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(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

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Microsoft Word - H180119コンパクトシティ説明用_仙台市_.doc

コンパクト プラス ネットワークの形成 1

Microsoft Word - 概要版.doc

計画的な再開発が必要な市街地 特に一体的かつ総合的に再開発を促進すべき地区 市町名 名称 再開発の目標 土地の合理的かつ健全な高度利用及び都市機能の更新に関する方針 特に整備課題の集中がみられる地域 ( 課題地域 ) 地区名 西宮市 C-4 浜脇 ( 約 175ha) 居住環境の向上 良好な都市景観

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交通結節点が備えるべき機能を整理すると 最も基本となるものとして があり これに加えて 都市機能の誘導 集積を促進させ 都市内の中心的な拠点地区を形成する 及び 都市の顔 となる 交通結節点の計画 整備の検討においては 先に示した の三種の機能がそれぞれ交通結節性 人の交流や景観等の面で役割を果たし

の復旧状況に関する長期的な見通しを可能な限り明らかにしながら 復旧の段階に 応じた役割の分析を行う 5) 交通事業者ヒアリング調査沿線地域に関係する交通事業者 ( 鉄道事業者 2 社 バス事業者 2 社 タクシー事業者 2 社その他 ) に聞き取り調査を行い 定性的な利用特性や地域の公共交通の問題点

Microsoft Word - 14_130315_資料集.doc

2-2 需要予測モデルの全体構造交通需要予測の方法としては,1950 年代より四段階推定法が開発され, 広く実務的に適用されてきた 四段階推定法とは, 以下の4つの手順によって交通需要を予測する方法である 四段階推定法将来人口を出発点に, 1 発生集中交通量 ( 交通が, どこで発生し, どこへ集中

(5) 老上西学区 1 まちづくりの方向性 1-1. 生活拠点の形成と交通環境の充実 既存の生活拠点を中心とした 50 戸連坦制度の厳守等により市街地の拡散を抑制するこ とで 利便性の高い生活環境を維持していくものとします 老上西学区は 東側から南側にかけての一帯が市街化区域に含まれ ( 主 ) 大


05+説明資料

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8略都市スライド東北(郡山市)全部 [互換モード]

2. 各学区のまちづくりの方向性と将来ビジョン 第 3 章で整理した各学区の現状 課題等を踏まえ 学区ごとにまちづくりの方向性 ( 基本方針の 3 つの柱の何に該当するのか ) を整理します 方向性を踏まえ 施策の柱ごとに具体的なビジョンを検討します (1) 常盤学区 1 まちづくりの方向性 1-1

目次

4. 都市づくりの目標と方針 4-1 都市づくりの基本理念 地域の個性が輝く生活快適都市 上田 ~ 魅力あるふるさと活気ある交流風格ただようまち ~ 基本理念の意味あい 上田市は 歴史 文化 自然 産業などに恵まれた特色ある地域から成り立っており 各地域が個性を発揮し 連携し合い 交流を促進しながら

一宮市住宅マスタープラン ~ 住み続けたいまち 住んでみたいまち 人々が生き生きと暮らせるまち ~ 概要版 平成 2 5 年 3 月 一宮市

柏駅西口北地区まちづくり

コンパクトシティ構想 2つの柱 ( 郊外の開発抑制 + 中心市街地の活性化 ) まちなか住み替え事業 や 家賃補助制度 を行っているが 借りたい人はいるが 貸したい人がいない という状況 コンパクトシティという構想だけでは 民間資本は動かない (= 補助金などのインセンティブが必要 ) 中心市街地活

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スライド 1

山手地区の概要 面積 約50ha 用途地域 工業地域 建ぺい率 60 容積率 200 高さの限度 第一種高度地区 最高限20m 2

1 基本的な整備内容 道路標識 専用通行帯 (327 の 4) の設置 ( 架空標識の場合の例 ) 自 転 車 ピクトグラム ( 自転車マーク等 ) の設置 始点部および中間部 道路標示 専用通行帯 (109 の 6) の設置 ( 過度な表示は行わない ) 専 用 道路標示 車両通行帯 (109)

が実現することにより 利用希望者は認証連携でひもづけられた無料 Wi-Fi スポットについて複数回の利用登録手続が不要となり 利用者の負担軽減と利便性の向上が図られる 出典 : ICT 懇談会幹事会 ( 第 4 回 )( 平成 27(2015) 年 4 月 24 日 ) 2. 現状 日本政府観光局

