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こうえいフォーラム第 25 号 / 7. 3 漂流物および建物による津波被害評価方法の提案 INVESTIGATION OF DAMAGE ESTIMATION BY TSUNAMI DRIFTS AND COLLAPSED BUILDINGS 櫻庭雅明 * 野島和也 * 小園裕司 * Masaaki SAKURABA, Kazuya NOJIMA and Yuji KOZONO Daage forecasting fro tsunais involves a large nuber of unknown factors. In this research, a daage forecasting ethod which considered the indeterinacy of each tsunai drift and effects on buildings was developed. Typical indeterinacy of tsunai drifts, the drift starting depth, the drag coefficient and the added ass coefficient were considered, for allocated buildings. The results of nuerical odel tests carried out show a significant relationship between drifts characteristic indeterinacy and effects on buildings collapsed by the tsunai. Keywords : tsunai daage estiation, tsunai drifts, building collapsed. はじめに 年東北地方太平洋沖地震の津波 ( 以下 東北津波 ) における被害は 浸水のみでなく 家屋の倒壊による災害がれきの発生や自動車 コンテナ 船舶などが漂流 集積した これらの災害がれきや漂流物は 陸上にとどまれば災害救助の阻害となり 海に漂流 水没すれば船舶の航路に大きな阻害となりうる また これらは 津波来襲時においては 建物等への衝突により倒壊被害を増長させるものと考えられる 津波の来襲状況 浸水深および範囲を予測することに加えて想定される漂流物や災害がれきの発生 移動範囲および規模を予測することは被害軽減策を検討する上で重要であると考えられる これらを予測する方法は 津波シミュレーションにより得られた水位 浸水深および流速を入力諸量とした漂流物の挙動を予測するための数値シミュレーションが基本となる 数値シミュレーション手法は これまで様々な方法が提案されている )~ 3) この中で著者ら 2) はこれまで 津波の浸水想定を検討する範囲でも漂流物がどのように移動するかを容易に推定できる方法を開発してきた この方法は複数の漂流物に対して個別に移動特性を与えて広範囲で算定する方法として有効であるが 実際の挙動を大まかに代表化したものにすぎず 結果は定性的なものにとどまる また 建物などに衝突 建物の倒壊 流出および残存の影響を考慮せず 結果の考察にはある程度の幅をもった評価が必要になる 漂流物の移動を表現するためには 漂流物の種別に応じた形状を示すパラメータ ( 例えば 抗力係数 付加質量係数 ) と移動を判別する閾値 ( 例えば 漂流開始条件 ) の平均的な値とその変動を考慮することが必要になる 本報告では 漂流物および倒壊家屋による津波被害の算定方法の検討の一環として 漂流物の特性を示すパラメータや漂流開始水深などの閾値の変動に着目し 不確定性を考慮した数値シミュレーションにより変動特性を考察した また 実地形における津波に対して 建物の存在 倒壊を考慮した数値シミュレーションを行い 漂流物の移動に関する影響評価と家屋倒壊に伴う津波漂流物被害分布に関する考察を行った 2. 漂流物被害および建物倒壊被害の検討背景 () 漂流物被害の概要東北津波では様々な箇所 種類による漂流物被害が発生した 例えば 写真 - に示すように 岩手県釜石市では 多数の車両による漂流物が発生し 家屋倒壊の被害に関連した また 宮城県気仙沼市街では 車両から何らかの要因で引火して火災被害も発生した これらの漂流物を厳密に移動形態まで含めて予測することは困難であるが 漂流物の代表的な形状や諸元を用いて定性的に予測する方法は これまで著者 * 技術本部中央研究所総合技術開発部 写真 - 漂流物被害の状況例 ( 岩手県釜石市 : 著者撮影 ) 5

