市民講座 B 型肝炎 C 型肝炎の最新治療 製鉄記念広畑病院研修センター平成 27 年 2 月 7 日内科消化器内科大内佐智子
主要死因別死亡 ( 人口 10 万人対 ) 長期推移
主な部位別がん死亡率の推移
70 歳以上 9% 8% 7% 6% 5% 4% 3% 2% 1% 0% 年齢階層別にみた HCV 抗体陽性率の国際的比較ー敗戦後の汎流行と現状ー ウクライナ USA 日本 20-24 25-29 30-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65-69 年齢 19 歳以下 HCV 抗体陽性率
がんのその他肝年間死亡肝がんの死亡数 ( 人 ) 40,000 30,000 20,000 数10,000 全体 男性 女性 肝がんの原因の約 70% は C 型肝炎です! B 型肝炎 15% C 型肝炎 68% 0 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 ( 年 ) 国立がんセンターがん対策情報センター : 人口動態統計によるがん死亡データ (1958~2012 年 ) より改変第 18 回全国原発性肝癌追跡調査報告 (2004-2005 年 ) より改変
累積肝発がん率0 累積肝発がん率(%) 累積肝発がん率 年齢と線維化程度別肝発がん率 (%) 80 60 40 F1 60 歳未満 60 歳以上 10 年発がん率 3.9% 14.9% (%) 80 60 40 F3 60 歳未満 60 歳以 60 歳以上上 10 年発がん率 36.5% 57.3% 20 20 0 60 歳以上 0 60 歳未満 60 歳未満 2 4 6 8 10 12( 年 ) 0 2 4 6 8 10 12( 年 ) 80 60 40 F2 60 歳未満 60 歳以上 10 年発がん率 19.3% 34.2% 20 60 歳以上 0 60 歳未満 0 2 4 6 8 10 12( 年 ) [ 提供 : 今井康陽先生 ( 市立池田病院消化器内科 )]
C 型慢性肝炎のおはなし
どのようにして C 型肝炎ウイルスに感染するのでしょうか C 型肝炎ウイルスは体液や血液を介して感染します 以前はあったが 今はないもの 感染している人の血液を用いた輸血 血液製剤 汚染された注射器や注射針による医療行為 現在も考えられるもの 覚せい剤を打つなど注射器の使いまわし 入れ墨を彫る 十分に消毒されていない器具を使ってピアスの穴をあける 母子感染 ( 感染率は低い )
C 型肝炎の自然経過と治療意義 治癒 自然治癒 インターフェロン ( 原因療法 ) ウイルスの排除 肝炎の沈静化 2 4 割 まれ 感染 急性肝炎 6 8 割 慢性肝炎 3 4 割 肝硬変 6 8 割 肝癌 発症 5 15 年約 20 年 約 25 30 年 C 型慢性肝炎が自然治癒することはほとんどありません. 慢性肝炎から肝硬変 肝癌への進展を防止する治療法として IFN 療法があります.
C 型肝炎 成因 :HCVにより 注射 採血 ハリ治療 刺青 性行為などにより感染 ( 血液 体液 = 非経口感染 ) ただし B 型より感染力が弱いので 母子感染や性行為感染は少なく ほとんど輸血 患者数 : 約 200 万人 経 予 過 : B 型と異なり 成人で初感染しても慢性化する確率が高い いったん慢性化すると自然治癒することはない 防 : ワクチン等による予防は不可能
肝臓 右上腹部にある人体最大の臓器 肝臓とは? 位置 : 横隔膜のすぐ下に位置し 右上腹部のほとんどを占める 人体の中で最大の臓器 重さ : 約 1~1.5kg 色 : 暗褐色
肝臓の働き 栄養素の代謝 体に必要なたんぱく質や脂質を合成する ブドウ糖やたんぱく質を貯蔵しやすい形にして蓄える 解毒作用 食物を分解する際に発生するアンモニアを分解する 外部から摂取したアルコールや薬剤を分解する 排泄作用 脂肪の消化に必要な胆汁を合成し ビリルビンを排泄する 茶山一彰 : 名医のわかりやすい肝臓の病気 ( 同文書院 )
肝臓の血液の流れと肝小葉の構造
肝臓の血管系 肝臓には 3 本の血管が出入りする 肝臓へ流入する血管 固有肝動脈 : 腹部大動脈 肝臓へ ( 酸素 ) 門脈 : 消化管 脾臓 肝臓へ ( 栄養分 ) 門脈は消化管からの栄養分を運ぶ補給路 類洞を通り 肝細胞に栄養分 酸素を供給 肝臓から流出する血管 固有肝静脈 : 肝臓 下大静脈へ
肝機能 1 2 3 4 栄養物の処理 加工 貯蔵身体の構成成分の代謝物質の解毒 分解胆汁の分泌
肝臓の特徴 代償能 広範囲にわたって障害されても 残りの正常な肝細胞が従来通りの機能を果たす 再生能力 肝臓の 7 割近く切除しても 残った肝細胞がどんどん増殖し 元の大きさに戻る 沈黙の臓器 肝臓内部には知覚神経が通っていない 少しくらい障害が起きても痛むことはない
