筋肉 ) に蓄えられる. 中性脂肪は脂肪酸と ( グリセロール ) に分解され, 脂肪酸は ( β ) 酸化を経て ( アセチル CoA ) となってクエン酸回路に合流する. エネルギーが十分に供給されている場合は脂肪酸は ( トリアシルグリセロール, 中性脂肪 ) となって脂肪細胞に蓄えられる.

タンパク質は分解され, 小腸から ( アミノ酸 ) として吸収される. アミノ酸がアミノ基転移反応と酸化的脱アミノ反応で分解されると 2-オキソ酸と ( アンモニア ) を生じる. これは毒性があるが,( オルニチン, 尿素 ) 回路を経て毒性の低い尿素に変わり, 尿中に排泄される.2-オキソ酸はクエン酸回路の中間体に変わるなど, エネルギー産生に関わる. DNA はタンパク質の設計図であり,( 4 ) 種類の塩基 ( ヌクレオチド ) で記載されている.

タンパク質の合成時,DNAの塩基配列は( メッセンジャー m )RNAに転写される.3つの塩基で1つのアミノ酸を示し,3つの塩基の一組を( コドン ) という. 開始コドンは ( AUG ) である. 次いでリボソーム上でペプチド鎖の合成 ( 飜訳 ) が行われる. これにはmRNAのほかに ( トランスファー t )RNAが関わる. 恒常性を保つしくみとして, 内分泌腺から分泌される ( ホルモン ) 系と自律神経系がある. 自律神経系には ( 交感 ) 神経系と ( 副交感 ) 神経系があり, 組織や器官の多くは両者に支配されている.

p.70, 58 エナメリン 象牙質 90% コラーゲン エナメル質 アメロゲニンエナメリンアメロブラスチン ヒドロキシアパタイト

1 エナメル質はどちらか? (b) 2 成熟期の a の有機物で最も量の多いタンパク質は何か? (Ⅰ 型コラーゲン ) 90% 3 マトリックス形成期のbの有機物で最も量の多いタンパク質は何か?( アメロゲニン ) 90% 4 成熟期後の b の有機物で最も多いタンパク質は何か? ( エナメリン ) 5 歯を構成する無機質はリン酸カルシウムである. 主成分の化合物は次のどれか? ア ) 不定形リン酸カルシウムイ ) 第二リン酸カルシウムウ ) 第三リン酸カルシウムエ ) リン酸オクタカルシウムオ ) ヒドロキシアパタイト

問題 2. 唾液の大部分は水であり, 微量の無機質と有機質を含んでいる. 無機質は, カリウム, 塩素, ナトリウム, 炭酸水素塩 ( 重炭酸塩 ), カルシウム, 無機リン酸, フッ素などが主で, 浸透圧に関わるのはK +, Cl -, Na +, HCO 3- である. 腺房部でつくられた原唾液は血漿と等張であるが,Na +, Cl -, HCO 3- は腺房部導管部で再吸収され, 浸透圧は低下する. 再吸収の量は唾液の分泌速度により影響を受ける.K + は腺房部導管部で分泌されるが, 唾液分泌速度による影響をあまり受けない. その結果, 安静時の唾液の浸透圧は血漿 [ と等しくよりも高くよりも低く (1/6) ], 唾液の分泌速度が速くなると血漿の濃度に近づく (1/2~3/4) [ 血漿とほぼ等しく血漿よりも高く血漿よりも低く ] なる.

問題 3. 血漿のカルシウムイオンとリン酸イオンの濃度はヒドロキシアパタイトに対して過飽和である. 骨の石灰化は骨芽細胞が発芽により (a 基質小胞 ) を形成し, この内部にヒドロキシアパタイトの結晶が形成し, これが核となって石灰化が進む.aの膜にはピロリン酸を生成するATPピロホスファターゼ, アルカリ性ホスファターゼ, リン酸イオンやカルシウムイオンを aの内側に取込む装置が存在する. ピロリン酸は別名 [ 一リン酸二リン酸三リン酸 ] と呼ばれ, 石灰化を阻害するが, アルカリ性ホスファターゼはピロリン酸を加水分解し ( 一リン酸 ) にする. モノリン酸 骨は常に生成と吸収を繰り返している. 骨生成は骨芽細胞が, 骨吸収は ( 破骨 ) 細胞が担っている. 象牙質の石灰化は象牙芽細胞によって行われ, 骨と同様,aの形成を介する. 象牙質には骨には見られない特有のタンパク質 ( ホスホホリン象牙質リンタンパク質 ) が存在し, 象牙質の石灰化に関与する. エナメル質の石灰化は, 象牙質で形成されたヒドロキシアパタイトが核となって始まる.

