4 議事要旨議題 各選挙制度の利害得失 各党の選挙公約 (1) 事務局から 以下の事項について説明が行われた 各党協議の経緯について衆議院の選挙制度に関する政党間の協議は 協議会の名称を変更しながら合計 29 回行われた 平成 23 年 3 月の最高裁判決の後 同年 10 月から 当時の民主党政権の

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3 選挙 (1) 選挙権獲得の歴史日本で最初に行なわれた衆議院議員選挙は ( 1890 ) 年であったが この時の選挙権は 直接国税を ( 15 ) 円以上納めている ( 25 ) 歳以上の男子に限られていた このように 財産によってその資格が制限される選挙を ( 制限選挙 ) という しかし (

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政治分野における女性の参画は国際的に見て低水準 我が国において 政治分野における女性の参画は徐々に進展しているものの 衆議院議員に占める女性の割合は 列国議会同盟 (IPU) の調査によると 187 か国中 122 位 ( 平成 23 年 10 月末現在 ) と低く 特に先進諸外国との格差は大きい

330号民意を反映する選挙制度実現 比例定数削減反対!運動情報(憲法しんぶん速報版)  doc

無党派層についての分析 芝井清久 神奈川大学人間科学部教務補助職員 統計数理研究所データ科学研究系特任研究員 注 ) 図表は 不明 無回答 を除外して作成した 設問によっては その他 の回答も除外した この分析では Q13 で と答えた有権者を無党派層と定義する Q13 と Q15-1, 2 のクロ

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シンガポールの政策

候補者特性別ネット媒体利用状況 1 候補者全体の 6 割が HP Facebook を利用する一方 YouTube の利用率は 2 割程度に留まる 2 小選挙区を地域別にみると 都市部は HP(68.) Facebook(63.2%) に加えて Twitter(60.2%) の利用率が高い 3 議員

1999 年の選挙制度 Собрание законодательства Российской Федерации, 26, 28 июня 1999 г., С т 小 比例代表並立制 は全国 1 区

はじめに () 本 稿 のねらい 政 権 選 択 選 挙 といわれた 第 45 回 衆 議 院 議 員 総 選 挙 が 行 われ 民 主 党 が 第 一 党 となった 政 権 交 代 が 現 実 のものとなった 背 景 として 小 選 挙 区 制 の 存 在 を 見 逃 すことはできない 本 稿 に

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第 23 回参議院選挙無効請求事件 貼用印紙額金円 第 1 請求の趣旨 1 参議院選挙の選挙制度および公職選挙法が憲法違反であり 参議院選挙の執行方法が公職選挙法に違反すると確認する 2 従って第 23 回参議院選挙の比例区および選挙区の結果を無効とする 3 訴訟費用は被告の負担とする との判決を求

諸外国の下院の選挙制度 主要法令 選挙法典(Code électoral)< &dateTexte= > 9

タイトル

東京大学教養学部前期課程 2007年夏学期

わたしたちの基本認識 ( 総選挙の前に再確認したいこと ) 1. 変革期における政治 世界も動き 日本も動いている まさに変革期と呼ぶにふさわしい しかしながら 日本の政治は そうした変化に十分に応えているとは言い難い そこに有権者の政治不信 政治離れの原因があり 小手先の対策ではなく 政治のあり方

民主党 2016 年度定期大会 開催要項 ( 案 ) 1 開催日 2 会場 3 大会構成 4 議案 2

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一票の格差をどう考えるか


政治経済研究所 4年法律政治学科03175財田裕斗 自由民主党における政治資金分配の決定要因

イ類似団体の状況 法定上限数 抜粋 30 人 ( 人口 8~ 10 万人 ) 34 人 ( 人口 10~ 14 万人 ) 定数が定数を減員の状況法定市数法定上限人2人3人4人5人6人7人8人9人上限数数より減員1と同じ (14.8%) 9 (23.1%) 10 人11 人以上 23

(2) 本件選挙は, 平成 28 年法律第 49 号 ( 以下 平成 28 年改正法 という ) 及び平成 29 年法律第 58 号 ( 以下 平成 29 年改正法 という ) により改定された本件区割規定による選挙区割りの下で施行されたものであるが, これに至る法改正等の概要は次のとおりである ア

Q4. 次の衆院選はいつ頃行うのが適切だと思いますか 次の衆院選の適切な実施時期については できるだけ早い時期に (63.8%) ( 前月調査比 4.1 ポイント増 ) が 6 割を超え 予算成立前後に (12.5%) ( 前月調査比 1.2 ポイント減 ) 次の衆院議員の任期をむかえる頃に (7.