血液検査 肝臓の働きやからだの調子 検査項目 AST(GOT) ALT(GPT) 血小板数 アルブミン プロトロンビン時間 ビリルビン 検査の意義 肝臓に炎症があると上昇します しかし 低いからといって健康な状態とは限りません 肝硬変になると ALT(GPT) よりも AST(GOT) が高くなります 慢性肝炎から肝硬変へと病気が進行していくと減少していきます 10 万 /mm 3 以下で肝硬変がうたがわれます 肝臓の働き ( 予備能 ) が低下すると減少します 肝臓の働き ( 予備能 ) が低下すると延長します 肝臓の働きが低下すると上昇します
AST(GOT),ALT(GPT) が高値 = 破壊されている肝細胞が多い = 肝硬変への進行が速い AST(GOT),ALT(GPT) が低値 = 破壊されている肝細胞が少ない = 肝硬変への進行が遅い
C 型肝炎の病気の経過 肝臓は 沈黙の臓器 ともいわれ 肝炎になっても自覚症状はほとんどありません しかし 気づかないまま肝硬変 肝がんへと病気が進んでいきます 肝がん 肝硬変 慢性肝炎 感染 急性肝炎
GOT? GPT? GOT GOT GPT GPT GPT GPT GP T GOT GOT GPT GOT 肝細胞破壊 GOT GOT GPT などは肝臓の細胞の中にある酵素です 肝炎により肝細胞が破壊されると細胞内からこれらの酵素が血液中に放出されます
HCV 感染から肝細胞破壊まで HCV 1 感染 リンパ球 2 免疫反応 肝細胞 肝細胞破壊 C 型肝炎による肝臓の細胞の障害は 1 ウイルスの感染と 2 リンパ球による免疫反応の 2 つの要素によって起こります
感染した肝臓の細胞は次々と破壊されていきます
C 型慢性肝炎の線維化と発がん肝発がんリスクF0 血小板 18 万以上 F1 血小板 15~18 万 F2 血小板 13~15 万 F3 血小板 10~13 万 年間 0.5% F4 血小板 10 万以下 年間 1.5% 年間 5% 年間 8% 肝がん 肝硬変 感染 70% 慢性肝炎 急性肝炎 治癒 : 肝線維化の程度による分類 感染期間 ( 年 )
感染しているかどのように調べるのでしょうか 肝炎ウイルス感染の検査方法 1. 抗体の有無を調べる (HCV 抗体検査 ) 陰性 C 型肝炎の心配はありません ( ごくまれに感染直後で抗体ができておらず 陰性 となる場合もあります ) 陽性 C 型肝炎ウイルスに感染したことがあります 2. ウイルスの遺伝子を調べる (HCV-RNA 検査 ) 陰性 過去に感染したことがありますが ウイルスはからだから排除されています 陽性 あなたのからだに C 型肝炎ウイルスが存在する ( キャリア ) 状態です 専門の医療機関を受診してさらにくわしく調べましょう
血液検査 ウイルスの確認 検査項目 HCV 抗体検査 HCV RNA 検査存在や量を調べる ウイルスタイプの検査 セログループ ジェノタイプ 検査の内容 C 型肝炎ウイルス (HCV) に感染すると体内に抗体が作られます この検査では C 型肝炎ウイルスに現在感染しているか あるいは過去に感染していたかどうかがわかります 血液中の C 型肝炎ウイルス (HCV) の遺伝子を調べます 現在感染しているかがわかり さらにウイルスの量によって治療の前に治療効果を予測したり 治療方針の決定に役立てます C 型肝炎ウイルス (HCV) の種類 ( 型 ) を調べます 治療の前に治療効果を予測したり 治療方針の決定に役立てます
ウイルスを体内から排除して完全治癒を目指す原因療法と 肝機能を改善して肝炎の悪化を防ぐ対症療法があります 原因療法対症療法 ( 肝庇護療法 ) C 型肝炎ウイルスを体内から排除して完全治癒を目指す インターフェロン ( 注射 ) インターフェロンは本来私たちの体の中でつくられる蛋白質で ウイルスの増殖を抑える働きを持っています これを薬として応用したのがインターフェロン製剤です 肝機能を改善して肝炎の悪化を防ぐ グリチルリチン配合剤 ( 注射など ) 肝臓の細胞膜を強くすることによって肝細胞の破壊を防ぐ働きがあります ペグインターフェロン ( 注射 ) 従来のインターフェロンにポリエチレングリコール (PEG) という物質を結合させることによりインターフェロンを血中に長く留まらせ これまで週 3~7 回の投与が必要だったインターフェロンを週 1 回の投与で済むよう改良されたものがペグインターフェロンです ウルソデオキシコール酸 ( 内服 ) 肝臓の血液の流れをよくする あるいは肝臓にエネルギーを蓄積することによって肝機能を改善する作用があります リバビリン ( 内服 ) インターフェロンと併用することによりインターフェロンのウイルス排除効果を増強します カプセル剤で内服します
HCV 駆除後の肝発癌リスク インターフェロン治療による発癌抑止の効果
肝がん発がんインターフェロン治療の効果別にみた C 型慢性肝炎からの発がん率 (%) 50 IFN 治療によりウイルスが完全に排除 (606 例 ) 40 30 率20 0 IFN 治療でウイルスは残ったが肝臓の働きは改善 (266 例 ) IFN 治療の効果なし (782 例 ) IFN 治療していない (512 例 ) ログランクテスト :p<0.0001 10 0 5 10 15 20( 年 ) 池田健次 : 肝臓 48(2):43-7,2007.