第 1 章基本計画の策定 1 策定の趣旨 総合計画基本構想では 豊かな自然と歴史 文化につつまれ人と人がつながる市民創造都市高岡 をまちの将来像に掲げ 17 のめざすまちの姿を目標として設定しています 第 3 次基本計画は 基本構想で示した市の基本的な取り組みの方向性に基づき 中期的な視点に立って

( 様式 -2a 調査概要 ) Ⅰ 調査概要 1 調査名称 : 平成 26 年度神埼市総合都市交通体系調査 2 報告書目次 1. 業務概要 (1) 都市計画道路見直しの必要性 (2) 都市計画道路見直しのスキーム (3) 検討結果の分類 2. 路線の抽出 (1) 都市計画道路の整理 抽出 (2) 検

計画書

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

[ 概要版 ] 倉吉都市計画 マスタープラン素案 鳥取県倉吉市

資料 2 主要渋滞箇所 ( 案 ) の抽出方針について ( 一般道 ) 平成 24 年 8 月 9 日


Taro-全員協議会【高エネ研南】

総合交通計画 ( 仮称 ) の策定について 背景 人口減少と超高齢化が同時に進行する中 自動車を使えない県民の移動手段を確保しなければ 経済活動の低迷 人口の流出 財政支出の増加などの問題が深刻化し 持続可能なまちづくりが困難になる恐れがある 平成 年度に実施したパーソントリップ調査の結

郊外への市街地の拡大により, 鉄道やバス等公共交通のサービスが十分受けられない地域が拡大し, その結果, 車に依存せざるを得ないまちになってきています このため, これからの人口減少時代の到来や急速な少子高齢化の進展などを踏まえ, 新たな郊外開発を抑制し, 公共交通が利用しやすい, まとまりのある市

長岡市立地適正化計画概要版目次 1. 立地適正化計画制度の概要... 1 (1) 立地適正化計画策定の背景と目的... 1 (2) 立地適正化計画制度... 1 (3) 立地適正化計画の位置付け... 2 (4) 計画の対象区域... 2 (5) 計画期間 長岡市の現状と将来見通し.

設 機能の見直しハード面の効率化財源確保1-3. 再配置パターン ( 手法 ) の考え方 再配置計画の検討に向けて 公共施設の再配置を う場合の基本的なパターン ( 手法 ) について整理し それらの効果についても確認していきます 施設の再配置にあたっては 厳しい財政状況の中 人口が減少傾向にあるこ

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Ⅴ.( 仮称 ) 登大路バスターミナル整備計画 3-3. 平面図 (1) 地上部 1 階平面図 33

News Release 2014 年 3 月 24 日 伊丹市と新関西国際空港株式会社が 伊丹市域におけるまちづくりの推進 について合意 伊丹市と新関西国際空港株式会社は 伊丹市域の生活環境の改善 地域コミュニティの再生等を図るためのまちづくりを連携して推進するため 2014 年 3 月 24 日

7-3 上田城南地域 (1) 将来像 ( 将来像 ) 水と緑と多様な都市機能が調和し快適な暮らしの環境が整ったまち ( 基本目標 ) 千曲川をはじめ産川や浦野川 小牧山や上田原古戦場 半過岩鼻など奇景や原風景の残る豊かな自然や農地を大切に保全するとともに 秩序ある都市空間づくりを進めます 良好な住環

数値目標 平成 29 年 オープンカフェ新規参加店舗数 58 店 6 店 6 店 オリオン市民広場集客数 1,500 人 3,000 人 3,000 人 センターコア歩行者 自転車通行量 ( 平日 ) 1,700 人 1,700 人 1,700 人 5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概

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Microsoft Word _MICE_Q&A(最終案)

四国中央市住宅マスタープラン 概要版 平成 30 年 3 月四国中央市 Since

市町合併という基本的枠組みの変更に対応した 市全域を対象とした計画の見直し 少子高齢化をはじめとする本市を取り巻く社会経済情勢の変化に対応した計画づくり 総合計画や都市計画区域マスタープランなど 上位関連計画との整合 調整の必要性 都市計画マスタープランは 都市計画法第 18 条の 2 に基づいて策

