1 首都直下地震対策の具体的な推進 ( 提案要求先内閣官房 内閣府 国土交通省 ) ( 都所管局総務局 政策企画局 ) (1) 首都直下地震等の災害から住民の生命と財産を守るとともに 首都機能への打撃を最小限にとどめるため 財政上の措置を実 施するなど 首都直下地震対策を具体的に推進すること (2)

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一防災 減災等に資する国土強靱化基本法案目次第一章総則 第一条 第七条 第二章基本方針等 第八条 第九条 第三章国土強靱化基本計画等 第十条 第十四条 第四章国土強靱化推進本部 第十五条 第二十五条 第五章雑則 第二十六条 第二十八条 附則第一章総則 目的 第一条この法律は 国民生活及び国民経済に甚

2 地震 津波対策の充実 強化 (1) 南海トラフ地震や首都直下地震の被害想定を踏まえ 地震防災上緊急に整備すべき施設整備 津波防災地域づくりに関する法律 の実効性確保 高台移転及び地籍調査の推進など事前防災や減災に資するハード ソフトの対策を地方公共団体が重点的に進めるための財政上の支援措置を講じ

災害時に必要な物資の備蓄に関する行政評価・監視<中間報告>

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

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H28秋_24地方税財源

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

大阪市防災 減災条例 目次第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章本市の責務 ( 第 4 条 - 第 7 条 ) 第 3 章市民の責務 ( 第 8 条 ) 第 4 章事業者の責務 ( 第 9 条 ) 第 5 章災害予防 応急対策 ( 第 10 条 - 第 25 条 ) 第 6

各省庁等における業務継続計画に係る取組状況調査 調査の目的 各省庁等における現在の業務継続計画に係る取組状況を把握し 東日本大震災等を受けた 今後の業務継続計画の改善策を検討するための資料とする 調査の対象 中央省庁業務継続連絡調整会議構成機関 オブザーバー機関 29 機関 構成員 :23 機関内閣

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Microsoft Word - 02.H28秋 重点提言本文【合本】1110.doc

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

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事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

10 地震 火山噴火対策等の推進について 近年 我が国は様々な災害に見舞われている 東日本大震災後も 平成 28 年の熊本地震 本年 6 月の大阪府北部地震及び9 月の北海道胆振東部地震など大規模な地震が発生し 多大な人的 物的被害が発生した 地方公共団体においては 突然発生する大規模自然災害に備え

⑴ 政策目的 市街地再開発事業の推進により 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るとともに コンパクトシティの推進及び密集市街地の解消を図る 新設 拡充又は延長を必要とする理由 ⑵ 施策の必要性 以下の施策の推進のため 本措置の延長により 民間事業者による早期かつ着実な保留床の取得を促

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

病院等における耐震診断 耐震整備の補助事業 (1) 医療施設運営費等 ( 医療施設耐震化促進事業平成 30 年度予算 13,067 千円 ) 医療施設耐震化促進事業 ( 平成 18 年度 ~) 医療施設の耐震化を促進するため 救命救急センター 病院群輪番制病院 小児救急医療拠点病院等の救急医療等を担

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Microsoft PowerPoint - ☆PTポイント・概要(セット)

目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

機関との連携及び協力の下に 必要な措置を講じなければならない 3 知事は 前二項に規定する帰宅困難者対策を実施するに当っては 高齢者 障害者 外国人等の災害時に援護を要する者に対して 特に配慮しなければならない ( 都民の責務 ) 第三条都民は 大規模災害の発生に備えて あらかじめ 家族その他の緊急

東京事務所版 BCP 実施要領目次応急頁 < 第 1グループ> 直ちに実施する業務 1 事務所における死傷者の救護や搬送 応急救護を行う一時的な救護スペースの設置 運営 備蓄の設置 医療機関への搬送 1 2 事務所に緊急避難してきた県民や旅行者等への対応 避難 一次避難スペースの運営 指定避難所への