肝がんの発症リスクについて 治療開始時の年齢が高齢であるほど 発症リスクが高くなります (%) 肝がん発症率 年齢毎の肝がん発症率の推定範囲 80 n=2,166 100 肝がん発症率60 40 20 0 40 50 60 70 ( 歳 ) インターフェロン治療時の年齢 Asahina Y, et al.:hepatology 52(2):518-527, 2010
インターフェロン治療を行うにあたって ウイルスの型 ウイルス量 効果判定時期
C 型肝炎量別 タイプ別分布 150 万 ~200~ 万人 2 型高ウィルス 10% 2 型低ウィルス 10% 1 型低ウィルス 10% 1 型高ウィルス 70% 1 型高ウィルス 1 型低ウィルス 2 型高ウィルス 2 型低ウィルス
血液検査 ウイルスの種類と特徴 ウイルスの種類 ( 型 ) セログループ ジェノタイプ 日本での頻度 特徴 1 1a まれ 1b 約 70% ウイルスの量が多く 治りにくい場合が多い 2 2a 約 20% 2b 約 10% ウイルスの量が少なく 治りやすい場合が多い
IFN の治療効果に影響を与える因子 効かない 効く ウイルスタイプ Ⅰ 型 Ⅱ 型 投与前ウイルス量多い少ない 肝線維化の進行程度 Severe Mild
C 型肝炎ウイルスに対する標準的な治療 C 型肝炎ウイルスに対する標準的な治療 これまでにインターフェロンによる治療経験がない場合 ウイルスの種類 ウイルスの量 多い セログループ 1 ジェノタイプ 1a/1b ペグインターフェロン + リバビリン (1 年 ) ペグインターフェロン + リバビリン ( 半年 )+ シメプレビル (3 ヵ月 ) ペグインターフェロン + リバビリン ( 半年 )+ テラプレビル * (3 ヵ月 ) ダクラタスビル + アスナプレビル # ( 半年 ) セログループ 2 ジェノタイプ 2a/2b ペグインターフェロン + リバビリン ( 半年 ) ペグインターフェロン ( 半年 ~1 年 ) ペグインターフェロン ( 半年 ~1 年 ) 少ない インターフェロン ( 半年 ) * テラプレビルと併用するペグインターフェロンはペグインターフェロンα 2bに限ります # ダクラタスビル+アスナプレビルは インターフェロン治療を受けることが出来ない方に限ります ダクラタスビル + アスナプレビル # ( 半年 ) インターフェロン ( 半年 )
ペグイントロンとレベトール ペグイントロン レベトール 製品写真
ペグインターフェロンとは? PEG とは? Peg Interferon Alfa-2b 合成高分子ポリエチレングリコールの略 物質の性質 不揮発性 無臭で免疫原性及び毒性がなく タンパク質に対する修飾剤として用いられる ペグ化のメリット 抗原性の低下体内停滞時間の延長薬効の増強等の効力 Interferon Alfa-2b ポリエチレングリコール
従来型 IFN と Peg IFN の血中濃度の推移 1000 ペグイントロン T½ 40 hours pg/ml IFN Alfa-2b 100 10 イントロン 1 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 Hours
リバビリンの C 型肝炎に対する作用機序 ( 推定 ) 1. ウイルスの核酸合成過程を抑制します ( 直接的な抗ウイルス作用 ) 2. RNAに対するmutationを起こし ウイルスのゲノムを不安定にします 3. Th1/Th2バランスをTh1 優位にすることにより 細胞性免疫を高めます
C 型慢性肝炎治療の変遷 (SG1 型 ) 2013 年 Simeprevir+PEG IFN+Ribavirin 承認 ( 併用 24 週間投与 ) Telaprevir+PEG IFN+Ribavirin 承認 ( 併用 24 週間投与 ) PEG IFN+Ribavirin 承認 ( 併用 48 週間投与 ) IFN+Ribavirin 承認 ( 併用 24 週間投与 ) IFN 単独承認 ( 単独 24 週間投与 ) 1989 年 C 型肝炎ウイルス遺伝子の発見 その他トピックス 1999 年 HCV 遺伝子検出が可能となる 2002 年再投与および投与期間制限の撤廃 2003 年 PEG IFN 承認 ( 単独 48 週間投与 ) 2005 年 IFN 自己注射の承認 1high 以外への PEG IFN+Riba 承認 2008 年難治例への 72 週投与の推奨医療費助成制度の開始
100 治療効果の変遷 C 型慢性肝炎 難治性ジェノタイプ 1 型 高ウイルス量 80 70% を超える効果 SVR 率 (%) 60 40 29 42 48 2000s 2011~ 17 20 2 9 0 1990s IFN 24wk IFN 48wk IFN/RBV 24wk IFN/RBV 48wk Peg IFN/RBV 48wk Peg IFN/RBV/DAA
