④資料2ー2

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301226更新 (薬局)平成29 年度に実施した個別指導指摘事項(溶け込み)

2 成分が同一の剤形変更 例 タケプロンOD 錠 15mg タケプロンカプセル 15mg ユリーフOD 錠 4mg ユリーフ錠 4mg コカールドライシロップ 40% カロナール細粒 20% ( 粉砕 ) レボフロキサシン錠 500mg レボフロキサシン細粒 10% 患者に説明 ( 価格 服用方法等

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2 成分が同一の剤形変更 例 タケプロンOD 錠 15mg タケプロンカプセル 15mg ユリーフOD 錠 4mg ユリーフ錠 4mg コカールドライシロップ 40% カロナール細粒 20% ( 粉砕 ) レボフロキサシン錠 500mg レボフロキサシン細粒 10% 患者に説明 ( 価格 服用方法等

後発医薬品への変更調剤について

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骨粗しょう症調査

愛媛県病院薬剤師会 プレアボイド講演会(安永)

Q2 なぜ上記の疾患について服薬指導が大変だと思いますか インフル エンザ その場で吸入をしてもらったほうがいいけれど 時間がかかるのと 熱でぼーっ 一般内科門前薬局 としていると 理解が薄い 患者さんの状態が良くないことが多い上に 吸入薬を中心に 指導が煩雑である から 小児科門前薬局 吸入薬の手

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前回処方薬のワーファリン錠からリクシアナ錠に切り替えることについて 処方医から患者に休薬期間の指示はなかった また 患者に PT-INR について確認したが分からないという返答であった PT-INR 等が治療域下限以下になった上での切り替えであるか不明であるため疑義照会を行った 疑義照会の会話例 患

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【資料1】結核対策について

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保険薬局におけるハイリスク薬取り扱い時の注意点

在宅医療の現状と課題

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2. 改訂内容および改訂理由 2.1. その他の注意 [ 厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡に基づく改訂 ] 改訂後 ( 下線部 : 改訂部分 ) 10. その他の注意 (1)~(3) 省略 (4) 主に 50 歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において 選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び

添付文書情報 の検索方法 1. 検索条件を設定の上 検索実行 ボタンをクリックすると検索します 検索結果として 右フレームに該当する医療用医薬品の販売名の一覧が 販売名の昇順で表示されます 2. 右のフレームで参照したい販売名をクリックすると 新しいタブで該当する医療用医薬品の添付文書情報が表示され

はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに

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相互作用DB

抗精神病薬の併用数 単剤化率 主として統合失調症の治療薬である抗精神病薬について 1 処方中の併用数を見たものです 当院の定義 計算方法調査期間内の全ての入院患者さんが服用した抗精神病薬処方について 各処方中における抗精神病薬の併用数を調査しました 調査期間内にある患者さんの処方が複数あった場合 そ

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より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

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医薬品安全性情報の入手・伝達・活用状況等に関する調査

独居で認知機能低下のある患者宅への訪問( 主治医の依頼があれば可能 ) 居宅療養管理指導( 月 4 回以内滞在時間に決まりはない ) 定期的に入った方が良い患者は主治医に直接連絡して定期訪問の指示書を出してもらう 高齢者に特化したサービス( 依頼があれば薬がなくても訪問 ) 日々の確認が薬剤師のみで

により算定する ただし 処方せんの受付回 数が 1 月に 600 回以下の保険薬局を除く により算定する 注の削除 注 4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合 ( 削除 ) しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において調剤した場合には 基準調剤加算として所定点数に32 点を加算する

スライド 1

目次 Ⅰ 調剤等に関する事項 1 処方せん 1 2 調剤等 2 3 処方せん 調剤録の保存 3 Ⅱ 調剤技術料に関する事項 1 調剤料 3 2 調剤料又は調剤技術料に係る加算 3 Ⅲ 薬学管理料に関する事項 1 薬剤服用歴管理指導料 3 Ⅳ 薬剤料等の請求 1 薬剤料 5 Ⅴ 事務的事項 1 届出事


タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

44 11: 急性中耳炎 35~40Kg クラバモックス小児用配合ドライシロップ 636.5mg( 分包製剤 ) g 1: 内服 34:1 日 2 回朝夕食直前に 5 分包製剤にて 45 11: 急性中耳炎 40Kg~ クラバモックス小児用配合ドライシロップ 636.5mg( 分包製

