農地利用の最適化に向けて 農業委員会は 農地利用の最適化を推進するために 1 担い手への農地 の集積 集約化 2 遊休農地の発生防止 解消 3 新規参入の促進に取 り組みます これまでの取組みとして 平成 29 年 5~6 月 7~8 月 8~9 月 9 月 市内農地の耕作 作付などの状況を把握するため農地の利用状況調査を行いました 農地台帳調査及び農地利用意向のアンケートを行いました 5~6 月の農地の利用状況調査の結果を踏まえ 遊休農地調査を行いました (P4 参照 ) 農地等利用最適化推進施策に関する意見を市に提出しました (P6 ~ 7 参照 ) これからの取組みとして農地利用の最適化を推進するためには 地域での話合いが必要です 将来の地域の農業について いっしょに考えていきましょう 2
地域の話合いを推進します 日頃 こんなことを考えてませんか? まわりは年寄りばかりで若い人が農業やってないなぁ 安心できる人に農地を貸してリタイアしたいなぁ あと 10 年ぐらいしか農業を続けられそうにないけど 息子は会社員で継ぐ気はないし 隣の荒れた農地から虫やら雑草の種が飛んできて困るなぁ 大型機械が使えれば作業が楽になるのに このように一人で解決できない問題でも みんなで話し合えば 何か良いアイデアが浮かんでくるかもしれません 農地利用最適化推進委員が お声掛けしますので 是非 話合いに参加しましょう 農地利用最適化推進委員は 農業委員会だより No.49 で紹介しています 3
遊休農地を発生させないように取り組みましょう 農業委員会では 8 月 ~ 9 月にかけて農業委員と農地利用最適化推進委員が遊休農地の調査を実施しました 遊休農地の所有者には 1 月中旬に 利用意向調査書 を発送しましたので 調査書が届いた場合は 添付の資料をご確認の上 回答にご協力をお願いします 遊休農地を放置すると様々な問題が発生します 雑草の繁茂や病虫害の発生 家電ゴミや産業廃棄物等の不法投棄 周辺農地や生活環境への悪影響 たばこのポイ捨てなどによる火災の原因 防犯上の問題などこうした問題の発生は 近隣の農地や住民に多大な悪影響を及ぼします また 農地が 一旦 遊休農地化してしまうと 元の状態に戻すのに大変な手間とお金がかかります 農地の所有者の皆さまへ 日頃から 除草 耕うん 作付など 農地を適正に維持管理していくことが大切です 耕作するのが難しい方や後継者がなく将来の農地の維持管理に不安のある方は 地域の農業委員 農地利用最適化推進委員にご相談ください 農地の貸し借りについては 次ページを参照ください 4
農地の貸し借りの制度について 農地の貸し借りには 農地法第 3 条によるもののほか 農業経営基盤強化促進法により利用権を設定する方法 公的機関である農地中間管理機構を活用する方法があります 基盤法による利用権の設定 農地中間管理事業の活用 1 年以上の設定期間で農地の貸し借りができます 設定期間が満了すれば 貸し借りは自動的に終了し 農地は返還されます 利用権を再設定すれば 農地の貸し借りは継続できます 農地の貸し手と借り手の間に 公的機関である農地中間管理機構 ( 埼玉県農林公社 ) が入り 農地の貸し借りを行う仕組みです 公的機関が間に入りますので 安心して農地の貸し借りができます 農地の貸し借りを行うには 農業委員会での手続きが必要です ご不明なことは 地域の農業委員 農地利用最適化推進委員又 は農業委員会事務局までご相談ください 問合せ 農業委員会事務局農業振興課 ( 829-1805) 5
農業委員会の活動 1 平成 30 年度さいたま市に対する 農地等利用最適化推進施策に関する意見 を提出しました さいたま市農業委員会は 農地等の利用の最適化の推進をより効率的かつ効果的に実施するため 平成 29 年 9 月 26 日 さいたま市長に意見書を提出しました 市長への意見書提出 右から 清水市長 若谷会長 加藤運営委員長 1 担い手への農地利用の集積 集約化について (1) 農地利用最適化を推進するためには 地域の話し合いの継続による地域版の 人 農地プラン の策定が不可欠であるため 農業委員等と連携し 地域の会合等の実施に取り組むとともに農地利用最適化に繋がる情報の収集及び提供を効果的に実現できる体制を構築すること (2) 認定農業者は 今後の地域の農業を支える中心経営体であることから 認定農業者のメリットを積極的にPRすること また 高額な農業用機械や大型の農業用施設が購入できるよう 認定農業者支援対策事業 を拡充すること (3) 地域の実情に応じた農地の集積 集約化を実現するため 農業生産の効率化と品目別耕作を可能とする農地の大区画化による整備を検討するとともに 道路 用排水路などの適正な維持管理等を行い 農業環境の維持 拡大を行うこと (4) 農地中間管理機構が農地利用の最適化を効率的に推進するため 集団性のある農地を一括して借り受けることが効果的である そこで盛土による農地改良を施した農地についても受入れを行うなど条件の拡充を埼玉県に要望すること (5) 担い手の発掘 確保についてJAと連携を図るとともに 農地中間管理事業において 担い手が不在となった農地について機構が継続的に適正管理できる仕組みづくりを埼玉県に要望すること 2 遊休農地の発生防止 解消について (1) 遊休農地の発生防止のため 農業を継続できない人が農地を相続する場合の相談窓口やサポート体制を強化すること さらには 担い手が不在となる農地については 市民農園としての活用や景観形成作物の栽培を促進するなどの事業を拡充すること (2) 農地パトロールや現地調査などの現場活動を効率的に実施するため 農地ナビが活 6
用できるタブレット等の電子機器は有効であり 予算措置を講じること 3 新規参入の促進について (1) 農地中間管理事業を活用し 有機栽培や無農薬栽培を目的とする新規参入者が慣行農法の農業者と共存できるよう 一団の農地の確保及び貸付けができる方策を検討すること (2) 指導農家制度の拡充を埼玉県に要望するとともに 市独自に農業を志す者を支援 育成するシステムの構築 指導者への支援策を検討すること (3) 営農意欲のある新規参入者や小規模な農家への支援として 農業用の機械 施設 倉庫 作業場などを他の農家からリースを受けられる仕組みを構築すること また 機械等の購入に係る補助を拡充させるとともに 直売所等に対する助成制度を充実させ 販路を確保すること (4) 新規参入者が農業を職業として継続できるための方策や環境づくりを国や埼玉県に働きかけること (5) 将来の担い手を育成する就農予備校 担い手塾を新設するとともに 農業高校等と連携した就農に関する情報を共有化する体制を整備すること あわせて 新規参入者や研修生の育成や受入れを地域農家が協力できる体制づくりを構築すること 2 園児とともに 菜の花の種まき を行いました 平成 29 年 10 月 6 日 ( 金 ) に北区と緑区の2 会場で 幼稚園 保育園児 (166 名 ) を招き 菜の花の種まきを実施しました 北区会場 : 北区見沼 2 丁目 緑区会場 : 緑区大字新宿 平成 30 年 3 月下旬に 菜の花まつり を開催予定です 詳細は後日 市のホームページにてお知らせいたします 7
3 農地利用最適化の先進地を視察しました (10 月 30 日 31 日 ) 株式会社 JRとまとランドいわきファーム ( 福島県いわき市 ) 1 日目は 株式会社 JRとまとランドいわきファームを視察しました 当施設は 日本でトップクラスの生産技術を駆使してトマトを生産し 地域密着型の農業生産事業を展開しています 元木代表は 前職サラリーマンでトマトの栽培経験はありませんでしたが オランダ を視察するなど研究を重ね トマトの溶液栽培に着手しました しかし 事業が軌道に乗り始めたころに東日本大震災が起こり 放射能の 風評被害等により 市場価格が暴落するなど 農業経営を続けることが困難な状況に直面しましたが 地域農業を守るために それに立ち向かうことにしたそうです 当施設の特徴は 次の3 点です 1 点目は 収穫したトマトを活用した6 次産業施設との連携です 隣接施設の ワンダーファーム でトマトや加工商品の販売 レストランの経営 トマトの収穫体験を行っています 元木代表の 生産者と消費者が顔を合わせることで風評被害を払拭するだけでなく 地域の活性化に貢献できる という言葉が非常に印象的でした 2 点目は トマトの栽培方法です 栽培施設は 空調設備や二酸化炭素など