目 次 最近における相続税の課税割合 負担割合及び税収の推移 1 地価公示価格指数と基礎控除(58 年 =100) の推移 2 最近における相続税の税率構造の推移 3 小規模宅地等の課税の特例の推移 4 相続税負担の推移( 東京都区部のケース ) 5 ( 補足資料 ) 相続税の概要 6 相続税の仕組

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平成 22 年 11 月 25 日 資料 ( 資産課税 )

平成 22 年 12 月 7 日 資料 ( 資産課税 )

コピー又は web からダウンロードしてご使用ください 答案用紙 Chapter1 問題 1 個人とみなされる納税義務者 Ⅰ 相続人及び受遺者の相続税の課税価格の計算 1 遺贈財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 取得者財産の種類計算過程金額 2 生前贈与加算される贈与財産の額の計算 ( 単位 :

平成 22 年度税制改正大綱 ( 抄 ) 平成 21 年 12 月 22 日閣議決定 第 3 章各主要課題の改革の方向性 5. 資産課税 (1) 相続税 贈与税相続税は格差是正の観点から 非常に重要な税です バブル期の地価急騰に伴い 相続税の対象者が急激に広がったことなどから 基礎控除の引上げや小規

第 5 章 N

東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

おき 太郎様 Inheritance Report 相続診断書 税理士法人おき会計 平成 28 年 7 月 20 日作成

テキスト編 第 1 章相続税 贈与税とはなにか 目次 1 相続税が課税される理由 1 2 どれくらいの遺産がある場合 相続税は課税されるか 2 3 贈与税が課税される理由 3 4 相続税と贈与税の関係 4 第 2 章相続人と相続分 1 相続人と相続順位 5 2 相続の承認と放棄 14 3 相続人の相

野村資本市場研究所|顕著に現れた相続税制改正の影響-課税対象者は8割増、課税割合は過去最高の8%へ-(PDF)

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税法入門コース 相続税 学習スケジュール 回数学習テーマ内容 第 1 回 第 2 回 第 3 回 第 4 回 第 4 回 第 1 章 第 2 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 4 章 第 5 章 テーマ 1 相続税 贈与税とは? テーマ 2 用語の説明 テーマ 1 相続人となれる人は? テ

暦年課税の贈与を毎年する人のデータ 暦年課税の贈与は 現金を贈与するのか不動産を贈与するのかで違ってきます 土地は路線価方式または倍率方式で評価し建物は固定資産税評価額で評価しますので 現金での贈与の場合よりも税率は低くなります ただし不動産の贈与では 土地や建物の贈与または共有持分の贈与になります

配偶者がいる人の一次相続と二次相続のデータ 被相続人に配偶者がいる一次相続と 配偶者がいない二次相続の相続税シミュレーションを行います 配偶者の税額軽減は その節税効果が大きいために一次相続で相続税を大幅に減額することができますが 次の二次相続では想定外の相続税が発生することがあります 配偶者がいる

Microsoft Word - 第67号 来年からの贈与税改正と相続時精算課税を選択する際の注意点

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

2015 年 1 月いよいよ施行! 相続税増税の影響と対策 Part 1 相続税はどう変わる? 影響は? Part 2 相続税の負担を軽減するには?

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一戸建ての自宅を所有している人のデータ 東京都内やその近郊など路線価の高い宅地に一戸建ての自宅を所有し その他に預貯金や有価証券を保有している人の相続税シミュレーションになります 路線価が高いと自宅の敷地の面積が広くなくても その宅地の評価額は高額になりますので この宅地に対して小規模宅地等の特例が

相続人の居住用または事業用の宅地については2 割または5 割評価にするという小規模宅地等の評価減の特例があるが 平成 22 年度税制改正により 原則として申告期限まで居住または事業を継続していなければ適用が認められなくなっている 今回 基礎控除額が引き下げられることと合わせ 都市部の独居老人が亡くな

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

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Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

[2] 税率構造の見直し 相続税の税率構造が現行の6 段階から8 段階に変更されるとともに 最高税率が 50% から 55% に引き上げられることとなりました ただし 各法定相続人の取得金額が2 億円以下の場合の税率は と変わりありません この改正は 平成 27 年 1 月 1 日以後に相続または遺

自宅の他に賃貸マンションと駐車場を所有している人のデータ 自宅の他に賃貸マンションと駐車場を所有している人の 法定相続人の数と相続財産および債務のデータから相続税を試算します 賃貸マンションについては全室が賃貸用かどうか 駐車場については舗装がしてあるかどうかで評価額が違ってくることがあります また

