はじめに 奈良時代を今に感じる 公園を目指して 国営平城宮跡歴史公園は 奈良市内に広がる特別史跡平城宮跡を計画地とした国営公園です 世界遺産 古都奈良の文化財 の構成資産の一つであり 我が国を代表する歴史 文化資産である平城宮跡の一層の保存 活用を図る目的で 国と奈良県を中心とした地域が連携して整備

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Ⅴ.( 仮称 ) 登大路バスターミナル整備計画 3-3. 平面図 (1) 地上部 1 階平面図 33

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

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中井町緑の基本計画(概要版)


目次 1. 事業の概要 2 2. 事業の必要性等 (1) 事業を巡る社会情勢等の変化 5 (2) 上位計画の変更 7 (3) 事業効果 事業進捗の見込み コスト縮減の取組 対応方針 ( 案 ) 17 1

国営平城宮跡歴史公園第一次大極殿院建造物復原整備計画決定について はじめに 国営平城宮跡歴史公園は 我が国を代表する歴史 文化資産である平城宮跡の一層の保存 活用を図るため 平成 20 年度に事業化された国営公園です 公園整備においては 往時の宮の歴史 文化をわかりやすく体感 体験できるよう 文化庁

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Microsoft Word - ●決定⑤地区計画-2.docx

- 目 次 - Ⅰ はじめに 1 1 復原整備計画の位置づけ 1 2 復原整備計画作成に当たっての考え方 2 3 復原整備計画の対象施設 2 Ⅱ 復原整備計画の内容 3 1. 基本方針 3 (1) 復原原案に基づく整備 3 (2) 内庭広場のセン積壇の取り扱い 3 2. 材料 工法 5 3. 利活用

計画的な再開発が必要な市街地 特に一体的かつ総合的に再開発を促進すべき地区 市町名 名称 再開発の目標 土地の合理的かつ健全な高度利用及び都市機能の更新に関する方針 特に整備課題の集中がみられる地域 ( 課題地域 ) 地区名 西宮市 C-4 浜脇 ( 約 175ha) 居住環境の向上 良好な都市景観


( 仮称 ) 宇治川太閤堤跡歴史公園整備運営事業特定事業の選定 宇治市 ( 以下 市 という ) は 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律 ( 平成 11 年法律第 117 号 以下 PFI 法 という ) 第 7 条の規定により ( 仮称 ) 宇治川太閤堤跡歴史公園整備運営事

北部大阪都市計画彩都地区計画 ( 案 ) 北部大阪都市計画彩都地区計画を 次のとおり変更する 1. 地区計画の方針 名称彩都地区計画 位 置 茨木市大字粟生岩阪 大字宿久庄 大字清水 大字佐保 大字泉原 大字千提寺 大字大岩 大字福井 大字大門寺 大字生保 大字安威 山手台一丁目 山手台三丁目 山手

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(2) 空間構成 歴史 文化ゾーン 遺構等の保全 歴史と文化を堪能する空間 交流ゾーン 来訪者の交流の場 国史跡指定地区 国際センター地区 追廻地区 公園センター地区 自然散策ゾーン 自然散策を行う空間 いこい にぎわいゾーン 広瀬川 本丸跡の眺望 広がりと奥行きのある空間 活動の場 図 1 青葉山

計画書

7-3 上田城南地域 (1) 将来像 ( 将来像 ) 水と緑と多様な都市機能が調和し快適な暮らしの環境が整ったまち ( 基本目標 ) 千曲川をはじめ産川や浦野川 小牧山や上田原古戦場 半過岩鼻など奇景や原風景の残る豊かな自然や農地を大切に保全するとともに 秩序ある都市空間づくりを進めます 良好な住環

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区域の整備 開発及び保全に関する方針土地利用の方針 地区施設の整備の方針 地区の立地特性を踏まえ 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るため 土地利用の方針を以下に定める 1 国際化に対応した業務 商業 宿泊等の多様な機能に加え 氷川神社と連携した江戸文化や赤坂地域の魅力を伝える歴史

目次 1. 市街化調整区域の土地利用方針について... 1 (1) 策定の目的... 1 (2) 方針の位置付け 市街化調整区域の課題 土地利用の方針... 3 (1) 土地利用の基本的な方針... 3 (2) 地区ごとの土地利用方針 開発計画等の調整

