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No. 1 愛知学院大学 Ⅰ. 緒言 咀嚼行為による自律神経系への活動は 1 咀嚼筋が活動する時の交感神 経の興奮 2 唾液分泌や消化管刺激を生ずる副交感神経の活動 3 味覚や 匂いによる唾液分泌の条件反射があり その複雑性のために咀嚼行為が自 律神経のどの方向に働くかについては 異なった報告がある

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ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

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2014 年度空気調和衛生工学会大会知的生産性 Ⅱ 1 オフィスサポート空間の光 視環境が自律神経を介して執務者の疲労 眠気 作業効率に与える影響 慶應義塾大学小川聡慶應義塾大学伊香賀俊治大成建設市原真希大成建設張本和芳慶應義塾大学青木世奈

背景 : 知識創造向上に向けたオフィスづくりの動向 オフィスにおける執務者の知的生産性向上の重要性文 1 アイディア創出の知識創造を高める建築空間が必要文 2 建築空間 執務空間 コミュニケーション 知識創造 サポート空間 リフレッシュスペース ミーティングスペース コミュニケーション促進を目的とした サポート空間づくりが着目文 3 知的生産性向上により効果的なサポート空間の室内環境は不明瞭 文 1 知的生産性研究委員会 : 知的生産性研究活動報告書, 2012 文 2 建築環境 省エネルギー機構 : 知的創造とワークプレイス, 2010 文 3 阿部智和 : オフィス空間のデザイン研究のレビュー : 知的創造性に着目したオフィス空間のデザインをめぐって, 地域経済経営ネットワークセンター年報, p87-101, 2014 2

目的 : サポート空間の室内環境改善による知的生産性向上 知的生産性における眠気 疲労の重要性文 4 自律神経を介した 光 視環境と眠気 疲労の関係文 5 概念 : 自律神経を介した知的生産性の向上 サポート空間 ( 滞在 ) 執務空間 ( 作業 ) 光 視環境 生理 ( 自律神経 ) 心理 知的生産性 開放感 副交感神経 疲労低減 活性化 作業効率向上 昼光利用 交感神経 眠気解消 目的 : オフィスサポート空間の光 視環境が自律神経を介して執務者の疲労 眠気 作業効率に及ぼす影響の検証 さらなる知的生産性向上の一助に 文 4 知的生産性研究委員会 : 知的生産性研究活動報告書, 2012 文 5 高橋幹雄ら : 人にやさしい空間 の研究その 4 光環境が心理 生理に与える影響, 日本建築学会大会学術講演梗概集, 2008 3

被験者実験の概要 実施内容 サポート空間の観察 1 模擬作業 生理量 心理量測定 実施場所 実オフィスのサポート空間 執務空間 実施日 2013 年 10~11 月の全 4 日間 被験者 標準的な体型 2 の学生 9 名 ( 男性 7 名, 女性 2 名 ) 生理量 心理量測定 安静 10 90 空間の観察 [ エントランス ] 昼食 空間の観察 [ リフレッシュスペース ] 45 10 45 休憩 模擬作業 [ 執務空間 ] 45 10 45 9:00 9:30 第 1 ターム 120 分 リフレッシュスペース観察 12:30 模擬作業 連続測定 ( 心拍 ) 第 2 ターム 125 分 14:35 第 3 ターム 125 分 16:50 本発表の分析対象 : 疲労の蓄積 強い眠気が予想される第 2 ターム 1 実際の執務者の立場で評価を行ってもらうため 空間の観察時には利用状況の想定を説明 2 BMI(= 体重 (kg) ( 身長 (m) 身長 (m))) が18.5 以上 25 未満 4