治療スケジュール < ペグインターフェロン + リバビリン 2 剤併用療法 > 治療開始 24~48 週間 ( 場合によってはそれ以上 ) ペグインターフェロン週 1 回皮下注射 * リバビリン 1 日 2 回服用 * * ペグインターフェロン + リバビリンの治療期間は 患者さんの状態により異なる場合があります
治療スケジュール < ペグインターフェロン + リバビリン + シメプレビル 3 剤併用療法 > 治療開始 12 週間 24 週間 シメプレビル 1 日 1 回服用 ペグインターフェロン週 1 回皮下注射 * リバビリン 1 日 2 回服用 * * ペグインターフェロン + リバビリンの治療期間は 患者さんの状態により最大 48 週間に延長する場合があります
よくみられる副作用は インフルエンザのような症状です 特に注意が必要な副作用に気づいたら 直ちに主治医に申し出てください ペグインターフェロン α-2b とリバビリン併用療法の副作用 ペグ IFNα-2b で予想される副作用 よくみられる副作用 インフルエンザ様症状 ( 発熱 悪寒 全身倦怠感 頭痛 関節痛など ) 食欲不振 吐き気などの消化器症状 発疹 かゆみなどの皮膚症状 注射部位反応 ( 赤み かゆみ 腫れ 発疹など ) 脱毛 特に注意が必要な副作用 うつ状態などの精神神経症状 ( 不眠が続く イライラするなど ) 間質性肺炎 ( 息切れしやすい 咳が続くなど ) 甲状腺機能異常 ( 動悸がする 汗をかきやすい 寒さに敏感など ) 心臓の症状や糖尿病の悪化 網膜症 ( ものが見えにくい 目がチカチカするなど ) リバビリンで予想される副作用 貧血 食欲不振 吐き気などの消化器症状 発疹 かゆみなど皮膚症状
インターフェロンの副作用 1. 初期 (2 週間以内 ) インフルエンザ症状発熱 悪寒 頭痛 関節痛 : 皮膚症状 : 皮疹注射部位の紅斑 血液系の異常 : 白血球 血小板の減少 2. 中期 (2~8 週間 ) 精神症状 : うつ状態消化器症状 : 食欲不振耐糖能異常 : 糖尿病の悪化 3. 後期 (8 週以降 ) 間質性肺炎眼底異常 : 網膜症 出血脱毛自己免疫疾患 : 甲状腺機能異常
インターフェロン療法の効果は 治療終了 6 ヵ月後の血液検査で判定します 治療効果の判定 8 7 治療期間 ( 通常 24 週または 48 週間 ) 観察期間 ( 治療終了後 24 週間 ) 6 HCV RNA(log IU/mL) 5 4 3 2 1 無効 (NR) 再燃 (relapse) 0 検出不能 著効 (SVR) 治療開始 治療後週数 投与期間は ジェノタイプ 1 型でウイルス量の多い患者様の場合は通常 48 週間で それ以外の患者様では通常 24 週間です
HCV のライフサイクル 脱殻 Sakamoto, N and Watanabe, M: J Gastroenterol., 44; 643, 2009 より改変
C 型肝炎ウイルス遺伝子 分類 : フラビウイルス科ヘパシウイルス属 遺伝子 : プラス鎖 RNA(mRNA として機能する ) 9.6 kb 1 つのポリ蛋白質をコードしている Structural( 構造 ) Non Structural( 非構造 ) HCV NS3 4A セリンプロテアーゼ :HCV 複製の Master Switch Penin, P et al.:hepatology, 39; 5, 2004 より改変
C 型肝炎に対する DAA 製剤一覧 DAAs=Direct Acting Antivirals
C 型肝炎の治療薬の組み合わせの推移 従来 Peg-IFN + リバビリン IFN あり Peg-IFN + リバビリン + DAAs 今後 DAAs + DAAs IFN なし DAAs + リバビリンなど + DAAs その他の抗ウイルス薬 DAAs:Direct Antiviral Agents
背景因子別 SVR24 達成割合 1
本肝臓学会編 C 型肝炎治療ガイドライン [ 第 3.1 版 ]: http://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh guidlines/hepatitis c ゲノタイプ 1b 型 高ウイルス量 < 初回治療 > 高発癌リスク群 ( 高齢者かつ線維化進展例 ) IFN 適格 IFN 不適格 SMV Peg IFN RBV DCV ASV *1 中発癌リスク群 ( 高齢者または線維化進展例 ) IFN 適格 IFN 不適格 SMV Peg IFN RBV DCV ASV *1 治療待機 *2 低発癌リスク群 ( 非高齢者かつ線維化軽度例 ) IFN 適格 IFN 不適格 SMV Peg IFN RBV 治療待機 *2 (DCV ASV *1 ) *1 極力 Y93/L31 変異を測定し 変異があれば 治療待機を考慮する 即ち 治療待機の場合の発癌リスクならびに変異例に対して DCV ASV 治療を行う場合の著効率と多剤耐性獲得のリスクを十分に勘案して方針を決定する *2 ALT 値異常例では肝庇護療法または Peg IFN(IFN) 少量長期を行う