1 検査の背景 我が国の防災の基本法として災害対策基本法 ( 昭和 36 年法律第 223 号 ) が制定されている 同法によれば 内閣府に中央防災会議を置くとされ 同会議は 災害予防 災害応急対策及び災害復旧の基本となる防災基本計画の作成 その実施の推進 防災に関する重要事項の審議をそれぞれ行うな

Ⅰ: 本資料の活用について 都市再生安全確保計画 は 平成 24 年の都市再生特別措置法改正による制度創設以来 現在 ( 平成 28 年 3 月 ) までに 15 エリアにおいて作成されている しかしながら 現時点では作成に未着手の地域が相当数あり 計画作成の意義や作成の進め方について 十分浸透して

( 県の責務 ) 第三条県は 地震防災に関する総合的な施策を策定し 及びこれを実施する責務を有する 2 県は 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震防災対策を推進しなければならない 3 県は 地震に関する調査及び研究を行い その成果を県民 事業者及び市町村に公表するとともに 地震防

一国土強靱化基本法案目次第一章総則 ( 第一条 第六条 ) 第二章国土強靱化基本計画等 ( 第七条 第十条 ) 第三章基本的施策 ( 第十一条 第二十三条 ) 第四章国土強靱化戦略本部 ( 第二十四条 第三十三条 ) 第五章国土強靱化国民運動本部等 ( 第三十四条 第三十九条 ) 第六章雑則 ( 第

地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第7次地方分権一括法)の概要

資料9

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子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

第11回市民講座の準備について

緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

避難所講演資料

スライド 1

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既存の高越ガス設備の耐震性向上対策について

九州における 道の駅 に関する調査 - 災害時の避難者への対応を中心としてー ( 計画概要 ) 調査の背景等 道の駅 は 平成 16 年 10 月の新潟県中越地震 23 年 3 月の東日本大震災において 被災者の避難場所 被災情報等の発信や被災地救援のための様々な支援の拠点として活用されたことなどか

資料1 第3回災害救助に関する実務検討会における意見に対する回答

11

コンパクト プラス ネットワークの形成 1

Ⅰ: 本資料の活用について 都市再生安全確保計画 は 平成 24 年の都市再生特別措置法改正による制度創設以来 現在 ( 平成 29 年 3 月末 ) までに 16 地域 18 計画作成されている しかしながら 現時点では作成に未着手の地域が相当数あり 計画作成の意義や作成の進め方について 十分浸透

資料 5 自治体クラウド推進 業務改革について 平成 27 年 9 月 14 日

序章 計画改定の背景 足立区では 昭和 57 年 3 月に 大地震による火災から区民の生命と財産を守る た め 足立区防災まちづくり基本計画 を策定し この計画に基づき各種事業を展開し てきました その後 平成 7 年 1 月 17 日に発生した阪神 淡路大震災では 密集市街地に被害が 集中し 改め

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アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

☆配布資料_熊本地震検証

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

はじめに 道では 北海道行政基本条例 に基づき 道政の基本的な方向を総合的に示す計画として 新 北海道総合計画 を策定し 政策展開の基本方向の一つとして 安心で心豊かな北海道ライフスタイル を掲げ 安全 安心な生活の確保 に向け 防災 減災の体制づくり を進めています 保健福祉部では 特に 子ども

女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

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Ⅱ 一時滞在施設の確保

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

資料1 受援計画策定ガイドラインの構成イメージ

2011 年 12 月 15 日発行 東日本大震災リスク レポート ( 第 5 号 ) 次の大地震 大津波への対応 : 防災計画の見直しと企業に求められる対応 発行 : 三菱商事インシュアランス株式会社リスクコンサルティング室 はじめに 1 本年 3 月 11 日 ( 金 ) の東日本大震災の発生か

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(溶け込み)大阪事務所BCP【実施要領】

各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要がある

事務連絡 平成 29 年 4 月 3 日 各都道府県財政担当課各都道府県市区町村担当課各指定都市財政担当課 御中 総務省自治財政局公営企業課 平成 29 年度における東日本大震災に係る地方公営企業施設の災害復旧事業等に対する地方財政措置等について 東日本大震災に係る災害復旧事業等については 平成 2