実験ケース サポート空間の光 視環境を 3 ケース設定 視環境の比較 : 開放感 ( 床面積 天井高 ) が異なる 2 空間 1 光環境の比較 : ブラインドの開閉 ( 昼光の有無 2 ) 視環境 ( 床面積, 天井高 ) : 空間小 (52.1m 2, 2.6m) : 空間大 (54.3m 2, 7.9m) 光環境 - : ブラインド閉 : ブラインド開 リフレッシュスペースの内観 光 視環境以外の室内環境 : 環境測定により 概ね統一を確認 温熱 空気質等の影響を排除 1 エントランスについても同様に 2 つの空間 空間小と空間大を用意 2 空間大において ブラインド等を用いて昼光条件を変更 各クールの空間観察時に水平面照度 2 回を測定 5

測定項目 46.5mm 生理 [ 連続測定 / 実験前夜 ] 交感神経 副交感神経活性度 1 ( 心拍測定 ) 40.8mm 睡眠時間 送信機 心拍計 (CarPod) 測定位置 睡眠計 ( オムロン HSL-102M) 心理 [ 空間の観察 作業前後 ] アンケート 疲労訴え割合 2 眠気 3 知的生産性 [ 模擬作業時 ] 作業効率 加算作業 ( 情報処理 ) 数独 ( 知識処理 ) マインドマップ 4 ( 知識創造 ) 数独 マインドマップ制服部活学校ブレザー先生友達 1 心拍測定結果より算出され 覚醒状態 ( 交感神経 ) やリラックス状態 ( 副交感神経 ) の指標として用いられる 2 疲労評価の主観的指標として用いられる 自覚症状調べ ( 産業衛生学会産業疲労研究会編 ) を使用 3 主観的な眠気の評価指標として用いられる 9 段階のカロリンスカ眠気尺度 (KSS) を使用 4 ある単語から連想した単語を 時間内で可能な限り多く回答する作業 単語の回答数で知識創造を評価 6

心拍間隔時間 [ms] 自律神経指標について パワースペクトル密度 [ms 2 /Hz] 心拍間隔 1 の変動を元に 周波数解析により自律神経の活性度を解析文 1 ( 解析イメージ ) 1500 1000 500 LF HF 0 0 100 200 300 400 500 時間 [s] LF 成分 0.05Hz~0.15Hz 区間の強度合計 ( 副交感神経 交感神経を反映 ) 0 0.05 0.15 0.40 周波数 [Hz] HF 成分 0.15Hz~0.40Hz 区間の強度合計 ( 副交感神経を反映 ) LF/HF : 交感神経活性度 HF : 副交感神経活性度 ( 覚醒度の指標 ) ( リラックスの指標 ) 1 血液を左心室から大動脈に送り出すときに生じるR 波の発生間隔の時間文 1 本多薫, 座位安静時の心拍変動に関する検討, 山形大学大学院社会文化システム研究科紀要,2010 7

分析方針 8 サポート空間観察前後の生理量 心理量をケース間比較後 作業効率との関係を検討 サポート空間 ( 滞在 ) 室内環境 生理 ( 自律神経 ) 心理 執務空間 ( 作業 ) 知的生産性 開放感 副交感神経 疲労低減 作業効率 昼光利用 交感神経 眠気解消 1 視環境の比較 : 副交感神経活性度 疲労について 2 光環境の比較 : 交感神経活性度 眠気について

( 観察中の平均値 相対値 ) サポート空間観察時の自律神経状態 ( 観察中の平均値 相対値 ) 視環境視環境比較副交感神経 ( リラックス ) 光環境比較 交感神経 ( 覚醒 ) 空間小 空間大 光環境 副交感神経活性度 HF [-] 1.5 1.25 1 0.75 0.85 p <0.01 + 0.20pt ( n=5 ) 1.05 交感神経活性度 LF / HF [-] 2.5 2 1.5 1 0.5 0.79 + 0.98pt ( n=3 ) n.s. 1.77 フ ライント 閉 0.5 空間小 空間大 0 フ ライント 閉 フ ライント 開 フ ライント 開 開放的な空間大の観察時 副交感神経が活性化 フ ライント 開条件の観察時 交感神経が活性化 心拍指標は個人差が大きいため 相対値 = ( 測定値 / 個人毎の全測定平均値 ) として算出 9

