11 ウシガラス化保存時のストロー内希釈液の種類と胚の生存性

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薬株式会社 ) を挿入した (0 日目とする ) 4 日目に生理食塩水 ( 大塚生食注 : 大塚製薬株式会社 )50ml を溶媒とした FSH( アントリン R10: 共立製薬株式会社 ) 20AU を皮下 1 回投与し プロスタグランジン F2α 製剤を同時投与した 前報より ecg( 動物用セロ

乳牛の繁殖技術と生産性向上

2) 飼養管理放牧は 5 月から 11 月の期間中に実施した 超音波検査において受胎が確認された供試牛は 適宜退牧させた 放牧開始時および放牧中 3 週間毎に マダニ駆除剤 ( フルメトリン 1 mg/kg) を塗布した 放牧には 混播永年草地 2 区画 ( 約 2 ha 約 1 ha) を使用し

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和歌山県農林水産試験研究機関研究報告第 1 号 20AU を皮下に 1 回投与するワンショット区と生理食塩水に溶解した合計 20AU の FSH を 3 日間にわたり減量投与する減量投与区の 2 区を設定し, 当場で飼養している分娩後 日後の黒毛和種経産牛 3 頭を用いて, 各処理を 3

( 図 7-A-1) ( 図 7-A-2) 116

東京都農林総合研究センター研究報告第 13 号 (2018 年 ) る ( 松本,2006) ことが明らかになっており, さらに, 牛では灸処置により子宮動脈血流量が増加したという報告もある ( 石川ら,2001) 秋葉ら(2006) の研究では, 分娩後 30 日および 50 日に 2 回施灸した

れた。

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

検査項目情報 トータルHCG-β ( インタクトHCG+ フリー HCG-βサブユニット ) ( 緊急検査室 ) chorionic gonadotropin 連絡先 : 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10)

たまみつしげ 2 黒毛和種 琴照重 及び褐毛和種 球光重 ETI が優秀な成績を収めて 種雄牛として選抜される 鳥取牧場で作出した黒毛和種の種雄牛 琴照重 が 産子の肥育成績を調べる現場後代検定により選抜され 精液の供給が始まりました 琴照重 は 同時期に検定を実施した種雄牛 23 頭中 脂肪交雑

表 1 過剰排卵処置スケジュール 日 処置内容 AM E2:2mg CIDR 挿入 FSH:6AU FSH:5AU FSH:4AU PG:625μ g CIDR 抜去 PM FSH:6AU FSH:5AU FSH:4AU AI(1 回目 )* GnRH:200μ g A

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これらの検査は 月経周期の中で下記のような時期に行われます ( いつでも検査できるわけではありません ) 図中のグラフは基礎体温の変動を示し 印は月経を示します 月経周期における検査の時期 高温期 低温期 月経 月経 血液検査 LH FSH E2( エストラジオール ) AMH 精液検査 排卵日 血

岡山農総セ畜研報 6: 55 ~ 59 (2016) < 研究ノート > 黒毛和種における繁殖性向上を目指した飼料給与体系の検討 福島成紀 木曽田繁 滝本英二 Examination of the Feeding Method Aiming at Improving reproductive Per

検査項目情報 1174 一次サンプル採取マニュアル 4. 内分泌学的検査 >> 4F. 性腺 胎盤ホルモンおよび結合蛋白 >> 4F090.HCGβ サブユニット (β-hcg) ( 遊離 ) HCGβ サブユニット (β-hcg) ( 遊離 ) Department of Clinical Lab

検査項目情報 1171 一次サンプル採取マニュアル 4. 内分泌学的検査 >> 4F. 性腺 胎盤ホルモンおよび結合蛋白 >> 4F090. トータル HCG-β ( インタクト HCG+ フリー HCG-β サブユニット ) トータル HCG-β ( インタクト HCG+ フリー HCG-β サブ

マイクロボリュームエアクーリング (MVAC) 法によるブタ胚 ( 体内生産胚 ) のガラス化保存方法 - 1 -

AID 4 6 AID ; 4 : ; 4 : ; 44 : ; 45 : ; 46 :

Ⅱ 材料および方法 1. 供胚牛福井県内の酪農家 19 戸で飼養されているホルスタイン種経産牛の中から 4 産以上分娩し かつ産乳能力が高い上位 3 頭 ( 平均産歴 4.7 産 ) を選抜した 供胚牛 3 頭を 3 反復し ( 延べ 9 回 ) SOV 方法が異なる 3 区 ( 対照区 試験区 1