トマトの生育に必要な環境が 24 時間 365 日コンピュータで管理されています 3 点目は GAPの取得です 当施設では 既にトマト ミニトマトでJGA Pを取得していますが さらに 本年度内に 国際規格であるグローバルGAPの取得を目指しています 本研修を通して 今後の日本の農業に求められるのは 安心 安全な農産物の提供はもちろん 生産者と消費者をつなぐことで地域農業を活性化することが重要 株式会社 JR とまとランド であると学びました 杉山起司農業委員 ( 西区 ) 桜川市農業委員会 ( 茨城県桜川市 ) 本市農業委員会は 本年 5 月 1 日から 農業委員 農地利用最適化推進委員から成る新体制がスタートし 遊休農地発生防止 解消に向けて これまで以上に前進していくこととなりました 2 日目は 平成 28 年 4 月 1 日にいち早く新体制をスタートさせた茨城県桜川市農業委員会を訪問しました 桜川市は 岩瀬町 真壁町 大和村が 平成 17 年 10 月 1 日に合併してできた市ですが 本市とは少し異なり 山あいに田畑が多く存在しています 西澤初男推進委員 ( 見沼区 ) 8
桜川市農業委員会では 農業委員と推進委員が協力して 農地の利用集積を行っている実例を聞くことができました その取組みとしては 市等の協力を得ながら農地中間管理事業を活用して 農地の利用集積を進めていったとのことです その過程で推進委員が何度も農家のお宅を訪問したり 地区で座談会を開いて地域の農家に説明をしたりしましたが 訪問しても話を聞いてもらえなかったり 座談会も人が集まらなかったりと苦労の連続だったそうです しかし 粘り強く説得することで 遊休農地化していた土地や将来遊休農地となることが懸念されていた土地を担い手へ集積することができたそうです 桜川市の推進委員の熱心な説明に 農地を次の世代につなげていこうという思いを強く感じることができ 非常に有意義な研修となりました 本市には 見沼田圃をはじめ市街地の周辺にも多くの田畑が存在しています 都市圏に近いという利点を生かしていけるような農地の利用が図られれば 農家の負担も少なく 遊休農地の発生防止 解消にもつながるのではないかと思いました 今後 市等と協力して 次の世代につながる農業を進めていけたらと思います 農地利用最適化推進委員を募集しています 職務内容農業委員と連携して 担当する区域において 農地等の利用の最適化を推進するための活動を行います 任期平成 30 年 3 月中旬から平成 32 年 4 月 30 日 ( 木 ) まで募集人数 1 人 ( 選考による ) 担当区域南区 緑区の一部報酬月額 45,000 円募集期間平成 30 年 1 月 15 日 ( 月 )~2 月 16 日 ( 金 ) 必着 応募方法等 手続きの詳細は募集要項をご覧ください 募集要項の配布場所 農業委員会事務局さいたま市浦和区常盤 6-4-4 ときわ会館 2 階 各区役所情報公開コーナー 市内農業協同組合本店 各支店 さいたま市ホームページでも入手できます 検索方法 市のホームページで 農地利用最適化推進委員 と検索してください 農地利用最適化推進委員 問合せ 農業委員会事務局農業振興課 829 1805 FAX 829-1966 9
農地を農地以外にする場合は 農地法による手続きを! 農地を住宅など建物の敷地 資材置場 駐車場など農地以外に転用する場合には 農地法の届出または許可が必要です ( 一時的に転用する場合でも同様です ) 無断で転用はできません 農地転用とは 農地を農地以外の目的で使用することです 農地法の届出が必要 手続きは 2 種類あります 農地法の許可が必要 農地の所有者が自分でその農地を転用する場合 農地法第 4 条 農地の所有者から農地を購入または借地して転用する場合 農地法第 5 条 問合せ 農業委員会事務局農地調整課 829-1903 FAX 829-1966 平成 30 年度分の生産緑地地区の追加指定を受け付けています! 1 生産緑地地区に指定されるメリットは? 1. 固定資産税 都市計画税が農地課税になります ( 指定されてない土地は 宅地並みの課税となります ) 2. 相続税等の納税猶予を受けることができます 2 生産緑地地区に指定可能な主な条件は? 