DRAFT#9 2011

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助成研究演題 - 平成 27 年度国内共同研究 (39 歳以下 ) 改良型 STOPP を用いた戦略的ポリファーマシー解消法 木村丈司神戸大学医学部附属病院薬剤部主任 スライド 1 スライド 2 スライド1, 2 ポリファーマシーは 言葉の意味だけを捉えると 薬の数が多いというところで注目されがちで

糖尿病経口薬 QOL 研究会研究 1 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12

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保険薬局の薬剤師による 在宅医療とは 急激に進む高齢化社会と相次ぐ医療 介護制度の改正により ご自宅や施設で医療を受ける患者様がますます増えてきています このような背景のもと 処方箋を受け付けた薬局の薬剤師が 調剤したお薬を持ってご自宅や施設に直接お伺いし お薬の服用方法を説明するものです この際に

改訂後 ⑴ 依存性連用により薬物依存を生じることがあるので 観察を十分に行い 用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること また 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により 痙攣発作 せん妄 振戦 不眠 不安 幻覚 妄想等の離脱症状があらわれることがあるので 投与を中止する場合には 徐々に

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

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02 入職 (1 年目 ) 2 写真 ( 脇さん ) No.1 就活している学生の皆さんへ! 私の場合は 条件がかなり限定的だったため 決めやすかったのですが 病院の特徴と薬剤科がどのような仕事内容なのかをしっかり説明して頂ける病院にしました それは 入職後に望んだ条件ではないのが分かったとしても

日本医薬品安全性学会 COI 開示 筆頭発表者 : 加藤祐太 演題発表に関連し 開示すべき COI 関連の企業などはありません

こうすればうまくいく! 薬剤師による処方提案

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Ⅲ-3 試用医薬品に関する基準 平成 10 年 1 月 20 日公正取引委員会届出改定平成 13 年 3 月 19 日公正取引委員会届出改定平成 16 年 5 月 25 日公正取引委員会届出改定平成 17 年 3 月 29 日公正取引委員会届出改定平成 26 年 6 月 16 日公正取引委員会 消費

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政策課題分析シリーズ14(本文4)

( 別添 ) 御意見 該当箇所 一般用医薬品のリスク区分 ( 案 ) のうち イブプロフェン ( 高用量 )(No.4) について 意見内容 <イブプロフェン ( 高用量 )> 本剤は 低用量製剤 ( 最大 400mg/ 日 ) と比べても製造販売後調査では重篤な副作用の報告等はない 一方で 今まで

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院外処方箋記載マニュアル

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1)~ 2) 3) 近位筋脱力 CK(CPK) 高値 炎症を伴わない筋線維の壊死 抗 HMG-CoA 還元酵素 (HMGCR) 抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーがあらわれ 投与中止後も持続する例が報告されているので 患者の状態を十分に観察すること なお 免疫抑制剤投与により改善がみられた

資料2-1

記録ノート(A4単ページ ) indd

過去の医薬品等の健康被害から学ぶもの

デベルザ錠20mg 適正使用のお願い

アルツハイマー型認知症ってどんな病気?

医薬品の添付文書等を調べる場合 最後に 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 特定の文書 ( 添付文書以外の文書 ) の記載内容から調べる場合 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 最後に 調べたい医薬品の名称を入力 ( 名称の一部のみの入力でも検索可能

AC 療法について ( アドリアシン + エンドキサン ) おと治療のスケジュール ( 副作用の状況を考慮して 抗がん剤の影響が強く残っていると考えられる場合は 次回の治療開始を延期することがあります ) 作用めやすの時間 イメンドカプセル アロキシ注 1 日目は 抗がん剤の投与開始 60~90 分

1. 医薬品の採用 購入 1) 国 ( 厚生労働省 ) が医薬品として承認しているもの ( 保険収載されていない医薬品を含む ) はその作用 効果及び副作用をよく理解した上で さらに複数の製品がある場合はそれらの品質や薬価を考慮し 採用を決定する 2) 一成分一品目 ( 一規格 ) を原則とし 採用

