第 6 学年 1 組道徳学習指導案 平成 26 年 11 月 26 日 ( 水 ) 第 5 校時在籍児童数計 34 名指導者教諭塚本馨 1 主題名気持ちよく過ごせる社会に 内容項目 4-(1) 公徳心 規則の尊重 権利 義務 2 資料名 どろだらけのスパイク ( 学研みんなのどうとく ) 3 主題設定の理由 (1) ねらいとする道徳的価値について本主題は 高学年における内容項目 4-(1) 公徳心をもって法やきまりを守り 自他の権利を大切にし 進んで義務を果たす ことを深めることを意図したものである これは 中学年内容項目 4-(1) 約束や社会の決まりを守り 公徳心をもつ を受け 中学校内容項目 4-(1) 法やきまりの意義を理解し 遵守するとともに 自他の権利を重んじ義務を確実に果たして 社会の秩序と規律を高めるように努める につながっていく 人々の社会生活は遵守の精神のもとに成り立っている 自分一人くらいは決まりを守らなくてもいいだろうと 自分の権利ばかりを主張して 義務を果たそうとしない態度が 他者に多大な迷惑をかけることになることを考えなければならない 児童が成長することは 同時に社会や集団の様々な規範を身に着けていくことである 高学年の児童には 社会の法やきまりのもつ意義について考えるとともに義務を大切にする精神をしっかりと身に付けるように指導する必要がある 公徳心をもって他人の権利を尊重し 自己の権利も正しく主張できる態度を養わなくてはならない 気持ちのよい社会生活を営むには 何が大切なのかを話し合い 道徳的価値の自覚を深めさせ 法やきまりは自他の権利を守るためにあることに気付き 公徳心を持って主体的に法やきまりを大切にする態度を養っていきたい (2) 児童の実態について本学級の多くの児童は 時間や決まりを守って行動することができている しかし 自分のことだけしか関心がなく 周りの人が決まりを守っていなくても自分には関係ない 自分が決まりを守れていればよいという児童も多い また 友達も守ってないから大丈夫と時間やルールを守らない児童も少数いる 周りの人への関心のなさや 声をかけることができないことが大きな課題である 年度当初の学級活動で お互い助け合い 励まし合えるクラスにしようと学級目標を話し合い決めた また 最高学年として他の学年の見本となるよう時間や決まりを守って行動することは 当然であるという指導も日々してきた しかし 遊びに夢中になってしまったり 休み時間に自分のことを優先したりしたために チャイム席に間に合わなかった児童もいた 気持
ちよく教室で過ごすために 消しゴムのかすを落とさない ごみや落し物が無いように細かい指導もしてきた そのため 少しずつではあるが 児童の意識にも変化が見られ教室の床に落ちているものがなくなってきた この時期の児童は きまりを守らなければならないことは知っているし マナーやきまりを守らなければならない場面にも出会っている しかし 他の人も守ってないから平気だろうという自分の甘い判断で守れないこともある きまりを遵守する大切さがわかるようにしていきたい さらに きまりというものだけでなく モラルなどの倫理観にまで考えさせ 行動することで 自分も他の人も気持ちよく生活できることについて考えを深化させたい (3) 資料についてこの資料は 野球部の子どもたちの放課後の様子がえがかれているため 興味を引き 児童にとっては考えやすい 本時では 野球部キャプテンの ぼく の心の変化を中心に話が展開していく 道いっぱいに広がって自転車をとめている高校生をみて 主人公 ぼく の気持ちが変化し このままよごれている格好で店に入ることは 自分勝手な考えだったことに気づかせたい コンビニエンスストアに靴下で入っていき 床がぴかぴかのままで買い物ができたことを だれにも何も言われていないが うれしくなったのはなぜなのか だれのことを考えて行動できたのかをしっかりとらえさせたい 店の人に言われた 気配り という言葉を実感した ぼく の心を考えることで 自己の生き方に生かしていく 学校や家庭だけでなく 社会において気持ちよく生活を送るためには マナーを守ることが大切であることについて気づかせたい (4) 指導の工夫 1 導入の工夫 主体的に法やきまりを大切にする気持ちについて考えさせるために 資料の写真を提示する 印象を感想などで述べ合い 法やきまりについて自分とのかかわりで考えさせるための導入となる 2 ワークシートを活用する 権利 義務 公徳について自分のことを振り返らせるために ワークシートを活用する 自分は どんな考え方をしていただろうか 友だちの考えを聞いて自分の考えが新たになったことはあるかなどに気づかせたい 3 事前アンケートの活用 事前に公徳心について児童の意識調査を実施し 提示することで これまでの自分を振り返り これからの自分を考えさせることに役立てる 4 研究主題とのかかわりと他の教育活動等との関連 心豊かにかかわり自他共によりよく生きようとする児童の育成 自己の生き方についての考えを深める道徳の時間の充実
