低インフレ 乏しい利上げ観測労働市場に目を向けると 8 月の失業率は約 年ぶりの低水準となる5.3% に低下した 雇用者数も伸びており 一部では技術者不足の声も聞かれる RBAは今後数年 失業率は自然失業率とされる5.% を目指して低下が続くとの見方を示している ただ 賃金の上昇率は ~ 月期が前年

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2017年上半期の為替相場展望

FOMC 2018年のドットはわずかに上方修正

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Invesco Australian Bond Fund (Monthly)

1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

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受益者の皆様へ 平成 28 年 2 月 15 日 弊社投資信託の基準価額の下落について 平素より弊社投資信託をご愛顧賜り 厚くお礼申しあげます さて 先週末 2 月 12 日 ( 金 ) 以下のファンドの基準価額が 前営業日の基準価額に対して 5% 以上下落しており その要因につきましてご報告いたし

【16】ゼロからわかる「世界経済の動き」_1704.indd

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株式市場 米国株 上値が重く神経質な展開 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました FOMC( 米国連邦公開市場委員会 ) における利上げの有無 大統領選挙の動向 ドイツの大手銀行の資本不足懸念などに一喜一憂する展開となりました 月半ばにかけて 利上げ観測や原油

スライド 1

(2) 資産構成割合の推移 ( 給付確保事業 ) 1 資産配分実績の基本ポートフォリオからの乖離の推移 2 実践ポートフォリオと資産配分実績の推移 3. 運用受託機関 平成 29 年 3 月末現在 2

マクロ インサイト FRB FRB 長期金利 FRB bp 図表 1 FRB と市場の金利予測の乖離 FOMC 予測 vs 市場予測 年末 年末 2.0 市場が

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日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

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株式市場 米国株 国内の政策動向や海外の政治動向などに注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場はほぼ変わらずとなりました 月初には 2 月末のトランプ大統領の議会演説を好感して 株価は大幅上昇となりました しかし その後は 新政権の経済政策に対する期待が徐々に後退

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Microsoft Word ECB利下げ.doc

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

Microsoft Word - 44_2

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今回の金融政策報告書では 米国内の投資活動が弱いために輸出が想定ほど伸びていないとしながらも 金融業などサービス関連の好調さを示す分析や 商品価格下落がカナダ企業の投資活動を抑制する動きは底打ちしたとの指摘など カナダ景気に前向きな材料も散見されます 当面は 政策金利の据え置きを続けると見通します

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Invesco Premia Plus Fund

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株式市場 米国株 国内外の政治動向に注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 好調な企業決算発表を受けて上昇米国株式市場は上昇しました 月前半までは2017 年 1-3 月期の決算発表内容が総じて好調であったことが株価を支えました 月半ばには コミー前 FBI( 連邦捜査局 )

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株式市場 米国株 景気 企業業績は依然として堅調 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 貿易摩擦への懸念から下落米国株式市場は下落しました トランプ米大統領が鉄鋼やアルミニウムの輸入を制限する方針を表明したことから 世界的な貿易摩擦への懸念が高まり下落して始まりました その後 貿

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米国株 投資家心理が落ち着けば 上昇基調に回帰と想定 株式市場 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 長期金利の上昇を契機に急落米国株式市場は下落しました 月初に発表された1 月の雇用統計において 時間当たり賃金が市場予想を上回る伸び率となったことを受けて 長期金利が約 4 年ぶ

○ユーロ

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サマリー 1 市場の関心は米大統領選の行方に集まっています 世論調査においてドナルド トランプ氏の優勢が報じられると 市場の更なる丌確実性が懸念され リスク資産からの資金流出が記録されました 10 月の MSCI 世界株価指数はマイナス 2.01% MSCI 新興国株価指数は 0.18% と新興国が

グローバル株式市場を俯瞰する~2015年8月末データで見る市場動向~

ファンダの鬼・柳澤 浩と小杉 篤諭の「ファンダメンタルズの学び方、活かし方セミナー!」

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TFX_フィスコ通貨ウォッチャー

目 次 1. 平成 27 年度 ( 平成 27 年 4 月 ~ 平成 28 年 3 月 ) における運用環境について 2. 平成 27 年度 ( 平成 27 年 4 月 ~ 平成 28 年 3 月 ) のポートフォリオ別の運用状況 3. ベンチマーク インデックスの推移 ( 参考 ) 被保険者ポート