漂流物および建物による津波被害評価方法の提案 らが開発して実用化するようになっている 本報告では代表的な漂流物諸元の不確定性を考慮した検討を行った なお 考えられる漂流物は表 - のようなものが挙げられる 数値シミュレーションでは これらの形状や重さ 漂流開始の水深を代表的に定めることが多いが 本来はそれぞれにばらつきがある (2) 建物倒壊被害の概要前述のとおり 東北津波では様々な漂流物が建物に衝突して被災する事例が多く生じた 一方建物の倒壊は漂流物ではなく津波の流れにより倒壊したものもある 既往の調査を踏まえても 建物倒壊の原因が漂流物によるものか 津波流速により生じるものかは明確に定めることはできない しかしながら 建物倒壊が原因で漂流物の移動形態が変化することは十分考えられる 本報告では 建物の倒壊を比較的簡易な方法を用いて漂流物の移動形態の影響を考察した 3. 不確定性を考慮した漂流物シミュレーション () 計算方法 漂流物の各種パラメータや閾値の変動を考慮した数値シミュレーションの説明を示す 漂流物の移動条件に必要となる津波諸量は 平面 2 次元の浅水流モデルを基礎方程式とした数値シミュレーションの結果を用いた 4) 漂流物シミュレーションは 木材流出過程をモデル化した手法 ) を用いた 漂流物の移動予測に関する運動方程式を以下に示す dut du du dut tv V C M V dt dt dt dt () CD A u t u ut u 2 ここに u t : 漂流物の流速 u : 水の流速 : 漂流物の密度 t : 水の密度 V A : 漂流物の体積 : 漂流物の面積 C M : 漂流物の付加質量係数 C D : 漂流物の抗力係数 この方法は 津波シミュレーションで得られた流速を用いて 移動軌跡のみを計算する方法であるため 漂流物の衝突や流 体の相互干渉は考慮されないが 広い対象範囲に対して多数の種類の漂流物を容易に扱うことが可能である 著者らはこの方法に対して 各種のパラメータ ( 質量 代表寸法 付加質量 流水抵抗 ) および漂流開始条件を実際に考えられる個別の漂流物に対して設定している なお 従来の漂流物シミュレーションは時間ステップごとの漂流物の移動先を求める際に () 式に拡散項を付加して変動成分を与えている 本研究では 拡散項を付加した変動成分とは別に漂流物の初期形状 質量および漂流開始に関する閾値に対する不確定性を考慮している (2) 漂流物の漂流開始条件 漂流物の漂流開始条件 ( 水深 ) は著者ら 2) によると 次式 のように仮定している W d h h BL ここに W : 水の密度 d : 漂流開始水深 h : 地表から漂流物までの最低高さ V W : 浮上時の水面下の体積 W : 総重量 B L 表 - 漂流物および被害の一例 項目漂流物 ( 例 ) 想定される被害状況 ( 例 ) 車両飛行機 船舶 木材タイヤ等 物流資材 危険物 トラック普通乗用車等飛行機等 大型船舶 漁船中型 小型船舶放置船舶 貯木タイヤドラム缶 コンテナ倉庫プレハブ 貯蔵タンク石油ガス W : 平面上の幅 : 平面上の長さ 海域 ) 港内水域に流出 荷役被害 物流被害陸域 ) 人 施設に衝突 破損海域 ) 係留索の切断にともなう船舶の流出 他船との接触 破損 沈没陸域 ) 岸壁への乗り上げ 陸上施設への衝突海域 ) 海域への多量の流出 拡散陸域 ) 陸上施設への衝突 瓦礫となり陸上施設に衝突瓦礫が海域 陸上に広がり回収が困難になる海域 ) 船舶の座礁 転覆等により積荷および関連機材が流出陸域 ) 岸壁に置かれている資材が流出 瓦礫となり陸上施設に衝突海域 ) 座礁した船舶からの燃料の流出陸域 ) 電力会社 ガス会社等の施設からの危険物の流出 石油の流出 何らかの引火による火災被害 VW BL (2) 実際の漂流物は 水面下の体積や最低地上高が均一には ならず 個々にばらつきがあるものと考えられる 数値シミュレ ーションでは これを代表値として扱うことが多いが 本研究ではこの条件に変動があるものとした 具体的には 漂流開始水深の平均値と分散を設定して モンテカルロ シミュレーションを行っている 対象とする漂流物は国際基準の feet のコンテナを対象として その漂流開始条件を設定した コンテナの漂流開始水深は 著者らの研究 2) から 2 とした また 投影面積および体積をそれぞれ 5.0 2 および 2.0 3 とした なお コンテナの諸元 ( 幅 長さ 重量 ) は 宇野ら 5) の実験で用いられたコンテナ ( 半載状態 ) を仮定した なお 本研究では漂流開始水深について変動を考慮し 投影面積およ 6