問題 4. 血漿中のカルシウム濃度は (10)mg/dL であり,3 種類のホルモンで厳密に調節されている.2.5 mm, 2.5 mmol/l 下の表にホルモン名と分泌臓器名を入れよ.p.73 ホルモン 副甲状腺ホルモン 活性型ビタミン D 分泌臓器 標的器官 小腸骨腎臓 血漿カルシウム 副甲状腺 上昇 腎臓 上昇 カルシトニン 甲状腺 C 細胞 下降 PTH パラソルホルモン上皮小体ホルモン 7- デヒドロコレステロールビタミン D 3 25(OH)D 3 1,25(OH) 2 D 3 ビタミン D 2 25(OH)D 2 1,25(OH) 2 D 2

問題 5. 唾液タンパク質とその作用とを線で結んで組合せよ. 1 ムチン 6 2 唾液 α-アミラーゼ 1 3 分泌型 IgA (siga) 3 4 カリクレイン 4 溶菌 ( 細菌細胞壁のグリコシド結合を加水分解 ) 粘膜保護作用, 血液型物質, 細菌凝集作用 口腔内生体防御の中心 ( 微生物の付着阻止 ) キニノーゲンに作用してキニンを生成 5 ラクトフェリン 2 デンプンからマルトースの生成 6 リゾチーム 5 鉄と結合することによる殺菌 7 唾液ペルオキシダーゼ 7 殺菌 (SCN - の酸化に基づく ) 8 ヒスタチン 8 カルシウムと結合

問題 6. 皮膚に代表される上皮組織は角化し細胞同士が密接している. しかし, 歯肉溝上皮は角化が見られず, 付着上皮は細胞間隙が広いという特徴がある. この間隙から滲出する組織液を ( 歯肉溝滲出液しにくこうしんしゅつえき ) という. 上皮組織と結合組織との間に存在する膜を ( 基底膜 ) という. 結合組織は細胞成分と豊富な細胞外マトリックス成分からなる ( 下表 ). プロテオグリカン, 接着タンパク質名を 1 つずつ記せ. 線維状タンパク質 コラーゲンエラスチンフィブリリン 細胞外マトリックス 線維間マトリックス プロテオグリカン 接着タンパク質 アグリカンデコリンパールカン フィブロネクチンラミニン 無機質 水塩類ヒドロキシアパタイト

プロテオグリカンは, 皮膚, 軟骨, 骨, 靱帯のような結合組織に豊富に存在している. 一般的に, コアタンパク質とよばれる 1 本のポリペプチド鎖にグリコサミノグリカン ( 多糖 ) が 1~ 多数共有結合した構造体である. グリコサミノグリカンは2 種類の単糖, ヘキソサミン ( グルコサミン, ガラクトサミン ) とウロン酸の繰り返し単位構造をもっている. グリ コサミノグリカンの例として ( ヒアルロン酸 コンドロイチン6- 硫酸 ヘパラン硫酸, ヘパリン デルマタン硫酸 ケラタン硫酸 ) がある.p.54 接着タンパク質は細胞や結合組織成分と結合する領域 ( ドメイン ) をもっている. この接着タンパク質の細胞接着ドメインと細胞の細胞膜に存在するタンパク質 ( インテグリン ) が結合する.

問題 7. う蝕と歯周疾患リン酸カルシウムは水に非常に溶けにくいが, 酸には溶解する. ヒドロキシアパタイトは ph が ( 5.5 5.7 ) 以下になると急激に溶解度が増す. 口腔細菌は糖を代謝して ( 乳酸酢酸酪酸 ) のような酸を産生する. エリスリトールやキシリトールはなぜ抗う蝕作用があるのか?( 細菌による酸産生や菌体外多糖生成の材料とならないため ) フッ素はなぜ抗う蝕作用があるのか? ( 耐酸性のフルオロアパタイトを形成するため ) 歯肉縁下プラークの細菌は歯肉溝や歯周ポケット内に形成されるプラークで, 歯肉溝滲出液や歯肉剥離上皮を栄養源とする細菌が多い. このような細菌は組織を破壊するような酵素 ( コラゲナーゼ ) や細胞毒性のある代謝産物 ( アンモニア, 酪酸, 硫化水素, インドール ) を産生したり, 毒素を産生したり, 莢膜をもっていたりする. 歯周疾患はこのような細菌活性を生体防御反応で防御できないときに生じる. グラム陰性菌が溶菌すると, 外膜表面に結合している ( リポ多糖 LPS ) が [ 内毒素, 外毒素 ] としてはたらき, 生体防御反応の暴走を引き起し, 歯周疾患を加速させる.

前半の練習問題その 2 1~17 正解は最終ページにあります ( 訂正版 ) 1 細胞膜などの生体膜 ( 二重層膜 ) の主成分はどれか [1 つ ]. a. コラーゲン b. ホスファチジルコリン c. セルロース d. 糖タンパク質 e. トリアシルグリセロール

2 ミトコンドリア ( エネルギー産生 機能 ) に存在するのはどれか [3 つ ]. a. クエン酸回路 b. 電子伝達系 c. β 酸化 d. 解糖系

3 誤っているのはどれか [1 つ ]. a. 血液のpHは7.4である b. 酸素は赤血球のヘモグロビンで運ばれる c. ヘモグロビンは鉄を含むタンパク質である d. 血糖の糖はスクロースである e. インスリンとグルカゴンは血糖を調節するペプチドホルモン である