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

資料3

地震被害予測システムにより建物被災度を予測 また 携帯電話と地図を利用した 被害情報集約システム では GPS 機能と地理情報システムとの連係により 現在位置周辺にある同社施工済物件を検索し 物件や周辺の被害状況を文字 静止画 動画を添付して報告することができる これら被害情報を地理情報システムに集

首都圏で大地震が起きると 建物 が 倒 れ ま す! 揺れで建物が倒れます 窓ガラスが割れ 道路に飛び散ります 火災があちこちで起きます 特に木造の建物が集まっている 火災 が 起 き ま す! 地域では 大規模な火災が起きる場合があります 道路 が 通れ な く な り ま す! 建物が倒れて道路

ii 8. 河川法と漁港法との調整に関する協定 ( 抄 ) 運輸省港湾局と農林省水産庁生産部とに関連ある港湾災害復旧事業の処理について 76 第 2 漁港関係災害関連事業 Ⅰ 補助金交付要綱 1. 漁港関係災害関連事業等補助金交付要綱 77 Ⅱ 災害関連漁業集落環境施設復旧事業 1. 災

4 被災生活の環境整備主な修正概要 避難所毎に運営マニュアルを作成し 避難所の良好な生活環境を確保するための運営基準等を明確にしておく 避難所運営マニュアルの作成 訓練等を通じて 住民の避難所の運営管理に必要な知識の普及に努める 県 DMAT( 災害時派遣医療チーム ) の活動終了以降の医療提供体制

道州制基本法案(骨子)

国費投入の必要性 事業の効率性 事業の有効性 関連事業 事業所管部局による点検 改善 項目 評価 評価に関する説明 事業の目的は国民や社会のニーズを的確に反映しているか 被災者の資力やニーズを踏まえた効率的 効果的な住まいの確保策に関する調査等を行っている 地方自治体 民間等に委ねることができない事

国の法令改正等の反映近年行われた国の法令改正や防災基本計画の修正内容を反映しました 市町村が 指定緊急避難場所及び指定避難所の指定を進めることを追加 市町村が 被災者の被害状況 配慮事項等を一元的に集約した被災者台帳を作成し 総合的かつ効果的な支援の実施に努めることを追加 首都直下地震対策特別措置法

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施行通知(課長名)

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法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

スライド 1

ナショナル・トラスト税制関係通知

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火山防災対策会議の充実と火山活動が活発化した際の協議会の枠組み等の活用について(報告)【参考資料】

第 7 章鹿児島県と連携した耐震改修促進法による指導及び助言等 国の基本方針では 所管行政庁はすべての特定建築物の所有者に対して法に基づく指導 助言を実施するよう努めるとともに 指導に従わない者に対しては必要な指示を行い その指示に従わなかったときは 公表すべきであるとしている なお 指示 公表や建

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大泉町手話言語条例逐条解説 前文 手話は 手指の動きや表情を使って視覚的に表現する言語であり ろう者が物事を考え 意思疎通を図り お互いの気持ちを理解しあうための大切な手段として受け継がれてきた しかし これまで手話が言語として認められてこなかったことや 手話を使用することができる環境が整えられてこ

防災業務計画 株式会社ローソン

目 次 ページ はじめに 1 地区防災計画制度について 1 防災計画の全体像 地区防災計画制度の全体イメージ 2 地区防災計画とは 2 3 本冊子 手引き の活用方法 2 手引きの構成 手引きの活用イメージ 地区防災計画 作成の手引き 1 制度の背景 3 (1) 作成の目的 (2) 自助 共助の重要

平成 28 年熊本地震における対応 平成 28 年熊本地震 ( 前震 :4/14 本震 :4/16) において 電力 ガス等の分野で供給支障等の被害が発生 関係事業者が広域的な資機材 人員の融通を実施するなど 迅速な復旧に努めた結果 当初の想定よりも 早期の復旧が実現 また 復旧見通しを早い段階で提

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規制の事前評価の実施に関するガイドライン(素案)


