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スライド 1

発表者の利益相反関連事項開示 発表者氏名岩澤俊一郎所属 / 身分千葉大学医学部附属病院臨床腫瘍部 / 講師 企業の職員 法人の代表 企業等の顧問職 株式等 講演料等 原稿料等 研究費 ( 治験等 ) 寄附金 専門的助言 証言 臨床試験実施法人の代表 その他 ( 贈答品等 ) 該当なし 該当有りの場合

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開催日時平成 30 年 8 月 13 日 ( 月 ) 16:00 ~ 17:00 国立研究開発法人国立がん研究センター治験審査委員会会議の記録の概要 開催場所 国立がん研究センター柏キャンパス先端医療開発センター 1 階セミナールーム 3 国立がん研究センター築地キャンパス第 2 会議室 (TV 会

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開催日時 2019 年 4 月 10 日 ( 水 ) 15:00 ~ 16:20 国立研究開発法人国立がん研究センター治験審査委員会会議の記録の概要 開催場所 国立がん研究センター柏キャンパス先端医療開発センター 3 階セミナールーム 1 国立がん研究センター築地キャンパス第 2 会議室 (TV 会

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要望番号 ;Ⅱ 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 1) 1. 要望内容に関連する事項 要望 者 ( 該当するものにチェックする ) 優先順位 学会 ( 学会名 ; 日本ペインクリニック学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 2 位 ( 全 4 要望中 )

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員長及び医薬品医療機器等法登録認証機関協議会代表幹事宛て送付するこ ととしていることを申し添えます 記 1. 基本要件基準第 13 条第 5 項及び第 6 項への適合性確認の基本的な考え方について (1)2023 年 ( 平成 35 年 )2 月 28 日 ( 以下 経過措置期間終了日 という )

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要旨 平成 30 年 2 月 21 日新潟県福祉保健部 インターフェロンフリー治療に係る診断書を作成する際の注意事項 インターフェロンフリー治療の助成対象は HCV-RNA 陽性の C 型慢性肝炎又は Child-Pugh 分類 A の C 型代償性肝硬変で 肝がんの合併のない患者です 助成対象とな

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要望番号 ;Ⅱ-183 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者学会 ( 該当する ( 学会名 ; 日本感染症学会 ) ものにチェックする ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 1 位 ( 全 8 要望中 ) 要望する医薬品

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注 ) 注 1 2 3) 本剤に対する処置 継続中止休薬減量 発疹 71.05% (4286/6032 例 ) 8.75% (528/6032 例 ) 5.12% (309/6032 例 ) 12.25% (739/6032 例 ) 皮膚乾燥 85.23% (629/738 例 )

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学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

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コンパニオン診断の現状 ~ 肺がんを例に ~ 2017 年 7 月 29 日

個別化医療に必要なコンパニオン診断薬 コンパニオン診断薬 ~ 肺癌治療を例に ~ NGS によるコンパニオン診断システム

個別化医療の概念 効果と安全性の両面で優れた治療法として世界的に関心が高まっており 特にがん治療などにおいて 今後の中心的役割を担うものと考えられています 薬剤投与前にバイオマーカーと呼ばれる特定の分子や遺伝子を診断し 患者さんを層別化した上で 高い治療効果が見込める患者さんだけを対象に分子標的治療薬などの投与を行います 中外製薬株式会社アニュアルレポート 2011 より http://www.chugaipharm.co.jp/hc/ss/downloads/jar2011_12_06.pdf?blobheader=appli cation%2fpdf&blobheadername1=contentdisposition&blobheadervalue1=inline%3bfilename%3djar2011_12_0 6.pdf&blobwhere=1396858121966&ssbinary=true

分子標的治療薬とターゲット従来の殺細胞性抗がん剤との作用の違い 従来の殺細胞性抗がん剤 分子標的治療薬 DNA 複製 修復や細胞の増殖 分裂の過程に作用 がん細胞に特異的な増殖や転移に関与する分子に作用 がん細胞への特異性が高い ターゲットの存在を確認する検査が必要