2 自由で民主的な政治体制を標榜していながら 日常的な政治運営では自由も民主主義も十分に機能していません 主要なマスメディアは官邸にコントロールされ 原発再稼働反対や沖縄での新基地建設反対の世論は無視され続けてきました 政治とカネ の問題も相変わらずです 政治の右傾化もはなはだしく 出版物では反中

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議員は国民の代表ですから より多くの議員に賛成してもらえる案は より多くの国民に賛成してもらえる 民意がよく反映された案である可能性が高くなります この 民意がよく反映されるという点が 二院制に期待される根源的な価値となります また これを達成するために衆参両院には以下のような制度的差異が設けられ

第 2 問問題のねらい青年期と自己の形成の課題について, アイデンティティや防衛機制に関する概念や理論等を活用して, 進路決定や日常生活の葛藤について考察する力を問うとともに, 日本及び世界の宗教や文化をとらえる上で大切な知識や考え方についての理解を問う ( 夏休みの課題として複数のテーマについて調

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選挙権と民主主義 18 歳になったら みんなが選挙で投票できるの? 満 18 歳以上の日本国民は すべて平等に選挙権 ( 選挙で投票できる権利 ) を得ます 選挙で実際に投票するためには 選挙人名簿という名簿に登録されている必要があります よりよ選挙予政い算策社税金公共決決会事業 定定 選挙人名簿

堀田 1. はじめに 2016 年 7 月に参議院議員通常選挙が行われた 国政選挙ではこの選挙から選挙権年齢が18 歳に引き下げられて有権者が約 240 万人増えた この選挙ではもうひとつ大きな変化があった それは, 合区 ( ごうく ) と呼ばれる参院選での選挙区の変更であった 議員定数不均衡 (

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して 現行どおり禁止 とされた 2008 年 10 月 30 日 国連の自由権規約委員会は その最終見解の中で 戸別訪問の禁止 選挙運動期間前に配布可能な文書図画への制限などの表現の自由及び参政権に対して課された非合理的な制約につき懸念 を表明し 規約第 19 条及び第 25 条の下で保護されている

父 太郎 全く同じにするのは無理でも, いずれの選挙区の人口も, 最少の選挙区の人口の 2 倍以上にはならな いよう区割りを工夫すべきだと考える人は多いね 選挙は,(D) 主権者である国民が国政について直接意思 を表明できる貴重な機会だし, そのなかでも最も重要な機会だ できるだけ投票価値の平等を実

第107回シンポジウム「本格政権が機能するための政治のあり方」

Japan Academy of Personal Finance パーソナルファイナンス研究 No.2 総量規制の導入経緯と問題点 伊藤 幸郎 東京情報大学大学院 堂下 浩 東京情報大学 要旨 貸金業法は 2006 年 12 月に国会へ上程され 2010 年 6 月に完全施行へと至った 新たに導入

(1) 立札 看板の類 ( のぼりを含む ) ア掲示場所政治活動を行う事務所 ( 公職の候補者及び後援団体の事務所 連絡所 ) イ枚 数 選挙の種類により一定の枚数以内で1 事務所 2 枚が限度 ( 発行枚数は オの表参照 ) ウ看板の規格 縦 150 cm 横 40 cm以内 ( 足 の部分を含み

桜中央区見沼区区浦和区大宮区南区北緑区区岩槻区区はじめに 皆さんもやがて大人になります 大人になると選挙権が与えられ 投票することで政治に参加することになります しかし せっかく選挙権を得たのに投票しない若者が多くなっています そもそも私たちの生活は 例えば水道 ごみ収集 教育 税金 年金などいろい