米失業率と非農業部門雇用者数変化 ( 月次 25 年 1 月 ~214 年 11 月 ) 非農業部門雇用者数変化 ( 千人 前月比 左軸 ) 失業率 (% 右軸) /1 6/9 8/5 1/1 11/

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株式市場 米国株 高値警戒感の高まりなどから上昇一服も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました トランプ政権で閣僚などの人事において一部で混乱が見られましたが トランプ大統領の発言などにより減税 金融規制緩和などへの期待が高まったことや 発表された米国企

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フ ァ ン ド の 特 色 ハイグレード ハイグレード オセアニア オセアニ ニア ボンド マザーファンド マザーファンド を通じて オーストラリア ドル建ておよびニュージーラ ドル建ておよびニュージーランド ドル 建ての 債券等 に投資します 債券等 には コマーシャル ペーパー等の短期金融商品を

2018 年は激動の年 年初来 トルコ株式指数はトルコリラベースで最大で約 24% 下落し トルコリラは日本円に対して最大で約 45% 下落しました トルコ株式 * の推移 ( トルコリラベース ) /12 18/03 18/06 18

平成23年11月1日

目次 1. 平成 29 年度第 1 四半期 ( 平成 29 年 4 月 ~6 月 ) における運用環境について 2. 平成 29 年度第 1 四半期 ( 平成 29 年 4 月 ~6 月 ) におけるポートフォリオ別の運用状況 3. ベンチマーク インデックスの推移 ( 参考 ) 用語の説明 頁 1

経済・物価情勢の展望(2018年1月)

株式市場 米国株 先行き不透明感強いがファンダメンタルズは良好 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました 堅調な経済指標の発表を受けて米国の年内利上げ観測が高まったことで 金利動向の影響を受けやすいディフェンシブセクターの一部が軟調に推移しました また 米

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チャート編 1 日経平均株価 ( 日経 225) TOPIX( 東証株価指数 ) 2,0 NY ダウ工業株 30 種平均株価 ( 米ドル ) ダウセレクト配当込み指数 3,000 28,000 26,000 24, ,000 26,000 2,0 20,000 1,0 24,000 1

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( 平成 3 年 11 月 2 日 ) ユーロ / 円 ワイタ ーハ ント (25 日線 ) 3.% 7/ / ( 円 / ユーロ ) / / /15 7/13 8/1 9/7 1/5 11/

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マネックス証券トレードステーションセミナー

米労働市場は直近の回復基調に変化なし ~FRB出口政策への影響は限定的~

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中国におけるインフレの行方 中国経済は減速しているものの 過熱の解消にはまだ至っていない 年 9 月のリーマン ショックを受けて 中国は輸出が大幅に落ち込み 景気後退を余儀なくされたが 兆元に上る内需拡大策や 金利と預金準備率の大幅な引き下げをはじめとする拡張的財政 金融政策が実施されたことを受けて

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マーケット フォーカス経済 : 中国 2019/ 5/9 投資情報部シニアエコノミスト呂福明 4 月製造業 PMI は 2 ヵ月連続 50 を超えたが やや低下 4 月 30 日 中国政府が発表した4 月製造業購買担当者指数 (PMI) は前月比 0.4ポイントの 50.1となり 伸び率がやや鈍化し

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資料1

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( 公社 ) 近畿圏不動産流通機構市況レポート市況トレンド /1 年 7~9 月期の近畿圏市場 1. 中古マンション市場の動き 成約価格は前年比で 3 期連続上昇 1 年 7~9 月期の近畿レインズへの成約報告件数は,9 件と 前年同期比で 1.% 増加した (P1 図表 1) 新規登録件数は 15

- 月期実質 GDP 成長率は 四半期連続で +5% 超の成長を達成 9/11に発表されたトルコの- 月期実質 GDP 成長率は前年比 +5.1% と市場予想 ( 同 +5.3%) をやや下回ったものの 1-3 月期 ( 同 +5.%) に続き 四半期続けて +5% 成長を達成 G0 諸国のなかでは

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オーバルネクスト ETF 情報 2010 年 2 月 15 日号 ( 株 ) オーバルネクスト 東京都中央区日本橋兜町 13-2 TEL 03(5641)5777

