初心者にもわかる 日経 225 オプション取引 大阪証券取引所
日経 225 オプションの取引高 オプション市場は活況 取引高は毎年過去最高値を更新し, 10 年間で 7 倍以上に増加 ( 千単位 ) 2
投資部門別シェア 約 6 割を海外投資家が取引 シェアの傾向としては証券自己の比率が低下し, 海外投資家と個人投資家の比率が拡大 ( 大証統計データ 2010 年 ) 3
オプションの取引イメージ 1 ヶ月に 10,000 円で買うことができる権利を売買 株価は上がりそう 権利 株価は下がりそう 買い手 代金 売り手 1 ヶ月後,10,000 円で買う権利を持っているが 権利を使う 10,500 円 義務が発生 買い手 ( 株価 ) 売り手 権利を使わない 9,500 円 義務がなくなる 4
先物取引との違い 1 万円で買う約束 先物取引 買い手株価売り手 500 円利益 10,500 円 500 円損失 0 円 10,000 円 0 円 買い手 1 万円で売る約束 売り手 500 円損失 9,500 円 500 円利益 代金 100 円 オプション取引 買い手株価売り手 400 円利益 10,500 円 400 円損失 100 円損失 10,000 円 100 円利益 買い手 1 万円で買う権利 売り手 100 円損失 9,500 円 100 円利益 Point オプションの買い手は損失限定 5
日経 225 オプション取引とは 1 2 3 4 将来の特定日に 対象となる資産を 特定の価格で げんげつ 満期日 ( 限月の第 2 金曜日 ) に 日経平均株価を 権利行使価格で 売る又は買う権利の取引 売る権利 = プット オプション買う権利 = コール オプション 6
オプションの銘柄 オプションの銘柄は 4 つの要素で決まります 1 取引の対象 2 権利の種類 3 限月 4 権利行使価格 12 月 10,250 円 日経 225 プット 1 月 10,000 円 売る権利 2 月 9,750 円 12 月 10,250 円 コール 1 月 10,000 円 買う権利 2 月 9,750 円 7
4 つの基本戦略 利益 コール買い 利益 プット買い 先物買い 先物売り ゼロ ゼロ 損失 権利行使価格 株価 損失 権利行使価格 株価 利益 コール売り 利益 プット売り ゼロ ゼロ 先物売り 先物買い 損失 権利行使価格 株価 損失 権利行使価格 株価 8
権利行使日と限月 日経 225 オプションは, 満期日のみ権利行使が可能なヨーロピアン タイプ 権利行使日でもある満期日は, 限月の第二金曜日 限月は 16 月 12 月の 5 年分 (10 限月 ),2 直近の 3 月 9 月 (2 限月 ),3 それ以外の直近 3 つ (3 限月 ) の 15 限月 現在が 1 月 1 日のケース 月 1 月 2 月 3 月 4 月 6 月 9 月 12 月 6 月 12 月 6 月 12 月 1 月限 SQ 2 月限 SQ 3 月限 SQ 4 月限 SQ 6 月限 SQ 9 月限 SQ 12 月限 SQ 6 月限 SQ 12 月限 SQ SQ SQ 6 月限 SQ 12 月限 SQ 9
権利行使価格 権利行使価格とは, 満期日に売買できる価格のこと 権利行使価格の刻みは, 新規設定時は 500 円刻みですが, 残存期間が 3 カ月になると 250 円刻みで連続して上下 8 本になるように追加設定される 日経平均株価 10,000 円, 予想変動率 25%, 残存日数 30 日での価格モデル プット価格権利行使価格コール価格 810 10,750 円 60 イン サ マネー 610 10,500 円 110 アウト オフ サ マネー 430 10,250 円 180 アット サ マネー 285 10,000 円 285 アット サ マネー 175 9,750 円 425 アウト オフ サ マネー 100 9,500 円 600 イン サ マネー 50 9,250 円 800 10
オプションの決済方法 反対売買で決済 満期日の前日までならいつでも反対売買できる スタート 加工品反対売買 新規の買い決済の売り ( 転売 ) 新規の売り決済の買い ( 買戻し ) SQ で決済 満期日に差金の受取となるものは自動権利行使される スタート 新規の買い 新規の売り SQ 決済 権利行使によって, SQ と権利行使価格の差額を清算 11
損益計算 例 )10,000 円コール ( 買う権利 ) をオプション料 100 円で 1 枚売買し,SQ まで持ち越した 売方の証拠金は 60 万円と仮定 権利行使 10,500 円義務発生 1 当初 100 円 1,000 1 枚 =10 万円の代金支払 2(10,500-10,000) 1,000 1 枚 =50 万円受取 350 万円 -10 万円 =40 万円の最終利益 1 当初代金 10 万円受取, 証拠金 60 万円差し入れ 2(10,000-10,500) 1,000 1 枚 =50 万円支払 310 万円 -50 万円 =40 万円の最終損失 4 証拠金残高 20 万円 買手 ( 満期日の株価 ) 売手 1 当初 100 円 1,000 1 枚 =10 万円の代金支払 2 行使する価値がないので, 権利を使わない 3 当初支払った10 万円が最終損失 1 当初代金 10 万円受取, 証拠金 60 万円差し入れ 2 権利放棄によって, 義務がなくなる 3 当初受取った10 万円が最終利益に確定 4 証拠金残高 70 万円 権利放棄 9,500 円 義務消滅 12