2.配偶者控除の特例の適用を受ける場合(暦年課税)編

平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 法定相続人の数と基礎控除法定相続人の数と基礎控除 法定相続人の数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 60,000 千円 70,000 千円 80,000 千円 90,000 千円 100,000 千円 36,000

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

2.配偶者控除の特例の適用を受ける場合(暦年課税)編

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

2.配偶者控除の特例の適用を受ける場合(暦年課税)編

(2) みなし相続財産ものか13 第1 章12 2 課税される 相続財産 の範囲 海外にある財産も課税対象となる 贈与税の暦年課税適用財産も 3 年以内は課税対象となる 葬式費用 墓地や墓碑 仏壇 仏具等は非課税 相続税の課税対象となる相続財産は (1) 被相続人が亡くなったときに所有していた財産

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

( 相続時精算課税適用者の死亡後に特定贈与者が死亡した場合 ) (6) 相続時精算課税適用者 ( 相続税法第 21 条の9 第 5 項に規定する 相続時精算課税適用者 をいう 以下 (6) において同じ ) の死亡後に当該相続時精算課税適用者に係る特定贈与者 ( 同条第 5 項に規定する 特定贈与者

2011年税制改正のポイント

相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

ラリーマン 相続税の申告は? 45 相続税の申告はどのようにすればよいのでしょうか 相続が開始したことを知った日 ( 通常は被相続人が死亡した日 ) の翌日から 10 か月以内に 被相続人の住所 地の所轄税務署に申告し 相続税を納付する必要があります 申告書を提出する人が 2 名以上いる場合は 共同

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税制改正を踏まえた生前贈与方法の検討<訂正版>

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3.相続時精算課税の適用を受ける場合編

5 適用手続 ⑴ 相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は 贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に 相続時精算課税選択届出書 ( 贈与者ごとに作成が必要 ) を贈与税の申告書に添付して 納税地の所轄税務署長に提出する ( 相法 21の92) なお 提出された当該届出書は撤回することができない

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未成年者控除 障害者控除の見直し 未成年者控除 障害者控除 6 万円 20 歳に達するまでの年数 6 万円 ( 特別障害者 :12 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 10 万円 20 歳に達するまでの年数 10 万円 ( 特別障害者 :20 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 小規模宅地等につ

問題 1 1 問題 1 1 納税義務者 相続税の納税義務者及び課税財産の範囲 課税価格 1 納税義務者 ⑴ 次に掲げる者は 相続税を納める義務がある 1 居住無制限納税義務者 ( 法 1 の 3 1 一 ) 相続又は遺贈により財産を取得した個人でその財産を取得した時において法施行地に住所を有するもの

このうち 申告納税額がある方 ( 納税人員 ) は640 万 8 千人で は41 兆 4,298 億円 申告納税額は3 兆 2,037 億円となっており 平成 28 年分と比較すると 人数 (+0.6%) (+ 3.4%) 及び申告納税額 (+4.6%) はいずれも増加しました 所得者区分別の状況イ

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第25回税制調査会 総25-1

(2) 課税状況の累年比較 申告状況 課税価格相続税額税額控除被相続人の数相続人の数金額人千円千円千円人 平成 24 年 平成 25 年 平成 26 年 平成 27 年 8, ,371,256 50,659,924 15,868

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13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

スライド 1

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相続財産の評価P64~75

課税遺産総額 = 各人の課税価格 ( ア ) の合計額 - 遺産に係る基礎控除額ウ相続税の総額の計算 1 課税遺産総額を法定相続人が法定相続分に応じて取得したものと仮定し 各人ごとの取得金額を計算する 2 1に税率をかけ 各人の税額を合計する (= 相続税の総額 ) エ各人の相続税額の計算相続税の総

2011年度税制改正大綱(相続・贈与税)

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Microsoft Word 常発041号 改正相続税法等の周知について(・

である 12 遺留分とは 遺言の内容にかかわらず一定の相続人が確実に受け取ることができる一定の 割合のことである 直系尊属のみが相続人である場合は 被相続人の財産の 1/3 その 他の場合には 被相続人の財産の 1/2 である ただし 兄弟姉妹には遺留分はない 13 相続の放棄は 被相続人の生前に行