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「南九州から南西諸島における総合的防災研究の推進と地域防災体制の構築」報告書

新規文書1

する大規模災害時に帰宅困難者を受け入れる民間法人等が所有する施設とし 次の各号の要件に該当するものに限る 一地方公共団体 ( 市区町村 ) との間で帰宅困難者の受入のための協定を締結していること 二従業員向けの備蓄を完了していること 三事業継続計画 (BCP) 又は防災計画を策定していること ( 補

アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

3部第 3 部災害復興計画 ( 仮題 ) 第 4 章震災復興マニュアルのしくみ 第 4 章東京都震災復興マニュアルのしくみ 東京都震災復興マニュアル ( 以下 震災復興マニュアル という ) は 都市復興マニュアル ( 平成 9 年 ) と 生活復興マニュアル ( 平成 10 年 ) を統合し 復興

奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

Transcription:

3 災害対策- 17-3 災害対策

1 首都直下地震対策の具体的な推進 ( 提案要求先内閣官房 内閣府 国土交通省 ) ( 都所管局総務局 政策企画局 ) (1) 首都直下地震等の災害から住民の生命と財産を守るとともに 首都機能への打撃を最小限にとどめるため 財政上の措置を実 施するなど 首都直下地震対策を具体的に推進すること (2) 九都県市の集積を生かした 迅速かつ確実に機能し得る首都 機能のバックアップ体制の充実 強化を早急に進めること < 現状 課題 > 平成 25 年 11 月 首都直下地震が発生した場合において首都中枢機能の維持を図るとともに 首都直下地震による災害から国民の生命 身体及び財産を保護することを目的として 首都直下地震対策特別措置法 ( 平成 25 年法律第 88 号 ) が制定され 同年 12 月に施行された 平成 26 年 3 月には 同法に基づく緊急対策区域 首都中枢機能維持基盤整備等地区が指定され 前者には東京都の全区市町村が 後者には東京都千代田区 中央区 港区及び新宿区が含まれることとなった また 同じく 3 月には 同法に基づく首都直下地震緊急対策推進基本計画 ( 以下 基本計画 という ) が閣議決定された 平成 27 年 3 月には 今後 10 年間で達成すべき減災目標を設定するとともに 当該目標を達成するための施策について具体目標等を定めることを内容とする基本計画の変更がなされた この変更に伴い 具体的な目標と 目標達成に係る所管省庁が明確となったが 依然として当該目標達成に向けて事業を具体的に実施する主体が明確になっていない さらに この法では 緊急対策区域に指定された区市町村を含む都県は地方緊急対策実施計画 ( 以下 地方計画 という ) を作成することができるとされているが 現時点では地方計画等に位置付けられた首都直下地震対策に対する国の具体的な財政上の措置等は図られていない 平成 28 年熊本地震の発生により 避難所等の防災拠点となる施設の耐震化 円滑な物資輸送及びり災証明書の発行など 防災対策の実効性を高める上での課題が改めて明らかになった 首都直下地震に関しても これらの課題解決に向けた具体的な取組が求められている また 首都機能のバックアップに関しては 基本計画に基づき作成された政府業務継続計画においては 被害想定を上回る事態を想定し 同計画で定められている代替拠点以外の代替拠点への移転に関して さいたま新都心等の東京圏内の地区のほか 東京圏外も含め代替拠点となり得る地域を対象に 既存の庁舎 設備及び資機材の活用等に係る具体的なオペレーションについて検討していくこととしている しかし 発災時に可能な限り速やかに機能する体制を構築するためには でき - 18 -