取引時間 8:00 9:00 15:10 15:15 日中取引 ザラバ プレ オープニング 新規 訂正 取消注文が可能, 約定しない 寄付き 板寄せ方式で値決め 約定 プレ クロージング 新規 訂正 取消注文が可能, 約定しない 引け 板寄せ方式で値決め 約定 ナイトセッション ザラバ 16:15 16:30 2:55 3:00 13
オプション価格 オプション取引では, ブラック ショールズ モデルなどの価格モデルを使って理論価格を算出することができます 算出に必要な項目 1 原資産価格 2 権利行使価格 3 残存日数 4 ボラティリティ 5 金利 6 配当 例えば 1 9,780 円 ( 日経平均 ) 2 9,500 円 3 45 日 4 変数 ( 例えば24%) 52% 6 3%( 配当利回り ) プット 理論価格 :200 円 コール 理論価格 :485 円 逆に, 価格からボラティリティを算出することもできます 14
ボラティリティ < ボラティリティとは > 原資産 ( 日経平均 ) の価格の予想変動率のことです ボラティリティが高いとは, 値動きが大きいことを意味します ボラティリティは年率で表されます (オプション価格)( ボラティリティ ) モデル 1 日経平均 :9,500 円 2 権利行使価格 :9,750 円 3 残存日数 :30 日 4 ボラティリティ : 変数 5 金利 :2% 6 配当 :3% 15
リスク指標 リスク指標デルタガンマベガセータ リスクの内容日経平均が1 円動くとオプション価格がいくら動くか日経平均が1 円動くとデルタがいくら動くかボラティリティが1% 動くとオプション価格がいくら動くか残存に数が1 日減るとオプション価格がいくら動くか ( 例 )9,000 円プット価格 :85 円日経平均 :9,500 円ホ ラティリティ :25% 残存日数 :30 日 = デルタ ;-0.21 ガンマ ;0.04/100 円ベガ ;7.94 セータ ;-3.3 日経平均が 200 円下げ ( 例 )9,000 円プット価格 :140 円日経平均 :9,300 円ホ ラティリティ :25% 残存日数 :30 日 = デルタ ;-0.31 ガンマ ;0.05/100 円ベガ ;9.41 セータ ;-3.9 16
オプションの売り戦略 オプションの売り 時間価値の減少が利益 先物調整が損失 ( 例 )9,000 円プット価格 :85 円日経平均 :9,500 円ホ ラティリティ :25% 残存日数 :30 日 ( 例 )9,000 円プット価格 :50 円日経平均 :9,500 円ホ ラティリティ :25% 残存日数 :20 日 残存日数が 10 日減少 Point 時間的価値は取引最終日の 15 日前頃から急減する傾向 17
オプションの買い戦略 オプションの買い 先物調整が利益 時間価値の減少が損失 先物調整の例 残存日数 30 日のプットを買建, デルタが 0 になるように運用 日付 日経平均 9,500 円プット価格 デルタ デルタ ニュートラルのための先物の売買 評価損益実現損益 総損益 8 月 10 日 9,500 円 270 円 -0.5 9,500 円でミニ5 枚買い 0 0 0 8 月 11 日 9,300 円 375 円 -0.6 9,300 円でミニ1 枚買い 5,000 0 5,000 8 月 12 日 9500 円 260 円 -0.5 9,500 円でミニ1 枚売り -10,000 20,000 10,000 8 月 13 日 9,700 円 170 円 -0.4 9,700 円でミニ1 枚売り 0 20,000 30,000 8 月 14 日 9,500 円 250 円 -0.5 9,500 円でミニ1 枚買い -20,000 0 10,000 この様な値動きの場合にはボラティリティが上昇し, オプションの買いには更に有利に働きます 18
オプションの戦略 相場の方向性の予測 2 つの相場判断 相場の変動性の予測 ( ボラティリティ ) 下落中立上昇 大きい動くロング プットロング ストラングルロング コール ある程度動くベア スプレッドロング ストラドルブル スプレッド あまり動かない レシオ コールスプレッド ショート ストラングル レシオ プットスプレッド 動かないショート コールショート ストラドルショート プット 19
方向性 ( 上昇 ) (大きい)変動性(小さい)( 下落 ) 20