(1) 研究主題とのかかわり本時では 社会のマナーや決まりを守り 進んでみんなが気持ちよく過ごすには何が大切なのか考えさせる 主人公のぼくは 野球部のキャプテンだが 部活の後に汚れているユニホーム姿のままコンビニエンスストアに入っていいのだろうかと迷う どろを落とし スパイクをぬいで店に入り 笑う人もいたが 店が汚れず床がぴかぴかのままで うれしくなった主人公の心の動きを探らせながら 自分たちや周りの人のことを考えて行動することの必要性を考えさせ ねらいとする価値にせまれるようにする (2) 他の教育活動との関連 (4 月 ) 道徳の時間 (10 月 ) 学級開き (10 月 ) いいずみっ子祭り お互いのことを考えて声 資料名 きまりは何のために 準備 発表等 班の人たちと協 をかけ合い 助け合いな 法や決まりを守り 自他の 力し合いながら活動する がら生活する 権利を大切にし進んで義務 (11 月 ) (6 月 ) を果たそうとする意欲を育 修学旅行 陸上記録会 てる 神社等の見学や電車に乗るとき 待機場所での態度やトイ に 周りの人のことを考えて行 レの利用の仕方はマナー (11 月 ) 動する を守る 資料名 どろだらけのスパイ ( 年間 ) ( 年間 ) ク 学級活動等 図書室の利用 社会のマナーや決まりを守 気持ちよく生活していくため 本を読むときは 周りの り 進んでみんなが気持ち に 自分たちが日々できること 人のことを考えて静かに よく過ごせる社会をつくろ は何か課題を見つけ 実行する 読み 他学年の見本とな うとする意欲を育てる ための手段 方法を考え 行動 る していく 家庭との連携 学級通信等で道徳の授業内容や学級の様子を知らせ 家庭でも 約 束やきまりを守ることについて話題にしてもらう 5 本時のねらい 社会のマナーやきまりを守り 進んでみんなが気持ちよく過ごせる社会をつくろうとする意欲を 育てる
6 学習指導過程 段階 学習活動 ( 主な発問 ) 予想される児童の反応 指導上の留意点 評価 導 気 1 私たちの道徳 P120 自転車がとめてはいけな 身の回りには 様々な規 入 づ の写真を見て気が付い いところにとめてある 則やきまりがあることを く たことを話し合う 落書きがしてある 想起させ それを守る理 ルールが守られていな 由にふれ 主題への関心 い を高める 時間 3 展 と 2 資料 どろだらけの 登場人物 条件 情況を 5 開 ら スパイク を読み聞か おさえる える せる 登場人物 主人公 ぼく諒達也健太 条件 情況 野球部の練習後 おなかがすいたの で どろだらけのユニホームでコンビニエンススト アに向かった 深 3 ぼく の気持ちを中 30 め 心に話し合う る コンビニエンスストア こんな汚い格好は 迷惑 自分勝手な言い分のよう に向かいながら ぼく じゃないか な気がしながらも みん はどんなことを思った お客だから商品もお金を なが行くから行くしかな のだろう 払って買うし いいか いかという気持ちをとら どろが落ちて 店の人の えさせる 掃除が大変になるんじ 意図 : 良いのか悪いのか ゃないか の判断を迷いながら 自 このままの格好では 入 分とのかかわりで考えさ りづらい せ人間理解を深める コンビニエンスストア 道いっぱいに自転車をと このままお店に入ったら の前にいる高校生をみ めているのは 他のお客 お店の人や周りの人に迷 たときの ぼく はど さんに迷惑になってい 惑になることに気づかせ んなことを思ったのだ る る ろう 自分たちもこのまま店に 入ったら 高校生と同じではないか どうすればいいか 意図 : そのままお店に入ったら 高校生と同じであることに気づかせる