こうえいフォーラム第 25 号 / 7. 3 び体積は一定とした (3) 漂流物の特性を示すパラメータの条件 本研究で用いる漂流物シミュレーションは () 式に示すとおり 付加質量係数と抗力係数をパラメータとしている 抗力や慣性力を示す係数は漂流物の形状により変化するが 一般的な数値ミュレーションでは代表的な値を設定している 本研究では付加質量係数と抗力係数に平均値と分散を設定してモンテカルロ シミュレーションを行った なお 付加質量係数および抗力係数の平均値は後藤 ) の研究をもとに設定した (4) 漂流物諸量の変動条件 前述の (2) (3) を踏まえて本研究では 漂流物の漂流開始条件やパラメータの変動条件を考慮するため 漂流物諸量の平均値に ~ 0 個の乱数を乗じて計算を行うようにした 各諸量のばらつきが 正規分布となることを仮定して モンテカルロ シミュレーションを行っている 各諸量 ( 漂流開始水深 抗力係数および付加質量係数 ) の平均値は表 - 2 に示すとおりとした ここで仮定する分散は それぞれの条件における変動幅が明確でないため水谷ら 6) の研究を参考とした 水谷らの実験では抗力係数が ~ 3.0 と変化するが これを平均値 2.0 分散 の正規分布として仮定する なお 漂流開始水深および付加質量係数も同等の幅をもつ正規分布と仮定するために これらの値を正規化して 平均 分散 5 として係数に乗じるようにした 各変動条件に対して計算を行い それぞれの移動軌跡を考察した 表 -2 変動ケース一覧表 - 2 変動ケース一覧ケース不確定変動成分変動諸量 ( 平均値 ) ケース不確定変動成分変動諸量 ( 平均値 ) Case 乱流成分 ( 従来法 ) ( 拡散項の乱数の平均 ) Case 乱流成分漂流開始水深 ( 従来法 ) 2 ( 拡散項の乱数の平均 ) 漂流開始水深 2 2 2 0. 25 抗力係数 0.9 32.5R 2 2 0. 25 抗力係数付加質量係数 / e 0.F 0.9 32.5R / r.78 e 0.F r 付加質量係数.78 図 -2 - 計算領域概要図 水域陸域 ( エプロン ) 岸壁段波 60 漂流物初期位置 60 図 -3-2 漂流物の配置 3 4. 矩形水路による比較検討 () 建物の影響を考慮しない場合 漂流物の基本的な変動特性を把握するため 図 - に示す矩形水路における比較検討を行った 水路は宇野ら 5) の実験 分の 模型スケールを基本とし エプロン部分を下流側に延長した 初期条件として沖側に h の水位差を与え 段波を発生させた 段波条件は h=6 2 c とした 漂流物は コンテナを対象とし 図 - 2 に示すように後述する建物影響を受けやすい位置として中心から c ずらした箇所とした それぞれの不確定性の影響を確認するために 建物が無い状態でのコンテナの移動状況を比較した 漂流計算は漂流物が完全に移動を停止するまで継続した 各段波および変動ケースの違いにおける漂着位置の頻度分布の比較を図 - 3 に示す 段波が小さい条件 (h=6c) の結果では 漂着位 6 6 2 26 3 36 Case 6 6 2 26 3 36 入力段波 6 c 6 6 2 26 3 36 6 6 2 26 3 36 30 35 40 45 60 65 30 35 40 45 60 65 Case 6 6 2 26 3 36 6 6 2 26 3 36 Case 30 35 40 45 60 65 30 35 40 45 60 65 6 6 2 26 入力段波 3 36 2 c 6 6 2 26 3 36 入力段波 6 c 57 62 67 72 77 82 87 92 57 62 67 72 77 82 87 92 Case 30 35 40 45 60 65 30 35 40 45 60 65 Case 57 62 67 72 77 82 87 92 57 62 67 72 77 82 87 92 入力段波 c 30 35 図 40 --4 453 漂着位置の分布 60 65 30 (( 35 建物なし 40 45 ) 60 65 入力段波 2 c 7