2009年8月17日

議題 2: 入退院サポートセンターにおける当院の取り組みについて 議題 3: 自動車運転禁止 注意に該当する薬剤の指導について 議題 4: 患者情報共有化のための連絡文書 ( 案 ) について 第 6 回全体会議日時 : 平成 27 年 12 月 25 日 ( 木 )17:15~19:15 場所 :

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から (3) までの具体的な予定については添付 2 の図のとおりですので申し添 えます

に効果のあった医療機関及び薬局での事例 ( 学会ガイドライン STOPP クラ イテリア プレアボイド等 ) の収集と分析を行う必要がある 2. 高齢者の多剤服用 ( ポリファーマシー ) 対策のためのガイドライン等 高齢者の薬物動態等を踏まえた投与量の調整 ( 止めどき 減らしどき ) や薬物相互

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練馬区国保における糖尿病重症化 予防事業について 平成 29 年 3 月 6 日練馬区区民部国保年金課 1 東京都糖尿病医療連携協議会配布資料

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■● 糖尿病

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更に検討が必要な事項等 ( 抜粋 ) 平成 30 年 9 月 28 日第 6 回医薬品医療機器制度部会資料 2( 抜粋 ) テーマ 3 薬局 薬剤師のあり方 医薬品の安全な入手 (1) 医薬分業とかかりつけ薬剤師 薬局について 処方箋受取率が 70% を超えて医薬分業が進展し 医療保険では調剤医療費

多剤投薬の患者に対する病院薬剤師の業務実態調査 以下につきまして 2016 年 4 月 1 日もしくは 1 ヶ月 (2016 年 4 月 ) の状況でご記入ください お答えいただく欄は最初 ピンク で網掛けされています 入力後 ピンク が消えるように設定されていますので すべて入力後 ピンク のない

1. 対象患者および院外処方せん発行時間 (1) 院外処方せんで対応する患者 ( 院外調剤 ) 外来患者 ( 当院職員 診療時間内急患を含む ) (2) 院外処方せんで対応しない患者 ( 院内調剤 ) 入院中の患者 ( 入院中外来 入院中他科受診 退院処方を含む ) 診療時間外の救急患者 ハンディキ

1 分析の主旨 ビタミン剤 うがい薬 湿布薬 保湿剤に関しては 医療費適正化の観点か ら 診療報酬改定で様々な対応を行ってきている 本分析は 2012 年度から2016 年度 ( 平成 24 年度から平成 28 年度 ) の調剤レセプトのデータを用いて これらの医薬品の薬剤料 数量等の推移を示したも

患者向医薬品ガイド

< 糖尿病療養指導体制の整備状況 > 療養指導士のいる医療機関の割合は増加しつつある 図 1 療養指導士のいる医療機関の割合の変化 平成 20 年度 8.9% 平成 28 年度 11.1% 本糖尿病療養指導士を配置しているところは 33 医療機関 (11.1%) で 平成 20 年に実施した同調査

以下は メディカルトリビューンの解説記事 酸化マグネシウム使用例の高 Mg 血症はどのように起きているのか 先日, 便秘症などに適応を有する酸化マグネシウム使用に伴う高マグネシウム ( Mg) 血症に関する添付文書の記載強化が行われた ( 関連記事 ) 直近 3 年度で因果関係を否定できない症例を含

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27 年度調査結果 ( 入院部門 ) 表 1 入院されている診療科についてお教えください 度数パーセント有効パーセント累積パーセント 有効 内科 循環器内科 神経内科 緩和ケア内科

処方時の薬剤選択ミス事例 事例 1 泌尿器科から発行された処方箋を調剤薬局が受けた 処方内容は Rp1. ザイティガ 錠 250 mg 1 錠分 1 14 日分朝食後服用 Rp2. 般 セフジニルカプセル 100 mg 3 カプセル分 3 7 日分毎食後服用であった ザイティガ 錠の用法 用量は プ

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食欲不振 全身倦怠感 皮膚や白目が黄色くなる [ 肝機能障害 黄疸 ] 尿量減少 全身のむくみ 倦怠感 [ 急性腎不全 ] 激しい上腹部の痛み 腰背部の痛み 吐き気 [ 急性膵炎 ] 発熱 から咳 呼吸困難 [ 間質性肺炎 ] 排便の停止 腹痛 腹部膨満感 [ 腸閉塞 ] 手足の筋肉の痛み こわばり