2. 二世帯住宅と特定居住用宅地等 [1] 区分所有なし : 外階段 / 親族が取得する場合 Q. 被相続人 A が所有する宅地の上に A の所有する建物があり 1 階に A が居住し 2 階に子 B とその家族が居住しています ( 建物内部では行き来ができない構造 ) A と B は別生計です こ

5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申

叔父から財産の贈与(1~3) を受けた場合 1/1 12/31 2/1 3/15 相選養続択与子贈時届贈精出縁与算書与 1組課提2 税出3 暦年課税相続時精算課税 養子縁組前の贈与 1については 暦年課税により贈与税額を計算し 養子縁組以後の贈与 2 及び 3は 相続時精算課税により贈与税額を計算し

<TAC> 無断複写 複製を禁じます ( 税 18) 相上 (8)C10-1 相続税法 上級 演習 8 テキスト 2 第 8 回 - 解答 点 - 第一問 問 1 持分の定めのない法人に対し財産の贈与又は遺贈があった場合において 税負担の不当減少を防 止

相続税 贈与税の基本がよくわかる! 誰が相続人になるの? 税額はどのようにして求めるの? 土地 建物の評価はどうするの? 住宅取得資金の贈与は最大 3,000 万円が非課税に? 教育資金や結婚 子育て資金の贈与は非課税に? 新しくできる配偶者居住権ってどんなもの? etc.

1. 相続税 (1) 基礎控除額の引き下げ 1) 改正の趣旨現在 ( ) の相続税の仕組みは 下図の通りです すなわち 合計課税価格から 基礎控除額を除いた課税遺産総額が相続税の計算の対象となるため 合計課税価格が基礎控除額の範囲内である場合には 相続税が課税されません その結果として 現状の相続税

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

平成16年版 真島のわかる社労士

き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

Microsoft Word - 平成15年税制改正(2).doc

配偶者の税額軽減特例の有利な受け方 配偶者がいる場合の 相続税の具体的な計算例は以下の通りです 1. 設例 自宅 預貯金等の相続財産の遺産額 =2 億円 法定相続人 = 配偶者 + 子 2 人の合計 3 人 実際の遺産分割は 法定相続分の通りとする 未成年者控除 外国税額控除 生命保険金の非課税枠金

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相続税を計算してみましょう!

相続税に関するチェックリスト

事例 父 ( ) が 年 5 月 9 日に亡くなり ( 亡くなられた人のことを 被相続人 といいます ) 母 ( 国税花子 ) 私 ( 国税一郎 ) 妹 ( 税務幸子 ) の 人で父の財産を相続しました 父が残した財産は 自宅のある土地と家屋 上場株式 現金 預金 生命保険金です 父が亡くなった年分

p43-48 (不動産取得税)

路線価図

souzoku

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Japan Tax Newsletter

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

基本資料1-平成25年税制改正ポイント(表紙).pdf

時価で譲渡したものとみなされ所得税が課税され かつ その所得税は相続税の課税価格の計算上被相続人の債務として控除されていることにより 所得税と相続税の負担の調整は済んでいますので この特例の適用は受けられません 2 取得費に加算される金額平成 26 年度の改正前は 相続財産である土地等の一部を譲渡し

例題 B さんは 被相続人 A から H22 年 7 月 7 日に C 社上場株式 50,000 株を相続した この年の C 社株式の株価推移は以下の通りである このとき C 社株式の相続税評価額は? ( 終値月平均値 ) 4 月平均 5 月平均 6 月平均 7 月平均 7/7 終値 500 円 5

102 第 4 章 農業 農地の承継時の特例 資価格は 国税庁 HPの路線価ページから確認できます なお 平成 30 年度税制改正において 対象となる農地の範囲等が改正されました 詳細は 後記 6を参照してください 3 適用要件 (1) 被相続人この特例の対象となる被相続人は 次のいずれかに該当する

4.住宅取得等資金の非課税の適用を受ける場合編

( 図表 1-2) 課税割合 ( 課税対象被相続人数 / 被相続人全体 100(%) ( 注 ) 財務省公表資料による こうした中で 多くの相続税納税者にとって評価額が高額で相続税納税上の負担増が大きい一定の小 規模宅地については 課税強化への影響を緩和するため 相続税強化が行われた 2015 年に

金庫株を活用した事業承継対策 1. 概要 非上場株式を相続して相続税が発生する場合は 相続で取得した自社株を相続税の申告期限後 3 年以内に金 庫株すればみなし配当課税しない (= 譲渡所得とする ) 特例があります ( 措置法 9 条の 7) 所得税の特例の内容 ( 自己株式をみなし配当課税しない