1 日本再興戦略 2016 改革 2020 隊列走行の実現 隊列走行活用事業モデルの明確化ニーズの明確化 ( 実施場所 事業性等 ) 技術開発 実証 制度 事業環境検討プロジェクト工程表技高齢者等の移動手段の確保 ( ラストワンマイル自動走行 ) 事業モデルの明確化 ( 実施主体 場所 事業性等 )

6 対話結果 ( 概要 ) 別紙のとおり 7 調査結果 2 (1) 行政拠点地区にある仮設庁舎跡地は ロードサイド店舗に近いものの 駅からのアクセスや落ちついた環境である敷地特性から 賑わいを生み出す施設を複合化して設置することにより 事業の可能性があることを確認することができました (2) 定期借

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東京都市計画第一種市街地再開発事業前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業位置図 東京停車場線 W W 江戸橋 JCT 日本橋茅場町 都 道 一石橋 5.0 特別区道中日第 号線 江戸橋 15.

Microsoft Word 交通渋滞(有明アーバン)_181017

姫路市及びたつの市における連携中枢都市圏形成に係る連携協約 姫路市 ( 以下 甲 という ) 及びたつの市 ( 以下 乙 という ) は 連携中枢都市圏構想推進要綱 ( 平成 26 年 8 月 25 日付け総行市第 200 号総務省自治行政局長通知 ) に基づく連携中枢都市圏である播磨圏域 ( 以下

本日の説明内容 1 板橋駅西口周辺地区のまちづくり 2 板橋駅西口地区都市計画素案について 1 市街地再開発事業 2 地区計画 3 高度利用地区 4 高度地区 3 今後のスケジュール 1

1-2 立地適正化計画の役割 立地適正化計画は 都市全体の観点における居住機能や都市機能の立地 公共交通の充実に関する包括的なマスタープランであり 以下のような役割があるとされています 1 都市全体を見渡したマスタープラン 立地適正化計画は, 居住機能や医療 福祉 商業, 公共交通等のさまざまな都市

4. 基本的な方針太田市が目指す将来像や公共交通が果たすべき役割を踏まえて 以下の4つを計画の基本的な方針とし 太田市にふさわしい公共交通ネットワークの形成を図ります 公共交通の役割取組みの方向性市民の移動手段の確保 おうかがい市バスによる高齢者 障がい者等の通院 買物等の移動手段の確保 学生 生徒

1 はじめに

「(仮称)姫路市地域IT基本計画」の概要について

阿賀野市の発展と市民福祉の向上を図ることを目的とした 行政運営の指針となる 阿賀野市総合計画 に定める本市の将来像 人 まち 自然が輝く幸福祉都市阿賀野 の実現に向けて また こよなく愛するふる里創造のため 全力を上げ取り組んでいるところでございます 国から地方への事務 権限移譲や三位一体改革が加速

1 見出し1

1. 実現を目指すサービスのイメージ 高齢者や障害者 ベビーカー利用者など 誰もがストレス無く自由に活動できるユニバーサル社会の構築のため あらゆる人々が自由にかつ自立的に移動できる環境の整備が必要 ICT を活用した歩行者移動支援サービスでは 個人の身体状況やニーズに応じて移動を支援する様々な情報

スライド 1

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3 検討プロセス 3-1 県計画案を策定するねらい 沖縄 21 世紀ビジョン基本計画を着実に実施していくための総合的な交通体系のビジョンを示した 沖縄県総合交通体系基本計画 において 県土の均衡ある発展を支える利便性の高い公共交通ネットワークの構築が位置づけられている 同計画を踏まえ 県では 南北骨

4. 都市機能誘導区域 4.1 都市機能誘導区域設定の基本的な考え方 (1) 都市機能誘導区域とは医療 福祉 商業等の都市機能を都市の中心拠点や生活拠点に誘導し集約することにより これらの各種サービスの効率的な提供を図る区域のことです 原則として 居住誘導区域内において設定します これらの都市機能は

北部大阪都市計画彩都地区計画 ( 案 ) 北部大阪都市計画彩都地区計画を 次のとおり変更する 1. 地区計画の方針 名称彩都地区計画 位 置 茨木市大字粟生岩阪 大字宿久庄 大字清水 大字佐保 大字泉原 大字千提寺 大字大岩 大字福井 大字大門寺 大字生保 大字安威 山手台一丁目 山手台三丁目 山手