2 選挙権と被選挙権 選挙権選挙権は 国民が国会議員や地方公共団体の議会の議員 20 歳の自覚を持って投票参加! および長を選ぶ権利であり 次の要件があります () 国会議員の選挙権 ( ア ) 日本国民であること ( イ ) 年齢満 20 歳以上の者であること (2) 地方公共団体の議会の議員およ

スライド 1

7 民法改正 : (13) 選択的夫婦別姓の実現 (14) 婚姻最低年齢 再婚禁止 (15) 婚外子相続分差別規定廃止 是正 8 性暴力 : (16) 性暴力禁止法 (17)DV 防止法 9 日本軍 慰安婦 : (18) 河野 村山談話 (19) 国家の謝罪と補償 10 性的健康 : (20) 刑法

3 2 選挙の結果 改憲勢力が3分の2の発議可能議席を獲得したから 改憲の 危険水域 に入ったことは明らかだ 参院選では 9年目のジンクス と言われる現象があった 1989年から9年ごとに 参院選で自民党が大敗して首相が辞任するということが繰り返されてきたからだ しかし この 9年目のジンクス は今

はじめに 1. 成すべき改革をしなかった 90 年代 90 年代の政治改革のきっかけとなったのは 政治とカネ を巡る政治腐敗と政策論争によらない選挙のために民意が反映しないことであった このため政治資金の規制強化や民意を政治に反映させる制度改革をすべきであったが 当時の政界の権力闘争を背景に議論が選

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第 48 回衆議院議員総選挙 最高裁判所裁判官国民審査結果調 目 次 第 1 衆議院議員総選挙 1 立候補状況 (1) 届出政党等別男女別新前元別候補者数 ( 小選挙区 比例代表 ) 1 (2) 都道府県別届出政党等別新前元別候補者数 ( 小選挙区 ) 4 (3) 都道府県別年齢段階別候補者数 (

新しい日本をつくる国民会議 (21 世紀臨調 ) 小泉内閣改造後の政党政治のあり方に関する提言 第 1. 内閣改造の評価と今後の課題 ( 小泉首相は党改革の断行を ) 1. 今般の内閣改造において小泉首相は 1 第 2 次小泉改造内閣基本方針 を策定し これに忠誠を誓う人材を起用する方針を明らかにし

目次目次第Ⅱ部政党組織第4章ヒーローなんていらない 政党組織78 組織としての政党78 /個人ではダメな理由80 / 松下政経塾 や 維新政治塾 政治塾は組織か82 /政党=ブランド価値を共有する組織84 /政党ラベルの価値を上げるには86 /コラム: 経験不足の新人 は問題か?88 /第4章のまと

Introduction

第 4 7 回衆議院議員総選挙 最高裁判所裁判官国民審査結果調 目 次 第 1 衆議院議員総選挙 1 立候補状況 ( 1 ) 届出政党等別男女別新前元別候補者数 ( 小選挙区 比例代表 ) 1 ( 2 ) 都道府県別届出政党等別新前元別候補者数 ( 小選挙区 ) 4 ( 3 ) 都道府県別年齢段階別

第 45 回衆議院議員総選挙 最高裁判所裁判官国民審査結果調 目 次 第 1 衆議院議員総選挙 1 立候補状況 (1) 届出政党等別男女別新前元別候補者数 ( 小選挙区 比例代表 ) 1 (2) 都道府県別届出政党等別新前元別候補者数 ( 小選挙区 ) 4 (3) 都道府県別年齢段階別候補者数 (

第 46 回衆議院議員総選挙 最高裁判所裁判官国民審査結果調 目 次 第 1 衆議院議員総選挙 1 立候補状況 (1) 届出政党等別男女別新前元別候補者数 ( 小選挙区 比例代表 ) 1 (2) 都道府県別届出政党等別新前元別候補者数 ( 小選挙区 ) 4 (3) 都道府県別年齢段階別候補者数 (