平成24年度自給飼料利用研究会資料|酪農生産における暑熱の影響とその対応

澤香代子 坂本洋一 岡﨑尚之 山本裕美 長谷川清寿 : 経腟採卵と過剰排卵処理の併用による和牛胚の生産効率化に関する検討 ( 第 3 報 ) 実験 1 材料および方法 当センター繋養の黒毛和種経産牛 20 頭を供試し 各供試牛に対して3つの胚生産手法を産次ごとに任 1 3) 意の順序ですべて適用した

なお 本試験は農林水産省の国庫補助である受精卵普及定着化事業 ( 技術高度化 ) による 10 県 ( 青森 秋田 宮城 神奈川 静岡 奈良 宮崎 高知 山口 大分 ) の共同試験で実施した当所の 3 カ年にわたる成績である 材料及び方法 1. 受卵牛所内で飼養している黒毛和種経産牛 13 頭 未経

農業高校における繁殖指導とミニ講座による畜産教育支援 大津奈央 中島純子 長田宣夫 飯田家畜保健衛生所 1 はじめに 管内の農業高校では 教育の一環とし て 繁殖雌牛4頭を飼育し 生徒が飼養 いた また 授業外に班活動として8名が畜 産部に所属していた 管理を担うとともに 生まれた子牛を県 飼養管理

あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

抑制することが知られている 今回はヒト子宮内膜におけるコレステロール硫酸のプロテ アーゼ活性に対する効果を検討することとした コレステロール硫酸の着床期特異的な発現の機序を解明するために 合成酵素であるコ レステロール硫酸基転移酵素 (SULT2B1b) に着目した ヒト子宮内膜は排卵後 脱落膜 化

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ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

(10) 氏名 ( 本 ( 国 ) 籍 ) 三浦亮太朗 ( 静岡県 ) 主指導教員氏名 帯広畜産大学准教授松井基純 学位の種類 博士 ( 獣医学 ) 学位記番号 獣医博甲第 440 号 学位授与年月日 平成 27 年 3 月 13 日 学位授与の要件 学位規則第 3 条第 2 項該当 研究科及び専攻

牛における胚移植および核移植に関する臨床繁殖学的研究

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

不妊外来を受診される方へ

平成18年度「普及に移す技術」策定に当たって

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

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婦人科63巻6号/FUJ07‐01(報告)       M

人工授精について

氏名 ( 本籍 ) 鈴木桂子 学位の種類薬 A 子 博士 学位記番号用 下 E コ王 学位授与の日付昭和 54 年 3 月 6 日 学位授与の要件学位規則第 5 条第 2 項該当 学位論文題目 ラット卵巣におけるステロイドホルモン合成に関する研究 ( 主査 ) ー論文審査委員教授近, f~i 雅日

スライド 1

その最初の日と最後の日を記入して下さい なお 他の施設で上記人工授精を施行し妊娠した方で 自施設で超音波断層法を用いて 妊娠週日を算出した場合は (1) の方法に準じて懐胎時期を推定して下さい (3)(1) にも (2) にも当てはまらない場合 1 会員各自が適切と考えられる方法を用いて各自の裁量の

通常 繁殖成績はなかなか乳量という生産性と結びつけて考えることが困難なのですが この平均搾乳日数という概念は このように素直に生産性 ( 儲け ) と結びつけて考えることができます 牛群検定だけでなく色々な場面で非常に良く使われている数値になりますので覚えておくと便利です 注 1: 平均搾乳日数平均

保健機能食品制度 特定保健用食品 には その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をすることができる 栄養機能食品 には 栄養成分の機能の表示をすることができる 食品 医薬品 健康食品 栄養機能食品 栄養成分の機能の表示ができる ( 例 ) カルシウムは骨や歯の形成に 特別用途食品 特定保健用

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研究の中間報告

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial

荒 j132 表1.新 良 な乳 牛 で,乳 鮮 胚 の 全 頭 受 胎 例(61,6.9移 量8,000kg以 上,乳 脂 肪3.5%以 木 武 紀 植) 上,肢 受 胎 の た め の治 療 処 置 が 行 わ れ て い た, 蹄 強 健 で 搾 乳 速 度 良好 な もの を,受 胚 牛 は