法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

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平成 29 年度税制改正解説資産課税 納税義務の見直し 1 国外財産に関する相続税 贈与税の納税義務の範囲が見直されます 被相続人が日本国籍を有しない者であって 一時的滞在 ( 2) をしていたものを除く 2

小規模宅地等の評価減の特例 1. 概要 居住用や事業用宅地を相続した場合 小規模とされる一定面積までを 50%~80% 評価減できる特例があります ( 措置法 69 条の 4) 区分宅地の区分事業や居住の見込減額割合対象面積 1 号特例特定事業用等宅地等 1 親族が相続して事業を継続 80% 400

Microsoft Word - 文書 1

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平成 21 年 11 月 5 日 資料 ( 資産税 )

目 次 最近における相続税の課税割合 負担割合及び税収の推移 1 地価公示価格指数と基礎控除(58 年 =100) の推移 2 最近における相続税の税率構造の推移 3 小規模宅地等の課税の特例の推移 4 相続税負担の推移( 東京都区部のケース ) 5 ( 補足資料 ) 相続税の概要 6 相続税の仕組み 7 相続税が課税される財産等 8 我が国の相続税の計算方法のイメージ 9 相続税 贈与税における財産の評価の基本的考え方 10 贈与税の概要 11

最近における相続税の課税割合 負担割合及び税収の推移 バブル期以後は 課税割合 負担割合及び相続税収とも減少傾向にあり 特に 課税割合及び 負担割合は バブル期以前よりも低い水準となっている ( 億円 ) (%) 40,000 25 35,000 30,000 17.4 22.2 29,377 相続税収 課税割合 負担割合 20 25,830 25,000 14.3 16.6 15 20,000 17,791 11.9 15,000 7.9 15,026 15,22010 10,000 5.3 6.8 6.0 5,000 7,861 4.2 5 0 0 58 59 60 61 62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 ( 年 ) ( 注 1) 課税割合は 各年の課税件数 / 死亡者数であり 負担割合は 各年の納付税額 / 合計課税価格である ( 注 2) 相続税収は各年度の税収であり 贈与税収を含む ( 平成 21 年度は補正後予算額 ) 1

地価公示価格指数と基礎控除 (58 年 =100) の推移 ( 指数 ) 400 現在の基礎控除は バブル期の地価の急騰に伴い引き上げられてきたもの 他方 近年の地価はバブル期以前の水準まで下落している 法定相続人は 配偶者 + 子 2 人とする 350 336.8 三大圏商業地 三大圏住宅地 300 302.2 全国 全用途 基礎控除 250 200 230.3 262.0 199.3 229.3 202.1 179.1 190.2 181.7 150 110.6 141.8 164.4 117.3 108.9 100 110.3 105.5 4,800 万円 + 950 万円 法定相続人数 104.7 94.1 74.9 78.5 50 58 59 60 61 62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 基礎控除 2,000 万円 + 400 万円 法定相続人数 4,000 万円 + 800 万円 法定相続人数 5,000 万円 + 1,000 万円 法定相続人数 2 ( 年 )

1 最近における相続税の税率構造の推移 税率構造については 昭和 63 年以降累次にわたり 最高税率の引下げを含む累進構造の緩和が行われている 区分 昭和 63 年 12 月改正前 昭和 63 年 12 月改正平成 4 年度改正平成 6 年度改正平成 15 年度改正 ( 現行 ) ( 昭和 63 年 1 月 1 日以降適用 ) ( 平成 4 年 1 月 1 日以降適用 ) ( 平成 6 年 1 月 1 日以降適用 ) ( 平成 15 年 1 月 1 日以降適用 ) 5 億円超 ( 最高税率 75%) 5 億円超 ( 最高税率 70%) 10 億円超 ( 最高税率 70%) 20 億円超 ( 最高税率 70%) 3 億円超 ( 最高税率 50%) 税率構造 ( イメージ図 ) 14 段階 9 段階 13 段階 13 段階 13 段階 13 段階 9 段階 9 段階 6 段階 6 段階 基礎控除等 2,000 万円 4,000 万円 4,800 万円 + + + 400 万円 法定相続人数 800 万円 法定相続人数 950 万円 法定相続人数 (3,200 万円 ) (6,400 万円 ) (7,650 万円 ) 5,000 万円 + 1,000 万円 法定相続人数 (8,000 万円 ) 同左 ( 注 ) 基礎控除の ( ) 内は 法定相続人が 3 人 ( 例 : 配偶者 + 子 2 人 ) の場合の額である 3

