松かさ ひまわり学級算数科学習指導案 日時平成 26 年 9 月 5 日 ( 金 ) 1 校時児童松かさ学級 ( 知 )7 名ひまわり学級 ( 病 )1 名指導者教諭田丸恵美 (T1) 教諭伊藤裕子 (T2) 補助指導員民野五月 (T3) 1 単元名 おもさ ~ くらべたりはかったり ~ 2 単元について (1) 単元解説本単元では, 重い 軽いという用語, 重さに対する量感や重さの基礎概念を育てることから始め, 重さの直接比較 間接比較 任意単位による測定 普遍単位による測定を行う その際, 身近な生活の中の事象と関連付けながら, 意欲をもって取り組めるようにし, 身に付けた重さの感覚や測定の知識 技能を, おやつ作りや日常生活の重い物を運ぶ場面などに生かすことができるようにす (2) 児童の実態算数科 量と測定 に関する児童の実態として, 昨年度長さについて一斉授業で学習し, かさについての学習も行ってい重さについては初めて学習することになるが, 児童は, 日常生活において机を運んだり, 水の入ったバケツを持ったりすることによって 重い, 軽い といった感覚は経験していただ 重い, 軽い という感覚はもっていても, 重さという概念についての理解は十分ではない また体重測定や買い物などにおいて秤を見たり, g や kg などの言葉を聞いたりしていると思われるが, これらも見たり聞いたりしたことがあるという程度に過ぎず, 生活の中で実際に使っている様子は見られない 2 学級の児童の実態は以下の通りであ 児童 A 児松かさ4 年男 B 児松かさ3 年女 C 児松かさ3 年男 D 児松かさ2 年女 児童の実態 集中して学習に取り組むことができ 机や水の入ったバケツなど重い物を運ぶ経験から重さを実感することができてい 2 桁同士の繰り上がり 繰り下がりのあるたし算やひき算,2 桁同士のかけ算に取り組んでい 集中して学習に取り組むことができ 机や水の入ったバケツなど重い物を運ぶ経験から重さを実感することができているが, 重さの違いや重量感などをあまり意識していない かけ算九九を暗記しているが, 実際の場面で活用することは難しい 言葉の表出に遅れが見られ, 見通しがもてないことには集中できない 力を入れて雑巾を絞ることや重い荷物を長時間持つことが難しく, 必要な場面でしっかりと力を入れることができない 場面によっては, 大小や多少を理解することができ 意欲的に学習に取り組むことができ 机や水の入ったバケツなど重い物を運ぶ経験から重さを実感することができているが, 重さの違いや重量感などをあまり意識していない 10までの数について, 具体物を用いると大小や多少は分か 特支 -1
E 児松かさ2 年男 F 児松かさ2 年男 G 児松かさ1 年女 H 児ひまわり2 年男 学習中に集中が途切れることがよくあ バケツに水を入れすぎて重そうに休み休み運んでいたことがあり, 自分で運べる重さの見当を付けることが難しいようであ 指を使い, 答えが10までの数のたし算を計算することができ 学習に意欲的に取り組むことができるが, 不注意で細かいところを見落とすことがあ 机や水の入ったバケツなど重い物を運ぶ経験から重さを実感することができているが, 重さの違いや重量感などをあまり意識していない 10までの数の多少や大小についてほぼ理解してい 体調や気分に左右されることはあるが, 学習に意欲的に取り組むことができ 重い, 軽いの言葉を使って話すなど重さを感じ取ることができるが, 重さの違いや重量感などをあまり意識していない 4までの数の理解がおよそできてい 集中して取り組める時間は増えてきているが, 短期記憶が弱い 重さの感覚はあるが, 力の出し具合はコントロールできていない 10までの数の理解がおよそできてい大小や多少は場面によって理解でき (3) 指導の手立て重い 軽いという感覚は日常的に体験するが, 長さやかさのように直接目で見て分かるものではない 手に持った感覚で比較するとしても, 持ち方によっても重さの感じ方は異なり, 長さを目で見て比較するより不確かであまた, 道具を使って2つのものの重さを比較することは可能であるが, 計測器を使わないかぎり,1つのものの重さを絶対的な値で知ることは不可能であ重さの概念はこのようにとても難しいものであることを踏まえ, 