凍結胚の融解と胚移植の説明書 平成 27 年 8 月改定版 治療の必要性 / 適応について受精卵 ( 胚 ) の凍結は 体外受精または顕微授精において 以下のような場合に行なわれる治療です 新鮮胚移植後に 妊娠につながる可能性のある受精卵 ( いわゆる余剰胚 ) が残っていた場合 採卵数が多い 血中

第59回日本生殖医学会学術講演会 プログラム

検査のタイミング ご自分の生理 ( 月経 ) 周期から換算して 次の生理 ( 月経 ) 開始予定日の 17 日前から検査を 開始してください 検査開始日から 1 日 1 回 毎日ほぼ同じ時間帯に検査してください ( 過去に検査してLHサージがうまく確認できなかった場合や 今回検査をしたところ陽性か陰

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検査項目情報 γ-gtp ( ガンマ-グルタミルトランスペプチダーゼ ) [ 血清 ] gamma glutamyl transpeptidase 連絡先 : 3487 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10) 3B090 分析物 γ-

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2 Vol. 17, No.1, 2009

別紙 体外受精胚移植 (IVF-ET) の流れ をご参照ください. まず, 実際に IVF-ET を行う前の周期までに, 治療の説明をお聞きいただき, 術前検査として心電図と血液検査 ( 血液型, 感染症, 血液凝固機能等 ) を行います. 後に採卵という手術が必要になりますので, それが安全に行え

試 プロゲステロン IVF-プロゲステロン 低値の特異性が向上し 交差反応が低減される改良試薬へ変更いたします ( 試薬は販売中止となります ) 併せてプロゲステロンの基準値を再設定させていただきます (IVF- プロゲステロンは基準値を設定しており

現在 本事業で分析ができるものは 1 妊娠期間 2 未経産初回授精日齢 3 初産分娩時日齢 / 未経産妊娠時日齢 4 分娩後初回授精日 5 空胎日数 6 初回授精受胎率 7 受胎に要した授精回数 8 分娩間隔 9 供用年数 / 生涯産次 10 各分娩時月齢といった肉用牛繁殖農家にとっては 極めて重要

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焼酎粕飼料を製造できることを過去の研究で明らかにしている ( 日本醸造協会誌 106 巻 (2011)11 号 p785 ~ 790) 一方 近年の研究で 食品開発センターが県内焼酎もろみから分離した乳酸菌は 肝機能改善効果があるとされる機能性成分オルニチンを生成することが分かった 本研究では 従来

平成 27 年 8 月改定版こともあります [ アンタゴニスト法 ] 月経が開始してから2~3 日目 ( 前の周期に経口避妊薬を使うこともあります ) から卵巣刺激の注射 (hmg 製剤 FSH 製剤 ) を開始します 原則として連日注射し 数日間の注射の後には超音波検査やホルモン測定により 卵巣の

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妊娠認識および胎盤形成時のウシ子宮におけるI型IFNシグナル調節機構に関する研究 [全文の要約]

ふくしまからはじめよう 農業技術情報 ( 第 39 号 ) 平成 25 年 4 月 22 日 カリウム濃度の高い牧草の利用技術 1 牧草のカリウム含量の変化について 2 乳用牛の飼養管理について 3 肉用牛の飼養管理について 福島県農林水産部 牧草の放射性セシウムの吸収抑制対策として 早春および刈取

審査結果 平成 23 年 4 月 5 日 [ 販 売 名 ] ゴナールエフ皮下注用 150 [ 一 般 名 ] ホリトロピンアルファ ( 遺伝子組換え ) [ 申請者名 ] メルクセローノ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 7 月 21 日 [ 審査結果 ] 提出された資料から 本剤の視床

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体外受精についての同意書 ( 保管用 ) 卵管性 男性 免疫性 原因不明不妊のため 体外受精を施行します 体外受精の具体的な治療法については マニュアルをご参照ください 当施設での体外受精の妊娠率については別刷りの表をご参照ください 1) 現時点では体外受精により出生した児とそれ以外の児との先天異常

相模女子大学 2017( 平成 29) 年度第 3 年次編入学試験 学力試験問題 ( 食品学分野 栄養学分野 ) 栄養科学部健康栄養学科 2016 年 7 月 2 日 ( 土 )11 時 30 分 ~13 時 00 分 注意事項 1. 監督の指示があるまで 問題用紙を開いてはいけません 2. 開始の