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(第14回協議会100630)

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福知山市中心市街地活性化基本計画

地域公共交通確保維持改善事業 事業評価 ( 生活交通ネットワーク計画に基づく事業 ) ( 別紙 1) 資料 3 平成 23 年度 平成 24 年 4 月 23 日 協議会 構成員 上田市公共交通活性化協議会 上田市 上田バス 千曲バス 事業名 補助対象事業者等 事業概要 1 事業実施の適切性 2 目

スライド 1

4-(1)-ウ①

Microsoft Word - HP用基本構想概要.doc


1 見出し1

国営常陸海浜公園プレジャーガーデンエリア 改修 設置 管理運営事業 民間事業者選定結果 平成 30 年 3 月 国土交通省関東地方整備局

目次 1. 市街化調整区域の土地利用方針について... 1 (1) 策定の目的... 1 (2) 方針の位置付け 市街化調整区域の課題 土地利用の方針... 3 (1) 土地利用の基本的な方針... 3 (2) 地区ごとの土地利用方針 開発計画等の調整

Microsoft Word _表紙.doc

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関係機関と連携し 渋滞対策を推進することとしている MM は 渋滞対策における TDM 施策の 1 つとして 関係機関と連携しながら実施するものである なお 札幌開発建設部では 従前より渋滞対策における MM を検討 実施しており 平成 11 年度に 全国で初めての MM を札幌市あいの里地区で実施

図 1 平成 19 年首都圏地価分布 出所 ) 東急不動産株式会社作成 1963 年以来 毎年定期的に 1 月現在の地価調査を同社が行い その結果をまとめているもの 2

Microsoft Word - (新)滝川都市計画用途地域指定基準121019

( 新 ) 藤沢都市計画住宅市街地の開発整備の方針 平成年月 神奈川県 藤沢 住宅 -1

NITAS の基本機能 1. 経路探索条件の設定 (1) 交通モードの設定 交通モードの設定 とは どのような交通手段のネットワークを用いて経路探索を行うかを設定するものです NITASの交通モードは 大きく 人流 ( 旅客移動 ) 物流( 貨物移動 ) に分かれ それぞれのネットワークを用いた経路

1 見出し1

目 次 1 背景 目的 1 2 計画の位置付け 2 (1) 計画の位置付け 2 3 現状の問題と課題 3 (1) 現状の問題 3 (2) 課題 3 4 市街化調整区域における土地利用方針 5 (1) ゾーンにおける土地利用方針 6 (2) 各ゾーンのイメージ 10 5 土地利用現況図 11 6 土地

2

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総合交通メールマガジンとは 総合交通メールマガジンは 交通基盤整備や地域交通に関する最新の取り組みを幅広く紹介することを目的として 月一回を目処に発行しているメールマガジンであり 主な購読者は都道府県 市町村等の交通施策担当者となっております 当メールマガジンで紹介させていただく記事は 執筆者が任意

多摩ニュータウン地域再生ガイドライン|第4章 多摩ニュータウンが目指す将来像

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft PowerPoint - 潟上市地域公共交通網形成計画(最終)

三原市中心市街地活性化基本計画《概要版》

Transcription:

静岡市 LRT 導入研究会 研究内容のまとめ ( 案 )

目次 1. 静岡市のまちづくり及び基幹公共交通の整備の考え方... 1 2. 都心内基幹公共交通システム (LRT) 導入の意義... 2 3. LRT の必要性... 3 4. LRTの整備により期待する効果... 4 5. 想定ルート... 5 6. 需要予測 採算性... 6 7. 概算事業費... 7 8. 経営形態について... 8 9. 課題と解決方策の考え方... 9 10. LRT 導入に向けての基本的な考え方... 10 11. 今後の取組み... 11

1. 静岡市のまちづくり及び基幹公共交通の整備の考え方 ~ 静岡型コンパクトシティの実現 ~ 静岡市の上位計画及び静岡市の都市整備上の課題や交通ネットワーク整備の課題 関連する産業 経済の課題を踏まえ 人にやさしく 誰もが安全 安心に移動できる公共交通体系の構築を図るとともに 都心 副都心である静岡 清水 東静岡を都心間基幹公共交通軸で結び鉄道沿線上に都市構造を形成する 静岡型コンパクトシティ の実現を目指す 目指す交通体系 集約型都市構造の展開イメージ 現在 将来 1