サポート空間観察時の副交感神経活性度と疲労 ( 観察後 ) ( 観察後 ) 副交感神経活性度と疲労 サホ ート空間の視環境と疲労 視環境 100 ( n=15 ) R² = 0.13 80 p < 0.20 空間小 疲労訴え割合 Ⅰ 群 [%] 60 40 20 疲労訴え割合 Ⅰ 群 [%] 80 60 40 20 0 42.9 ( n=7 ) p <0.20-18.6% 24.3 空間大 0 0.5 0.75 1 1.25 1.5 副交感神経活性度 HF [-] ( 観察中の平均値 相対値 ) -20 空間小 観察時の副交感神経活性度が高い程 観察後の疲労が低い 開放感の高い空間が 疲労低減をもたらした可能性 空間大 1 視環境比較ケース ( 空間小 空間大のブラインド閉条件 ) の結果を使用 2 心拍指標は個人差が大きいため 相対値 = ( 測定値 / 個人毎の全測定平均値 ) として算出 10

サポート空間観察時の交感神経活性度と眠気 ( 観察前 - 観察後 ) ( 観察前 - 観察後 ) 交感神経活性度と眠気 1 サホ ート空間の光環境と眠気 光環境 フ ライント 閉 眠気の増加量 [ 点 ] ( n=16 ) 4 R² = 0.19 3 p < 0.10 2 1 0-1 -2 眠気の増加量 [ 点 ] 3 2 1.3 1 0-1 -2-1.6pt ( n=3 ) n.s. -0.3 フ ライント 開 -3 0 1 2 3 交感神経活性度 LF / HF [-] ( 観察中の平均値 相対値 2 ) -3 フ ライント 閉 フ ライント 開 観察時の交感神経活性度が高い程 観察後に眠気が減少 フ ライント 開条件が 眠気解消をもたらした可能性 1 光環境比較ケース ( 空間大のブラインド開閉条件 ) の結果を使用 2 心拍指標は個人差が大きいため 相対値 = ( 測定値 / 個人毎の全測定平均値 ) として算出 11

サポート空間が作業効率に及ぼす影響要因の検討 相関分析 : 客観作業効率と関係のある生理 心理項目を抽出 ** : p < 0.01 *: p < 0.05 - : n.s. 相関係数 疲労訴え割合 Ⅰ 群 [%] ( 作業前 ) 眠気 [ 点 ] ( 作業前 ) 加算作業正答数 [-] 数独正答数 [-] - - - - - マインドマップ回答数 [-] - 0.47** 交感神経活性度 LF/HF [-] ( 空間観察時 ) 副交感神経活性度 HF [-] ( 空間観察時 ) - - - - - - 交感神経活性度 LF/HF [-] ( 模擬作業時 ) - 0.28** - - 副交感神経活性度 HF [-] ( 模擬作業時 ) 0.28** - - 眠気と知識創造作業効率に着目 Pearson の積率相関係数を記載 眠気は順序尺度係数より Spearman の順位相関係数を使用 12

サポート空間の光環境による知識創造作業効率向上 作業前の眠気と作業効率 サホ ート空間の光環境と作業効率 マインドマップ作業効率 [-] ( 正規化 ) 70 60 50 40 30 y = -2.1x + 57.5 ( n=14 ) R² = 0.19 p < 0.05 1 3 5 7 9 眠気 ( 作業前 ) [ 点 ] マインドマップ作業効率 [-] ( 正規化 ) 70 60 50 40 30 +2.0pt ( n=7 ) n.s. 44.1 46.1 フ ライント 閉 フ ライント 開 作業前の眠気 1pt 低下につき 作業効率が 2.1pt 向上 フ ライント 開条件により 作業効率が 2.0pt 向上した可能性を示唆 作業効率 : 各被験者の作業能力差を考慮し (10 ( 作業成績 - 個人の平均成績 )/ 個人の標準偏差 ) として個人毎に算出 13