1 小規模宅地等の課税の特例の推移 小規模宅地等の課税の特例は 被相続人の事業又は居住の用に供されていた宅地について 相続税の課税価格 を減額するもの 制度創設以降 地価の高騰や事業の継続等に配慮して 累次にわたり 減額割合 適用対象面積を引き上げ 区 分 昭和 58 年 ~ 昭和 63 年 ~ 平成 4 年 ~ 平成 6 年 ~ 平成 11 年 ~ 平成 13 年 ~ ( 制度創設 ) 事業用宅地 減額割合 40% 60% 70% 80% 適用対象面積 200 m2 330 m2 400 m2 居住用宅地 減額割合 適用対象面積 30% 50% 60% 200 m2 80% 240 m2 ( 注 1) 上記の区分は 申告期限 ( 相続開始後 10ヶ月 ) まで事業又は居住を継続する場合の減額割合 適用対象面積である ( 注 2) 申告期限まで事業又は居住を継続しない場合の宅地及び不動産貸付用の宅地についての現行の減額割合は50% 適用対象面積は200m2である 4

相続税負担の推移 ( 東京都区部のケース ) 1 商業地の場合 所在地 : 千代田区外神田三丁目 相続財産 : 事業用土地 200 m2 その他財産 1 億円 昭和 58 年 平成 3 年 平成 21 年 相続税額 : 2,419 万円 1 億 8,918 万円 592 万円 ( 約 8 倍 ) ( 約 32 分の1) 路線価 : 68 万円 / m2 932 万円 / m2 162 万円 / m2 ( 約 14 倍 ) ( 約 6 分の1) 住宅地の場合 所在地 : 世田谷区成城六丁目 相続財産 : 住宅用土地 200 m2 その他財産 1 億円 昭和 58 年 平成 3 年 平成 21 年 相続税額 : 1,453 万円 2,830 万円 264 万円 ( 約 2 倍 ) ( 約 11 分の 1) 路線価 : 25 万円 / m2 ( 約 6 倍 ) 152 万円 / m2 ( 約 2 分の 1) 63 万円 / m2 ( 注 ) 商業地 住宅地とも 相続人は配偶者と子 2 人で 法定相続分により相続したものとして相続税額を計算 5

補足資料

相続税の概要 相続税は 相続又は遺贈により財産を取得した個人に対して その財産の取得の時における時価を課税価格として課される税 1. 基礎控除 税率税率 :10% から 50% までの累進税率 (6 段階 ) 基礎控除 :5,000 万円 +1,000 万円 法定相続人数 2. 課税状況 ( 平成 19 年分 ) 申告件数 :46,820 件課税割合 : 4.2 % 負担割合 : 11.9 % 納付税額 : 1.3 兆円 ( 注 ) 課税割合とは 年間課税件数 / 年間死亡者数であり 負担割合とは 納付税額 / 合計課税価格である 3. 相続財産 ( 課税遺産総額 ) の内訳 ( 平成 19 年分 ) 土地 5.6 兆円 (47.8%) 有価証券 1.8 兆円 (15.8%) 現金 預貯金等 2.4 兆円 (20.5%) その他の財産 1.9 兆円 (15.9%) ( 家屋 構築物 生命保険金等 ) 合計 11.7 兆円 6

相続税の仕組み相続税の仕組み税額控除(配偶者控除等)課税遺産総額基礎控除非課税財産等子法定相続分で按分配偶者 (1/2) 子 (1/4) 子 (1/4) 超過累進税率の適用相続税の総額配偶者実際の相続割合で按分子納付納付相続税の総額の計算各人の納付税額の計算 7

相続税が課税される財産等 相続財産 個人 ( 注 ) が相続又は遺贈により取得した財産のほか 次の財産が対象 死亡保険金 死亡退職金等のみなし相続財産 相続時精算課税に係る贈与財産等 ( 注 ) 被相続人が 法人に遺贈 ( 寄附 ) した財産は 相続税の対象外 課税遺産総額 基礎控除 5,000 万円 + 1,000 万円 法定相続人数 非課税財産等 相続税額の計算の基礎となる金額 非課税財産 墓所 霊びょう等 死亡保険金 死亡退職金のうち一定の金額 (500 万円 法定相続人数 ) 公益事業を行う一定の個人が相続又遺贈 ( 寄附 ) により取得した財産で その公益事業の用に供するもの 相続人が 申告期限までに国や公益法人等に贈与 ( 寄附 ) した相続財産等 課税価格の減額特例 小規模宅地等の課税の特例 事業用宅地 (400 m2まで 80% 減額等 ) 居住用宅地 (240 m2まで 80% 減額等 ) 等 8