Transcription:

平成 30 年 7 月 5 日第 4 回医薬品医療機器制度部会資料 2-2 平成 30 年 7 月 5 日 第 4 回厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会提出資料 薬剤師 薬局による取り組み ( 事例 ) 公益社団法人日本薬剤師会 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved. 1

1. 患者に適した薬剤への処方変更につなげたケース ケース小児患者インフルエンザの疑いで診療所を受診抗インフルエンザ吸入薬 ( イナビル ) が処方 薬局における対応服薬指導の際 患者とのやりとりの中で 当該患者は処方された抗インフルエンザ吸入薬をうまく吸入できないことが判明 ( 吸入笛で服薬の可否を確認 ) 疑義照会により 吸入剤から内服への処方変更を提案 結果疑義照会の結果 抗インフルエンザ薬のドライシロップ剤に処方変更 ポイント患者ごとに 適切な薬剤 適切な薬物治療は異なる医師と薬剤師が連携することにより 適切な薬物治療の確保が実現使用可能かを事前確認することで適正使用につなぐことができた Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 2

2. 医療用医薬品と市販薬の相互作用を回避したケース ケース市販の胃薬 ( 制酸剤 ) を常用している患者感染症のため抗生剤 ( レボフロキサシン ) が処方 薬局における対応常用している胃薬と抗生剤を併用すると 抗生剤の吸収が阻害され 効果が十分に発揮されない可能性があるため 胃薬の休薬を検討患者は胃薬を服用することができない状態に対し強い不安あり疑義照会を行い 当該胃薬と併用できる抗生剤への処方変更を提案 結果疑義照会の結果 当該胃薬と併用できる抗生剤へ処方変更 ポイント市販薬の情報も含めた薬の服用状況の確認が不可欠医師と薬剤師が連携することにより 適切な薬物治療の確保が実現 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 3

3. 複数の診療科を受診した患者について適切な処方設計につなげたケース ケース神経科を定期受診している患者 抗うつ薬 ( ルボックス ) が継続的に処方されているめまいで耳鼻科を受診耳鼻科から筋肉の緊張をやわらげる薬 ( テルネリン ) が処方 薬局における対応薬局の薬歴と患者のお薬手帳から 抗うつ薬の服用状況を確認耳鼻科で処方されたテルネリンは服用中のルボックスと禁忌 ( 相互作用 ) 疑義照会により 同じ効能を持つ相互作用のない薬への処方変更を提案 結果疑義照会の結果 別の薬 ( ミオナール ) に処方変更 類似事例精神科に通院する患者 睡眠薬 ( ベルソムラ ) が継続的に処方風邪で内科を受診 内科から抗生物質 ( クラリス ) が処方併用は相互作用があるので禁忌 クラリスはベルソムラの代謝を強く阻害し ベルソムラの血中濃度を上昇させ 過度の薬効を発現させる可能性あり Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 4

4. お薬手帳により重複投薬を回避したケース ケース小児患者鎮痛剤など 8 種類の定期処方あり ( アスピリン アーチスト ラシックス細粒 アルダクトン A 細粒 アドシルカ トラクリア ワーファリン細粒 サワシリン細粒 ) それとは別に他の医療機関から 5 種類の臨時処方 ( ホクナリンテープ アスベリン散 カルボシステイン DS ペリアクチン散 アモキシシリン細粒 ) 薬局における対応お薬手帳から 臨時処方と定期処方で効能が重複する薬 ( 下線部 ) を確認疑義照会により 重複している薬剤の削除を提案 結果疑義照会の結果 重複している薬剤が削除 ポイントお薬手帳による使用薬剤の把握により重複投薬を回避薬剤師から患者家族に対し お薬手帳は患者自身の情報ツールであること またその活用の重要性を説明同一成分であっても 先発品と後発品では商品名が異なるため 慎重な対応が必要 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 5