だれかにほめられたわけではないのに なぜ ぼく はうれしい気持ちになったのか お店を汚さないようにできたから 人に言われてやったのではなく自分たちでできることを考えて できたから みんなが気持ちよく買い物ができた 自分たちも気持ちがよかった お店がきれいなままでよかった 次もあったら同じようにしよう 社会で生活していくということは 周りの人のことも考えて行動することが大切であるという気持ちをとらえさせる 意図 : 自他の権利を大切にし 公徳心をもって法やきまりを大切にすることによって気持ちのよい社会生活が送れることに気づかせ 価値理解を深める 店員さんの笑顔から 自分のことだけでなく 周りの人のことを考えた気配りが 互いに気持ちよく過ごせる社会をつくっていくことに気づけたか ( 観察 発表 ) 気配り ってなんだ ろう 人に言われなくても自分たちでやればできること 人を笑顔にできるもの ほめられるためにやるのではない 周りの人のことを考えることが大切 すごく大変なことでもない 自分たちの行動がお店の人にも伝わっていることに気づき 改めて自分たちのしたことがよかったと実感している ぼくの気持ちをとらえさせる 意図 : 気配りとは 人に言われてやるものではなく 周りの人のことを考えてどう行動するかが大切であることに気づかせる
見 4 自分の生活を振り返 授業や帰りの会で 静か 事前の意識調査から自分 5 つ り 他の人の権利を考 にしなければいけない たちも気持ちよく過ごし め えて法やきまりを守る のに うるさくしてしま たいと思っていることを る 視点で自分自身を考え っていた 意識をもっと 確かめ 自己理解を深め させる 高く持たなければいけ る ( ワークシート ) ない 意図 : 周りの人の権利を 掃除では 周りの人は 考え振り返らせること 静かに掃除をしている で 互いに気持ちよく暮 のに自分だけ他の学年 らすための公徳心を育て の人と話をしてしまっ ることにつなげる ていた いつでも静かに ねらいとする価値に迫る 掃除をしなければいけ ことができたか ( 態度 ない 表情 ) 終末 あたためる 7 評価の観点 5 公民館の館長さんの 手紙を紹介する 気持ちよく過ごせる社会 にするには 一人一人の行 動が大切であることを自 覚させる ぼくに共感し 自分とのかかわりで考え 自他の権利を大切にし 公徳心をもって法やきまりを大切 にする事について考えを広げ深めることができたか 他の人の権利も尊重して法やきまりを守り 公徳を大切にしていたかどうかについて 自分自身を振 り返ることができたか 2
8 板書計画 周りの人への思いやり ほめられるからやるのではな い 過ごせる 気持ちよく お店への気配りありが とう みんなが なんだかうれしい 笑っている人もいるけど関係ない だれかにほめられたりした わけではないがうれしい どろだらけのスパ イクをぬぐ ユニホームのどろを落とす 何かいい方法はないか このまま入っていいのか さっきいったこ とと違う 高校生と同じになる なんだかいやな気分 自分勝手ではないか 掃除は 店の人の仕事 どろだらけだから迷惑 お客だからいいんだ 部活が終わりコンビニへ ぼく 野球部のキャプテン 諒 達也 健太 どろだらけのスパイク
ねらい 資料分析表 自他の権利を大切にし 公徳心をもって法やきまりを大切にする態度を養う 授業者 の意図 自己の権利を主張するだけでは 公徳を基盤とした秩序ある気持ちのよい社会にはならない ことに気づかせ 他の人の権利を尊重しながら 主体的に法やきまりを大切にする態度を養 う 発問 : だれかにほめられたわけではないのに なぜ ぼく はうれしい気持ちになった のか 社会で生活していくということは 大切にしていかな ければならないものがあることに気づかせる 意図 : 自他の権利を大切にし 公徳心をもって法やきまりを大切にすることによって気持ちの良い社会生活が送れることに気づかせ価値理解を深める 価値理解他者理解 発問 : 店員さんの笑顔を思い出したときの ぼく はどんな気持ちだったか 高校生を見て このままお店に入ったら お店の人や周り の人に迷惑になることに気づかせる 意図 : 気配りとは 人に言われてやるものではな く 周りの人のことを考えて どう行動する かが大切であることに気づかせる 価値理解 他者理解 発問 : コンビニエンスストアの前にいる高校生を 見たときぼくはどう思ったか 意図 : このまま中に入ったら高校生と同じになってしまうこ しまうことに気づかせる 価値理解人間理解他者理解自分勝手な言い分のような気がしながらも みんなが行くから行くしかないという迷いの気持ちをとらえさせる 発問 : 自分の生活を振り返り これまでの自分をみつめ これからの自分について考える 意図 : 気持ちよく過ごせる社会にするには 一人一人の行動が大切であることを自 覚させる 自己理解 発問 : コンビニエンスストアに向かいながら ぼく はどんなことを思っ たのだろう 意図 : このままお店に入ってもよいのか悪いのか判断に迷いながら自分 とのかかわりで考えさせ人間理解を深める 価値理解 人間理解