ストレステストでリスクを管理 ストレステスト 過去に起こったマーケットの急変等のシナリオから, 現在のポジションから発生する損失を予めシミュレーションしておくリスク管理手法 オプションの売りでは特に注意が必要です 3/11 震災時のシナリオ 日経平均 1,000 円下げ, ボラティリティ 40% 上昇 < 仮定のポジション > 日経平均 9,500 円, 日経 225mini1 枚買建,9,750 円コール 1 枚売建,8,500 円プット 1 枚売建 日経平均ホ ラティリティ 日経 225mini 1 枚ロング 9,750 コール 1 枚ショート 8,500 プット 1 枚ショート 損益デルタガンマベガセータ 9,500 円 20% 9,500 100 4-0.20-0.08-9.8 3.9 9,250 円 30% 9,250 110 50-81,000-0.03-0.05-13.1 7.8 9,000 円 40% 9,000 125 170-241,000 0.13-0.07-15.1 12.1 8,750 円 50% 8,750 140 335-446,000 0.27-0.06-15.6 15.5 8,500 円 60% 8,500 150 530-676,000 0.35-0.05-15.3 18.3 21
金融商品取引法にかかるリスクと費用等のご説明 株価指数オプション取引にかかるリスク株価指数オプションの価格は対象となっている株価指数の変動等により上下するため これにより損失が生じるおそれがあります オプションを行使できる期間には制限があります また 株価指数オプションの市場価格は 現実の株価指数の変動等に連動するとは限りません 価格の変動率は現実の株価指数の変動率に比べて大きくなる傾向があり 場合によっては大きな損失が発生する可能性があります 買方特有のリスク : 買方は期日までに権利行使または転売をおこなわない場合には 権利は消滅し 買方は投資資金の全額を失うことになります 売方特有のリスク : 売方は市場価格が予想とは反対の方向に変化したときの損失が限定されていません また 株価指数オプション取引が成立したときは 証拠金を差し入れまたは預託しなければなりません その後 相場の変動により証拠金の額に不足額が発生した場合には 証拠金の追加差入れまたは追加預託が必要となります 所定の時限までに不足額を差し入れない場合等には 建玉の一部または全部を決済 処分させていただく場合もあります この場合 その決済で生じた実現損失について責任を負う必要があります 売方は 権利行使の割当てを受けた際には必ずこれに応じる義務があり 権利行使価格と最終清算指数 (SQ 値 ) の差額を支払う必要があります 株価指数オプション取引にかかる費用等株価指数オプション取引の委託手数料は売買代金に 0.21% を乗じた額です ( ただし 最低手数料 210 円 ) いずれも税込み 委託証拠金等について株価指数先物 オプション取引をおこなうには 委託証拠金の差し入れが必要です 必要委託証拠金は SPAN( シカゴマーカンタイル取引所が開発した証拠金計算方法 ) によって計算され SPAN 証拠金額 当社が定める証拠金掛目 - ネットオプション価値の総額 + 先物両建て証拠金 となります 先物両建て証拠金 =( 建玉枚数 - ネットデルタの絶対値 ) 0.5 日経 225 先物取引 1 枚あたりの SPAN 証拠金 当社が定める証拠金掛目 日経 225 ミニ取引は 日経 225 先物取引の 1/10 の証拠金でお取引が可能です 商号等 : 楽天証券株式会社 / 金融商品取引業者関東財務局長 ( 金商 ) 第 195 号 商品先物取引業者加入協会 : 日本証券業協会 社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会
オプション取引のリスク 価格変動リスク対象となる株価指数, ボラティリティ, 金利の変動等より価格が変動し損失を被ることがあります また, オプション取引の価格は, 対象となる株価指数の変動に比べて大きな割合で変動する性質があるため, これにより損失が膨らむことがあります 先物取引とオプション取引の売方は, 相場の状況によっては, 差し入れた証拠金を上回る損失を被ることがあります 追加証拠金等のリスク先物取引とオプション取引の売方は, 価格の変動や代用有価証券の値下がりにより, 証拠金に不足が発生した場合には, 取引業者の定める期限までに追加証拠金を差し入れなければ, 取引を継続できなくなることがあります また, 取引に異常が認められる場合には, 証拠金額の引き上げや代用有価証券の制限等の措置が取られることがあります その場合も, 追加証拠金の差し入れや代用有価証券の差換え等が必要となることがあります 流動性リスク市場価格が制限値幅に達したような場合, 夜間取引等で参加者が少ない場合, 残存期間が長い限月や権利行使価格がディープ イン ザ マネーの銘柄の場合等の市場の状況によっては, 流動性の低下により意図した通りの取引ができないことがあります 信用リスク証拠金は, 大証が分別管理していることから, 取引業者が破たんした場合でも, 原則として保全されますが, 建玉の決済や他の取引業者への建玉移管が必要となることなどにより, 損失を被ることがあります システムリスク大証や取引業者のシステムに障害が発生した場合, または大証, 取引業者及び投資家を結ぶ通信回線等に障害が発生した場合には, 注文の発注 執行や相場情報の配信が遅延したり, 中断あるいは停止することにより, 損失を被ることがあります 23
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