実際に触れたり持ったりする活動を多く取り入れ重さを体感させることで, ボディイメージを高めていく また, 児童の身の回りにある物の重さをいろいろな道具を用いて比較したり計測したりする活動を通して, 物の外見からは, 重さはわからない, 重さを知るには, 手で持たなくてはならない, 大きい方が重いとはかぎらない といった重さの概念を知らせ, 重い 軽いという言葉を日常生活の中で適切に使えるようにさせ 3 内容系統図 生活単元学習 栽培活動 調理学習 算数科 身近にあるものの 大小や多少に関心を もつ 身近にあるものの長さやかさなどを比較す単位を理解し測定す 身近にあるものの重さがわかり, 比較す単位を理解し測定す 日常生活の指導 身体測定 清掃活動 特支 -2
4 研究との関わり (1) 豊かな学びを生み出すノート作り研究内容 2-2 一人一人が重さの理解を深めるために個別の能力に合わせた おもさばっちりノート2014 を活用す 特別支援学級の児童は, 障害の種類や軽重などによって, 一人一人の実態が全く異な今回の学習のように, 生活の中で日常的に感じている内容であっても, 学習に置き換えると, 一斉の指導では理解しにくい場面が多いと考えられそこで, 一人一人の能力に合わせたワークシート式のノートを用意し, 学習の流れや活動の手順, 思考の流れを整理する内容などを, 絵や図, 吹き出しなどを使って分かりやすくまとめ, 気付きや疑問なども書き込めるようにす毎時間, 必ずこのノートを活用し, 学習内容の記録を蓄積していくことで, 重さの理解を深めることができこのノートは, 読み書きなど言葉の理解の程度が全く違う特別支援児童でも, 書く, なぞる, 写真や絵を貼るなど, 個の実態に応じたまとめ方ができまた, ノートには, 毎時間の評価を行って 材料シール を集めるページを設けシールを集めていくとおやつ作りのレシピが完成し, おやつ作りができシールを渡すときに, 実際の重さの材料を持たせることで, 日常生活に生きる重さの感覚を養うと共におやつ作りという目標に向かって, 期待感や達成感も味わわせおもさくらべおもさくらべぼくにあっているからととおもさばっちりノート分かりやすい!! 2014 前の時間の勉強もぼくは自分で私はシールすぐに思い出せるよ 書けるよ! を使おう! (2) 学びへの意欲を生み出す問題の吟味や提示の工夫研究内容 2-1 意欲をもって楽しみながら調べるために身近な野菜を使った問題に取り組ませ特別支援児童の学習では, 課題と生活のかかわりが大変重要であ生活を学習の目標や課題に生かし, 学習したことをまた生活に戻していく そこで, 自分たちで育てた身近にある野菜の重さを調べ, チャンピオンを決定するという問題を扱う 児童が普段からよく目にしたり, 手に取ったりしている野菜の重さ比べを行うことで, 児童の興味や意欲をかき立てることができ今回の問題も, 生活の中で調理に使う野菜の大小を考えたり, 重さを測ったりすることに活きてく問題意識を高め, 意欲の継続を図るために前時と同じ問題を提示す前時では, 道具を使わず手で持った感覚のみでチャンピオンを決めるため, 各グループで違いが出ると思われ なんだか手で持っただけではわかりにくいな どうして他のグループと答えが違うのかな? という曖昧さや疑問から, 本時の学習をスタートさせることで, 調べてみたい, 本当の重さを知りたいという意欲をもって学習に臨ませたいと考えた そこで, 前時と同じ問題を提示す学習内容につながりをもたせることで, なぜ? どうして? という児童の疑問を引き出し, 意欲を高めることができると考え 4 3 2 1 手で持った感じチャンピオン決定戦 手で持った感じチャンピオン は なんだかわかりにくいなぁ 特支 -3