漂流物および建物による津波被害評価方法の提案 置の分布は 漂流開始水深を変動させた で分布範囲が広い その他の条件では 遡上先端付近に集中し 遡上先端より上流側にわずかに分布した 段波条件が大きい場合 (h=c) では 漂着位置の範囲が広くなる Case 3 4 は 流速が支配的になるような大きな段波では 変動の影響が小さく ほぼ同位置で滞留したものと考えられる 従来型の方法 (Case) は 移動速度によらず一様に乱れを与えるため 4 よりも漂着位置がばらつくが 同位置に漂着する頻度が高い 漂着位置の変化は 段波の条件に応じて漂流開始条件を変動させたケースが最も大きい なお 抗力係数と付加質量係数の変動を考慮したケースの漂着位置の変化はほぼ同じとなった 5. 実地形における漂流物の影響検討 () 単体の漂流軌跡の検討 実地形における漂流物の挙動に対する変動の影響を把握す るため 気仙沼市鹿折地区を対象に東北津波が来襲したケースにおける比較検討を行った 図 - 7 に 津波伝播 浸水シ Case (2) 建物の影響を考慮した場合 次に コンテナの下流側に立方体を設置し 建物の影響を考慮したケースの検討を行った 建物の配置は 表 - 3 に示す 3 通りとし 位置は図 - 4 に示す 段波条件は建物がない場合と同様 h=6 2 c とした 図 - 5 に建物配置 C 段波条件 6c における 各変動条件 (Case ~ ) の漂流物のを示す は 各メッシュに漂流物が通過した数を求め試行回数で除して求めた 段波の小さい条件において 4 は漂流物が建物に遮られて 建物より背後には漂流しない Case 2 では 建物をすり抜けて 建物背後まで漂流するものが確認できる Case は拡散の影響により建物より上流でも 漂流経路にばらつきが生じている また 漂流開始水深を変動させた の場合の結果が大きなひろがりを持っていることが見てとれる 図 - 6 に Case 2 の建物配置の違いによる漂流経路の比較を示す どちらの結果とも 建物配置 A と建物配置 B では 頻度が高い漂流経路が同じになる傾向にある これは 建物配置 B では 下流側の建物 B の流れに対する影響が小さく 建物配置 A と同じような流況になったことが考えられる 建物配置 C は 他の配置と比較すると建物背後で漂流経路が蛇行する傾向にある 建物 A に並んだ 2 つの建物の流れに与える影響が大きく 建物のすぐ背後で漂流経路の蛇行が起こるものと考えられる ケース名建物配置 A 建物配置 B 建物配置 C 表 - 3 建物配置パターン 項目建物 棟を水路断面の中央に配置建物 2 棟を水路方向に並べて配置建物 3 棟を水路に直行する方向に並べて配置 建物配置 A 建物配置 B 建物配置 C 建物配置 A 建物配置 B 建物配置 C (a) Case 0 300 (b) 図 -7-6 漂流物分布 (( 段波 c) 0 300 図 -6-5 漂流物分布 (( 建物配置 C 段波 6c) 0 300 詳細計算範囲 岸壁 岸壁 岸壁 40 段波 60 40 段波 60 40 40 段波 C 40 60 建物 60 A 40 A B 40 A 40 漂流物 建物 漂流物 建物 建物 漂流物 建物 60 初期位置 60 初期位置 60 初期位置 60 D 40 建物 400 400 400 (a) 建物配置 A (b) 建物配置 B (c) 建物配置 C 図 - 4 建物の配置 広域計算範囲 図 - 7 津波計算対象範囲 8

