宗像市国保医療課 御中

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第三期 特定健康診査等実施計画 伊藤忠連合健康保険組合 平成 30 年 3 月

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背景及び趣旨 我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた し かし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医 療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する

Transcription:

平成 20 年度 特定保健指導 積極的支援 アクアドームプログラム報告書 1

1. はじめに 標準的な健診 保健指導プログラム ( 確 定版 ) ( 平成 19 年 4 月厚生労働省健康 局 ) に 医療制度改革大綱 ( 平成 17 年 12 月 1 日政府 与党医療改革協議会 ) を踏まえ 生活習慣病予防の徹底 を図るため 平成 20 年 4 月から 高齢者の医療の確保に関する法律により 医療保険者に対して 糖尿病等の生活習慣病に関する健康診査 ( 以下 特定健診 という ) 及び特定健診の結果により健康の保持に努める必要がある者に対する保健指導 ( 以下 特定保健指導 という ) の実施を義務づけることとされた また 医療制度改革大綱 における政策目標は 平成 27 年度には平成 20 年と比較して糖尿病等の生活習慣病有病者 予備群を 2 5% 減少させることとしており 中長期的な医療費の伸びの適正化を図ることとされた これまで 健診後の保健指導は 健診結果を通知しパンフレットなどを使用して一般的な情報提供をする保健指導や 高血圧 糖尿病等の病態別の保健指導が行われていた 今後 健診後の保健指導は 内臓脂肪症候群 ( メタボリックシンドローム ) に着目した生活習慣の改善に重点を置いた指導を行う 具体的には 健診結果から本人が身体状況を理解し 生活習慣改善の必要性を認識でき 行動目標を自らが設定し実行できるよう 個人の行動変容をめざした保健指導を行う 保健指導は 対象者の考えや行動変容のステージ ( 準備状態 ) を考慮し 個別性を重視した保健指導が行われることになる 健診や保健指導の結果は医療保険者が管理することになることから アウトプット ( 事業実施量 ) 評価に加え アウトカム ( 結果 ) 評価やプロセス ( 過程 ) 評価を含めた総合的な評価が行われることになる と解説されています さて 宗像市も平成 20 年 4 月から特定 健診 特定保健指導を行っています その中で 社会資源の活用の観点から ま た 地域の独自性を考慮し 宗像ユリック ス アクアドームを活用した 特定保健指 導 積極的支援アクアドームプログラム 2 を 宗像市は有限会社エイコーウェル ( ア クアドームの健康づくり事業を受託 ) にア ウトソーシングしています 平成 20 年 4 月から実施した積極的支援 プログラムの 6 ヶ月間の支援期間が終了し 個人別の最終評価を行いました その効果評価を行ったので報告します 2. 対象者 人数 :8 人 ( 男 7 人 : 女 1 人 ) 年 齢 :55.8±8.1 才 健診受診 : センター 6 人 : 地域 2 人 表 1 身体的特徴 ( 健診時 ) BMI 腹囲 (cm) 収縮期血圧 (mmhg) 拡張期血圧 (mmhg) 25.3 ±1.3 91.0 ±4.2 135.5 ±18.0 81.0 ±11.0 HDL-C (mg/dl) 中性脂肪 (mg/dl) HbA1c (%) 血糖値 (mg/dl) 表 2 行動変容ステージ ( 初回指導時 ) 49.8 ±12.0 272.0 ±122.4 5.5 ±0.7 113.0 ±14.2 期 無関心 関心 準備 実行 維持 0 6 1 1 0 3. 方法 3.1. プログラム 表 3 プログラム概要 ( 詳細は資料参照 ) 項目 内容 期間 6ヶ月間 ( 月 1 回関与 ) 時間 460 分 ホ イント 550ポイント 食事 2 日間の栄養素分析バランスガイド指導 運動 エクササイズガイド2006 解説日常運動指導 施設 トレーニングジム利用 (4 回 ) 電話 励まし (5 回 ) 支援者 管理栄養士 健康運動指導士 その他 メタボメジャー 万歩計を贈呈

3.2. 費用宗像市負担 :19,000 円 / 人 ( ジム プール利用料 2,710 円 ) ( メタボメジャー 万歩計 1,500 円 ) 3.3. 統計統計解析は MS-Excelの分析ツールにおけるt- 検定 ( 一対の標本による平均の検定 ) と回帰分析を使用しました 体格 血圧の変化において 初回指導時と最終評価時の平均値の差を比較しました 有意水準は5% としました 4. 結果 4.1. ストラクチャー ( 構造 ) 当初 1,000 円の自己負担 (6 人 ) をお願いしていましたが 利用促進を目的に 途中から自己負担無し ( 次年度扱い2 人 ) で実施しました 支援 1 時間当たりの費用は 約 2,500 円支援 1ポイントあたりの費用は 約 35 円本報告の結果として 体重 1kg減量あたり11,875 円 腹囲 1cm 減少あたり 9,500 円の費用がかかったことになります 4.2. プロセス ( 過程 ) 特定健診後 対象者となった人が プログラムに参加するまで時間がかかっています 予約日から支援開始日までの日数は 平均 55.9±22.4 日 約 2ヶ月かかっています 4.4. アウトカム ( 結果 ) 4.4.1. 体格 初回指導時と最終評価時の体重 BMI 腹 囲ともに 統計的に有意な減少が認められ ました ( 表 4) 表 4 体格の変化 初回 最終 差 P 値 体重 70.5 68.9 ±5.7 ±5.1 1.6 P<0.01 BMI 24.9 24.4 ±1.4 ±1.4 0.5 P<0.01 腹囲 92.9 90.9 ±3.2 ±1.9 2.0 P<0.05 図 1 BMIの変化 図 2 腹囲の変化 4.4.2. 血圧 初回指導時と最終評価時の血圧は 収縮 期血圧 拡張期血圧ともに減少しました しかし 統計的な有意差は認められませ んでした ( 表 5) 表 5 血圧の変化 初回 最終 差 P 値 4.3. アウトプット ( 実施量 ) 積極的支援対象者 173 人の内 アクアドームプログラム希望者は 1 0 人 (5.8%) で 実施者は8 人 (4.6%) でした 収縮期血圧 拡張期血圧 126.0 ±10.3 78.4 ±8.4 123.1 ±9.5 74.1 ±7.3 2.9 N.S. 4.3 N.S. 3