5 単元の目標と個別目標 (1) 目標 重さの概念を知り, 道具を使って重さを比べたり, 単位を用いて重さを測ったりすることができ (2) 個別目標児童 個 別 目 標 A 児 4 年 秤を使って重さ比べをし, 重い順を決めることができ, 重さの保存性を理解す 重さの単位を知り, 単位を使って重さを表現したり重さを比較したりでき B 児 3 年 秤を使って重さ比べをし, 重い順を決めることができ, 重さの保存性を理解す 重さの単位を知り, 単位を使って重さを表現したり重さを比較したりでき C 児 3 年 いろいろな物の重さを感じて, 重さの感覚を意識す 2つの物の重さを比べて, 重い 軽い の言葉を正しくマッチングさせることができ D 児 2 年 協力して重さ比べをし, 重い順を決めることができ 重さの単位を知り, 単位を使って重さを表現でき E 児 2 年 協力して重さ比べをし, 重い順を決めることができ 重さの単位を知り, 単位を使って重さを表現でき F 児 2 年 協力して重さ比べをし, 重い順を決めることができ 重さの単位を知り, 単位を使って重さを表現したり重さを比較したりでき G 児 1 年 協力して重さ比べをし, 重い順を決めることができ 重さの単位を知り, 単位を使って重さを表現でき H 児 2 年 進んで重さ比べをし, 重い順を決めることができ 重さの単位を知り, 単位を使って重さを表現でき 6 単元の指導及び評価計画 (1) 指導内容と本単元で重視する算数的活動指導内容 (2) 量と測定 3 段階 (2) 身近にあるものの重さが分かり, 比較す ( 支援学校指導要領小学部 ( 知 ) の算数 ) B(1) 重さの単位と測定 (3 年生 ) (1) 重さについて単位と測定の意味を理解し, 重さの測定ができるようにす イ重さの単位 ( グラム (g), キログラム (kg)) について知ること 本単元で重視する算数的活動 重さを体感させ, ボディイメージを高め 重さ調べや重さ比べ, 測定などを通して, 重さの概念を知 重さの単位には グラム (g), キログラム (kg) があることを知り, 計測す 特支 -4
(2) 単元の指導及び評価計画 (8 時間扱い ) 時学習活動評価計画手立て 1 おもさをかんじよう 2 重さの感覚をつかむ1 いろいろな具体物を持ち, 重さを意識す 重い, 軽いという用語を確かめ 重さの感覚をつかむ2 同じ重さを探す 進んでいろいろな物を持って興味をもつ 観察 ノート 重い, 軽いなどと声や態度に出してい 発言 進んで遊びに参加し, 重さに注目す 観察 個の能力に応じたノートの使用 ( 全時間 ) 身近にあるものを使って, 重さの感覚を意識させ 遊びの中で, 重さ比べや重さ探しをさせ いろいろなものの同じ重さを感じ 同じ重さを感じたり, 探したりす ノート 重さくらべ 1( 直接比較 ) 手で持って, 感覚で比 学級園でとれた野菜な ~ 重さチャンピオン ~ べることができ ど, 身近な物を使って どれが重いか, 手で持って予想した 発言 観察 比較させ り, 比較したりす 比べた順を決めてい 順位が目で見てすぐに 手で持った感じチャンピオン を ノート わかる提示をす 決め ( 次回の予想にする ) 児童の理解や学習状況 に合わせたグループ設定 2 おもさくらべ 3 ( 本時 ) 重さくらべ2( 間接比較 ) ~ 重さチャンピオン~ 前時の 手で持った感じチャンピオン を確認す 3つの道具( 天秤, ばね秤, 台秤 ) を使 正しく比べるためにどうしたらよいか考えて い 発言 グループ内で協力して重さを比較し, 順番を決めてい 前時とのつながりを意識させ 児童の理解や学習状況に合わせたグループ設定 ( 前時と同じ ) いろいろな道具で調べ って比較し, 本当の重さチャンピオ 観察 ノート させ ン を決め 重さくらべ 3( 任意単位による比較 ) 粘土玉が 個分という 既習の道具を使う 粘土玉を用い, 天秤を使って比較す 重さを表現してい 粘土玉の重さを適切に 発言 ノート し, 数の多さにとらわ れないようにす 重さの単位と重さしらべ 単位を知り, 活用して 個々の数の理解に応じ g と kg を知 計測してい て, 秤やデジタル秤を 秤, デジタル秤を使って調べ 観察 ノート 使わせ 3 はかってみよう 3 重さくらべ4( 普遍単位による比較 ) 秤を使って, 重さを調べて比較す 形を変えて, 重さを調べてみ 測って作る 自分たちで実際に材料を計測して簡単なおやつを作 計測して, 比較することができ 観察 ノート これまでの学習を生かして, おやつ作りをしてい 観察 ノート 個々の数の理解に応じて, 秤やデジタル秤を使わせ 個々の数の理解に応じて, 秤やデジタル秤を使わせ 既習内容を生かしたお やつ作り 特支 -5