得る限り 物理的 時間的にも近接で確実な立ち上げが可能なさいたま新都心など首都圏内の拠点を活用すべきである < 具体的要求内容 > (1) 首都直下地震をはじめとする災害から首都圏 3,500 万住民の生命と財産を守るとともに 国の政治経済の中枢機能への打撃を最小限にとどめるため 基本計画において 政府が講ずべき措置 として掲げられている対策に限らず 国が責任を持って防災力の更なる強化のための施策を着実に実施していくこと (2) 首都直下地震対策特別措置法で定められている地方計画 首都中枢機能維持基盤等整備計画 特定緊急対策事業推進計画などの中に位置付けられた 都をはじめ地方自治体が進める首都直下地震対策に対して 具体的な財政上の措置等を実施すること (3) さいたま新都心を緊急災害対策本部の代替拠点として位置付けることをはじめ 首都圏を構成する九都県市の集積を生かした 迅速かつ確実に機能し得る首都機能のバックアップ体制の充実 強化を早急に進めること - 19 -

2 帰宅困難者対策の推進 ( 提案要求先内閣府 総務省 財務省 国土交通省 ) ( 都所管局総務局 ) 大震災時に発生する帰宅困難者に対し 一斉帰宅の抑制 一時滞在 施設の確保 安否確認や情報提供のための体制整備 帰宅支援など 総合的な帰宅困難者対策を推進すること < 現状 課題 > 東京都防災会議の 首都直下地震等による東京の被害想定報告書 ( 平成 24 年 4 月 ) では 帰宅困難者は約 517 万人発生すると想定している 首都直下地震帰宅困難者等対策協議会の調査によれば 東日本大震災においても 鉄道の運行停止により都内で約 352 万人の帰宅困難者が発生し 多数の帰宅困難者が駅前に滞留するなど 課題が顕在化した 首都直下地震等の大規模地震が発生し 多くの人が帰宅を開始した場合 建物倒壊や火災などで 帰宅困難者自身が危険にさらされるだけでなく 発災後に優先して実施していかなければならない救助 救護 消火活動 緊急輸送等を妨げることになりかねない このため 企業や学校等における施設内待機や鉄道事業者等の利用者保護などの一斉帰宅の抑制 行政と民間事業者の協力による一時滞在施設の確保 家族との安否確認や正確な情報提供に必要な情報通信基盤の整備 安全が確認された後の代替輸送も含めた帰宅支援などの対策を強化する必要がある 都ではこうしたことを踏まえ 都と国で 経済団体 鉄道事業者等と横断的な課題について検討する協議会を設置し 官民それぞれが連携して行う対策について 平成 24 年 9 月に最終報告を取りまとめた 都は この協議会での議論を踏まえ 平成 25 年 4 月から 東京都帰宅困難者対策条例 ( 平成 24 年東京都条例第 17 号 ) を施行しているが 対策はまだ道半ばである 特に 民間事業者による従業員の一斉帰宅の抑制や利用者保護の徹底とそれに必要な備蓄の推進 民間事業者による帰宅困難者の受入促進 帰宅困難者に対する情報提供など 広域的課題について大きな役割を果たすことは国の責務であり 国をはじめ都や民間事業者を含めた社会全体で取り組む総合的な帰宅困難者対策を推進する必要がある < 具体的要求内容 > (1) 一斉帰宅の抑制 の観点から 従業員の施設内待機とそれに必要な 3 日分の飲料水や食料等の備蓄を行うことについて 国として 民間事業者に対する働きかけを強化すること (2) 利用者保護 の観点から 鉄道事業者や集客施設の設置者または管理者などに対し 利用客の保護を図ることや 必要となる飲料水や毛布 医薬品などを備蓄するよう指導すること さらに 利用者を保護するために必要となる 利用者が安全に待機できる - 20 -