1. 市街化区域内の農地等で面積が 300m2以上であること 2. 現状が農地であり 今後も農地として継続していく土地であること 3. 指定する土地に関する権利 ( 小作権等 ) を有する者の全員の同意がとれること 4. 公道に接していること 5. 土地の境界が明確であること 3 追加指定のできる期間は? 平成 30 年度分の生産緑地地区の追加指定の期間は 平成 30 年 6 月 29 日 ( 金 ) までです 市のホームページにある 生産緑地地区の追加指定について のページでパンフレット ( 生産緑地地区制度について ) がダウンロードできますので参考にしてください 検索方法 市のホームページで 生産緑地について と検索してください 生産緑地について 問合せ みどり推進課 829-1414 FAX 829-1979 10
賃借料情報について 農地の賃借料の目安となる賃借料情報をお知らせします 平成 29 年 1 月から平成 29 年 12 月までに設定された利用権における年間の賃借料 水準 (10a あたり ) は 以下のとおりです 区名地目 金額 平均額最高額最低額 筆数 西区 北区 大宮区 見沼区 中央区 桜区 浦和区 南区 緑区 岩槻区 田 1, 900 円 25, 000 円 1, 000 円 67 筆 畑 11, 700 円 30, 000 円 1, 000 円 64 筆 田 9, 200 円 20, 000 円 5, 000 円 21 筆 畑 20, 000 円 34, 000 円 5, 000 円 51 筆 田 6, 500 円 10, 000 円 5, 200 円 5 筆 畑 11, 500 円 15, 200 円 7, 500 円 34 筆 見沼田んぼ区域内 田 17, 400 円 20, 000 円 15, 000 円 4 筆 畑 17, 700 円 30, 600 円 5, 000 円 51 筆 さいたま市全体 田 3, 800 円 25, 000 円 1, 000 円 93 筆 畑 14, 500 円 34, 000 円 1, 000 円 149 筆 1. 金額は 算出結果を四捨五入し 100 円単位です 2. さいたま市全体の平均額は 各区分の集計に用いた全賃借料の平均です 3. 農業用施設分を含む賃借料は集計対象から除外しています 11
農業者年金に加入しましょう 農業者年金の加入資格 1 国民年金の第 1 号被保険者 260 歳未満の方 3 年間 60 日以上農業に従事農業経営者はもとより 配偶者や後継者などの家族農業従事者も加入できます 税制面での優遇納めた保険料の全額が社会保険料控除の対象になり 所得税 住民税等の節税になります 通常加入なら 保険料の額は自由月額 2 万円から6 万 7 千円まで千円単位で選択でき いつでも見直すことができます 死亡一時金のお支払い仮に80 歳前に亡くなられた場合には 死亡した翌月から 80 歳までに受け取れるはずであった農業者老齢年金の額が 死亡一時金としてご遺族に支給されます 問合せ 農業者年金基金 03(3502)3199 農業委員会事務局農業振興課 ( 829-1805) 農家の経営とくらしに役立つ情報をお届けします! 発行日 : 毎週金曜日 購読料 :1ヶ月 700 円 申込 : 農業委員会事務局農業振興課 ( 829-1805) へ 明けましておめでとうございます さて 平成 29 年を振り返ってみますと 猛暑 長雨 台風で各地に農産物等の被害をもたらしました 皆様 大変苦慮されたことと思います 広報誌 さいたま市農業委員会だより 第 50 号は 農業委員 農地利用最適化推進委員の新体制になりまして2 回目の発行です 今号は 農地利用最適化に向けて 地域の話合いを推進します 等の内容を掲載しました これからもより見やすく 皆様の役に立つ編集をしていきますので ご支援 ご協力をお願いいたします 広報委員高橋克明広報委員委員長高橋克明副委員長本田敏一委員髙﨑定一小山吉男都築勝高橋秀男 発行者 : さいたま市農業委員会 330 9588 さいたま市浦和区常盤 6 4 4 829 1805 この農業委員会だよりは 11,000 部作成し 一部当たりの印刷経費は 27.5 円です 12