こ う えいフ ォ ー ラ ム 第 25 号 / 7. 3 ミュレーションの計算領域を示す 計算格子は広域 2430 と 2 とも漂流経路が低平地に広がる結果となった 漂流物から真 して領域接続計算を行い 詳細計算範囲で 2 とした 津波 北へ向かう経路は Case 2 に変動を与えた場合は西側に 7 と同等とした 漂流物シミュ も高い頻度の移動が見られる これは 漂流物の初期の位置 レーションの対象範囲は 津波シミュレーションの詳細計算範 の周辺にある建物の影響により北方面だけでなく 西方面に 囲とした 本検討では 津波により建物が破壊されながら漂 移動するケースが発生したためである また 河川付近で見 流物が移動する影響を考察するために 2 種類の建物条件 られる漂流の経路は漂流開始水深の閾値を変動量とする場合 建物なし 建物が波力により倒壊 流出 残存する条件 を に見られるが 拡散型の変動のケースでは 通過頻度が高く 設定した なお 波力計算方法は 小園ら 7 の方法を用い ない シミュレーションの条件は小園ら た この計算では漂流軌跡の分布を見るために漂流物はコン 以上の結果より 漂流物シミュレーションに用いられる拡散 テナ 個を想定した 図 8 におよびサンプル数 型の変動および漂流開始水深の変動は結果の不確定性に影 0 個の モ ン テ カ ル ロ シ ミ ュレ ー シ ョ ンによる Case 2 響を与える その中でも漂流開始水深は個別の漂流物に対し 表 2 参照 の漂流物の通過頻度確率を示す また 比較 て平均値と分散を設定することにより具体的な不確定変動を考 のために変動条件を入れない結果も合わせて示している 建 慮した計算が可能となる 物の影響がないケースでは 津波の先端が乱されることなく 市街地の奥まで遡上する コンテナは 一気に市街地の奥へ 2 複数の漂流物の軌跡 通過頻度の検討 運ばれるため 経路ばらつきが生じず 変動条件による違い 複数の漂流物が移動する場合における検討を行った 対象 は遡上先端のみで生じる程度である 建物の影響と波力によ 漂流物は船舶および車両として航空写真から初期値を任意に る倒壊 流出を考慮した場合 市街地のうち図の下半分にあ 設定した 変動条件は 漂流開始水深を対象とし サンプ たる範囲で浸水深が大きくなる 漂流計算の結果は Case ルのモンテカルロ シミュレーションを行った 建物を考慮しな 0 5 k 浸水深 () 6.0 5.0 6.0 4.0 5.0 3.0 4.0 2.0 3.0 2.0 0.3 0.3 漂流物初期位置 Case 拡散型 Case 拡散型 (a) 建物の影響なし 建物の影響なし (a) 0 5 k 変動なし 浸水深 () 6.0 5.0 6.0 4.0 5.0 3.0 4.0 2.0 3.0 2.0 0.3 0.3 漂流開始水深 漂流開始水深 漂流物初期位置 変動なし Case 拡散型 Case 拡散型 (b) (b) 建物の倒壊 流出 残存を考慮 建物の倒壊 流出 残存を考慮 漂流開始水深 漂流開始水深 図 8実地形 気仙沼鹿折地区 における漂流物 実地形 気仙沼鹿折地区 における漂流物 図-9 9

漂流物および建物による津波被害評価方法の提案 い場合と倒壊 流出を考慮する場合の結果の比較 地震発 漂流物 車両 船舶 で行った なお 漂流物の被害は津 生 の漂流物の滞留頻度を図 9 に示す 滞 波のレベル 建物倒壊のレベルにより様々になることが数値シ 留頻度は複数の漂流物が含まれるため 単純にを求 ミュレーションより確認できているが 津波による被害レベルと めるのではなく 5 格子内に含まれる漂流物のを算出し の関係が明確でないため 得られた結果から判断して評価を て分布図を作成した この結果より 建物がないケースでは船 行った 倒壊区分および被害レベルの考え方は各種設定方法 舶および車両とも津波の遡上とともにほとんどが押し流されてい があるが 本検討では小園ら 7 に示される区分および倒壊状 るが 建物の倒壊 残存 流出を同時に考慮したケースでは 況を基本として 漂流物被害を設定した 建物の残存の影響により漂流物が道路などの空間で滞留する 建物倒壊レベルと漂流物被害の関係を表 4 に示す 漂 頻度が高い結果となった 特に船舶の移動は 建物の影響に 流物は 建物の倒壊がほとんどないような場合 移動 浮遊 より漂流経路が道路や河川沿いで頻度が高くなる この結果よ 程度にとどまるが 建物倒壊レベルが高まるにつれて 建物 り 漂流開始水深の変動特性と建物の現象を考慮することで への影響およびがれき化による被害が生じ 浸水範囲の広い 漂流特性をより具体化することが明らかとなった 区分で影響が広がる これは 不確定性および建物倒壊を考 慮した数値シミュレーションによる結果のばらつきを見ると判断 3 漂流物および建物倒壊に対する津波被害評価 できる結果である なお この結果は基礎的な数値シミュレー 建物の倒壊の考慮の有無における船舶 車両の漂流物の