社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

でいたことから, 文字通りの V 字回復となった その直後の 6 月 17 日, 菅総理大臣は参議院選挙の公約会見で 今年度内に, 消費税のあるべき税率や改革案のとりまとめを目指し, あわせて, 超党派の合意を得る努力を行っていきたい 当面の税率については, 自民党の 10% という案を 1 つの大

平成 2 4 年 ( 年 ) 1 0 月 1 7 日 選挙管理委員会決 定 期日前投票所の設置についての考え方 1 はじめに中野区選挙管理委員会では 区役所本庁舎の不在者投票所以外に 本庁舎までの交通不便地域の選挙人の利便を図るため 平成 5 年に執行された東京都議会議員選挙において

2 候補者等 (1) 小選挙区 ( 第 4 区 ) はやし林 候補者氏名住所年齢 まさひと ふじいひさゆき なが永 い井 ひさや 神戸市西区玉津町西河原 205 番地の 4 神戸市西区美賀多台 1 丁 目 3 番地 4903 号 神戸市東灘区御影 1 丁目 22 番 号 候補者届出 政党

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平成 26 年 11 月 11 日 在ボスニア ヘルツェゴビナ日本国大使館 2014 年ボスニア ヘルツェゴビナ国政選挙結果 11 月 10 日 ボスニア ヘルツェゴビナ (BH) 中央選挙管理委員会が 2014 年 10 月 12 日に行われたBH 国政選挙の最終結果を確定しました この選挙結果は

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

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2 農業委員会の運営 2 農業委員会は 市町村長が議会の同意を得て任命した 農業委員 で組織され 農業委員は 合議体としての意思決定 ( 農地の権利移動の許可 不許可の決定など ) を担当 農業委員会は 農地利用最適化推進委員 ( 以下 推進委員 という ) を委嘱し 推進委員は 担当区域における農

細川内閣期における政治改革の研究 吉田健一 はじめに 本稿の目的 年総選挙前の動き 連立協議の開始 2. 並立制 推進での野党 7 党合意と細川連立政権の誕生 3. 政党制をめぐる考え方の相違 二大政党制か多党制か 4. 社会党内の路線闘争 並立制への是非をめぐって 5. 連立与党と自

職選挙法等の改正により一部改められたものの,1 人別枠方式は維持されたまま, 衆議院が解散され, 選挙区割りの未了を理由に, 従前の選挙区割りに基づいて本件選挙を施行するものとされたことにより, 投票価値の平等が害されたまま投票を行わざるを得ないという重大な損害を被ることとなったのであり, 憲法違反

4.3% 増加した 逆に政党支持を挙げたのは 29.8% と 14.7% も減少した この動きを 2012 年選挙において偶然生じたものと捉えることも もちろんできよう しかし 本論文の主張はそうではない そもそも並立制は 政党本位 政策本位の選挙を導くような選挙制度ではない また 並立制の下で有権

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地域主権改革をめぐる動向 (2012 年 1 月 ~6 月 ; 野田改造内閣 ) 1 13 野田佳彦改造内閣が発足 1 13 森全国市長会長 長岡市長 内閣改造に対するコメント 1 17 第 30 次地方制度調査会第 3 回総会 今後の審議事項について 1 19 民主党大都市制度 WT 会合 大阪都

U U 地方議会議員の選挙における選挙運動用ビラの頒布解禁 ビラ頒布の解禁及びその上限枚数 Uについて U 公営 U について (1) 都道府県議会 (2) 指定都市議会 (3) 指定都市以外の市議会 右の枚数を上限として 頒布を解禁することとする U16,000 枚 (= 通常葉書の 2 倍 )

2. 政党支持率政党支持率は 自民党が前回に比して 増加 が 2 社から 5 社に増え 減少 が 7 社から 3 社に減少した 立憲民主党は 前回に比して 増加 が 6 社 減少 が 2 社 変わらず 1 社となっており 前回と同じ結果になっている 他の政党は大きな変化がない 表 1 参照 3. 憲