国内における DAA 製剤の開発 /Genotype 2 IFN base Telaprevir [NS3/4A] +Peg-IFNα2b+RBV mitubishi tanabe 2013 2014 2015 2016 Sofosbuvir [NS5B] +RBV Gilead IFN free ABT-450r [NS3/4A] Ombitasvir [NS5A] AbbVie
インターフェロンフリー経口 2 剤の 適応 IFNを含む治療法に不適格の未治療: 貧血 血小板減少 好中球減少 うつ病 その他の合併症または高齢などの理由によりIFNを含む治療ができない患者 IFNを含む治療法に不耐容: IFN を含む治療を受けたが 副作用により治療を中断した患者 IFN を含む治療で無効
ウイルスを排除する治療方法 ( 抗ウイルス療法 ) を始める目安はあるのでしょうか? 以下のいずれかにあてはまる方は 抗ウイルス療法の治療が推奨されています ALTの値が30U/Lを超えている 血小板の数が15 万 /μl 未満である 上記に限らず 年齢やからだの調子によっても治療の必要性を判断します 以下のいずれかにあてはまる方は 肝がんの発症リスクが高いとされています 複数該当する方は 早期に抗ウイルス療法の導入を考慮すべきです 高齢である 線維化が進展している 男性である 日本肝臓学会編 C 型肝炎治療ガイドライン [ 第 3.1 版 ] http://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_c
病気の進行を遅くする治療方法 インターフェロンの少量 長期投与インターフェロンには 肝臓の炎症を抑えて病気の進行を遅くする働きもあります ウイルスを完全に排除する場合には インターフェロンを一定の量で 期間を限って投与しますが 病気の進行を遅くする治療の場合には 少量を長期にわたって投与したり工夫をします グリチルリチン ウルソデオキシコール酸この2つの薬は 肝臓を保護する働きがあり 肝炎の炎症を抑えることによって病気の進行を遅くする効果が期待できます からだからウイルスを排除することはできませんが インターフェロンに比べて副作用は少なくなっています グリチルリチンは主に注射 ウルソデオキシコール酸は飲み薬です 瀉血 C 型肝炎になり病気が進んでいくと 肝臓に鉄がたまり これが肝臓の障害をさらに進めることになります そこで 瀉血 ( 血液を200~400mL 採ってすてること ) をして肝臓の鉄を減らし その炎症をおさえます 同時に鉄分の多い食事もひかえます
医療費助成制度 医療費助成制度とは? 通常の健康保険による診療に加えて B 型 C 型慢性肝炎および肝硬変の根治を目的とした抗ウイルス療法については 医療費が助成されます 助成の対象 ウイルスの排除を目的とする抗ウイルス療法 ペグインターフェロン + リバビリン+シメプレビル ペグインターフェロン + リバビリン+テラプレビル ペグインターフェロン + リバビリン ペグインターフェロン単独療法 インターフェロン + リバビリン インターフェロン単独療法 ダクラタスビル+アスナプレビル * * 対象者は 下記のいずれかに該当する方に限ります 治療を受けた方は 以後のインターフェロン治療による制度利用はできません インターフェロン治療を受けることができない未治療の方 インターフェロン治療を受けたが副作用により中止した方 インターフェロン治療を受けたが 1 度もウイルスが消えなかった方 その治療における検査料や副作用に対する治療費 ( ただし 治療を中止した場合を除く ) ウイルスの排除を目的としない治療は対象となりません 保険外の診療は対象となりません 厚生労働省ホームページ 肝炎総合対策の推進 より
助成額 階層区分 世帯あたり市町村民税 ( 所得割 ) 課税年額 自己負担額の上限 ( 月額 ) 甲 235,000 円以上 20,000 円 乙 235,000 円未満 10,000 円 住民票上の世帯の収入が原則ですが 患者さんと同一生計にない方 ( 税制上および医療保険上の扶養関係にないと認められた方 ) については 課税年額を合算せずに区分けされます 厚生労働省ホームページ 新しい肝炎総合対策の推進
受給者証
B 型肝炎のおはなし
どのようにして B 型肝炎ウイルスに感染するのでしょうか B 型肝炎ウイルスは体液や血液を介して感染します 以前はあったが 現在ではまれな感染原因 出産時の母子感染 感染している人からの輸血 血液製剤の利用 汚染された注射器による医療行為 現在も考えられるもの 覚せい剤を打つなど注射器の使いまわし 入れ墨を彫る 十分に消毒されていない器具を使ってピアスの穴をあける 性交渉
世界地域における HBV キャリアの分布 HBV キャリアの感染者数は世界中におよそ3 億 5 千万 本中ではおよそ130 150 万 いると推定されている 田中純子日本臨床 69 巻増刊号 4 327-334(2011)
