一戸建ての自宅を所有している人の相続税シミュレーション 相続税は 税制改正前までは多くの土地や株式 多額の預貯金や有価証券を所有する富裕層の人が納める税金でした しかし平成 27 年 1 月からの相続税の税制改正により 富裕層から普通の人へと相続税の対象者が拡大することになります これからは サラリーマンや年金生活者の人で東京 大阪 名古屋などの大都市圏に少し広い土地を所有していると相続税を納めることになります ここでは 一戸建ての自宅を所有している人に相続が発生した場合 その自宅の宅地に小規模宅地等の特例を適用する相続税シミュレーションをします 相続税の計算では 法定相続人の数と相続財産の総額により小規模宅地等の特例を適用した場合の節税効果が違ってきます 相続税のシミュレーションのポイントは この特例を適用できる相続人を的確に判定して小規模宅地等の特例を上手く活用することです 近年は各家族化と高齢化が進み 親と別居している子供がほとんどで 同居していても二世帯住宅で親とは独立して居住していることが多くなっています 自宅の土地の評価額を 330 m2まで 80% 減額できる小規模宅地等の特例は 配偶者と同居の子供が自宅の土地を相続したときは問題なく適用することができます ところが 別居の子供が親の自宅の土地を相続したときは 原則的にはこの特例を適用することはできません ただし その子供が相続開始前 3 年以内にその子供または配偶者の所有する家屋には住んでおらず 賃貸住宅か賃貸マンションに住んでいた場合にのみこの特例が適用できます このため別居の子供については 賃貸住宅に住んでいたかどうかがこの特例を適用できるポイントになります また二世帯住宅により親とは独立して住んでいると この住宅が区分所有で登記されている場合は子供には小規模宅地等の特例が適用できないことがありますので注意が必要です 実際の相続では 遺言が開封された後や遺産分割協議が成立した後では その遺産分割の内容を変更することはほとんどできませんので そのため小規模宅地等の特例の適用要件を検討することが相続税対策では重要になります 路線価計算表ソフト と 相続税試算表ソフト の注意事項 相続税試算表ソフト は 相続人と法定相続分 相続財産と債務 葬式費用 相続税の税額控除のデータから相続税を試算します 相続税試算表ソフト には 税務署の 相続税の申告のしかた ( 平成 26 年分 ) のデータがサンプルとして入力してあります 税務署の手引きからデータの入力方法を確認した後に 新規にデータ入力する場合は [ データの削除 ] ボタンよりサンプルデータを削除してください 路線価計算表ソフト は不整形地 無道路地や広大地など評価方法が複雑で評価額の減額が大きい土地の計算には対応していません 相続税試算表ソフト は小規模宅地等の特例を適用できる相続人の判定や 配偶者の税額軽減を最も有利に適用しているかの判定はできません このため実際の財産評価と相続税申告書の作成では 公認会計士や税理士などの税務の専門家や税務署の税務相談室で相談してください 路線価計算表ソフト と 相続税試算表ソフト は 税制改正による財産評価と相続税の計算誤りを防ぐために有効期限が設定してあります 平成 27 年版ファイルの有効期限は平成 28 年 12 月 31 日になっていますので 有効期限の経過後はこのソフトの使用はできません このソフトは この本の内容に対応して平成 27 年版を公開していますが 平成 28 年以降のソフトの利用とファイルのダウンロードを保証するものではありません