テイカ製薬株式会社 社内資料

謔」閠・錐

Vol.No. 2. 方法 ( 1 ) 調査対象と時期 A B ( 2 ) 調査内容 1 ) 食事の摂取状況 2 ) 食品群別摂取頻度 3 ) 生活習慣状況 4 ) 健康意識 ( 3 ) 解析 Dplus 3. 結果と考察 ( 1 ) 性別と全調査項目 p p p ( 2 ) 食事の摂取状況 p

2 反復着床不全への新検査法 : 検査について子宮内膜の変化と着床の準備子宮内膜は 卵巣から分泌されるステロイドホルモンの作用によって 増殖期 分泌期 月経のサイクル ( 月経周期 ) を繰り返しています 増殖期には 卵胞から分泌されるエストロゲンの作用により内膜は次第に厚くなり 分泌期には排卵後の

晶形成することなく固化 ( ガラス化 ) します この方法は 前核期胚などの早期胚 の凍結に対して高い生存率が多数報告されています また 次に示します vitrification 法に比べて 低濃度の凍結保護剤で済むという利点があります 2) Vitrification( ガラス化保存 ) 法 細胞

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関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で

参考1中酪(H23.11)

児に対する母体の甲状腺機能低下症の影響を小さくするためにも 甲状腺機能低下症を甲状腺ホル モン薬の補充でしっかりとコントロールしておくのが無難と考えられます 3) 胎児 新生児の甲状腺機能低下症 胎児の甲状腺が生まれながらに ( 先天的に ) 欠損してしまう病気があります 通常 妊娠 8-10 週頃

て それ以後は中止してください [ ショート法 ]short 法 月経 周期の1~ 3 日目 から点鼻薬 ( スプレキュア ) を開始する方法で 卵巣機能が低下 ( 卵胞発育不十分 35 歳 ~) の場合にこの方法で行うことがあります スプレー開 始の翌日か翌々日に卵巣刺激の注射 ( hmg 製剤

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胚(受精卵)移植をお受けの方へ

妊娠のしくみ 妊娠は以下のようなステップで成立します Step1 卵胞発育脳にある下垂体から分泌される 卵胞刺激ホルモン (FSH) が卵巣内の卵胞を発育させます Step2 射精 精子の子宮内侵入性交により精液が腟内に入ります 腟に入った精子は 子宮を通過して 卵管を登っていきます Step3 排

12 牛白血病対策のため考案したアブ防除ジャケットの実用化試験 東青地域県民局地域農林水産部青森家畜保健衛生所 菅原健 田中慎一 齋藤豪 相馬亜耶 水島亮 林敏展 太田智恵子 森山泰穂 渡部巌 小笠原和弘 1 概要わが国では近年 牛白血病の発生が増加しているが その原因である牛白血病ウイルス (BL

乳牛の繁殖性低下の現状と子宮環境 ており 産歴にかかわらず黒毛和種の精液を授精した方がホルスタイン種の精液より受胎率が若干高くなる傾向が認められている [5] しかし 人工授精用精液の調整法の違いや雑種強勢の影響を考慮する必要があるため この成績だけで黒毛和種の雄がホルスタイン種の雄より受精能が高い