2. 都心内基幹公共交通システム (LRT) 導入の意義 環境 健康 交流 賑わい 環境 : 公共交通で快適 便利に移動ができる人や地球にやさしいまち 健康 : コンパクトで安全 安心に歩いて暮らせるまち 交流 : 回遊性が高く 人の移動が活発なまち 賑わい : 都市の魅力が高く 活力に満ちあふれたまち 都心間を結ぶ公共交通 ( 静岡鉄道 JR) と都心内を回遊する交通 (LRT) とが一体的 連続的に機能することによる 都心間及び都心 副都心間の交流活性 都心の賑わい 都市の魅力の向上 静岡都心 清水都心 東静岡副都心と地域拠点との連携強化による都市活力の創出 静岡都心 清水都心 東静岡副都心に都市機能の高度化 集約化させ それらを結ぶ公共交通軸上に人口の集約を図る都市軸の形成 都心 市街地 市街地周辺や中山間地などを結ぶ公共交通がその地域に相応しい交通体系を確立するとともに それらが一体的 連続的に機能する公共交通ネットワークを構築 2

3.LRT の必要性 都心内基幹公共交通システムに求められる特性 シンボル性 バリアフリー フレキシブルなルート設定 鉄道との連携 項目シンボル性バリアフリーフレキシブルなルート設定鉄道との連携 求められる特性 行きたくなるまち 乗りたくなる交通システム として まちのシンボル 都市の魅力を演出するシステムが求められる 超高齢社会の到来を踏まえ 安心 気軽に利用できるバリアフリーの交通システムが求められる 将来のまちづくりに対応でき 公共交通ネットワークの利便性や結節性の向上を図れるように 路線設定の自由度が高いシステムが求められる 静岡 清水両都心の交流を活発化し 更には都心の賑わいを創出するには 都心間基幹公共交通である鉄道と一体的 連続的となった輸送 ネットワーク化が実現できることが求められる LRT が最適な交通システムである シンボル性 バリアフリー フレキシブルなルート設定 ( 道路空間への導入 ) 鉄道との連携 3

4.LRT の整備により期待する効果 自動車に頼らないコンパクトな都市構造の実現 超高齢社会の到来を見据え 自動車に頼らなくても自由に移動 回遊でき 便利で豊かな生活ができる都市を実現する ( 環境 健康 交流 賑わい ) 公共交通ネットワークの実現 都心 市街地 市街地周辺や中山間地において その地域での公共交通の役割を明確にし 更にはそれぞれが一体的 連続的に機能する交通体系の構築を実現する ( 環境 健康 交流 ) 中心市街地の活性化 静岡都心で顕在化しつつある七間町等中心市街地の減速傾向や清水都心での喫緊の課題である中心市街地の再生に寄与する ( 交流 賑わい ) 観光 レクリエーション 交流の活性化 静岡都心と清水都心さらには 観光 レクリエーション 水上交通の結節点である日の出地区等の港エリアを直結することで 公共交通アクセスの利便性を大幅に向上する ( 交流 賑わい ) 日の出地区は 今後新たなまちづくりが計画されており このまちづくりとの相乗効果により 観光 レクリエーション 交流の活性化に寄与する ( 交流 賑わい ) 行政コストの削減 上記のようなコンパクトな都市構造の実現により 1 市街地の拡散を抑制し道路等インフラの維持管理費用を削減する ( 環境 ) 2 公共交通の利便性向上により 交通弱者である高齢者等に積極的に外出してもらい 市民の健康増進に貢献することによる医療費の削減等 行政コストの削減を図る ( 健康 ) 4