ションおよび実地形による検証による結果であり 他の地域で 移動状況を踏まえて 当該地区における津波漂流物被害に関 の事例およびその他の漂流物については更に検証を重ねる必 する評価を行った ここでは 前述の基礎的な数値シミュレー 要がある ションの結果および実地形の検討結果を踏まえて 代表的な 初期位置 2,0 (b) 船舶 建物なし 船舶 建物なし (b) (a) 船舶の初期位置 (a) 船舶の初期位置 初期位置 (d) 車両の初期位置 (d) 車両の初期位置 2,0 2,0 2,0 (e) 車両 建物なし 車両 建物なし (e) 2,0 船舶 建物の倒壊 流出 残存を考慮 (c)(c) 船舶 建物の倒壊 流出 残存を考慮 2,0 2,0 車両 建物の倒壊 流出 残存を考慮 (f)(f) 車両 建物の倒壊 流出 残存を考慮 図-0 船舶および車両の各時刻における頻度分布 図 9 船舶および車両の各時刻における頻度分布 2,0

こうえいフォーラム第 25 号 / 7. 3 表 -4-4 建物倒壊区分と漂流物評価一覧建物倒壊区分と漂流物評価一覧 倒壊区分 被害 倒壊状況 漂流物被害の評価 レベル 船舶 車両 被災なし 0 - 陸上に座礁する可能性がある 浸水域内で浮遊もしくは海 一部損壊 - 建物等への損傷は見られない 上に流失して浮遊する 半壊 2 - 海域または河川から遡上 陸上 陸上内で浮遊 移動し建物に 大規模半壊 3 - に座礁し 建物に衝突しながら衝突しながら浸水域内で漂浸水域内で漂流する 流する 4 階部分が浸水 木造家屋の倒壊と合わせて船 木造家屋の倒壊と合わせて 全壊 ( 階浸水 ) 舶が遡上 漂流しながら内陸に浮遊 漂流しながら内陸に移移動しやすくなる 動しやすくなる また 車両 の数量が多い場合は滞留する 全壊 5 建物は残存多くの構造物が倒壊するため 建物がれき 船舶 車両が浸水修繕不可能な状態域内の広い範囲で漂流 滞留する がれき化したものがそのま 全壊 ( 流失 ) 6 完全に倒壊 流失 ま滞留することによる 2 次被害が大きくなる 建物倒壊区分 被害レベルは小園ら 7) を基本として設定 6. おわりに本研究では 津波漂流物の不確定性および建物の影響を考慮した 漂流物の移動解析について検討した その結果 以下のような結論が得られた 漂流物に係る各種パラメータの変動の影響を考慮した計算を実施した結果 津波の大きさ 漂流開始水深の閾値および漂流に係るパラメータの違いによる漂流物軌跡の変動特性が確認できた 実地形において建物の残存の有無および漂流開始水深の不確定性を考慮した漂流物の滞留 通過頻度の算定を可能とした 漂流開始水深の変動と建物への衝突が 変動特性に大きく影響することを示すことができた 数値シミュレーション結果を活用して 津波による被害レベルと漂流物被害の関係を説明した 今後は 更に実用レベルでの妥当性向上のために 漂流物同士の衝突による漂流物軌跡の変動の特性把握やその他の漂流物の被害の関係について検討を行う予定である 参考文献 ) 後藤智明 : 津波による木材の流出に関する計算 第 30 回海岸工学講演会論文集 pp.594-597 983 2) 野島和也 櫻庭雅明 小園裕司 : 水没を考慮した実務的な津波漂流物による被害リスク算定 土木学会論文集 B2( 海岸工学 ) Vol.70 No.2 pp.i_26-i_265 4 3) 橋本貴之 越村俊一 小林英一 藤井直樹 高尾誠 : 津波来襲時における船舶漂流 座礁モデルを用いた臨海都市域危険度マップの開発 土木学会論文集 B2 ( 海岸工学 ) Vol.66 No. pp.236-240 0 4) 後藤智明 小川由信 :Leap-Frog 法を用いた津波の数値計算法 東北大学工学部土木工学科 52p 982 5) 宇野勝哉 有川太郎 : 津波バリアを用いたコンテナ漂流物捕捉効果に関する実験的研究 土木学会論文集 B2( 海岸工学 ) Vol.69 No.2 pp.i_92-i_925 3 6) 水谷法美 高木祐介 白石和睦 宮島正悟 富田孝史 : エプロン上のコンテナに作用する津波波力と漂流衝突力に関する研究 海岸工学論文集 Vol.52 pp.74-745 05 7) 小園裕司 高橋智幸 桜庭雅明 野島和也 : 津波波力に基づく建物倒壊を考慮した津波解析の検討 土木学会論文集 B2( 海岸工学 ) Vol.7 No.2 pp.i_63-i_68 5 2