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乳用経産牛における活性酸素代謝産物 (d-roms 濃度 ) および 血中プロゲステロン (P4) 濃度が胚移植の受胎率に及ぼす影響 小林崇之 1) 笹木教隆 1) 現福井県家畜保健保健衛生所 要約乳用経産牛における活性酸素代謝産物 (d-roms) 濃度および血漿中プロゲステロン (P4) 濃度が 胚移植の受胎率に及ぼす影響について検討した その結果 P4 濃度が 2ng/ml 以下または 8ng/ml 以上で受胎率が低くなる傾向にあった また d-roms 濃度が 1U.CARR 以下で受胎率が高い傾向にあった これらのことから ET の受胎率改善には P4 濃度を 2ng/ml 以上にすることと d-roms 濃度を低減させることが重要であると考えられた 抗酸化物質投与による受胎率への効果を検討したところ抗酸化物質とホルモン剤を併用した区の受胎率が高い傾向にあった また抗酸化物質投与によって ET 当日の d-roms 濃度が 1U.CARR 以下に低減できた牛の受胎率は 54.4% と高い傾向にあった キーワード : 乳用経産牛 胚移植 受胎率 活性酸素代謝産物 プロゲステロン濃度 緒言近年 活性酸素に起因する酸化ストレスの存在が 乳用牛の繁殖成績に影響を与えているとして注目されている 暑熱下などの酸化ストレスの高い環境下では 黄体機能が損なわれるため胎児の成長や着床が阻害され不受胎となる可能性が高くなること ( 阪谷ら 213) や高温時のストレスによる細胞内活性酸素の増加が 初期胚の発生を低下させること ( 高橋ら 27) などが報告されている そのため酸化ストレスの低減が 繁殖成績改善に重要であると考えられている 前報 ( 小林ら 215) では 乳用牛における酸化ストレス指標の1つである活性酸素代謝産物 (d-roms) 濃度およびプロゲステロン (P4) 濃度と人工授精 (AI) の受胎率との関係を分析した その結果 d-roms 濃度が 1U.CARR 以下で推移している牛では P4 濃度が周期的に変化しており 1U.CARR 以上の牛では P4 濃度の起伏が小さく低く推移していたことや 平均 d-roms 濃度が低い農家では高い農家に比べ受 胎率が高かったこと AI 後 5 日目の P4 濃度が 2.5ng/ml 以上で受胎率が高く 2.5ng/ml 以下で低い傾向にあった しかし P4 濃度が 2.5ng/ml 以下であってもプロゲステロン製剤を投与することで受胎率が改善する傾向にあったこと以上のことから AI の受胎率改善には P4 濃度の向上および d-roms 濃度の低減が重要であると報告した 今年度は 乳用牛の胚移植 (ET) における d-roms 濃度 P4 濃度および受胎率との関係について分析したので報告する 材料および方法試験 1.ET における d-roms 濃度 P4 濃度 受胎率との関係を調査平成 26 年 8 月 ~ 平成 27 年 3 月の期間に 農家より出血確認後以来のあった牛および同期化処理にて発情誘起した乳用経産牛 34 頭を用いた 全頭に対し発情日を 日 (D) とし発情後 5 日目 (D5) に直腸検査を実施し 黄体形成不全と診断した牛 27 頭にヒト絨毛性性腺刺激ホルモン (hcg)3 単位 ( ゲストロン 共立製