B 型慢性肝炎がおこるしくみ B 型肝炎ウイルスに感染すると 体内の免疫細胞が肝臓の細胞ごと破壊しようとしてしまいます これにより肝臓の炎症がおこり B 型慢性肝炎へと進行します 肝細胞 B 型肝炎ウイルス 免疫細胞 免疫細胞が 肝臓の細胞ごと破壊
HBV 関連ウイルスマーカー 桿状粒子小型球形粒子 HBe 抗体 HBe 抗原 HBs 抗原 Dane 粒子 HBs 抗体 HBc 抗体 HBV DNA スクリーニング 肝炎の型別診断 HBs 抗原 / 抗体 HBc 抗体 (IgM/IgG) HBs 抗原 HBV の表 抗原で Dane 粒 以外にも 型球形粒 や桿状粒 にも存在 HBs 抗体 HBs 抗原に対する抗体であり 中和抗体として作 する HBc 抗体 コア蛋 抗原に対する抗体 HBe 抗原 ウイルス増殖時に産 される可溶性蛋 で 中に分泌される HBe 抗体 HBe 抗原に対する抗体 HBV DNA Dane 粒 中に 1 本存在し HB ウイルス量を反映する 慢性肝炎の経過観察 HBe 抗原 / 抗体 HBV DNA
現在使 されている HBV マーカー 1 名称 HBs 抗原 HBs 抗体 HBc 抗体 IgM HBc 抗体 HBe 抗原 マーカーが す意味と意義 現在 HBV に感染していることを す 過去の HBV 感染 抗体防御を有しており原則再感染はない HB ワクチン接種後 過去あるいは現在 HBV 感染をうけている (HBs 抗原陰性の既往感染者は HBV 潜伏感染状態なので免疫能低下による再燃に要注意 ) 価陽性 :B 型急性肝炎低 価陽性 :B 型慢性肝炎急性増悪を す HBVの増殖 は強く 中のHBV 量は多い ( 感染性が強い ) 肝炎患者ではHBe 抗原が陰性化すると約 80% 般測定 と精密測定 あり キャリアの場合 CLIA 法で Cut off index 10 以上のことが多い CLIA 法で Cut off index 10 が両者の鑑別の 安となる HIV HBV 重複感染時の診療ガイドライン 2009 年版引 改変
現在使 されている HBV マーカー 2 名称 HB コア関連抗原 (HBcrAg ) HBV-DNA (HBV 核酸定量 ) プレコア コアプロモーター変異 HBV 遺伝 型 ラミブジン耐性 HBV 遺伝 マーカーが す意味と意義 肝細胞に存在するウイルス量を反映するとされる 肝細胞での HBV 増殖状態を反映する HBe 抗原セロコンバージョンの予測に有 急性肝炎の重症化の予測に有 HBe 抗原セロコンバージョンの予測に有 インターフェロン治療後の予測に有 急性肝炎の重症化の予測に有 ラミブジン耐性の診断 ラミブジン中 の可否の判断に有 現在リアルタイム PCR に全 移 本邦の慢性肝炎では B と C 急性肝炎では A,B,C が主体 HIV HBV 重複感染時の診療ガイドライン 2009 年版引 改変
B 型肝炎の病気の経過 B 型肝炎ウイルス感染後の経過 HBV 感染 主に成人 一過性感染 主に赤ちゃん 持続感染 (HBe 抗原陽性無症候性キャリア ) 70~80% 20~30% 10~15% 85~90% 不顕性肝炎 急性肝炎 慢性肝炎肝機能異常 無症候性キャリア HBe 抗体陽性 臨床的治癒 HBs 抗原陰性化 肝硬変 劇症肝炎 肝がん セロコンバージョン
セロコンバージョンとは HBe 抗原が陽性から陰性となり HBe 抗体が陰性から陽性となった状態をセロコンバージョンといいます セロコンバージョンの状態では 一般的にウイルスの活動が低下し炎症がしずまります セロコンバージョン後もウイルス量が増えつづけ 肝炎が悪化する場合もあるため 定期的な検査が必要です セロコンバージョン HBe 抗原 陽性 ( ウイルスが増えるときに作りだされるタンパク質 ) 陰性 HBe 抗体 陰性 (HBe 抗原に対する免疫物質 ) 陽性
HBV キャリアの 然経過 < 良い症例 > ( 活動性 ) 本消化器病学会肝機能研究班 : 肝疾患における肝炎ウイルスマーカーの選択基準 (4 版 ). 消誌,2006
HBV キャリアの 然経過 < 悪い症例 > 本消化器病学会肝機能研究班 : 肝疾患における肝炎ウイルスマーカーの選択基準 (4 版 ). 消誌,2006
B 型肝炎ウイルスキャリア ( 持続感染 ) における HBV マーカーの推移 感染 HBc 抗体 HBe 抗原 1 HBs 抗原 HBe 抗体 2 HBs 抗体 ALT HBV-DNA HBV 増殖病期 野 株 (Wild type) 無症候性キャリア HBe 抗原陽性 肝炎期 変異株 (Mutant type) 活動性キャリア期 HBe 抗原陰性 キャリア離脱期 無症候性キャリア期 (HBe 抗原陽性 ) 肝炎期 活動性キャリア期 (HBe 抗原陰性 ) HBVは活発に増殖するが 宿主側が 宿主の免疫反応が目覚め 肝炎が発 HBVの増殖がおさえられ (HBV- HBVを排除しよう 症 (ALT 値上昇 ) DNA 値低下 ) としていないので ウイルス量は減少 ALT 値正常 ALTは低値 キャリア離脱期 HBs 抗体が出現 ( ただし母子感染によるキャリアではきわめてまれ ) 藤岡 弘編 ;C 型 B 型肝炎の治療とケア Q&A( 照林社 )