市街化調整区域の土地利用方針の施策体系 神奈川県 平塚市 神奈川県総合計画 神奈川県国土利用計画 平塚市総合計画 かながわ都市マスタープラン 同地域別計画 平塚市都市マスタープラン ( 都市計画に関する基本方針 ) 平塚都市計画都市計画区域の 整備 開発及び保全の方針 神奈川県土地利用方針 神奈川県

区域の整備 開発及び保全に関する方針 地区施設の整備の方針 建築物等の整備の方針 (1) 道路の整備方針区域内外との円滑な交通ネットワークの形成と歩行者等の安全で快適な歩行環境の向上を図るため 街区幹線道路及び区画道路を整備する 生活利便施設や良質な街並みを形成する住宅等の立地を誘導し 地域拠点にふ

市町合併という基本的枠組みの変更に対応した 市全域を対象とした計画の見直し 少子高齢化をはじめとする本市を取り巻く社会経済情勢の変化に対応した計画づくり 総合計画や都市計画区域マスタープランなど 上位関連計画との整合 調整の必要性 都市計画マスタープランは 都市計画法第 18 条の 2 に基づいて策

4. 都市づくりの目標と方針 4-1 都市づくりの基本理念 地域の個性が輝く生活快適都市 上田 ~ 魅力あるふるさと活気ある交流風格ただようまち ~ 基本理念の意味あい 上田市は 歴史 文化 自然 産業などに恵まれた特色ある地域から成り立っており 各地域が個性を発揮し 連携し合い 交流を促進しながら

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2. 住民アンケート調査 以下の既往のアンケート調査から 都市計画及びまちづくりに関する住民ニーズや方向性等を以下の とおり把握 解析する (1) 第 2 次長久手町土地利用計画策定にあたってのアンケート調査 1 調査の概要 調査対象は 町内在住住民及び市街化調整区域の土地所有者とし それぞれ 2,

建物の整備の基本方針と計画内容 基本方針 1 ポロト湖畔の自然景観等, 周辺環境との調和 自然豊かなポロト湖畔周辺の景観との調和 ポロト湖畔周囲に広がる, すり鉢状の山並みや自然林とゆるやかに連続する建物形状 展示室ロビーにポロト湖畔が眺望できるスペースを確保 国立民族共生公園と一体となった魅力ある

本日の説明内容 1 板橋駅西口周辺地区のまちづくり 2 板橋駅西口地区都市計画素案について 1 市街地再開発事業 2 地区計画 3 高度利用地区 4 高度地区 3 今後のスケジュール 1


Taro-全員協議会【高エネ研南】

平成17年度予算案事業本部・局別記者発表日程表(案)

大阪府営門真住宅まちづくり基本構想 平成 25 年 6 月 大阪府 門真市

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区域の整備 開発及び保全に関する方針地区施設の整備の方針建築物等の整備の方針 (2) 公園 緑地の整備方針地域に親しまれる やすらぎと憩いの空間を形成するとともに 西武立川駅から玉川上水に向けて形成される緑のネットワークの拠点となるよう公園や緑地を配置する (3) その他の公共空地の整備方針各敷地の

山手地区の概要 面積 約50ha 用途地域 工業地域 建ぺい率 60 容積率 200 高さの限度 第一種高度地区 最高限20m 2


地区計画とは 地区計画とは 土地や建築物の所有者など地区の皆さんが合意を図りながら道路や公園などの配置 建築物の用途 容積率 高さ 色やデザイン等のルールをきめ細かく定め そのルールに基づいて建築行為等を行うことにより より良いまちづくりをすすめる手法のひとつです 地区の特性に応じて必要な項目を選択

( 対象区域 ) 第 5 地区計画の対象区域は 工業団地 ( 国母工業団地 南部工業団地 機械金属工業団地 ファッション工業団地 ( アリア ディ フィレンツェ ) をいう 以下同じ ) の区域内及び隣接地又は近接地 ( おおむね工業団地から500メートル以内 ) とする ( 区域の設定 ) 第 6

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参考資料 ( 美祢都市計画区域 ) 目次 1. 区域区分の二次検討 25 23

筑豊広域都市計画用途地域の変更 ( 鞍手町決定 ) 都市計画用途地域を次のように変更する 種類 第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域第二種中高層住居専用地域 面積 約 45ha 約 29ha 建築物の容積率 8/10 以下 8/10 以下 建築物の建蔽率 5/10

スライド 1

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[ 概要版 ] 倉吉都市計画 マスタープラン素案 鳥取県倉吉市