一戸建ての自宅を所有している人のデータ 東京都内やその近郊など路線価の高い宅地に一戸建ての自宅を所有し その他に預貯金や有価証券を保有している人の相続税シミュレーションになります 路線価が高いと自宅の敷地の面積が広くなくても その宅地の評価額は高額になりますので この宅地に対して小規模宅地等の特例が適用できるかが 相続税が課税されるかどうかのポイントになります 被相続人と相続人 相続財産 債務と葬式費用のデータ 法定相続人のデータ 被相続人 山田太郎夫 法定相続人 山田花子妻 同居 法定相続分 2 分の 1 山田一郎長男 別居 ( 持家 ) 法定相続分 4 分の 1 高橋幸子長女 別居 ( 借家 ) 法定相続分 4 分の 1 法定相続人以外に遺言による遺贈で財産を取得する人はいません 法定相続人には 未成年者と障害者の人はいません 長男は別居で 自宅を購入して住んでいます 相続財産と債務 葬式費用のデータ 財産と債務細目 価額評価額相続する人 土地自宅の宅地 200 m2路線価は 1 m2当たり 400,000 円妻または妻と長男で共有 家屋自宅の家屋 165 m2固定資産税評価額 10,000,000 円妻 有価証券 株式 T 自動車 6,000,000 円 株式 S 鉄道 4,000,000 円 現金 預貯金現金 1,000,000 円 定期 M 銀行 15,000,000 円 定期 J 信金 10,000,000 円 現在の株価より 現在の定期預金残高 ( 解約利息は加算なし ) 家庭用財産 家財一式 1,000,000 円 書画や貴金属なし 妻 死亡保険金 N 生命保険 20,000,000 円 非課税は 15,000,000 円 妻 債務 住宅ローン 4,000,000 円 未払の税金 医療費なし 妻 葬式費用 葬儀費用 1,000,000 円 葬儀費用は推測による 長男 配偶者と子供に 3 年以内に贈与された暦年課税の贈与財産はありません 子供と孫に相続時精算課税を選択している人はいません 妻次男妻妻 10,000,000 円長男 5,000,000 円長男 5,000,000 円次男 5,000,000 円
路線価計算表ソフトで土地の評価明細書を作成する 自宅の土地の路線価による評価額の計算 自宅の土地の路線価の 1 m2当たりの評価額を国税庁ホームページで調べてから 路線価方式による土地の評価額の計算をします 400C 間口 10m 奥行 20m 地区区分普通商業 併用住宅面積 10m 20m=200 m2 評価額 400,000 円 ( 路線価 ) 1.00( 奥行価格補正率 )= 400,000 円 400,000 円 200 m2 =80,000,000 円 路線価計算表ソフトへのデータ入力 路線価のデータを入力 ( 地目 路線価等のデータ タブより ) 地目 は ボタンのリストから 宅地 を選択します 地籍 に 200.00 と入力します 路線価の正面 に 400,000 と入力します 間口距離 に 10.00 と入力します 奥行距離 に 20.00 と入力します 利用区分 は ボタンのリストから 自用地 を選択します 地区区分 は ボタンのリストから 普通商業 併用住宅地区 を選択します 自用地の評価額の計算 ( 自用地 1 m2当たりの価額 タブより ) この入力画面から 所有している土地の路線価データから自用地としての評価額を自動計算します 一路線に面する土地の 1 m2当たりの自用地の評価額に 400,000 と表示されます 自用地の評価額に面積を乗じて自動計算された金額の 80,000,000 が表示されます
土地及び土地の上に存する権利の評価明細書 ( 第 1 表 ) 路線価計算表 ソフトのメインメニューの 明細書の表示 ボタンから 土地及び土地の上に存する権利の評価明細書 の表示用シートに移動できます 路線価計算表 ソフトのメインメニューの 明細書の印刷 ボタンから 被相続人が所有する土地ごとに 土地及び土地の上に存する権利の評価明細書 印刷します 表示用シートからは 表示終了 ボタンでメインメニューに戻ることができます 路線価計算表ソフト は複数の土地を同時に管理することができないので 相続税シミュレーションの前に所有する土地ごとに路線価データを入力してから 土地及び土地の上に存する権利の評価明細書 を印刷しておきます
財産債務一覧表で被相続人と相続人 相続財産 債務と葬式費用のデータを整理する 財産債務一覧表 簡易 相続税試算表ソフトへのデータの入力前に財産債務一覧表のエクセルシートを作成すると 法定相続人の法定相続分 相続財産の評価額と取得する相続人 債務と葬式費用の金額を確認することができます