7 本時の指導計画 (1) 本時の目標道具を使って重さを比較し, 重い順を決めることができ 個別の目標 A 児 (4 年 )~4つの野菜の重い順を, 天秤を用いて決めることができ B 児 (3 年 )~4つの野菜の重い順を, 天秤を用いて決めることができ C 児 (3 年 )~2つの野菜の重さを比べて, 重い 軽い の言葉を正しくマッチングさせることができ D 児 (2 年 )~4つの野菜の重い順を, 台秤を用いて決めることができ E 児 (2 年 )~4つの野菜の重い順を, 台秤を用いて決めることができ F 児 (2 年 )~4つの野菜の重い順を, 台秤を用いて決めることができ G 児 (1 年 )~4つの野菜の重い順を, ばね秤を用いて決めることができ H 児 (2 年 )~4つの野菜の重い順を, ばね秤を用いて決めることができ (2) 展開 (4/8) 段階 つかむ 児童の活動 前時を振り返 手で持った感じチャンピオン を決めた 見た目や持っただけでは難しいものもあった ノートを確かめ 問題を把握す 教師のはたらきかけ T1 T2 T3 前の時間はどんなことを勉強しましたか 発言する子への支援 C 児の支援 授業の流れを書いたホワイトボ ノートを使って確かめさせ 問題を知らせ ノートを開かせ, 振り返らせ ードをもとに学習を進め 重さチャンピオンを決めよう 評価 留意点 前回の学習や結果を, 自分のノートや写真を使って振り返らせ グループ毎に結果が違うことに気付かせ 課題を確認し, 全員で読む 課題を提示す G 児,H 児と共 C 児と共に読む に読む どうしたらただしくくらべられるかな どうしたら正しく比べられる か考え 何か道具を使おう 正しく調べるた めにはどうした らいいだろう 用いる道具や使い方を知 児童がやる気をも 追求し合う 天秤 A Bで測 ばね秤を並べたもので測 台秤で測 グループでどの道具を使うか 道具の説明に集 中するよう促 す 使う道具やその使い方を知らせ 各グループに割 C 児の支援飽きて離席などがないよう, 工夫す って調べ活動に入ることができるよう工夫す 使用する道具 知 り振りす 1 グループ ~ 天秤 A 2 グループ ~ 天秤 B 3 グループ ~ 台秤 4 グループ ~ ばね秤 特支 -6
重さを比べ 道具を使って重 活動の時間をタイ 道具を用いて, それぞれ野 さ比べをして, 134 グループ 2 グループの重 マーを使って意識 菜の重さを比べ 本当のチャンピ の重さ比べを支 さ比べを支援す させ 比べた結果や理由を, ノー オンを決めまし 援す トに記入したり, 記録した ょう 各自のノートに 結果をデジカメ 評道具を使って重 りす 134 グループ 結果を書かせ で記録す さを比較し, 重い 追求し合う の重さ比べを支援す 各自のノートに結果を書かせ 早く活動が終わった場合は, 道具を使って他の物の重さ比べを 順を決めることができ 観察 ノート させ 13 グループで, 調べ方や結果につ いて悩んでいる様 子があるときには 適宜, 支援す グループごとに結果を発表す 調べた結果を発 各グループの発 2 グループの発 発表の仕方 表してください 表を支援す 表を支援す 1 グループ 2431 の順で 実物投影機 発表させ 2 グループ デジカメ写真, 教師の答えを知り, 自分たちの 教師の答えを発 3 4 グループ 結果と照らし合わせて, 本当の 表し, 比べさせ, 使った道具 重さチャンピオンを決定す 重さチャンピオ を使って発表さ ンを確定す せ まとめる 広げる まとめ まとめを書く どうぐをつかうとただしくおもさをくらべることができ ノートに書く 書く, なぞる子 書く, なぞる子 C 児の貼る活動 を支援す を支援す を支援す どんな道具を使っても結果が同じであることに気付かせ 確かめ問題 確かめ問題をす 一人ずつ, 重さの 確かめ問題を支 理解を確かめ, 材 道具を用いた簡 材料シールを渡 援す 料シールを渡す 単な重さ比べを し, 実際の重さ 見せ, 答えさせ の材料を持たせ 特支 -7
(3) 資料 1 板書計画 2 座席表 黒 板 4 グループ 3 グループ G 児 H 児 F 児 E 児 D 児 C 児 B 児 A 児 2 グループ 1 グループ 教師用机 特支 -8