欧州不動産市場の注目ポイント 1. 大陸欧州は 緩やかな景気回復を維持し 英国は堅調な景気回復の動きが継続 < 大陸欧州 > ECB の金融政策などを下支えに 総じて大陸欧州の緩やかな景気回復基調の維持が期待されている ドイツは 良好な雇用 ( 歴史的な低水準にある失業率 ) 所得環境にあり 個人消

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1. 各都市の不動産市場トレンド 1-1. オフィス価格指数 対前回変動率 (2016 年 4 月から 2016 年 10 月まで ) 図表 1-1は オフィス価格指数の各都市 対前回変動率 今回 (2016 年 10 月現在 ) 対前回変動率が最も高かったのは 東京 の +3.4% 次いで 大阪

第 1 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +1.54% 収益率 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1.02% 実現収益率 ( )) 運用収益額 +3,222 億円 総合収益額 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1,862 億円 実現収益額 ( )) 運用資産残高 ( 第 1 四半期末 )

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【別添3】道内住宅ローン市場動向調査結果(概要版)[1]

長と一億総活躍社会の着実な実現につなげていく 一億総活躍社会の実現に向け アベノミクス 新 三本の矢 に沿った施策を実施する 戦後最大の名目 GDP600 兆円 に向けては 地方創生 国土強靱化 女性の活躍も含め あらゆる政策を総動員することにより デフレ脱却を確実なものとしつつ 経済の好循環をより

平成 28 年度第 3 四半期退職等年金給付組合積立金運用状況 警察共済組合

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○ユーロ

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平成 3 年台風 1 号 北海道胆振東部地震で被災された方々に心よりお見舞い申し上げますとともに 被災地の一日も早い復旧 復興を祈念いたします 豪ドル : 中国経済の懸念が重し対ドルで 1 年安値が意識される展開も No.17 18 年 9 月 日作成 要旨 豪州経済は緩やかな成長続く 豪州経済は緩やかな拡大が続くもインフレは低く 乏しい利上げ観測 上値重い豪ドル相場とその背景 1 金利はITバブル期以来の 米国 > 豪州 で投資魅力に欠ける 中国経済の先行き懸念 中国株市場が下落豪州経済は緩やかな拡大が続いている ~ 月期の実質 GDP( 国内総生産 ) 成長率は前期比 +.9% 前年同期比 +3.% となった 資源関連を除いた設備投資 公共投資 資源輸出が牽引している 但し GDPの半分以上を占める消費については 回復基調ながらもRBA( 豪準備銀行 ) は 不透明感が残る と懸念している 所得の伸びが緩やかなうえ 住宅価格の上昇で家計債務が積み上がっていることが不安視されている ( 図 1) 豪州 実質 GDP 成長率豪州 実質 GDP 成長率. (%) 1.5 1..5..9% 3.% ~ 月期. (%) 5.. 3.. -.5 前期比 ( 左目盛 ) 前年同期比 ( 右目盛 ) -1. 7 8 9 1 11 1 13 1 15 1 17 18 19 1.. ( 図 ) 豪州 失業率と賃金上昇率豪州 失業率 賃金上昇率 (%) 5. 豪州 : 賃金コスト指数 ( 前年同期比 左目盛 ) (%) 7. 参考 : 米国 : 平均時給 ( 前年同月比 左目盛 ).5 豪州 失業率 ( 右目盛 ).5. 3.5 3..5 18/8 5.3%.9%. 5.5 5.. 1.5.1% ~ 月期.5. 國方智子 : シニア投資ストラテジスト 1. 7 8 9 1 11 1 13 1 15 1 17 18 19 ( 出所 )Bloomberg RBA のデータをもとに MUMSS 作成 3.5 本資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが その正確性 完全性を保証するものではありません また お客様への情報提供のみを目的としたものであり 特定の有価証券の売買 あるいは特定の証券取引の勧誘を目的としたものではありません 本資料で直接あるいは間接的に取り上げられている株式 外国株式 債券は 値動きのある商品であるため 元本が保証されておらず 経営 財務状況の変化およびそれらに関する外部環境の変化 金利 為替の変動などにより 投資元本を割り込むリスクがあります 加えてこの資料で取り上げられている外国証券は 我が国の金融商品取引法に基づく企業内容の開示は行われておりません 当該外国証券の開示情報は 主要取引所の所在する国の開示基準に基づいています 本資料の利用に際しては お客様御自身でご判断くださいますようお願い申し上げます