2清水都心5. 想定ルート ルート設定の基本的な考え方 静岡都心 : 都心アクセスの充実 都心部での回遊性向上 清水都心 : まちと港の一体化 都心間基幹公共交通との連携 ( 静岡 清水都心及び東静岡副都心の交流の活性化 ) ルートの課題等 静岡 A: 都心内の自動車流入抑制 新静岡駅での線路接続 静岡 B: 都心内の自動車流入抑制 新静岡駅での線路接続 JR 新幹線横断 清水 A: 新清水駅での線路接続 清水 B: 新清水駅での線路接続 JR 清水駅との結節 清水橋は構造上 LRT が走行できないことが確認された ( 縦断勾配 8%) 清水 A+B: 清水 A 清水 B と同じ 新静岡駅及び新清水駅での線路接続は 技術的に可能であることが確認された ルート案 1静岡都心静岡 A ルート ( 新静岡駅 ~ 七間町方面 ) 延長 1.0km 静岡 B ルート ( 新静岡駅 ~JR 静岡駅 ~ 駿河区役所方面 ) 延長 2.6km 清水 A ルート ( 新清水駅 ~ 日の出方面 ) 延長 1.6km 清水 B ルート ( 新清水駅 ~JR 清水駅方面 ) 延長 0.8km 清水 A+B ルート (JR 清水駅 ~ 新清水駅 ~ 日の出方面 ) 延長 2.5km 5

6. 需要予測 採算性 下記予測手法による需要予測値を前提とすると 静岡 A ルート以外のルートでは 運行にかかる経費を運輸収入でまかなえない結果となった 需要の確保のためには LRT 整備に合わせ 沿線でのまちづくり 民間による開発 公共交通利用促進策 公共交通体系の再編などの施策を実施し 需要の増加 採算性の向上を図ることが必要である 需要予測 静鉄との乗換あり 静岡地区清水地区静岡 A 静岡 B 清水 A 清水 B ( 参考 ) 清水 A+B 1,800~ 3,000 人 / 日 700~ 1,100 人 / 日 300~ 500 人 / 日 500~ 800 人 / 日 800~ 1,300 人 / 日 予測手法等 第 3 回静岡中部都市圏パーソントリップ調査データを使用 需要は全交通手段 OD に LRT 分担率を乗じることで算出 LRT 分担率は 現静岡鉄道のサービス水準と同等のものと仮定し 静岡鉄道の距離帯別分担率のデータからロジット型の曲線を同定 静鉄沿線ゾーンと LRT 沿線ゾーンを対象に新規需要のみを考慮 なお 上記予測値には現静岡鉄道利用者が LRT を通しで利用する利用者数や LRT に接続する基幹的なバス路線の沿線からの利用者数 まちづくりの進捗による沿線人口や来街者数の増加は考慮されていない また 静岡鉄道とは乗換を想定している 予測手法もゾーン間距離とゾーン間静鉄分担率の関係から距離帯別分担率曲線を定める簡便な方法であり 交通手段選択にあたり交通目的や運賃抵抗等が考慮されていない よって 需要については今後検討の深度化が必要である 採算性検討 静岡 A ルート 静岡 B ルート 清水 A ルート 清水 B ルート 清水 A+B ルート 需要 ランニング収支 線路使用料 採算性 採算条件 ( 人 / 日 ) 運輸収入 運営費 ( 参考 ) min 1,800-20 百万円 / 年 約 80 百万円 / 年 -24 百万円 / 年 中間 2,400 7 百万円 / 年 約 107 百万円 / 年 約 100 百万円 / 年 約 4 百万円 / 年 3 百万円 / 年 max 3,000 34 百万円 / 年 約 134 百万円 / 年 30 百万円 / 年 min 700-145 百万円 / 年 約 31 百万円 / 年 -154 百万円 / 年 中間 900-136 百万円 / 年 約 40 百万円 / 年 約 176 百万円 / 年 約 9 百万円 / 年 -145 百万円 / 年 4,100 人 / 日 max 1,100-127 百万円 / 年 約 49 百万円 / 年 -136 百万円 / 年 min 300-97 百万円 / 年 約 13 百万円 / 年 -102 百万円 / 年 中間 400-92 百万円 / 年 約 18 百万円 / 年 約 110 百万円 / 年 約 5 百万円 / 年 -97 百万円 / 年 2,700 人 / 日 max 500-88 百万円 / 年 約 22 百万円 / 年 -93 百万円 / 年 min 500-64 百万円 / 年 約 22 百万円 / 年 -67 百万円 / 年 中間 650-57 百万円 / 年 約 29 百万円 / 年 約 86 百万円 / 年 約 3 百万円 / 年 -60 百万円 / 年 2,000 人 / 日 max 800-50 百万円 / 年 約 36 百万円 / 年 -53 百万円 / 年 min 800-115 百万円 / 年 約 36 百万円 / 年 -123 百万円 / 年 中間 1,050-104 百万円 / 年 約 47 百万円 / 年 約 151 百万円 / 年 約 8 百万円 / 年 -112 百万円 / 年 3,600 人 / 日 max 1,300-93 百万円 / 年 約 58 百万円 / 年 -101 百万円 / 年 検討条件 運行サービス : 静岡ルートではピーク時 5 分 ~6 分間隔 (12 本 / 時 ~10 本 / 時 ) 程度 オフピーク時 10 分間隔 (6 本 / 時 ) 程度 清水ルートでは終日 10 分間隔 (6 本 / 時 ) 程度の運行を想定 採算性 : 公設民営型の事業スキームを想定 運賃は 150 円均一とし 運営のために必要な経費を運輸収入でまかない得るかにより採算性を判断 6