(5) 老上西学区 1 まちづくりの方向性 1-1. 生活拠点の形成と交通環境の充実 既存の生活拠点を中心とした 50 戸連坦制度の厳守等により市街地の拡散を抑制するこ とで 利便性の高い生活環境を維持していくものとします 老上西学区は 東側から南側にかけての一帯が市街化区域に含まれ ( 主 ) 大

目次 1. 策定の目的と位置づけ (1) 策定の目的 1 (2) 市街化調整区域における地区計画運用基準の位置づけ 1 2. 市街化調整区域における土地利用方針の基本的な考え方 (1) 市街化調整区域における土地利用方針 2 (2) 市街化調整区域における地区計画の運用にあたっての基本的な考え方 3

1. 目的 本町の第 3 次総合計画において 本町の将来像である ( みんなが主役 やすらぎと健康福祉のまち ) の実現に寄与すべく 本町の市街化調整区域における地区計画の運用にかかる基本的な方針を示すため 市街化調整区域における地区計画運用指針 ( 以下 運用指針 という ) を策定しました この


金沢都市計画地区計画の変更

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5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要 棋士のまち加古川 をより幅広く発信するため 市内外の多くの人が 将棋文化にふれる機会や将棋を通じた交流を図ることができる拠点施設を整備するとともに 日本将棋連盟の公式棋戦 加古川青流戦 の開催や将棋を活かした本市独自のソフト事業を展開する 5-2

平成 24 年 3 月改訂 茅ヶ崎海岸グランドプラン 西浜駐車場跡地北側に位置する茅ヶ崎警察署職員公舎が取り壊され 平成 23 年 3 月には グランドプランで駐車場機能の確保として位置づけのあった県営茅ヶ崎西浜駐車場が閉鎖された これを受け 海岸利用者のための駐車場を維持し かつ国道 134 号南

目的 川越市は 埼玉県の南西部に位置し 新河岸川の舟運や川越街道を通じた江戸との交流により発展してきました 蔵造りの町並みや時の鐘などの歴史的な観光資源に恵まれ 都心からのアクセスも良いことから 毎年多くの観光客が本市を訪れています このような中 本市では 平成 20(2008) 年に 川越市観光振


Ⅰ サウンディング調査の概要 1 事業の背景 (1) 大濠公園の概要福岡県営大濠公園は慶長年間 黒田長政が福岡城を建築する時 博多湾の入江であったこの地を外堀として利用し 昭和 2 年 ここで開かれた東亜勧業博覧会を機に造園工事を行い 昭和 4 年 大濠公園として開園しました 福岡市のほぼ中央に位置

2-1-5 屋外広告物の制限

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設 機能の見直しハード面の効率化財源確保1-3. 再配置パターン ( 手法 ) の考え方 再配置計画の検討に向けて 公共施設の再配置を う場合の基本的なパターン ( 手法 ) について整理し それらの効果についても確認していきます 施設の再配置にあたっては 厳しい財政状況の中 人口が減少傾向にあるこ


<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

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一宮市住宅マスタープラン ~ 住み続けたいまち 住んでみたいまち 人々が生き生きと暮らせるまち ~ 概要版 平成 2 5 年 3 月 一宮市

東京都市計画第一種市街地再開発事業前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業位置図 東京停車場線 W W 江戸橋 JCT 日本橋茅場町 都 道 一石橋 5.0 特別区道中日第 号線 江戸橋 15.

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ブランディング

三ケ島工業団地周辺地区 第一回勉強会

交通結節点が備えるべき機能を整理すると 最も基本となるものとして があり これに加えて 都市機能の誘導 集積を促進させ 都市内の中心的な拠点地区を形成する 及び 都市の顔 となる 交通結節点の計画 整備の検討においては 先に示した の三種の機能がそれぞれ交通結節性 人の交流や景観等の面で役割を果たし

4-(1)-ウ①

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Ⅱ. 日本遺産 事業の方向性日本遺産事業の設計に先立ち 既に文化財を活用した地域振興を行っている地方自治体の先行事例 10 件について実態調査を行った その際得られた課題を踏まえ 文化財を活用 発信して地域の活性化につなげていくために 以下のような方向性が有効と考えられる (1) 地域に点在する文化

11 歴史文化基本構想 の策定や 歴史的風致維持向上計画 の作成 認定に向けた計画の見込等 本事業で取り上げる文化遺産は多数の自治体に渡っており 関係する自治体における歴史文化基本構想の検討を促し これを支援する 12 担当局 地方公共団体担当局課 大阪府教育庁文化財保護課