配偶者が自宅を相続した場合に小規模宅地等の特例を適用する 被相続人の自宅の土地を配偶者が相続した場合は 土地面積が 330 m2まで評価額を 80% 減額できる小規模宅地等の特例を必ず摘要することができます このため配偶者の税額軽減と同時に適用すると 大幅な相続税の減額をすることができます ここでは遺産分割協議により 自宅の土地と建物を配偶者一人ですべて相続した場合の相続税シミュレーションになります 被相続人と相続人および法定相続分データの入力 被相続人のデータを入力します ( 被相続人データ タブより ) 被相続人 ( 死亡した人 ) の氏名 フリガナ 生年月日 年齢 住所 職業を入力します 相続人のデータを入力します ( 相続人氏名データ タブより ) 法定相続人や遺贈を受けた人の氏名 フリガナ 生年月日 年齢 郵便番号 住所 電話番号 職業などを入力します ( フリガナや生年月日 郵便番号と住所の入力は省略できます ) 法定相続分のデータを入力します ( 法定相続分データ タブより ) 法定相続人の氏名から法定相続分のデータを入力します 各相続人の氏名が表示されるので配偶者は 1/2 長男は 1/4 長女は 1/4 と入力します 各相続人の法定相続分の合計は 1 になります
土地 土地の権利の明細書データの入力 土地の明細と時価評価額のデータを入力します ( 土地 土地の権利 タブより ) 400,000 円 200 m2 = 80,000,000 円 自宅の土地は最大 330 m2まで小規模宅地等の特例を適用できます ( 平成 27 年 1 月以後 ) 取得した相続人と相続税評価額のデータを入力します ( 相続税評価額 タブより ) 妻が取得した自宅の土地の評価額 16,000,000 円 ( 小規模宅地等の特例の適用後の金額 ) を 土地 土地の権利の明細書 の相続税評価額の配偶者欄に入力します 80,000,000 円 -(80,000,000 円 0.8)= 16,000,000 円 家屋 構築物の明細書データの入力 家屋の明細と時価評価額のデータを入力します ( 家屋 構築物 タブより ) 取得した相続人と相続税評価額のデータを入力します ( 相続税評価額 タブより ) 配偶者の氏名と所在地の欄に相続税評価額の 10,000,000 を入力します
有価証券 債権の明細書データの入力 有価証券の明細と時価評価額のデータを入力します ( 有価証券 債権 タブより ) 取得した相続人と相続税評価額のデータを入力します ( 相続税評価額 タブより ) 長男と株式の欄に 6,000,000 と入力します 長女の株式の欄に 4,000,000 と入力します 現金 預貯金等の明細書データの入力 現金や普通預金 定期預金 定期積金などの預金残高のデータを入力します 預貯金区分 は ボタンのリストから現金または定期預金を選択します
事業用財産 家庭用財産の明細書データの入力 事業用の機械や商品などの事業用財産 家庭用の財産のデータを入力します 配偶者と家庭用財産等の欄に 1,000,000 を入力します その他の財産の明細書データの入力 生命保険金や死亡退職金 ゴルフ会員権 電話加入権 書画骨とう品などのデータを入力します 死亡保険金の課税額の計算死亡保険金の非課税限度額は 500 万円 法定相続人の数 になりますので 妻と長男 次男の 3 人分の計算になります 生命保険金の受取額 20,000,000 円 - 非課税限度額 15,000,000 円 ( 5,000,000 円 3 人 )= 5,000,000 円 死亡保険金の非課税限度額控除後の 5,000,000 円は 妻が取得するものとして その他の財産の明細書 の相続税評価額の配偶者欄に入力します 債務 葬式費用の明細書データの入力 金融機関からの借入金 税金や医療費の未払金 不動産賃貸業の敷金などのデータを入力します