低インフレ 乏しい利上げ観測労働市場に目を向けると 8 月の失業率は約 年ぶりの低水準となる5.3% に低下した 雇用者数も伸びており 一部では技術者不足の声も聞かれる RBAは今後数年 失業率は自然失業率とされる5.% を目指して低下が続くとの見方を示している ただ 賃金の上昇率は ~ 月期が前年同期比 +.1% と 鈍い状態にある RBAは 経済の改善で中期的には上昇が見込まれるとの見解を示しているが それでも緩やかなペースに留まろうとも付け加えている 米国の8 月の時間当たり賃金が前年同月比 +.9% だったことと比べると 出遅れ感は否めない 低い賃金上昇は物価を抑制している RBAは 来年 再来年に向けて物価は現状よりは上昇するとの見方だが 8 月に公表した 金融政策報告 では 一時的な要因としながらも18 年末のインフレ率予想を下方修正した ( 従来は前年同期比 +.5% 今回は同 +1.75%) 表 1にあるように 消費者物価指数 (CPI) のインフレ予想は 年末でもインフレ ターゲット (~3%) の下限を若干上回る程度に過ぎない RBAは 9 月の会合でも 低金利が経済を支えようと述べ 過去最低水準の政策金利を容認する姿勢にある 表 にあるように 市場参加者の金利先高観も乏しい 現在の米国の FF 金利は 1.75~.% 豪州の政策金利は 1.5% と ( 図 3) 政策金利とインフレ率豪州 政策金利とインフレ率 8 (%) 7 政策金利 消費者物価指数 ( 前年同期比 ) 5 3 1 RBA のインフレ ターゲットは ~3%.1% ~ 月期 1.5% 7 8 9 1 11 1 13 1 15 1 17 18 19 ( 表 1)RBA の経済見通し RBAの経済見通し (18 年 8 月時点 ) 18/ 予 18/1 予 19/ 予 19/1 予 / 予 /1 予 GDP 成長率 3. 3¼ 3¼ 3¼ 3. 3. 失業率 5.5 5½ 5¼ 5¼ 5¼ 5. インフレ率 (CPI).1 1¾. ¼ ¼ ¼ ( 単位 )% ( 出所 )RBA 金融政策報告 18/8 をもとに MUMSS 作成

米国が豪州を上回っている この様な状態は 豪州経済がアジア危機の 影響を受けた一方で 米国で IT バブルが盛り上がった 年前後以来と なる これは豪ドルの重しと考えられよう ( 表 ) 政策金利の確立金利先物に見る豪州の政策金利の確率 (9/19) 政策決定会合日程 注 : シャドウ部分が現状 政策金利 1.5% 1.75% %.5%.5% 1/ 99.5%.5%.%.%.% 11/ 98.% 1.%.%.%.% 1/ 95.8%.1%.%.%.% 19//5 93.1%.8%.%.%.% 3/5 85.% 1.1%.7%.%.% / 77.%.9%.%.1%.% 5/7 77.%.9%.%.1%.% / 7.%.% 3.7%.3%.% ( 図 ) 豪州 米国の政策金利豪州と米国の政策金利 (%) 8 7 豪州政策金利 米 FF 金利 5 3 1 9 98 8 1 1 1 1 18 ( 図 5) 金利差 豪ドル相場豪州と米国の金利差 ドル / 豪ドル相場 1. (%) ドル / 豪ドル ( 右目盛 ) 1 年債金利差 ( 豪 - 米 左目盛 ) 豪ドル高 8. 政策金利差 ( 豪 - 米 左目盛 ) 豪ドル安.... -. 9 98 8 1 1 1 1 18 ( 出所 )BloombergのデータをもとにMUMSS 作成 ( 1. ト ル / 1.1 1..9.8.7..5..3 3