薬 ) を筋肉内に投与した 発情後 7 日目 (D7) に直腸検査を実施し黄体が良好と確認できた牛にのみETを実施した 採血は尾静脈より真空採血管を用い D7 におこなった 採取された血液は 氷水で冷蔵保存後 遠心分離 (3ppm 15 分 5 ) を行い -8 で冷凍保存した その後分析時に融解後 d-roms 濃度はヒドロペルオキシドの量を呈色液クロモゲンと反応させ吸光度を測定 ( フリーラジカル解析装置,FREE, Wismerll, 東京 ) し P4 濃度を酵素免疫測定法 ( 自動免疫蛍光測定装,mini VIDAS, シスメックス ビオメリュー, 東京 ) により測定した 試験 2. 乳用牛への抗酸化物質の効果を検討管内酪農家の乳用経産牛 8 頭を用いた 8 頭を無作為に 2 区に区分し注射による効果と給餌による効果を調査した まず注射による効果を検討するため 供試牛 4 頭に対しビタミン E+セレン (ESE 共立製薬 )3ml を 1 回投与し 日目 2 日目 4 日目 1 日目と採血を実施した 次に給餌による効果を検討するため 供試牛 4 頭に対しグリセリン製剤 (GLY 花王 )3g/ 日を 3 日間投与し 日目 7 日目 1 日目 14 日目 16 日目 28 日目と採血を実施した 採取した血液は 氷水で冷蔵保存後 遠心分離 (3ppm 15 分 5 ) を行い -8 で冷凍保存した その後分析時に融解後 d-roms 濃度はヒドロペルオキシドの量を呈色液クロモゲンと反応させ吸光度を測定 ( フリーラジカル解析装置,FREE,Wismerll, 東京 ) し 投与前と投与後の濃度の変化について分析した 試験 3.ET における抗酸化物質投与による受胎率への影響を調査平成 27 年 3 月 ~ 平成 28 年 11 月の期間で 不受胎と診断された管内酪農家の乳用牛 35 頭を用いた 全頭に 発情周期の任意の時期に 性腺刺激ホルモン放出ホルモン (GnRH)( コンセラール ) を 1μg 投与し 膣内留置型プロゲステロン製剤 (CIDR, 家畜改良事業団, 東京 ) を挿入した CIDR 挿入後 7 日目にプロスタグランジン F2α(PG)( ダルマジン, 共立製薬, 東京 ) を 2.5ml 投与するとともに CIDR を抜去した PG 投与後 48 時間後に GnRH を 2μg 投与し 排卵誘起を行った GnRH を投与した 日を発情日 (Day) として Day7 に移植を実施 した Day5 にヒト絨毛性性腺刺激ホルモン (hcg)3 単位投与した区を (1 頭 ) とし CIDR を挿入した日から GLY3g/ 日を 3 日間投与した区を GLY 区 (4 頭 ) とした CIDR を挿入した日から GLY3g/ 日を 3 日間投与し Day5 に hcg3 単位投与した区を GLY+hcG 区 (9 頭 ) Day5 に ESE3ml と hcg3 単位を 投与した区を ESE+ (9 頭 ) とし Day35 で妊娠鑑定を行った 妊娠鑑定は 超音波診断 装置 ( トリンガ V,MTF 社製 大阪 ) を用い胎 児 心拍の確認をもって妊娠 (+) と診断した P4 濃度 d-roms 濃度は試験 1 と同様の方法で 測定した 各区の受胎率 P4 濃度 d-roms 濃 度の推移を測定し比較検討した 試験 1 結 果 ET 当日の P4 農度と受胎率との関係を表した グラフを図 1 に示した P4 濃度が 2ng/ml 以下 の牛の受胎率は.%(/1 頭 ) 2~4ng/ml の受 胎率は 66.7%(4/6 頭 ) 4~8ng/ml の受胎率は 45.5%(5/11 頭 ) 8ng/ml 以上の受胎率は 25.% (4/16 頭 ) と 2ng/ml 以下および 8ng/ml 以上の 受胎率が低い傾向にあった 受胎率 7 6 5 4 3 2 1 (/1). (4/6) 66.7 (5/11) 45.5 25. ~2 2~4 4~8 8~ P4 濃度 (ng/ml) (4/16) 図 1 ET 当日の P4 濃度と受胎との関係 ET 当日の d-roms 濃度と受胎率の関係を表 したグラフを図 2 に示した d-roms 濃度が 8U.CARR 以下の受胎率は 57.1%(4/7 頭 ) 8 ~1U.CARR の受胎率は 36.4%(4/1 頭 ) 1 ~12U.CARR の受胎率は 37.5%(3/8 頭 ) 12U.CARR 以上の受胎率は 25.%(2/8 頭 ) で あった また 1U.CARR 以下の受胎率は 44.4%

d-roms 濃度 d-roms 濃度 (U.CARR) d-roms 濃度 (U.CARR) P4 濃度 (8/18 頭 ) 1U.CARR 以上の受胎率は 31.3% (5/16 頭 ) と 1U.CARR 以下で受胎率が高い 傾向にあった 6 受胎率 5 4 3 2 1 試験 2 (8/18) 44.4 (5/16) 31.3 (4/7) 57.1 (4/11) (3/8) 36.4 37.5 (2/8) 25. 1 1< ~8 8~1 1~12 12~ d-roms 濃度 (U.CARR) 図 2 ET 当日の d-roms 濃度と受胎との関係 乳用牛への抗酸化物質投与による d-roms 濃 度の推移を図 3 に示した ESE 投与 GLY 投与 ともに緩やかに d-roms 濃度が低減することが 判明した 13 12 11 1 9 8 13 12 11 1 9 8 D D2 D4 D1 D D7 D1 D14 D16 D28 ESE GLY 図 3 抗酸化物質投与による d-roms 濃度の推移 試験 3 各区の受胎率を図 4 に示した 無処置区の受 胎率は.%( /3 頭 ) は 2.%(2/1 頭 ) GLY 区は 25.%(1/4 頭 ) GLY+は 33.3% (3/9 頭 ) ESE+は 33.3%(3/9 頭 ) であ った GLY+や ESE+のホルモン 剤と抗酸化物質を併用した区が他の区と比較し てやや高い傾向にあった 各区の平均 P4 濃度の推移を図 5 に示した hcg を投与した ESE+ GLY+ の P4 濃度は 投与後速やかに上昇し 他 の区と比較して高い傾向にあった 受胎率 35 3 25 2 15 1 5 (ng/ml ) 16 12 8 4 (/3). (2/1) 2. (1/4) 25. 無処置区 hcg 区 GLY 区 GLY + 同期化開始 図 4 受胎率の比較 hcg 注射 ESE 注射 (3/9) (3/9) 33.3 33.3-1 -8-6 -4-2 2 4 6 8 1 12 14 16 18 2 ET 図 5 P4 濃度の推移 平均 ESE + GLY 区 ESE+ GLY+ 無処置区 各区の平均 d-roms 濃度を図 6 に示した 抗 酸化物質を投与した GLY 区 ESE+ GLY +の平均 d-roms 濃度は 抗酸化物質を 投与していない区と比較して低く推移しており 特に GLY 投与区は低い傾向にあった また抗酸 化物質を投与した GLY 区 ESE+ GLY +において 移植当日の d-roms 濃度が 1U.CARR 以下になった牛の受胎率は 54.4% (6/11 頭 ) で 1U.CARR 以上であった牛の受 胎率 9.1%( 1/11 頭 ) と比較して高い傾向にあっ た ( 図 7) (U.CARR) 13 12 11 1 9 8 同期化開始 hcg 注射 ESE 注射 ET -1-8 -6-4 -2 2 4 6 8 1 12 14 16 18 2 図 6 d-roms 濃度の推移 平均 GLY 区 ESE+ GLY+ 無処置区