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問 6 候補者氏名選挙区分所属政党あなたは 地方分権を進めるためにカギとなる課題は何だと考えていますか < その他具体的に > その他道州制導入の推進道州制導入の推進基礎自治体の強化 1,5,8 等は一体的に行うことが必要であり 一つを優先して他を置き去りにする話ではない 無回答 国の行政コストを削

諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

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資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

ここでは, まず第 1 部で, 上記の世論調査 結果などに基づいて, 政権交代の背後にあっ た有権者の意識について分析を行う 第 2 部で は, 投票 1 週間後に行った定例の政治意識調 査の結果から, 有権者が今回の民主党の圧勝 をどう受け止めたかについて報告することにし たい なお, 第 1 部

視覚障害者がホームページを音声で読んで利用する場合に メニューのリンク先が分からない箇所があるなど 政党ホームページの利用に大きな支障がある問題を具体的に確認しています また 5 サイトについては全てのページに問題があることが確認されました ( 表 1 参照 ) 表 1: 団体別の達成等級 A に問

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内閣解散前で内閣支持率が低かった状態から考えると 良くなった と感じている人が 全体の 27% もいることは多いように思われる Q3 の理由をみてみると 一番割合が高かった これまでの政策の見直しや中止 は どちらかといえばプラスの要素に 二番目に割合の高い 首相のリーダーシップ は逆にマイナスの要

図表 2-4 国会 ( 下院 ) における女性議員比率の推移 選挙年 月女性比率 (%) 女性議員数 ( 人 ) 議員総数 ( 人 ) 1971 年 4 月 年 11 月 年 5 月 年 9 月 12.

2 候補者等 (1) 小選挙区 ( 第 4 区 ) まつ松 ふじ藤 し清 もと本 い井 みず水 たかはし 候補者氏名住所年齢 かつ勝 お雄 ひさゆき たかゆき しょういち昭一 神戸市西区神出町五百蔵 142 番地の 252 神戸市西区竹の台 6 丁目 6 番地 号 東京都港区三田 1 丁

いを打ち出したい新党や 時として国政や中央官庁との対決姿勢を見せる地域政党等が 顕著に主張するようになった感がある それでは地方自治や地方分権は 日本で政治課題や選挙争点として一般化したか つまり 政治争点化 したのだろうか 本稿ではこの点に関心を絞り 選挙における有権者の意識や政党の公約に 地方自

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規約改正案の新旧対照表 組織・見直しチーム担当分

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目 次 衆議院小選挙区選出議員選挙投票速報集計表 1 候補者別得票数 4 投票の内訳 8 最高裁判所裁判官国民審査投票速報集計表 14 開票速報集計表 15 投票の内訳 18 衆議院比例代表選出議員選挙投票速報集計表 9 政党別得票数 12 投票の内訳 13

NEWS 2020 速報 の一部を改正する法律案 REPORT 総会の様子 2025 GDP 3 02 vol

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内部統制ガイドラインについて 資料

Ⅰ. 各党 政権公約 に求められる要件 1. 政権公約 の内容 : 国家ビジョン 基本理念 と 政策 の明示 1 国の将来ビジョン 基本理念( どのような国づくりをするのか ) とそれに基づく 政策 を具体的に明示する なお 国のあり方 に関る基本政策 ( 憲法 教育 安全保障など ) についてはス

両院制運用への展望北法 63(3 113)773 大石報告に対するコメントいわゆる ねじれ国会 の状況における両議院の権能浅野善治大東文化大学の浅野です 岡田先生から 大石先生のご報告に対してコメントをというご指示をいただきました 大石先生のご報告にコメントするなどできるはずもございませんので 私な

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序章:2015年総選挙の意義

今回の調査は, 再び政権交代を選択した有権者の政治意識などを捉えることを目的に, 選挙のおよそ 2 か月後に実施した 調査時期は, 安倍政権の経済政策, いわゆる アベノミクス の影響で円安 株高の傾向がみられ, 景気回復への期待感が高まり始めたころだった 調査の概要は以下のとおりである 調査時期

Transcription:

衆議院選挙制度に関する調査会 ( 第 6 回 ) 議事概要 1 日時 : 平成 27 年 3 月 3 日 ( 火 ) 16:00 ~ 2 場所 : 衆議院議長公邸 3 出席者 : 座長佐々木毅 明るい選挙推進協会会長 元東京大学総長 荒木毅富良野商工会議所会頭 岩崎美紀子 筑波大学教授 大石眞京都大学教授 大竹邦実加藤淳子萱野稔人櫻井敬子佐藤祐文曽根泰教並木泰宗平井伸治堀籠幸男山田孝男 地域社会ライフプラン協会理事長 元衆議院調査室長東京大学教授津田塾大学教授学習院大学教授横浜市会議長慶應義塾大学教授日本労働組合総連合会政治局局長鳥取県知事慶應義塾大学特別招聘教授 元最高裁判事毎日新聞社特別編集委員 林幹雄衆議院議院運営委員会委員長 1

4 議事要旨議題 各選挙制度の利害得失 各党の選挙公約 (1) 事務局から 以下の事項について説明が行われた 各党協議の経緯について衆議院の選挙制度に関する政党間の協議は 協議会の名称を変更しながら合計 29 回行われた 平成 23 年 3 月の最高裁判決の後 同年 10 月から 当時の民主党政権のもと 各党の協議会は 衆議院選挙制度に関する各党協議会 として開始された この各党協議会では まず 民主と自民は 1 人別枠方式の廃止と較差是正を先行させ 比例区の問題や定数削減などの抜本改革はその後に協議しようと主張していたが 比例区を維持ないしは拡充したい中小の政党は 定数削減は比例区を中心に行われることになるのではないかと反発した 同年 11 月 第 5 回以降 各党からヒアリングを行い 公明は連用制 社民は併用制 民主と自民は 1 人別枠廃止の優先を提案したが 小政党の優遇をめぐる議論が延々と続いた 平成 24 年 1 月 第 9 回で民主は 0 増 5 減と比例 80 削減を提案し 同年 4 月 25 日 第 16 回において民主の樽床座長の私案 ( 比例ブロック廃止 比例の定数 75 削減 小選挙区と合わせて 80 削減 連用制の一部を導入 ) が提案されたが 結論は得られなかった 同年 12 月の総選挙を経て 自民党政権となった後は 選挙制度に関する与野党実務者協議 と名称を変えて各党間協議が続けられた 解散直前に 0 増 5 減 1 人別枠廃止の法律が成立していたため 協議は 定数の削減幅 比例と小選挙区をめぐる削減方法 中小政党への配慮の在り方について議論されたが 各党の意見は一致せず 最終的に第三者機関を設置する方向となり 合計 29 回の議論の結果 平成 26 年 5 月 15 日 伊吹議長 2

( 当時 ) への申入れを経て 衆議院選挙制度に関する調査会 が設置された この間 平成 25 年 6 月 25 日 選挙制度に関する与野党実務者協議 に出席する全ての党で 現行並立制の功罪を広く評価 検証し 定数削減 一票の価値 民意集約機能の緩和の問題を含め 抜本的な見直しは参議院選挙後に協議するとの確認事項が文書化された 同年 11 月 自民 公明 民主の 3 党間で定数削減を含め さらなる改革が必要であり 中長期的な課題である選挙制度のあるべき姿の検討とは切り離して 小選挙区比例代表並立制の当面の維持 定数削減と小選挙区の民意集約機能が行き過ぎたものにならないよう配慮することが確認された 平成 26 年 2 月 民主 維新 みんな 結い 生活の野党 5 党により 小選挙区比例代表並立制の当面の維持 選挙区割りに当たって 名実ともに 1 人別枠の廃止 小選挙区と比例代表の定数削減 現行制度創設時の小選挙区と比例代表の定数の比率に配慮するということを確認した 以上の説明があった 各選挙制度 各党の主張について選挙制度の比較について 1 多数代表制は 選挙区内で多数票を獲得した候補者が当該選挙区の議席を全て獲得する制度で 大政党に有利な傾向があり 安定政権を形成しやすい反面 死票が多くなりやすく少数意見が議席に反映されにくいこと 多数代表制には 単純小選挙区制 小選挙区 2 回投票制 選択投票制 完全連記制 があること 2 比例代表制は 各党の得票数に比例する形で議席を配分するものであり 理論的には比較的国民の意見分布に対応する形で議席配分が行われ 得票率が一定割合に達しない限り当選人を出せないとする阻止条項を設 3