名古屋都市計画地区計画の決定計画書 ( ノリタケの森地区計画 ) ( 名古屋市決定 )

01表紙改

区域の整備 開発及び保全に関する方針公共施設等の整備の方針 建築物等の整備の方針 1 道路の整備方針 (1) 地区周辺の交通円滑化に資する道路ネットワークの形成及び 東西の主要な道路軸の形成を図るため 地区幹線道路を拡幅整備する (2) 開発に伴い発生する交通を円滑に処理するとともに 新駅整備に伴う

また, 区域外の道路部分については, 区域内の道路の整備後に, 交通量等の利用状況をみて, 検討していきます 4 常磐自動車道の側道沿いの一方通行の道路について, 一方通行の制限を解除できないのか また, この道路の交通量についても調査を実施した上で, 区域外の道路の整備をしなければならないのではな

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福知山市中心市街地活性化基本計画

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表 -1 5 箇年アクションプログラム対策項目 種別 対策項目 対策内容 園内施設 1 ネットワークルートの設定 改善 五感で楽しめるおすすめルート作り 2 暑さ対策の実施 夏期を中心に誰もが利用しやすい休憩場所となる日陰の確保 3 施設の利便性向上 ( ベンチ配置改善 ) 4 施設の利便性向上 (

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(1) 市民と宇都宮の文化をつなぐ うつのみや文活 ( ぶんかつ ) プロジェクト 1 目的市民アンケート調査により文化への関心が大きく減少している現状を踏まえ, 市民のみなさんが身近にある文化に気付き, 新しい文化芸術活動にチャレンジする機会を創出します 2 取組の方向性 現在小中学校で行っている

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により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

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阿賀野市の発展と市民福祉の向上を図ることを目的とした 行政運営の指針となる 阿賀野市総合計画 に定める本市の将来像 人 まち 自然が輝く幸福祉都市阿賀野 の実現に向けて また こよなく愛するふる里創造のため 全力を上げ取り組んでいるところでございます 国から地方への事務 権限移譲や三位一体改革が加速



四国中央市住宅マスタープラン 概要版 平成 30 年 3 月四国中央市 Since

国営越後丘陵公園 整備 管理運営プログラム チューリップまつり香りのばらまつりサマーナイトプレゼンツ 水遊具 ( 越の池 ) ふわふわドーム コスモスまつり ホワイトシーズン ウインターイルミネーション 里山体験学習 中越地震時の防災拠点 カタクリの群生 自然探勝路 中越地震時の防災拠点 平成 25

都市計画図 平河町二丁目東部地区(PDF)

別紙 町田市観光まちづくり リーディングプロジェクト ( 案 ) 町田市

( 新 ) 藤沢都市計画住宅市街地の開発整備の方針 平成年月 神奈川県 藤沢 住宅 -1

Transcription:

国営平城宮跡歴史公園 整備 管理運営プログラム 今後取り組んでいく平成 32 年度までの整備及び管理運営方針 平成 29 年 3 月 はじめに 1 基本方針 3 整備の重点方針 4 管理運営の重点方針 6 公園事業の効果 7 国土交通省近畿地方整備局国営飛鳥歴史公園事務所

はじめに 奈良時代を今に感じる 公園を目指して 国営平城宮跡歴史公園は 奈良市内に広がる特別史跡平城宮跡を計画地とした国営公園です 世界遺産 古都奈良の文化財 の構成資産の一つであり 我が国を代表する歴史 文化資産である平城宮跡の一層の保存 活用を図る目的で 国と奈良県を中心とした地域が連携して整備することが 平成 20 年度に決定されました 国営公園としての開園はこれからですが 現在すでに第一次大極殿や朱雀門などの建物復原や遺構表示がなされるとともに奈良時代をテーマとするイベントが開催されるなど 1300 年の歴史のロマンを感じさせる空間となっています この整備プログラムは 社会資本整備重点計画の計画期間にあわせ 今後国営平城宮跡歴史公園が取り組んでいく平成 32 年度までの整備に関する重点項目を策定し公表するものです なお 本プログラムは今後社会情勢等を踏まえ 必要に応じて見直していきます 広域位置図 位置奈良県奈良市 平城宮跡歴史公園の構成 面積 国営公園区域約 122ha 特別史跡平城宮跡を中心に朱雀大路とその東側 その他区域約 10ha 南エントランス周辺奈良県を中心に 国営公園と連携した整備を予定 公園内の主な建物復原と遺構表示 ( 文化庁 ) これまでの取り組み 大正 11 年昭和 34 年昭和 52 年平成 10 年平成 20 年平成 21 年平成 22 年平成 25 年 平城宮大極殿 朝堂院跡が史跡に指定 奈良国立文化財研究所による継続的発掘調査の開始 平城遺跡博物館基本構想 に基づき整備事業が本格化 朱雀門 東院庭園の復原が完成平城宮跡を含む 古都奈良の文化財 がユネスコの世界遺産に登録 平城宮跡区域を国営公園として閣議決定公園基本計画の策定 ( 国土交通省 ) 国営公園整備の工事着手 ( 国土交通省 ) 第一次大極殿正殿の復原が完成平城遷都 1300 年祭が開催 拠点ゾーン整備計画の策定 ( 国土交通省 ) 1