受胎率 6 5 4 3 2 1 (6/11) 54.4 9.1 7 日目 1 7 日目 1< d-roms 濃度 (U.CARR) (1/11) 図 7 抗酸化物質効果による受胎率 考 察 前回の試験にて 乳用経産牛における人工授 精 (AI) の受胎率と P4 濃度 d-roms 濃度の関 係を調査したところ AI 後 5 日目の P4 濃度が 2.5ng/ml 以上で受胎率が高い傾向にあったこと AI 後 5 日目の d-roms 濃度が 1U.CARR 以下 で受胎率が高い傾向にあったことを報告した ( 小林ら 215) 今回の試験 1 では ET におけ る d-roms 濃度 P4 濃度 受胎率との関係を調 査した その結果 ET 当日の P4 濃度が 2ng/ml 以下および 8ng/ml 以上で受胎率が低い傾向に あった Lonergan ら (27) は Day7~13 まで の平均 P4 濃度が高い牛では 低い牛と比較し て Day13 での胚のサイズが 2.3 倍大きくなる と報告している 当初 P4 濃度は高いほど受胎 率が高くなると考えていたが 今回の結果から 一定濃度の P4 濃度があれば受胎には影響なく 逆に高すぎると悪影響を与えると考えられた そのため試験 1 において hcg3 単位を投与 したが 投与量が多い可能性も考えられた ま た通常の ET 適期は 7 日目 ±1 日が理想とされ ている 今回 ET 依頼の多くが発情未確認後 の出血での依頼であったことから 7 日目に E T を実施したつもりが 9 日目や 1 日目であった 可能性があり 出血での依頼には十分注意する 必要があると思われた ET 当日の d-roms 濃度と受胎との関係を分 析したところ 1U.CARR 以下で受胎率が高く 1U.CARR 以上で受胎率が低くなる傾向にあ った 高橋ら (29) は 暑熱ストレス時の活 性酸素の増加が 初期胚の発育を妨げると報告 している このため ET は 活性酸素が初期胚 へ影響を与える時期を逃れることができること から受胎率への影響は少ないと考えていた しかし今回の結果では d-roms 濃度が高いと受胎率が低下する傾向にあった 阪谷ら (213) は 暑熱環境下では黄体維持機能が損なわれるため 胎児の成長や着床が阻害されると報告している 今回の試験でも 活性酸素が黄体や子宮に直接影響を与えたことが受胎を低くした要因ではないかと考えられた 移植試験において抗酸化物質と P4 濃度の成績改善効果について検討したところ 例数は少ないが GLY+ ESE+hcG が他と比較して高い傾向にあった 梅木ら (24) は 発情後 5 日目とET 当日に hcg15 単位を投与することで受胚牛の血中 P4 濃度が上昇し 受胎率が向上したと報告している また坂上ら (25) も発情後 5 6 7 日目の hcg 投与は 既存黄体の増強と副黄体の形成による発情後 14 日目の血中 P4 濃度の上昇により 受胎率を向上させる可能性があると報告している 今回の試験でも hcg3 単位を投与したことで P4 濃度が向上し 受胎率が改善したと考えられた しかし試験 1の結果から高すぎる P4 濃度は受胎率が低くなる可能性も考えられることから 黄体の状態によって投与量を調整することが望ましいと考えられる抗酸化物質を投与することで d-roms 濃度は低下し 受胎率が改善する傾向にあった 田中ら (214) は脂肪酸とビタミン類を投与することによって d-roms 濃度が有意に低下したと報告している 今回の試験でも ESE 投与が活性酸素の発生を抑制し子宮や卵巣の環境を改善したことが受胎率を向上させる要因となったと考えられた 古川ら (28) は 代謝による熱産生が油脂よりグルコースのほうが 13% 程度少なく ルーメンに悪影響のない糖源は暑熱ストレス軽減に利用できる可能性があるとしている 今回の試験ではグリセリンを給与することで d-roms 濃度が低下し受胎率が改善につながった これは グルコースと同様にグリセリン給与によって熱産生を抑制し 酸化ストレスの抑制に働いたためと考えられた 以上のこと ET の受胎率には d-roms 濃度の低減と P4 濃度の向上が重要であると考えられ d-roms 濃度の低減には抗酸化物質の投与が重要であり P4 濃度の向上には hcg の投