5. 退院時処方の情報把握により薬剤の用量変更につなげたケース ケース久しぶりに来局した患者来局前は入院していた 薬局における対応お薬手帳に記載されていた退院時処方の内容から 退院時に処方された薬が今回の処方では減量となっていることを確認その理由を患者に確認したが 処方医から変更理由は聞いていないとの回答であったため 念のため疑義照会を行い 変更理由について確認 結果疑義照会の結果 用量変更は処方箋への記入誤りであることが分かり処方変更 ポイント病院で退院時処方の内容をお薬手帳に記載していたため 治療の継続について判断できた事例 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 6

6. 使用期限切れの薬剤を発見し 新しい薬剤の提供につなげたケース ケース要介護 2 の高齢患者薬局が患者の自宅近くにないことから 訪問診療開始に合わせて ケアマネジャーより訪問薬剤管理指導の依頼あり 薬局における対応初回訪問時 目薬の使用にあたり 目の痒みがあると患者から相談があり使用薬剤を確認したところ 使用期限切れの目薬を使用していたことが判明 結果訪問医に処方依頼して 新しい目薬 ( 抗菌剤 ) が処方され 症状が改善 ポイント患家を訪問し 使用薬剤を直接確認することで問題点や原因を把握 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 7

7. 自己注射の適正な手技と服薬状況の確認で改善したケース ケース独居の高齢患者 3 か月に 1 回病院定期通院 2 週に 1 回訪問診療訪問医より インスリン投与中にもかかわらず 単位調節をしても血糖コントロールがうまくいかないとの相談ありインスリンの手技と薬の使用状況の確認のため 訪問薬剤管理指導を開始 薬局における対応注射時の痛みのためにインスリン使用を中止医師には伝えていなかったことを確認注射の使用法をあらためて指導し 患者のアドヒアランスを改善 ポイント患家を訪問し 患者から丁寧に訴えや悩みをヒアリングすることで新たな情報収集につなげることができた事例インスリン注射を使用しないことで 血糖コントロールが十分にできず 糖尿病性腎症 糖尿病性網膜症等に進展し 透析 失明の可能性もあった Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 8

8. 薬剤師の介入で服薬状況の見える化が図られ 改善されたケース ケース独居の高齢患者軽度アルツハイマー型認知症訪問看護師より患者の服薬状況について相談あり患家を訪問し 患者の服薬状況を確認 薬局における対応一包化の実施のほか 家の中で目にとまる場所 ( 食卓 ) に服薬カレンダーを設置患者だけでなく 家族の方や医療関係者も薬の服用が正しくできていることが一目でわかるように工夫 ( 服薬状況の見える化 ) 飲み残しがあれば 医師に状況と原因を報告服薬支援により 少しの見守りで正しく服用が可能となった Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 9

9. 自身で服薬管理が困難な患者の服薬状況を改善したケース ケース独居の高齢患者で認知症あり自身での服薬管理が困難な状況服薬に関するトラブルが多発している ( 薬の紛失 過量服薬 誤服用による救急搬送もあり ) 医師からの指示を受け 訪問薬剤管理指導を実施 薬局における対応 1 度に処方される日数の短期化を医師に提案次回処方に反映できるように訪問後は服薬状況を医師に報告ケアマネジャー ヘルパーに対して服薬状況の確認を依頼 ポイント薬剤師がきめ細かに訪問し 服薬状況に関する問題を介護者等と共有 連携して対応することで 過量服薬などの不適正使用 残薬 薬の紛失を回避 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 10

10. 検査値を利用した疑義照会のケース ケース 80 歳以上の高齢患者 内科から心房細動による血栓予防のため エリキュース錠 5mg が 1 日 2 回 1 回 1 錠で処方 薬局における対応体格から明らかに体重 60kg 以上であるため 患者が持参していた検査記録から血清クレアチニン値を確認 80 歳以上であること 血清クレアチニン値が 2.0mg/dL であったことから 投与量について疑義照会疑義照会の結果 エリキュース 5mg からエリキュース 2.5mg に処方変更薬剤師が検査値を確認することで 過量投与による出血リスク回避 注 ) エリキュース錠は 80 歳以上 体重 60kg 以下 血清クレアチニン 1.5mg/dL 以上 のうち 2 項目以上該当する患者では出血傾向が高まるため 投与量を調整する必要がある ポイント薬剤師が検査値を確認することで 過量服薬による出血のリスクを回避 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 11