場所や 飲料水や毛布 医薬品などを備蓄する倉庫を設置するよう強く働きかけること (3) 一時滞在施設の確保 の観点から 以下の措置を講じること 1 自治体が民間事業者の協力を得ることの障害を取り除くため 法改正を行い 首都圏だけでなく全国共通の 発災時の損害賠償責任が事業者に及ばない制度 の創設を国として早期に実現すること 2 国の庁舎及び関係機関の所有又は管理する施設について 発災時に 都や区市町村の要請により 帰宅困難者の一時滞在施設として使用できる施設を確保するとともに 飲料水や食料等の備蓄 情報通信体制の整備 非常用電源等の確保など 運営体制の整備を行うこと 3 今後の民間が担う一時滞在施設において不可欠な帰宅困難者用の3 日分の飲料水及び食料等の備蓄が実施できるよう 財政措置を講じること その際は 民間事業者の負担を可能な限り軽減するとともに 民間事業者が それぞれ負担した費用について 発災後に災害救助法 ( 昭和 22 年法律第 118 号 ) による支弁を受けられることを明確にすること じん 4 一時滞在施設の確保を図ることを目的に実施される災害時拠点強靱化緊急促進事業について 引き続き事業を実施すること また その対象区域を政令指定都市若しくは特別区の主要駅の周辺又は中核市 若しくは県庁所在都市の中心駅の周辺とする区域に限定しているが この要件を緩和し 全ての駅周辺を事業対象区域とすること 5 一時滞在施設に協力をした民間事業者に対し 法人税の軽減などの税制措置を行うこと (4) 迅速な安否確認と正確な情報提供 の分野では 災害時に強い通信基盤の整備や 帰宅困難者が必要とする情報を迅速かつ的確に提供するための体制づくりについて 早期に実現すること (5) 帰宅支援 について 要配慮者の特別搬送に関するマニュアルの策定や鉄道運行の早期復旧を図れる体制づくりなどオペレーションに係る検討を進めること 参考 一時滞在施設確保状況 ( 平成 30 年 7 月現在 ) 施設数 968 所 ( 国等 26 都立 204 区市町村 235 民間 503) 受入人数 約 34.9 万人 ( 国等約 1 万人 都立約 7.3 万人 区市町村約 9.6 万人 民間約 17 万人 ) 92 万人の都内需要者数 ( 屋外で被災した行き場のない帰宅困難者 ) に対し 約 38.0% - 21 -

3 国土強靱化の推進 ( 提案要求先内閣官房 ) ( 都所管局総務局 ) じんじん国土強靱化地域計画に位置付けられた強靱化の取組に対して 具 体的な財政措置を実施すること < 現状 課題 > 平成 25 年 12 月に施行された 強くしなやかな国民生活の実現を図るためのじん防災 減災等に資する国土強靱化基本法 ( 平成 25 年法律第 95 号 ) において じん都道府県又は市町村は 国土強靱化に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図じんるため 当該都道府県又は市町村の区域における国土強靱化に関する施策の推進に関する基本的な計画 ( 以下 地域計画 という ) を定めることができるとされている 都は様々な自然災害から都民や首都機能を守るため 東京における防災じん施策の指針として 東京都国土強靱化地域計画 を平成 28 年 1 月に策定した 東京は我が国の人口の約 1 割が居住する大都市であるだけでなく 政治 行政 経済などの首都機能を有する日本の心臓であり 災害時には応急対策から 復旧 復興まで中枢機能を担わなければならない 災害時においても 首都機能を維持していくための取組にかかる財政需要は膨大であり 東京都は多額の事業費を計上している その取組は東京だけのためではなく 日本にとって不可欠なものである 国は 地域計画に基づき実施される取組に対する関係府省庁の支援として 2 9の関係府省庁の交付金 補助金等の交付の判断に当たって 一定程度配慮するとしている しかし 首都機能はもちろん 医療機能 交通 物流機能 情報通じん信機能等様々な重要機能の在り方を強靱化の観点から見直し 対策を着実に推進することは 国家的な観点からも大きな意義と責任があり 東京都だけがその責任を負うことは適当ではない 地域計画に位置付けられた取組に対しては普通交付税の交付 不交付にかかわらず 全団体が交付対象となる新たな交付金の創設 新規の予算枠の創設 既存事業の補助率かさ上げ等確実かつ具体的な財政措置を実施することが必要である < 具体的要求内容 > じん地域計画に位置付けられた国土強靱化の取組に対して 普通交付税の交付 不交付にかかわらず 首都機能の維持 向上という観点からも 新たな交付金の創設 新規の予算枠の創設 既存事業の補助率かさ上げ等 東京都への具体的な財政措置を実施すること - 22 -