第 15 表相続財産の種類別価額表 上場株式 ( 取引相場のある株式 ) は その他に株式 欄に入力します STEP1 相続税の課税価格の計算 各相続人の相続や遺贈により取得した相続財産に死亡生命保険や死亡退職金などのみなし相続財産を加算し 債務と葬式費用を差し引いて相続税の課税価格を計算します 相続税の遺産総額の合計額は 6,800 万円になります 配偶者相続財産は土地 1,600 万円 家屋 1,000 万円 株式 600 万円 預貯金 1,100 万円 家庭用財産 100 万円 生命保険金 500 万円 = 4,900 万円長男相続財産は預貯金 1,000 万円長女相続財産は株式 400 万円 預貯金 500 万円 = 900 万円 相続財産から債務と葬式費用を差し引きます 配偶者 4,900 万円 - 債務 400 万円 =4,500 万円長男 1,000 万円 - 葬式費用 100 万 =900 円 課税価格の合計額の 6,300 万円の内訳は 配偶者は 4,500 万円 長男は 900 万円 長女は 900 万円になります
第 2 表相続税の総額の計算書 STEP2 相続税の総額の計算 相続税の課税価格の合計額から 基礎控除額 (3,000 万円 +600 万円 法定相続人の数 ) を差し引いて 相続税の課税遺産総額を求めます 相続税の課税遺産総額を 各相続人の法定相続分に応じて相続税額を計算してから合計して相続税の総額を計算します 法定相続分により計算するため 相続税の総額はどのような遺産分割をしても同額になります 基礎控除額 3,000 万円 + 600 万円 3( 法定相続人の数 )= 4,800 万円相続税の課税遺産総額課税価格の合計額 6,300 万円 - 基礎控除額 4,800 円 = 1,500 万円 課税遺産総額 1,500 万円を 各相続人の法定相続分に応じて相続税額を計算してから合計します 配偶者の法定相続分は 1/2 で 750 万円長男の法定相続分は 1/4 で 375 万円長女の法定相続分は 1/4 で 375 万円 配偶者 750 万円 10%=75 万円 ( 相続税の速算表より ) 長男 375 万円 10%=37.5 万円 長女 375 万円 10%=37.5 万円 相続税の総額配偶者 75 万円 + 長男 37.5 万円 + 長女 37.5 万円 =150 万円 平成 27 年 1 月以降の相続税の速算表 区分 税率 控除額 1,000 万円以下 10% 0 円 3,000 万円以下 15% 50 万円 5,000 万円以下 20% 200 万円 1 億円以下 30% 700 万円 2 億円以下 40% 1,700 万円 3 億円以下 45% 2,700 万円 6 億円以下 50% 4,200 万円 6 億円超 55% 7,200 万円
第 5 表配偶者の税額軽減額の計算書 配偶者の税額軽減の計算 配偶者の税額軽減では 配偶者の取得した遺産が 1 億 6 千万円または法定相続分のどちらか多い金額までは相続税が課税されません この例では 配偶者の取得した財産は 4,500 万円で 1 億 6 千万円以下になりますので 配偶者の相続税額 107.1 万円の全額が控除できます 配偶者が取得した自宅の土地へ小規模宅地等の特例を適用しますが 配偶者の税額軽減により配偶者には相続税は課税されませんので この特例は実質的には効果がありません
第 1 表相続税の申告書 あん分割合を入力することができます STP3 相続人の納付税額の計算 相続税の総額を 各相続人の実際の分割割合に応じて按分計算します 各相続人の相続税額から 配偶者の税額軽減など税額控除の金額を控除します 税額控除の控除後の金額から 相続時精算課税の贈与税額を差し引いて 各相続人の納付税額を求めます 相続税の総額を 各相続人の実際の分割割合に応じて按分計算します 配偶者 150 万円 4,500 万円 6,300 万円 =107.1 万円長男 150 万円 900 万円 6,300 万円 =21.45 万円長女 150 万円 900 万円 6,300 万円 =21.45 万円 配偶者の税額軽減による 107.1 万円を税額控除で差し引きます 各相続人の納付税額は下記のようになります 配偶者の納税額 = 0 円長男の納税額 = 214,500 円長女の納税額 = 214,500 円