B 型慢性肝炎の治療対象 HBV に感染していてもすべての方が治療をおこなうわけではありません 治療を進めるか しばらく経過をみるかは 主に次のような点から主治医が判断します 治療を進める方 ALT 値が高く HBV DNA 量が多い HBV DNA が陽性で 繊維化が進んでいる 繊維化が進んでいるか精密検査を進める方 ALT 値が時々高くなる 40 歳以上でHBV DNA 量が多い 血小板数が少ない 家族に肝がんになった方がいる治療せずに経過をみる方 無症候性キャリア (Hbe 抗原陽性で ALT 値は正常 HBV DNA 量が多い ) 非活動性キャリア (Hbe 抗原陰性で ALT 値は正常 HBV DNA 量が少ない ) なお 検査の値は変動しますので 定期的に調べる必要があります
B 型慢性肝炎の治療方法 経過観察が適さない場合 主に 2 種類の薬物療法をおこなう場合があります ウイルスの増殖抑制を目的とした 抗ウイルス薬による治療 抗ウイルス薬の種類 インターフェロン製剤 ( インターフェロン ペグインターフェロン ) 核酸アナログ製剤 肝臓の機能を守るための 肝庇護薬による治療 肝庇護薬の種類
5. 慢性肝炎 肝硬変への対応 5 1 抗ウイルス療法の基本方針 < 初回治療 > < 再治療 > 慢性肝炎 < 治療開始基準 > HBV-DNA4.0 Log copies/ml 以上 かつ ALT 31U/L 以上 (HBe 抗原は問わない ) 肝硬変 Peg-IFN 1 ETV or TDF 2 IFN 治療への反応性 3 (+) IFN 治療への反応性 3 (-) < 再燃時 > 1Peg-IFN(IFN) 2ETV or TDF ETV or TDF <ETV 中止後の再燃時 4 > 1ETV or TDF 2Peg-IFN(IFN) < 治療開始基準 > HBV-DNA 陽性 (ALT 値 ならびに HBe 抗原は問わない ) ETV or TDF 2 1 HBe 抗原セロコンバージョン率や HBV DNA 陰性化率が必ずしも高くはないこと 個々の症例における治療前の効果予測が困難であること 予想される副反応などを十分に説明すること 2 長期継続投与が必要なこと 耐性変異のリスクがあることを十分に説明すること 挙児希望がある場合には 妊娠中の投与のリスクについて説明すること 3 ALT 正常化 HBV DNA 量低下 (HBs 抗原量低下 ) さらに HBe 抗原陽性例では HBe 抗原陰性化を参考とし 治療終了後 24~48 週時点で判定する 4 ETV 中止後再燃時の再治療基準 :HBV DNA 5.8Log copies/ml 以上 または ALT 80U/L 以上 日本肝臓学会編 B 型肝炎治療ガイドライン [ 第 2 版 ] http://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_b
50 #複合評価の有効B 型慢性活動性肝炎におけるウイルス血症の改善国内第 Ⅱ/Ⅲ 相試験 HBe 抗原陽性例における検討 ( 非劣性試験 ) 複合評価の有効率 e+ (%) 40 30 率20 17.1 19.5 10 4.9 9.8 7.0 0 (2/41) (4/41) (7/41) (8/41) (3/43) ペガシス90μg ペガシス180μg ペガシス90μg ペガシス180μg HLBI 24 週投与 48 週投与 24 週投与 # 複合評価 : HBeセロコンバージョンかつHBV-DNA 陰性化 (5.0Logコピー/mL 未満 ) かつALT 正常化 (40U/L 以下 ) 中央登録法による多施設共同 無作為化 部分盲検 ( ペガシス90μgとペガシス180μg) 並行群間比較試験対象 :HBe 抗原陽性のB 型慢性活動性肝炎患者 207 例 ( ペガシス90μg 24 週群 :41 例 ペガシス180μg 24 週群 :41 例 ペガシス90μg 48 週群 :41 例 ペガシス180μg 48 週群 :41 例 HLBI 24 週群 :43 例 ) 投与方法 : ペガシスは週 1 回皮下投与し HLBIは週 3 回皮下または筋肉内に投与しました 非劣性 : ペガシス群とHLBI 群の有効率の差の両側 95% 信頼区間の下限値が非劣性マージンー 7% を下回らないことを非劣性と定義しました B 型慢性活動性肝炎におけるウイルス血症の改善において 承認された用法 用量は 1 回 90μgを週 1 回 皮下に投与する なお 年齢 HBV DNA 量等に応じて 1 回の投与量を180μgとすることができる です ペガシス皮下注 90μg 180μg 製品情報概要