コンパニオン診断薬薬剤と 寄り添う 診断薬 研究用試薬 (RUO; Research Use Only) 体外診断用医薬品 (IVD; in vitro diagnostics) コンパニオン診断薬の一般的な定義 1 効果がより期待される患者を特定するため コンパニオン診断薬 (CDx; Companion Diagnostics ) 2 特定の副作用が発現するおそれの高い患者を特定するため 3 用法 用量の最適化又は投与中止の判断を適切に実施するため

コンパニオン診断薬狭義 ( 薬事上 ) の定義 コンパニオン診断薬等及び関連する医薬品の承認申請に係る留意事項について ( 平成 25 年 7 月 1 日日薬食審査発 0701 第 10 号 ) 承認申請に係る留意事項 コンパニオン診断薬と セットとなる医薬品は原則として同時期に承認申請 承認申請書の備考欄にその旨 ( コンパニオン診断薬 対応する医薬品が申請されていること ) を記載 コンパニオン診断薬等及び関連する医薬品に関する質疑応答集 (Q&A) について ( 平成 25 年 7 月 1 日事務連絡 ) Q7 A7 コンパニオン診断薬等に関連する医薬品及びコンパニオン診断薬等の添付文書の記載事項の留意点は何か? 医薬品の添付文書では 原則として承認されたコンパニオン診断薬を用いる必要がある旨を 例えば効能 効果に関連する使用上の注意等の適切な箇所に明記することになる

コンパニオン診断薬狭義 ( 薬事上 ) の定義 コンパニオン診断薬等に該当する体外診断用医薬品の製造販売承認申請に際し留意すべき事項について ( 平成 26 年 2 月 19 日薬食機発 0219 第 4 号 ) 製造販売承認申請書に記載する事項 (1) 使用目的欄ウ臨床的意義 コンパニオン診断薬等であることが明確になるように 関連する医薬品の一般的名称及び当該医薬品の投与における体外診断用医薬品の必要性 ( 適応の判定 副作用の予測 投与量の判断等 ) について記載すること

個別化医療の概念とコンパニオン診断薬 コンパニオン診断薬 ~ 肺癌治療を例に ~ NGS によるコンパニオン診断システム

日本肺癌学会肺癌診療ガイドライン IV 期非小細胞肺癌の治療 IV 期非小細胞肺癌 肺癌診療ガイドライン 2016 年を参考に編集 非扁平上皮癌 扁平上皮癌 EGFR 遺伝子変異陽性 ALK 遺伝子転座陽性 ROS1 遺伝子転座陽性 EGFR/ALK/ROS1 陰性 PD-L1 50% EGFR/ALK/ROS1 陰性 PD-L1<50% もしくは不明 PD-L1 50% PD-L1<50% もしくは不明 1 次治療 増悪 2 次治療以降 1 次治療 増悪 2 次治療以降 1 次治療 増悪 2 次治療以降 1 次治療 増悪 2 次治療以降 1 次治療 増悪 2 次治療以降 1 次治療 増悪 2 次治療以降 1 次治療 増悪 2 次治療以降

非小細胞肺癌の遺伝子異常 日本人の肺癌の原因となる遺伝子異常 ロハスメディカル Web ページより引用 http://lohasmedical.jp/archives/2012/04/post_192.php

肺癌診療ガイドライン EGFR 遺伝子変異検査のフロー EGFR-TKI 耐性後の治療戦略に EGFR 遺伝子検査 (T790M 変異 ) が必須となりました 1 次治療 2 次治療 EGFR 遺伝子変異検査 陽性 EGFR-TKI 投与 増悪 EGFR T790M 変異検査 陽性 オシメルチニブ コバスEGFR 変異検出キットv2.0 Therascreen EGFR その他 LDT 法第 1 or 2 世代 EGFR-TKI 組織検査 ゲフィチニブ ( イレッサ ) エルロチニブ ( タルセバ ) アファチニブ ( ジオトリフ ) コバス EGFR 変異検出キット v2.0 第 3 世代 EGFR-TKI 組織検査 血漿検査 オシメルチニブ ( タグリッソ ) オシメルチニブの効能 効果 EGFR チロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性の EGFR T790M 変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌

肺癌診療ガイドライン ALK 融合遺伝子検査 非扁平上皮癌

肺癌治療ガイドライン PD-L1 IHC 検査 非扁平上皮癌 EGFR/ALK/ROS1 遺伝子検査 陰性 PD-L1 IHC 検査 陽性 免疫チェックポイント阻害薬投与 扁平上皮癌 PD-L1 IHC 検査 陽性 免疫チェックポイント阻害薬投与

免疫チェック阻害薬と効果予測 PD-L1 IHC 検査 PD-L1 IHC 検査は積極的に臨床治験に組み入れられ コンパニオン診断検査として開発が進められてきた そのため 薬剤ごとにコンパニオン診断テストが開発され 診断基準も異なっている 薬剤 Nivolumab (Opdivo) Pembrolizumab (KEYTRUDA) Atezolizumab (TECENTRIQ) Durvalumab 製薬会社 BMS / 小野 Merck Roche AstraZeneca 抗体クローン Dako 28-8 Dako 22C3 Ventana SP142 Ventana SP263 免疫染色プラットフォーム Link 48 Link 48 BenchMark ULTRA BenchMark ULTRA FDA での承認 Complementary Dx Companion Dx Complementary Dx Not Approved 日本での承認体外診断薬コンパニオン診断薬未承認未承認 肺癌患者における PD-L1 検査の手引き ( 日本肺癌学会 ) より引用

Companion Dx と Complementary DX 米国での概念 Companion Dx 医薬品の安全性と有効性を担保するために 医薬品の投与に必須の診断薬 Complementary Dx 医薬品の投与の際に参考となる情報を提供するが 必須の診断薬ではない 日本のニボルマブとPD-L1 IHC 28-8の関係は ; PD-L1 IHC 28-8=ニボルマブの体外診断薬と明記して認可 ニボルマブ= 添付文書上 PD-L1 IHC 28-8による患者選択は必要とされていない 米国同様のコンプレメンタリー診断薬の位置付け ただし運用に当たっては 肺癌患者における PD-L1 検査の手引き を参照のこと

個別化医療の概念とコンパニオン診断薬 コンパニオン診断薬 ~ 肺癌治療を例に ~ NGS によるコンパニオン診断システム

NGS を用いたコンパニオン診断システム想定されるケース 例 1 疾患との関連が疑われる変異部位が複数ある場合 BRCA 1/2 遺伝子変異など 医薬品の投与対象となる変異 例 2 投与する医薬品の決定に際して 複数のバイオマーカーの検査が必要な場合肺癌など医薬品 A 医薬品 B 医薬品 C 医薬品 D

NGS を用いたコンパニオン診断システム 日本遺伝子診療学会 2016 PDMA 柳原玲子様発表資料 次世代シークエンサーを用いたコンパニオン診断システムの開発における課題と今後の方向性について より

NGS を用いたコンパニオン診断システム規制上の取り扱い 遺伝子検査システムに用いる DNA シークエンサー等を製造販売する際の取り扱いについて ( 平成 28 年 4 月 28 日付け薬生機発 0428 第 1 号 薬生監麻発 0428 第 1 号 ) 研究用シークエンサーの取扱い 疾病の診断等を目的として DNA シークエンサー診断システムを利用する場合 承認された DNA シークエンサーを用いることが望ましい 研究用として販売された DNA シークエンサーを利用して DNA シークエンサー診断システムを構築する場合 医療機関等の責任において 当該 DNA シークエンサーを用いた場合の診断システムの性能を確認すること 臨床的意義が未知な検査項目の取扱い 承認の対象とはならない 医師が必要と判断した場合に限り 検査結果を出力することは可 臨床的意義及び分析的妥当性は未知である旨 医師に伝わるよう十分配慮が必要 当該検査項目の臨床的意義等に関する表示 添付文書への記載 広告を行うことはできない

Doing now what patients need next