与が有効であると考えられた しかし抗酸化物質の効果には個体差があることや ET 当日の P4 濃度が 8ng/ml 以上では受胎率が逆に低くなる可能性があることから hcg や抗酸化物質の投与量 時期はさらに検討する必要がある 文 献 阪谷美樹, 暑熱による低受胎, 日本胚移植学誌 Vol.35.No.3.19-115.213 田中正仁 野中最子 神谷裕子 鈴木知之, 栄養管 理による高温環境下の泌乳生産性改善に関 する研究. 栄養生理研究会報. Vol.58,No.2,1-11,214 高橋昌志 山中賢一 阪谷美樹, 牛胚の初期発生 に及ぼす暑熱ストレスの影響. 日本胚移植 学雑誌,Vol.31,No.1,9-17,29 Lonergan P, Woods A, Fair T, Carter F, Rizos D, Ward F, Quinn K, Evans A. Effect of embryo Source and recipient progesterone environment on embryo development in cattle. Repuroduction, Fertility and Development 19(7),861-868.27 小林崇之 堀川明彦 笹木教隆. ホルスタイン 種経産牛における活性酸素代謝産物および 血中プロゲステロン濃度が人工授精の受胎 率に及ぼす影響. 福井県畜産試験場研究報 告第 28 号 7-11,215 坂上信忠 秋山清 田中嘉州 稲村慎二 仲澤 慶紀 岸井誠男, 牛の受精卵移植における hcg 投与が受胎率に与える影響. 神奈川畜 産試験場研究報告 No,9 1-11 25 古川修, 暑熱期の栄養並びに資料給与管理, 牧草と園芸第 56 巻第 4 号 8-12,(28)

Effects of active oxygen metabolites (d-roms) concentration and plasma progesterone (P4) concentration on the conception rate of embryo transfer in dairy cows Takayuki KOBAYASHI 1) and Kiyotaka SASAKI 1) Fukui Prefectural Health and Sanitation Fukuil Preceftural Livestock Experiment Station I examined the influence that the Reactive Oxygen Metabolites (d-roms) concentration and plasma progesterone (P4) concentration gave to a conception rate of the embryo transfer in the dairy cows. As a result, P4 concentration tended to come to have low conception rate in more than less than 2ng/ml or 8ng/ml. The d-roms density tended to come to have the highest conception rate below 1U.CARR. It was thought that it was important to conception rate improvement of ET doing P4 concentration than 2ng/ml and that I reduced d-roms concentration. After examining the influence that an antioxidant material gave to a conception rate of the embryo transfer, a conception rate of the ward that used hcg together with an antioxidant material tended to be high. In addition, the conception rate of the cow that less than 1U.CARR were able to reduce d-roms density of the day of ET by the antioxidant material dosage tended to be high with 54.4%. Key word:dairy cow, embryo transfer, conception rate, Reactive Oxygen Metabolites, progesterone concentration