課税遺産総相続税税遺産総額我が国の相続税の計算方法のイメージ 我が国の相続税の計算方法は 分割前の課税遺産総額をもとに相続税の総額を計算し その相続税額を 納税義務者である各相続人の実際の相続分に応じて按分するもの 相続税の総額一定 相1/3 続1/3 税額1/3 相続人 A 相続人 B 相続人 C 各相続人の実際の相続分 相続人等が納税義務者 遺産課税方式と同様に 分割前の課税遺産総額をもとに計算 ( 法定相続分 (1/3) で按分して税率を適用し 相続税総額を計算 ) 参考 実際の相続分に応じ相続税総額を按分 死亡により遺産が当然かつ包括的に相続人に承継されるとする民法を前提 遺産課税による計算方法 課税遺産総額続税( 米 英 ) 遺産取得課税による計算方法 ( 独 仏 ) 課相続人 A 各相続人に対し取得額に応じて税額を計算相相続人 B 相続人 A 相続人 C 相続人 B A B 税相続人 分割前の課税遺産総額に対して一定の率 ( 累進又は定率 ) で税額を計算 遺言執行人等が納税義務者 相続税納税後の財産を相続人が取得 相続人 C 相続人 C 相続人等が納税義務者 9 相続

相続税 贈与税における財産の評価の基本的考え方 相続 遺贈又は贈与により取得した財産の価額は 当該財産の取得の時における時価による ( 相続税法第 22 条 ) これを踏まえ 国税庁において多種多様な各種財産に係る具体的な評価方法を定めている このほか 特別の定めとして 相続税法において定期金に関する権利 ( 年金受給権など ) 等の評価方法を規定している ( 注 ) ( 注 ) 現行の評価方法については 昭和 20 年代に相続税法に規定されて以来 特段の改正は行われていない ( 参考 ) 主な財産の具体的評価方法 1 宅地イ路線価方式 その宅地の面する路線に付された路線価を基とし その宅地の形状等を考慮して補正をした価額により評価ロ倍率方式 固定資産税評価額に 国税局長が定める倍率を乗じて計算した金額により評価 2 家屋固定資産税評価額に1.0を乗じて計算した金額により評価 3 株式等イ上場株式等 課税時期の最終価格又は課税時期の属する月以前 3ヶ月間の毎日の最終価格の各月ごとの平均額のうち最も低い価額により評価ロ非上場株式等 原則として 会社の規模に応じ 類似業種比準方式 純資産価額方式及びその併用方式により評価 10

贈与税の概要 贈与税は 個人から贈与により財産を取得した個人に対して その財産の取得の時における時価を課税価格として課される税で 相続税の補完税としての性格を持つ 1. 計算方法 ( 基礎控除 税率等 ) ⑴ 暦年課税 1 年間に贈与により取得した財産の合計額から基礎控除額を控除した残額について 累進税率を適用し贈与税額を計算 基礎控除 :110 万円税率 :10%~50% の累進税率 (6 段階 ) ⑵ 相続時精算課税贈与時の税負担を軽減し 相続時に相続税で精算するもの 贈与者ごとに 1 年間に贈与により取得した財産の合計額から特別控除を控除した残額について 20% の税率を乗じて贈与税額を計算 贈与者が死亡した場合は 相続財産と贈与財産を合算して相続税額を計算 特別控除 : 累積で 2,500 万円 ( 贈与者ごと ) 住宅特例 :1,000 万円上乗せ 税率 : 一律 20% 適用要件 : 贈与者 :65 歳以上 住宅特例 : 年齢要件なし 受贈者 : 贈与者の推定相続人で 20 歳以上 2. 課税状況 ( 平成 19 年分 ) ⑴ 暦年課税 ⑵ 相続時精算課税 申告件数 27.1 万件 申告件数 9.0 万件 ( うち 住宅特例 3.9 万件 ) 贈与財産額 0.9 兆円 贈与財産額 1.2 兆円 ( うち 住宅特例 4,760 億円 ) 納付税額 790 億円 納付税額 274 億円 11