合計軌道 停留所車両基地車両関連道路静岡地49 億円 27 億円 19 億円 7 億円清水地区7. 概算事業費 各ルートの単独整備では 都心部に車両基地の整備が必要になるなど 大規模な工事となり事業費が増大する 静岡地区では約 80~100 億円 清水地区でも約 50 億円 ~ 80 億円程度の投資が必要との試算結果となった 新静岡駅及び新清水駅での線路接続が技術的に可能であることから 既存施設 ( 長沼車庫 ) の活用により 車両基地などの整備コストの縮減が期待できる 概算事業費 概算事業費 区静岡 B 約 102 億円 (+JR 横断費用 ) 静岡 A 約 76 億円 31 億円 30 億円 12 億円 3 億円 清水 A 約 52 億円 29 億円 9 億円 10 億円 4 億円 清水 B 約 54 億円 29 億円 13 億円 10 億円 2 億円 清水 A+B 約 80 億円 46 億円 12 億円 15 億円 7 億円 上記概算事業費 +α 要素 : 地下埋設物移設 交通結節点整備や駅前広場の改修 支障家屋営業補償費等 試算の前提条件 静岡地区は複線整備 清水地区は単線整備を想定 停留所数は 都心部で気軽に乗れるサービスを目指し 400m 程度で設置することを基本とした 車両は 18m 車とし 運行間隔と表定速度から算出される運用数に予備車を加えて導入編成数を設定 車両基地の必要面積は富山ライトレールの事例等を参考に概算した 事業費は 富山ライトレールの建設費等を参考に 以下の費目別に概算した 軌道 停留所 変電所 電車線設備 信号 通信設備 車両 その他(IC カード 運行監視 交通信号等 ) 用地 測量監督費 車両基地 支障物件移転補償費 7

上下分離(公設民営)の例(富山地方鉄道環状化)8. 経営形態について 国内の多くの路面電車事業者は 運行及び施設の保有 維持管理までを全て事業者が実施する運営形態をとっている 一方 最近の整備事例である 富山ライトレール 及び 富山市内電車環状化 では 公設民営型や上下分離のスキームが採用されている 鉄道事業においても 従来の民設民営型から上下分離方式の導入 さらには経営の厳しい地方鉄道では 公有民営型の事業形態への転換等の動きがある 地方の鉄軌道事業では 事業採算性の確保が厳しい状況が想定されることから 従来型のスキームではなく 富山の事例のように公と民とが適切に役割分担したスキームが必要と考えられる 整備 運営 地方自治体 鉄道施設建設車両購入 運行事業者 ( 貸付 ) 運行 地方自治体 鉄道施設保有車両保有 ( 使用料 ) 上下分離 ( 公設民営 ) のスキームを想定 図公設民営型 ( 上下分離 ) スキームの例 ( 富山市内電車環状化の事業スキーム ) 採算性の検討にあたっては 公設民営型 ( 上下分離 ) の事業スキームを想定し 運営のために必要な経費を運輸収入でまかない得るかにより採算性を判断している 8