豪ドル 中国経済懸念で下落 従来豪ドルは 最大の輸出品目である鉄鉱石価格との連動傾向が見られた しかし足元はこのトレンドが崩れている むしろ中国の上海総合指数との連動傾向が見られる 中国経済の景気の先行き懸念が強く意識されていると捉えられる 尚 中国経済の不透明感が商品市況に影響を与えていないわけではない 商品市況のインデックスのひとつであるCRB 工業原材料価格指数 ( 銅やスクラップ鉄など ) は中国株と連動して下げている ( 図 7 8) 豪ドル 中国株 商品市況豪ドル 鉄鉱石 上海総合指数 CRB 工業原材料価格指数 ( ト ル.85 /.83.81.79.77.75.73.71 ドル / 豪ドル ( 左目盛 ).9 鉄鉱石 ( 右目盛 ).7 15/1 1/1 17/1 18/1 19/1 ( ト ル.85 /.83.81.79.77.75.73.71.9 豪ドル高 豪ドル安 豪ドル高 豪ドル安.7 15/1 1/1 17/1 18/1 19/1 ( ホ イント 58) 5 5 5 5 8 ドル / 豪ドル ( 左目盛 ) 上海総合指数 ( 右目盛 ) CRB 産業資材指数 ( 左目盛 ) 上海総合指数 ( 右目盛 ) 38 15/1 1/1 17/1 18/1 19/1 1 ( ト ル / トン ) 9 8 7 5 3 5 ( ホ イント ) 3 1 39 37 35 33 31 9 7 5 ( 5 ホ イント ) 3 1 39 37 35 33 31 9 7 5

鉄鉱石価格は 中国の大気汚染対策がサポートとなってきた しかし 中 国政府が電炉を重視していること またより純度の高いブラジル産鉄鉱石 へのシフトも生じており 豪州産鉄鉱石価格の上値は重くなりつつある 中国経済の減速は鮮明に 中国経済は減速が鮮明となっている 貿易戦争の影響を受ける輸出 低迷が長期化する消費など 中国経済の下支え役はインフラを中心とする投資のみといった状態にある それでも固定資産投資は鈍化している 習近平政権は インフラ投資に注力せざるをえないが 経済全般を引っぱるほどの力はない 豪ドルの目途 従来から 18 年下期の豪ドル相場については ドルに対して.8~.8 ドルとし 1 年の安値 (.87 ドル 1/1/15) が意識される展開を予 想してきた 足元の豪ドルは.7 ドル近辺で 1 年安値を ( 図 9) 中国の経済指標中国 実質 GDP 成長率 固定資産投資 ( 前年同期 月比 ) (%) (%) 1 5 1 1 3.7% ~ 月期 1 8 1 固定資産投資 ( 左目盛 ) 実質 GDP 成長率 ( 右目盛 ) 5.3% 18/8 1 3 5 7 8 9 1 11 1 13 1 15 1 17 18 19 ( 図 1) 豪ドル相場 ( 対円 対ドル ) 豪ドル相場 ( 対円 対ドル ) 11 ( 円 / 豪 $) 1 9 8 豪ドル高 豪ドル安 1. ($/ 豪 $) 1.1 1..9.8 7 円 / 豪ドル ( 左目盛 ) ドル / 豪ドル ( 右目盛 ) 円 / 豪ドル相場 = 円 / ドル相場 ドル / 豪ドル相場 5 8 9 1 11 1 13 1 15 1 17 18 19 ( 出所 )BloombergのデータをもとにMUMSS 作成.7..5 5

上回っているが 上海総合指数は既に1 年の安値に接近しつつあり 豪ドルの調整リスクは増している これらの点を踏まえ 当面の円 / 豪ドル相場について 71~87 円での推移を予想する 米国の利上げにもかかわらず 円 / ドル相場の膠着感が強いことも 円 / 豪ドル相場での豪ドルの重しとして働こう 短期的には米中間選挙後に トランプ政権が保護主義姿勢を緩和し 中国経済の先行き懸念が後退した場合は 豪ドルの反発につながると見る しかし 年に大統領選挙を控えるトランプ政権が態度を緩めるかどうかは余談を許さない そして中期的な豪ドル相場の持ち直しには 豪州経済の持ち直しで金利先高観が浮上することや 米利上げに一巡感が生じることも必要と考える ( 図 11) 円 / 豪ドル相場見通し豪ドル相場見通し ( 対円 ) ( 円 11 / 1 9 17.87 (7/1/31) 15.3 (13//11) 9.37 (17/9/1) 8 7 71.9 7. (1/5/1) (11/1/) 豪ドル高 7.533 (1//) 5 55.13(8/1/) 豪ドル安 7 8 9 1 11 1 13 1 15 1 17 18 19

リサーチ部投資情報課東京都千代田区大手町 1-9- 大手町フィナンシャルシティグランキューブ