公園整備の基本方針国営平城宮跡歴史公園は 古都奈良の歴史的 文化的景観の中で 平城宮跡の保存と活用を通じて 奈良時代を今に感じる 空間を創出する ことを目指し 以下の方針のもと 平城宮跡及びその周辺一帯の整備を進めていきます 1 特別史跡 世界遺産である歴史 文化資産としての適切な保存 活用 2 古代国家の歴史 文化の体験 体感 3 古都奈良の歴史 文化を知る拠点づくり 4 国営公園として利活用性の高い空間形成 公園基本計画 ( 平成 20 年策定 ) シンボルゾーン 拠点ゾーン 緑地ゾーン 外周ゾーンにゾーニング 2

基本方針 平城宮跡を良好な状態で保存するとともに 往時の歴史 文化を体感 体験できる公園を目指し て 段階的に整備を進めます 貴重な歴史 文化的資産である平城宮跡を確実に保存し 良好な状態で後世に伝えるとともに 誰もが楽しみながら古代国家の歴史 文化を体感 体験できるよう 早期の開園に向けて 拠点ゾーンなどの整備を進めるとともに 第一次大極殿院の建造物の復原を行います 主な整備内容 公園整備においては 利用サービスの向上を図りつつ 広がりのある空間で往時の宮 ( 都 ) の歴史 文化をわかりやすく体感 体験できる場として 宮跡のガイダンスや公園の利用案内を行う拠点ゾーンの施設整備 朱雀門から第一次大極殿院に至る宮の中心軸線の確保 宮の中心を成す第一次大極殿院の建造物復原 を優先し 周辺観光地との周遊促進を目的として設置される奈良県整備区域の交通ターミナル等の施設 整備と進捗を合わせて整備を図ります 整備 管理運営プログラム策定の視点 ~ 保存と活用の方向性 平城宮跡の 保存 平城宮跡における歴史 文化資産の保存 活用 景観や自然的環境の保全 レクリエーション利用 災害時の避難場所など多様な機能との調和の取れた公園の整備を進めていきます 整備にあたっては 関係機関との綿密な協力のもと既往の調査結果や新たな発掘調査の成果をもとに 遺構の保存に配慮した設計を行うとともに 地下遺構を傷つけないように細心の注意を払いながら工事を行います 平城宮跡の 段階的な 整備と活用 関係機関との連携のもと 建造物の復原と周辺空間の一体的整備により 来園者が往時の空間を感じながら 安全 快適に利用できる公園整備を段階的に進めます さらに 工事中の情報案内や施設の活用を工夫することで整備の進行状況を明らかにするとともに 現在まで伝承されるいにしえの技術のすばらしさを発信します 3

整備の重点方針 第一期開園に向けて拠点ゾーン等の整備を行います 平城宮跡歴史公園の第一期開園に向け 本公園の正面玄関となる拠点ゾーンに 平城宮跡展示館の建築及び展示施設の整備を行います 平城宮跡展示館では 本公園の見どころ紹介や 利用案内情報の提供とともに 平城宮跡の歴史やその価値についてのわかりやすいガイダンスを行い 来園者を奈良時代にいざないます 平城宮跡展示館の整備イメージ ( 左 : 建物外観 中 右 : 施設内 ) また 朱雀門に面した朱雀大路及び二条大路跡の園路広場の整備を行います 朱雀大路は かつての平城京を南北に貫くメインストリートで 道幅は 74mもありました 二条大路は 朱雀大路に次ぐ規模の道で 平城宮の南側に位置し 平城京を東西に通っていました これら2つの大路を復原的に整備することにより 往時の平城京の広がりやスケール感を体感することができるようになります 朱雀大路の整備イメージ ( 奥は朱雀門 ) 二条大路の整備イメージ ( 奥は若草山 春日山 ) ( 参考 ) 国営公園に隣接した朱雀大路西側では 奈良県が公園利用者の利便性向上を目的とした交通ターミナルや飲食物販等の施設整備を行い 古都奈良の歴史 文化を知る拠点づくりとしての機能を備えます 朱雀大路西側地区の奈良県施設整備イメージ ( 施設外観 ) 朱雀大路西側地区の奈良県施設整備イメージ ( 施設内 ) 4