けるか否か あるいは選挙区をどのように設定するかということにも左右されるが 比較的少数政党が議席を獲得する可能性が高い制度であること また 死票が少なくなる反面 単独政党が過半数をとる可能性が低くなり 連立政権が常態化するなど 政権基盤が不安定化する可能性があること 比例代表制には 名簿式比例代表制 単記移譲式比例代表制 があり 名簿式比例代表制 には 拘束名簿式 非拘束名簿式 自由名簿式 があること 3 混合制は 多数代表制と比例代表制を組み合わせた制度であり 両制度の長所でそれぞれの短所を補完することを目的とし そのうちの 併用制 は 各政党への議席配分は比例代表制部分に係る投票結果によって行い 多数代表制部分の投票結果は 党内の誰が当選者となるかの決定に用いる方式であり 各政党に対する議席配分は実質的に比例代表制をとったのとほぼ同様の結果となること 並立制 は 我が国の現在の衆参両議院の選挙で採用されており 多数代表制部分と比例代表制部分の選挙を相互に独立の選挙として行うものであり 概して 得票率と議席率の比例性は 比例代表制や混合制のうちの 併用制 に比べれば低くなること 連用制 は 比例代表制の選挙の当選人は小選挙区選挙の当選人を差し引く形で定めるものであり それにより比例代表選挙だけを行った結果に近づくものであること 4その他の制度については 単記非移譲式投票制 は かつての我が国の中選挙区制が一例であり 2 議席以上の定数を持つ各選挙区で 選挙人は 1 人の候補者に投票し 得票順に定数までの候補者が当選人になる仕組であり 比較的得票に比例的な議席配分となるということ 制限連記制 は 3 議席以上の定数を持つ各選挙区で 選挙人は 2 人以上定数未満の候補者に投票し 得票順に定数までの候補者が当選 4

人になる仕組であること 等の説明があった 主要国における上 下両院の選挙制度と両院の関係について 説明があった 各党の主張について 衆議院の第 46 回及び第 47 回総選挙と参議院の第 23 回通常選挙において各政党が選挙制度 定数削減に関して行った公約等の説明があった 第 47 回総選挙における公約等では 与党である自民 公明は 過去の与党案への言及を行いつつも本調査会の答申を尊重するとしたこと 野党については 民主は 身を切る改革 一票の較差是正 定数削減の実現を 維新は 議員歳費の3 割カットと併せ 議員定数の 3 割削減を 次世代は 定数削減を 共産 社民は 定数削減に反対しつつ 比例代表選挙中心の制度への変更を それぞれ掲げていること 生活の公約には特段の言及はないこと 新党改革は 中選挙区制への変更を掲げていること 等についての説明があった また 各党案の状況について 平成 26 年 11 月 21 日の解散前に提案された案と総選挙後に維新の党から提出された法律案の概要について説明があった このうち 与党案は 小選挙区比例代表並立制の枠組を基本的に維持した上で 比例定数を 30 削減し その際に 1 現行 11 ブロックの 8 ブロックへの再編 2 比例定数の第 1 配分枠 90 第 2 配分枠 60 への分割 3 第 1 配分枠の従来通りの全政党へのドント方式による配分 4 第 2 配分枠の比例 1 位の政党を除外した比例 2 位以下の政党へのドント方式による配分 とするものであること 野党 5 党案 ( 民主 維新 みんな 結い 生活 ) は2 案併記であり いずれも小選挙区の定数削減を行うものであるが A 案は 定数を 25 削減した上で各都道府県への配分は最大剰余法によって行い 結果として 5 増 30 減 最大較差は 1.877 5