課題解決方策静岡地区清水地区9. 課題と解決方策の考え方 解決すべき課題 静岡地区 : 都心部への自動車流入抑制 静岡清水線との接続 JR 横断及び静岡駅との結節 清水地区 : 需要の確保 ( まちづくりの推進 公共交通の利便性向上等 ) 課題が解決されたルートより実現に向けて取組む 都心部への自動車流入抑制 静岡清水線との接続上記に加え 静岡 B ルートについては JR 横断及び静岡駅との結節 1 都心部への自動車流入抑制 交差点改良等により都心部へ流入する自動車交通を環状道路等に分散 ( 今後交通影響等の詳細な検討が必要であるが 3 割程度の自動車交通量削減が必要になると考えられる ) 2 歩行者主体のまちづくり ( 江川町交差点平面横断化等 ) 江川町交差点平面横断化や一部ルートのトランジットモール化 都心における駐車場のあり方の検討など 都心地区のまちづくりの考え方と整合を図った歩行者主体のまちづくりの実現 3 新静岡駅での線路接続 新静岡駅での線路接続のために 新静岡駅周辺で用地を確保上記に加え 静岡 B ルートについては 4JR 静岡駅との結節 及び横断 JR 横断箇所の決定と それに合わせた交通規制等周辺交通処理の検討 駅前広場の改修 需要の確保 1 まちづくりの推進 (LRT ターミナルと一体となった都市開発の実現 ) 観光施設 レストランなどの誘致 立地や沿線居住の推進による定住人口の増加 2 自家用車からの転換 静鉄とLRT バスとLRTの連携強化による自動車から公共交通への通勤手段の転換 ( モビリティ マネジメント等 ) 3 市民が走らせる LRT 市民 1 万人に年間 1 万円の定期利用者確保 9

10.LRT 導入に向けての基本的な考え方 静岡鉄道との連携を視野に入れたLRTネットワーク網構想 静岡鉄道は 静岡市における都心間基幹公共交通軸として 極めて重要な役割を担っている よって 都心内の基幹公共交通システムを考える際には 静岡鉄道とのシームレスな連携による公共交通の利便性向上が必要不可欠である 全国の地方鉄道の中でも高い輸送密度を誇る静岡鉄道静岡清水線との連携は 新規に整備する LRT 路線の需要確保の面でプラスの効果が期待できるだけでなく 静岡清水線の利便性向上にもつながると考えられ 静岡市における公共交通利用者の全体の底上げが期待できる 都心間公共交通軸のバリアフリー化 や 路線設定の自由度の向上によるまちづくりに対応した公共交通ネットワークの利便性 結節性の向上 の観点から 将来的には各 LRT ルートと静岡鉄道静岡清水線が一体となった バス網の再編 駅アクセスの利便性向上等による公共交通ネットワークの構築を目指すこととする 導入に向けた課題 財政負担等を考慮した段階的な整備による実現 上記構想を踏まえつつ 各 LRTルートにおける実現に向けての課題及びその解決の考え方 整備コスト 財政負担 関連まちづくりの進捗状況 関係者間での協議の進捗状況等を考慮し 現実的な整備方策として 段階的な整備 による実現化を図ることを基本とする 10

11. 今後の取組み LRT の実現に向けて 市民と民間との共同の組織を設立し 9. 課題と解決方策の考え方 に示す課題の解決に着手するとともに ルート 設備 運営などについて より具体的な調査を併行して進める さらに 今後以下の取り組みを推進する (1) まちづくりの推進の必要性 LRT はまちづくりの一環として導入するものであり 静岡型コンパクトシティの実現のためには この LRT と基幹公共交通軸との連携のみならず 基幹公共交通軸を中心としたバス路線網の再編や パークアンドライド駐車場や駐輪場等の整備による駅アクセス利便性向上などの公共交通利便性向上施策やまちづくり施策とのパッケージ化 ( 一体的推進 ) による公共交通主体の交通体系の構築が必須である (2) 関係者の連携 協力 LRT の実現にあたっては 行政と民間の連携において 静岡商工会議所の協力が必須である LRT の運営にあたっては 鉄道経営の技術 設備 人材を有する静岡鉄道との連携が必須である 公共交通ネットワークが一体的 連続的に機能する交通体系として LRT ネットワーク整備は静岡鉄道との連携により様々な手順があることから 今後とも常に協議 調整 検討に取組む必要がある (3) 市民への継続的な情報提供の必要性 LRT の実現に向けては 住民の理解 合意が求められる また 整備後の需要の確保や公共交通の利用促進のためにも 住民への情報提供が極めて重要である モビリティ マネジメントの取組により 市民の自発的な行動変容を促すことも考えられる 今後 LRT の必要性や整備計画 関連まちづくりの進捗 公共交通の利用促進等に関する情報を計画 整備段階に応じて継続的に提供する取組が必要である 11

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