配偶者と子供が自宅を相続した場合に小規模宅地等の特例を適用する 被相続人の自宅の土地を子供が相続した場合は 被相続人と同居しているか 別居していても相続開始前 3 年以内は子供または子供の配偶者の所有する家屋に居住していないことが小規模宅地等の特例の適用要件となっています ここでは遺産分割協議により 自宅の土地を配偶者と別居の長男が 2 分の 1 で共有相続することになった場合の相続税をシミュレーションします 土地 土地の権利の明細書データの入力 土地の明細と時価評価額のデータを入力します ( 土地 土地の権利 タブより ) 400,000 円 200 m2 = 80,000,000 円 妻の取得分の 2 分の 1 は小規模宅地等の特例の適用あり 40,000,000 円 -(40,000,000 円 0.8)= 8,000,000 円長男の取得分の 2 分の 1 は小規模宅地等の特例の適用なし 40,000,000 円 取得した相続人と相続税評価額のデータを入力します ( 相続税評価額 タブより ) 妻が取得した自宅の土地の評価額 8,000,000 円 ( 小規模宅地等の特例の適用後の金額 ) と 長男が取得した 40,000,000 円を 土地 土地の権利の明細書 の相続税評価額の配偶者と長男の欄に入力します 小規模宅地等の特例が一部適用できません 自宅の土地は最大 330 m2まで小規模宅地等の特例を適用できます ( 平成 27 年 1 月以後 ) 配偶者が取得した自宅の土地の 2 分の 1 へは小規模宅地等の特例を適用しますが 別居の長男 ( 持家有 ) が取得した 2 分の 1 については小規模宅地等の特例は適用されません
第 15 表相続財産の種類別価額表 上場株式 ( 取引相場のある株式 ) は その他に株式 欄に入力します STEP1 相続税の課税価格の計算 各相続人の相続や遺贈により取得した相続財産に死亡生命保険や死亡退職金などのみなし相続財産を加算し 債務と葬式費用を差し引いて相続税の課税価格を計算します 相続税の遺産総額の合計額は 1 億円になります 配偶者相続財産は土地 800 万円 家屋 1,000 万円 株式 600 万円 預貯金 1,100 万円 家庭用財産 100 万円 生命保険金 500 万円 = 4,100 万円長男相続財産は土地 4,000 万円 預貯金 1,000 万円 = 5,000 万円長女相続財産は株式 400 万円 預貯金 500 万円 = 900 万円 相続財産から債務と葬式費用を差し引きます 配偶者 4,100 万円 - 債務 400 万円 =3,700 万円長男 5,000 万円 - 葬式費用 100 万 =4,900 円 課税価格の合計額の 9,500 万円の内訳は 配偶者は 3,700 万円 長男は 4,900 万円 長女は 900 万円になります
第 2 表相続税の総額の計算書 STEP2 相続税の総額の計算 相続税の課税価格の合計額から 基礎控除額 (3,000 万円 +600 万円 法定相続人の数 ) を差し引いて 相続税の課税遺産総額を求めます 相続税の課税遺産総額を 各相続人の法定相続分に応じて相続税額を計算してから合計して相続税の総額を計算します 法定相続分により計算するため 相続税の総額はどのような遺産分割をしても同額になります 基礎控除額 3,000 万円 + 600 万円 3( 法定相続人の数 )= 4,800 万円相続税の課税遺産総額課税価格の合計額 9,500 万円 - 基礎控除額 4,800 円 = 4,700 万円 課税遺産総額 4,700 万円を 各相続人の法定相続分に応じて相続税額を計算してから合計します 配偶者の法定相続分は 1/2 で 2,350 万円長男の法定相続分は 1/4 で 1,175 万円長女の法定相続分は 1/4 で 1,175 万円 配偶者 2,350 万円 15%-50 万円 =302.5 万円 ( 相続税の速算表より ) 長男 1,175 万円 15%-50 万円 =126.25 万円 長女 1,175 万円 15%-50 万円 =126.25 万円 相続税の総額配偶者 302.5 万円 + 長男 126.25 万円 + 長女 126.25 万円 =555 万円 平成 27 年 1 月以降の相続税の速算表 区分 税率 控除額 1,000 万円以下 10% 0 円 3,000 万円以下 15% 50 万円 5,000 万円以下 20% 200 万円 1 億円以下 30% 700 万円 2 億円以下 40% 1,700 万円 3 億円以下 45% 2,700 万円 6 億円以下 50% 4,200 万円 6 億円超 55% 7,200 万円