倍となるものであり B 案は 各都道府県に人口 50 万人当たり定数 1 を配分し 50 万人以下は定数 1とし 結果として 3 増 18 減で総定数 15 減 最大較差は 1.692 倍となるものであること 共産党案 社民党案は いずれも定数削減に反対であり 共産は 全国 11 ブロックによる比例代表制への変更をすること 社民は 比例代表中心の選挙制度への抜本改革をすること を内容としていること 平成 26 年の解散 総選挙後 同年 12 月に提出された維新の法案は 総定数を 475 から 336 に約 3 割削減するものであり この削減の内訳は小選挙区が 55 比例代表が 84 となっていること の説明があった 現行制度の運用実態については まず 現行の小選挙区比例代表並立制の制度の趣旨等について この制度の成立の過程で提案された案の提案者等の見解に依拠した説明があった 次いで 衆参両議院における各政党の得票率と議席率の乖離の状況 各国下院議会選挙における得票率と議席の乖離の状況について ルーズモア ハンビー指標とギャラハー指標を用いて比較する形で説明があった さらに 投票の有効性について 当選者又は比例代表政党の得票数が有効投票総数に占める割合 死票の割合 重複立候補で比例復活したものに係る得票についての説明があった 衆議院議員に関する基礎的なデータについては 議員 1 人当たりの人口の推移 衆議院議員の定数改定の経緯 主要国の国会議員 1 人当たりの人口についての外 衆議院議員の委員会等への所属状況について 衆議院議員は 平均で 2.33 の委員会を兼務しており 与党は行政府の職 6

に就いている議員の代わりに兼務が必要となる場合があることにより 兼務の率はこれを上回ること 委員会数や委員会の定数を維持しながら定数を減らした場合には この率が高まること 等についての説明があった (2) 各委員からの主な発言 各政党ではなく 国民が何を求めているのかという視点で議論をすべきである 現行制度は民意の集約としての小選挙区制と民意の反映としての比例代表制を組み合わせたものであり 6 対 4で民意の集約機能が大きいが そこをどのように調整していくかという観点で比例代表部分を検討するのがソフトランディングの方法としてあり得る 問題が十分に理解されているとはいえないので 問題を解決できるような形で情報を提供して共有することによって 問題解決への進展があるのではないか 平成 8 年に小選挙区比例代表並立制の選挙が行われて以来 7 回の選挙が行われたところであり 有権者からすれば 今の制度に慣れたところでまた制度が変わるのかとの懸念もあるだろう 今の状況の中でどのようにするのが一番いいのかという観点から検討するのがよいのではないか 各党の案は選挙制度について 完全比例代表制から並立制をベースにした考え方まで幅がある それらを大切に検証する必要がある 小選挙区も比例代表も政党中心の選挙であるが 政党は重複立候補者 7

を同順位に並べて ( 順位付けをせずに ) 惜敗率を用いている 比例代表の根本は各政党が名簿をつくることであるのに なぜ名簿をつくれないのかという問題がある また 民意の集約が過度に進むことを懸念しながら比例定数を削減しようという理由が理解できない 身を切る改革 や 政治への信頼の回復 の手段は定数削減だけなのか 定数削減は選挙制度の設計や議会運営にも大きな影響を及ぼすと思われるにもかかわらず 身を切る改革の手段として定数削減だけがいわれるのはなぜか 政党と政策が中心というならば 各政党が ( 単独 ) 政権を目指すのか 連立を組むつもりなのか 政権を目指すならば 国民に信を問うだけのものをどれだけ準備するのかということが問題となる それらを踏まえて 定数削減や比例がいいのか小選挙区がいいのかということを論ずべきである 議席は有権者にとっては選ぶ権利であるという観点からすれば 議席を簡単に減らすことが許されるかという観点も重要である (3) 次回以降の日程等 1 次回以降の日程平成 27 年 3 月 25 日 ( 水 ) 14 時平成 27 年 4 月 8 日 ( 水 ) 13 時 2 次回及び次々回のテーマ 各党からの意見聴取 8