累積発癌率4 ERADICATE B study HBe 抗原陰性例における HBs 抗原量と累積発癌率 : 低ウイルス量例 海外データ e- (%) 10 8 HBs 抗原量 (IU/mL) <1,000 1,000 Logrank p<0.001 HBV DNA 量 <2,000IU/mL(N=1,097) 6 2 0 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20( 年 ) 追跡期間 対象 方法 :HBs 抗原陽性かつ HCV 抗体陰性患者の自然経過における肝硬変 肝細胞癌の発現を検討した前向きコホート研究 ( 平均追跡期間 14.7 年 ) TSENG TC, et al: Gastroenterology 2012; 142: 1140 1149
ウイルスを排除する治療方法 ( 抗ウイルス療法 )2 核酸アナログ製剤核酸アナログ製剤は ウイルスの増殖を防ぐ飲み薬です 高い効果が期待できる反面 ウイルスを体内から完全に消すわけではないため 服用をやめると 肝炎が急激に進むことがあります そのため 長期にわたっての服用が基本となります
抗ウイルス療法の治療目標 治療の目標は 肝炎の活動性と線維化の進行を抑えることで 肝不全や肝がんを防止し 生活の質を下げることなく日常生活をおくることです 抗ウイルス療法の目標 長期目標 HBs 抗原の消失 短期目標 ALT 値の持続正常 (ALT30U/L 以下 ) HBe 抗原の陰性化 HBe 抗原陽性の場合 : セロコンバージョン HBe 抗原陰性の場合 : 持続陰性 HBV DNAの増殖抑制 核酸アナログ製剤持続治療中の場合 : 陰性化 インターフェロン治療終了または核酸アナログ製剤治療中止の場合 : 低値の持続 日本肝臓学会 B 型肝炎治療ガイドライン [ 第 2 版 ]: 肝臓. 54(6): 402-472(2013)
日常生活で気をつけること 食事 適切なエネルギー タンパク質 脂肪をバランスよく摂取し 塩分や鉄分は控えめにします
日常生活で気をつけること 家族やまわりの方へ感染させないために カミソリ ひげそり 歯ブラシの共用は控えてください 食器の共用や入浴では感染しません 乳幼児への飲食物の口うつしは控えてください B 型肝炎ウイルスは 性交渉で感染するおそれがあります パートナーが未感染の場合 B 型肝炎ワクチンの事前接種により 感染を防ぐことができます 出血のあるケガをした場合 できるだけ自分で手当てをしましょう 未感染の方が手当てをする場合は 血液などに触れないように心がけてください
日常生活で気をつけること 安静について B 型慢性活動性肝炎の方は安静にする必要はなく 運動制限もありません 特に体調が悪くなければ ウォーキングなどの有酸素運動をおこなってみましょう 気分転換にもなります 運動のめやす 有酸素運動を心がけましょう 有酸素運動とは 呼吸して酸素を十分に取り込みながらおこなう運動です ウォーキング プールでの歩行 水泳 サイクリング 縄跳びなど どの程度の運動をするのでしょうか? 少し汗をかき 心地よい疲れを感じられる程度で 翌日に疲れを残さないようにしましょう 1 回の運動は30 分程度が目安です 週末だけでなく できるだけ毎日おこないましょう 体調のすぐれない日は ストレッチ程度にしましょう
医療費助成制度 B 型慢性肝炎における インターフェロン治療 核酸アナログ製剤治療に伴う医療費が助成されます B 型慢性肝炎治療に対する助成対象 ウイルスの排除を目的とするインターフェロン治療の薬剤費 ペグインターフェロン単独療法 インターフェロン単独療法 核酸アナログ製剤治療の薬剤費 その治療における検査料や副作用に対する治療費 ( ただし 治療を中止した場合を除く ) 保険外の診療は対象となりません 助成回数は原則 1 回までですが 過去にインターフェロン単独療法で助成を受けたことがある方がペグインターフェロン単独療法を受ける場合は 2 回目の助成を受けることができます 厚生労働省ホームページ 肝炎総合対策の推進 より
助成額 階層区分 世帯あたり市町村民税 ( 所得割 ) 課税年額 自己負担額の上限 ( 月額 ) 甲 235,000 円以上 20,000 円 乙 235,000 円未満 10,000 円 住民票上の世帯の収入が原則ですが 患者さんと同一生計にない方 ( 税制上および医療保険上の扶養関係にないと認められた方 ) については 課税年額を合算せずに区分けされます 平成 26 年 10 月現在 厚生労働省ホームページ 新しい肝炎総合対策の推進
申請に必要な書類 手続き 1 2 3 4 5 肝炎治療受給者証交付申請書 ( 発行 : お住まいの都道府県 ) 医師の診断書 ( 発行 : 肝疾患の専門医療機関など ) 患者さんの氏名が書かれた被保険者証などの写し ( 発行 : 各保険者 ) 患者さんの属する世帯全員について記載のある住民票の写し ( 発行 : お住まいの市町村 ) 市町村民税課税年額を証明する書類 ( 発行 : お住まいの市町村 ) 厚生労働省ホームページ 新しい肝炎総合対策の推進
医療費助成受給までの流れ 4 受診 1 申請 保健所など 2 審査 都道府県 医療機関 ご本人 3 受給者証の交付 厚生労働省ホームページ 新しい肝炎総合対策の推進