第 5 表配偶者の税額軽減額の計算書 配偶者の税額軽減の計算 配偶者の税額軽減では 配偶者の取得した遺産が 1 億 6 千万円または法定相続分のどちらか多い金額までは相続税は課税されません この例では 配偶者の取得した財産は 3,700 万円で 1 億 6 千万円以下になりますので 配偶者の相続税 215.895 万円の全額が控除できます 配偶者が取得した自宅の土地へ小規模宅地等の特例を適用しますが 配偶者の税額軽減により配偶者には相続税は課税されませんので この特例は実質的には効果がありません
第 1 表相続税の申告書 あん分割合を入力することができます STEP3 相続人の納付税額の計算 相続税の総額を 各相続人の実際の分割割合に応じて按分計算します 各相続人の相続税額から 配偶者の税額軽減など税額控除の金額を控除します 税額控除の控除後の金額から 相続時精算課税の贈与税額を差し引いて 各相続人の納付税額を求めます 相続税の総額を 各相続人の実際の分割割合に応じて按分計算します 配偶者 555 万円 3,700 万円 9,500 万円 =215.895 万円長男 555 万円 4,900 万円 9,500 万円 =286.38 万円長女 555 万円 900 万円 9,500 万円 =52.725 万円 配偶者の税額軽減による 215.895 万円を税額控除で差し引きます 各相続人の納付税額は下記のようになります 配偶者の納税額 = 0 円長男の納税額 = 2,863,800 円長女の納税額 = 527,200 円
相続税シミュレーションの比較表 相続税額の比較表配偶者が自宅をすべて取得した場合 ( 特例は全額 ) 配偶者と長男が 2 分の 1 自宅を取得した場合 ( 特例は 2 分の 1) 長男が自宅をすべて取得した場合 参考 ( 特例なし ) 妻 0 円 0 円 0 円 長男 241,500 円 2,863,800 円 7,588,300 円 長女 241,500 円 527,200 円 768,500 円 合計 483,000 円 3,391,000 円 8,356,800 円 長男が自宅をすべて取得した場合の計算例は省略しています 自宅の土地を配偶者がすべて取得した場合は 配偶者と長男が 2 分の 1 の持分割合で取得した場合では 別居の長男には小規模宅地等の特例が適用されないため納付する相続税が 2,908,000 円ほど違ってきます 実際の相続では 遺言の執行や遺産分割協議が成立した後にその結果を変更することはほとんどできませんので 小規模宅地等の特例の適用要件をよく検討することが相続税対策では重要になります シェアウェア版システムについて Soft-j.com は Excel と VBA を利用して会計処理 給与計算 年末調整の日常業務と所得税 法人税 消費税 相続税 贈与税 財産評価の税金計算を効率化するシステムをインターネットで公開しています http://www.soft-j.com システム名 VBA 相続税申告書 VBA 財産評価 土地 システムの機能 相続財産 債務 税額控除から相続税申告書の第 1 表から第 15 表を作成します 相続または贈与を受けた土地 山林 動産の財産評価明細書を作成します VBA 財産評価 株式 相続または贈与を受けた株式 預貯金 権利の財産評価明細書を作成します 相続税と財産評価のシェアウェア版システムは 公認会計士 税理士および司法書士の方の専門家用システムとして公開しています このため 相続税と財産評価についての詳しいヘルプやデータの入力方法のフローチャートは準備していません 相続税と財産評価についての基礎的な知識と最新の情報は 国税庁ホームページなどを参考にしてください