4 生体液の緩衝作用の一つ, CO 2 + H 2 O H + + HCO 3 - の反応を触媒する酵素はどれか [1 つ ]. a. カルボニックアンヒドラーゼ b. カタラーゼ c. カルボキシラーゼ d. カリクレイン

5 誤っているのはどれか [1 つ ]. a. スクロースはグルコースとフルクトースの二糖である b. ラクトースはガラクトースとグルコースの二糖である c. マルトースはフルクトース2 分子からなる d. スクロースは炭水化物である

6 多糖について誤っているのはどれか [1 つ ]. a. デンプンは植物の貯蔵糖である b. デンプンはグルコースのポリマーである c. デンプンはアミロースとアミロペクチン の混合物である d. アミロースは枝分かれ構造をもたない e. 動物の貯蔵糖はセルロースである

7 デンプンを分解する酵素はどれか [1 つ ]. a. ラクターゼ b. マルターゼ c. スクラーゼ d. α-アミラーゼ e. イソマルターゼ

8ABO 血液型物質の成分はどれか [1 つ ]. a. タンパク質 b. 脂質 c. 糖質 d. ミネラル

9 飽和脂肪酸はどれか [1 つ ]. a. リノール酸 b. アラキドン酸 c. ステアリン酸 d. γ-リノレン酸 e. エイコサペンタエン酸

10 リン脂質はどれか [1 つ ]. a. リノール酸 b. アラキドン酸 c. コレステロール d. トリグリセロール e. ホスファチジルコリン

11 ステロールでないのはどれか [1 つ ]. a. 副腎髄質ホルモン ( アドレナリンなど ) b. 副腎皮質ホルモン ( コルチゾールなど ) c. 胆汁酸 ( コール酸など ) d. 黄体ホルモン ( プロゲステロン ) e. 卵胞ホルモン ( エストロゲン )

12 アミノ酸とタンパク質について誤っているのは どれか [1 つ ]. a. タンパク質は20 種類のL-α-アミノ酸から成る b. ペプチド結合した高分子である. c. 必須アミノ酸は体内で合成されない d. アミノ酸配列をタンパク質の三次構造という e. フェニルアラニンは必須アミノ酸である

13 ビタミンについて誤っているのはどれか [1 つ ]. a. 水溶性ビタミンは補酵素の主要部分を構成する b. ビタミンAは視覚に関与する c. ビタミンDはカルシウム代謝に関与する d. ビタミンKは血液凝固に関与する e. ビタミンCは脂溶性である

14 糖代謝について誤っているのはどれか [1 つ ]. a. 小腸からスクロースで吸収される b. 吸収された一部はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に貯蔵される c. 糖は解糖系でピルビン酸になる d. クエン酸回路で, アセチルCoAからATP, NADH, FADH 2 を生 じる e. 電子伝達系で,NADH, FADH 2 からATPが産生する

15 脂質について誤っているのはどれか [1 つ ]. a. 脂質は胆汁により乳化される b. 脂質は小腸で膵臓のリパーゼで分解される c. キロミクロンを形成してリンパ管に吸収される d. 中性脂肪はグリセロールと脂肪酸に分解される e. 脂肪酸は解糖系を経てエネルギーを生成する

16 ヒトのタンパク質代謝について誤っているのはどれか [1 つ ]. a. 食事で摂取したタンパク質は分解され, 小腸からアミ ノ酸として吸収される b. アミノ酸からタンパク質が生合成される c. アミノ酸からプリンやピリミジンが生合成される d. 余剰のアミノ酸は分解され2-オキソ酸とアンモニアに なる e. アンモニアは肝臓で尿酸になって尿中に排泄される

17 誤っているのはどれか [1 つ ]. a. DNAはタンパク質の設計図である b. DNAは5 種類の塩基で記載されている. c. タンパク質の合成時,DNAの塩基配列はmRNAに転写される. d. mrnaの3つの塩基は1つのアミノ酸を示し,3つの塩基の 一組をコドンという. e. mrnaはリボソームに結合し, 対応するアミノ酸と結合した trnaが1 個ずつ並んで連結してペプチド鎖の合成 ( 飜訳 ) が行われる.

生化学前半練習問題 1 b 生体膜はリン脂質二重層 2 a, b, c 解糖系は細胞質 3 d 血糖はグルコース 4 a 炭酸脱水酵素とも言う 5 c マルトース ( 麦芽糖 ) はグルコース ( ブドウ糖 )2 分子 6 e 動物の貯蔵糖はグリコーゲン 7 d 唾液 α-アミラーゼ, 膵 α-アミラーゼ 8 c 9 c 飽和脂肪酸 : ステアリン酸 (C18), パルミチン酸 (C16) 10 e 1 関連ホスファチジルセリン, ホスファチジルコリン 11 a カテコールアミン 12 d アミノ酸配列は一次構造 OH 13 e ビタミン C は水溶性 14 a 単糖で吸収 15 e 脂肪酸は β 酸化を経て OH カテコール 16 e ヒトでは尿素として排泄 ( 魚はアンモニア, 鳥は尿酸で排泄 ) 17 b DNA は 4 種類の塩基 ( ヌクレオチド ) で記載