5.3. アウトプット ( 実施量 ) 実施者を増加させるには 積極的支援プログラム対象者に対して アクアドームからのアプローチが必要と考えられます 図 3 収縮期血圧の変化図 4 拡張期血圧の変化 4.4.3. 生活習慣生活習慣の改善状況を中間評価時と最終評価時に確認しました 栄養に関しては 最終評価で全員が改善しました 身体活動では 変化なしが1 人でした 喫煙者は0 人でした 5.4. アウトカム ( 結果 ) 体重の個別変化で 初回指導から中間評価で減量が見られるものの 中間評価時から最終評価時までの変化は少ないように見えました ( 図 5) 前半 3ヶ月の変化量と後半 3ヶ月の変化量を比較すると有意な差が認められました ( 図 6) 表 6 栄養の変化 変化なし 改善 悪化 中間 2 6 0 最終 0 8 0 表 7 身体活動の変化 変化なし 改善 悪化 中間 2 6 0 最終 1 7 0 図 5 体重の変化 図 6 期間による減量の差 表 8 喫煙の変化 継続 非継続 非喫煙 意思無 中間 0 0 6 2 最終 0 0 6 2 5 考察 5.1. ストラクチャー ( 構造 ) 指導可能日や時間を増やすことで 申込しやすくしました 5.2. プロセス ( 過程 ) 完全個別指導 6ヶ月間というプログラムの内容が 申込をしにくくしているのかもしれません 4 図 7 腹囲の変化図 8 期間による腹囲の差 BⅯI25 以上の人は4 人から2 人に減少しました

腹囲が男性 85cm 未満 女性 90cm 未満になる人はいませんでした 初回体重が重たい人ほど 減量が多いという相関関係が認められました ( 図 9) という相関関係が認められました ( 図 11) Y=-0.110X+6.216 R=0.8796 P<0.01 図 9 初回体重と減量の関係初回 BMIと減少値との間には 相関関係が見られませんでした ( 図 10) 相関関係なし図 10 初回 BMIと減少値の関係初回腹囲が大きいほど 減少値が大きい 5 Y=-0.494X+43.819 R=0.8388 P<0.01 図 11 初回腹囲と減少値の関係 6 まとめ宗像市国保医療課からのアウトソーシングで 6ヶ月間の特定保健指導 積極的支援プログラムを行いました 対象者は8 人で 体格の変化として 平均体重が1.6kg 平均 BMIが0.5 平均腹囲が 2.0cm 減少しました 初回指導時の体重が重たいほど 減少量が多い傾向 腹囲も同様の傾向が認められました BMIではこのような傾向は認められませんが 全員が減少しました 血圧は 平均収縮期血圧が2.9mmHg 平均拡張期血圧が4.3mmHg 減少しましたが 統計的な有意差は認められませんでした 前半 3ヶ月の支援では 体重 1.5kg 腹囲 1.6cmの減少でしたが 後半 3ヶ月では 体重 0.1kg 腹囲 0.5cmの減少にとどまりました 前半と後半の関与程度の差を現しているかもしれません 生活状況の変化は 栄養で100% 改善 身体活動で87% の改善でした ともに悪化し

た対象者はいませんでした 対象者も少なく プログラムの内容評価まではいたりませんでした 今後 参加人数が増えることで問題点が明確になると考えられます 実施体制の変更があり 次年度の実施が不明確なので残念です < 問題点 > 健診後 病院へ行って服薬となったため 対象でなくなったという人がいました 初回指導のアポイントをとる電話の時に肺炎で入院していた人がいました 初回指導に来られた時に骨折していて 延期した人がいました 指導期間中 インフルエンザや風邪などの感冒により 支援が6ヶ月を超えてしまった人がいました ウエスト囲( 健診数値 ) が 大きく違う人がいました ( 健診時の測定ミスと思われる ) アクアドームでは対象者が把握できないため 対象者にプログラムの案内ができません < 課題 > より参加しやすい3ヶ月プログラムの提案が必要と考えられます プログラムの効果評価として 参加者の1 年後の結果 ( 健診結果の前後比較 ) をまとめる必要と考えられます 医療費に関する効果も含めた効果評価が必要と考えられます 以上 6