なんもん第一次大極殿院南門の復原工事に着手するとともに 現在まで伝承されるいにしえの技術のすばらしさを発信します 本公園のシンボルゾーンにおいて 往時の平城宮の壮大 壮麗 荘厳さを体感できるよう こ れまでの発掘調査や様々な研究に基づき 第一次大極殿院南門の復原工事に着手します これにより かつて即位の礼や朝賀の儀などの国家的な儀式が執り行われた 平城宮のなかで も特に重要な区画である第一次大極殿院の復原が進みます また 整備が長期にわたる復原工事について 時々の状況を 工事現場の公開 ( 魅せる現場 ) や復原事業情報館の展示などで見て頂き 現在まで伝承される伝統技術のすばらしさを広く発信 するとともに 地域の観光振興に貢献します 南門 第一次大極殿院復原イメージ 南門の現場公開 ( イメージ ) 誰もが使いやすい公園づくりを進めます 国営公園として整備することが閣議決定される以前より設置されている園路について 段差を生じている箇所のバリアフリー化などの機能向上を行います また 平城宮跡展示館の展示や案内 誘導サインの多言語化 平城宮跡展示館におけるWi- Fi 環境の整備を図り インバウンドなど多様な来園者のニーズに対応します 既存の園路の更新 ( 左 : 更新前 右 : 更新後 ) 5

管理運営の重点方針 往時の歴史 文化を楽しみながら知ることができる管理運営を推進します 平城宮跡にしかない施設や空間等を積極的に活用した利用 プログラム等の実施により 国内外 年齢を問わず 来園者の 誰もが楽しみながら往時の歴史 文化に触れ 親しみ その内 容を知ることのできる管理運営を行います また 継続的な発掘調査 研究成果等を活用し 利用プログ ラム等に反映していくなど 折々の状況に応じた柔軟な管理運 営を行います 発掘調査 ( 奈良文化財研究所 ) の現場公開 さらに持ち込みによるイベントの実施等に際して利用調整を行うことで 様々な来園者が楽しく快適に過ごせるようにします 来園者にとって快適性 利便性の高い空間を確保します 歩きやすい園路や広場 快適な休憩所の維持等を通じて 来園者にとって快適性の高い空間を確保します また 本公園の利用拠点である平城宮跡展示館の運営にあたっては 平城宮跡内の文化庁や奈良県等関係機関による施設の利用情報や見どころ紹介等を行い 来園者の利便性を高めます 園内の休憩施設 自然的環境の保全とみどりの適切な維持管理を行います 平城宮跡に育まれた自然的環境を保全するとともに その魅力を来園者に発信します また 園内の花木等を適切に維持管理し 園内に彩りを加え 平城宮跡の季節に応じた魅力を引き出します これらを通して 良好な景観を形成し 将来に大切に引き継ぎます 平城宮跡に育まれた自然的環境 6

公園事業の効果 関係機関と協力しながら地下の遺構に配慮した整備や適切な維持管理を行う ことで 平城宮跡の貴重な遺構が保存されます また 公園として市街地の 中に残る自然的環境の保全に努めることで これらが将来に引き継がれます 周辺の歴史的風土と一体となって往時の雰囲気を感じられる空間整備を行うことで より幅広い層に向けて平城宮跡への理解や関心が高まるとともに 平城宮跡への来訪が促進されます 特に 第 1 期開園として拠点ゾーン等が供用開始されることにより 今まで以上に平城宮跡が訪れやすい場所になるとともに 来園者に平城宮跡とその周辺の魅力が伝わることで 地域への来訪者数の増加や周遊観光に貢献します 平城宮跡の復原建物や遺構表示などの歴史的景観を活用した季節ごとのイベ ントについて 適切な利用調整が図られます 3 1 4 2 5 1 遺構の確認と確実な保存 2 平城宮跡に遺された自然 3 往時の空間を感じられる整備 4 安全 安心で快適に過ごせる緑地 5 適切な利用調整の上で実施されるイベント 7