20(1) 重篤な肝障害の報告症例数の推移 2000 年 2 月に緊急安全性情報を発出した以後も重篤な肝障害が毎年 20 例前後報告されております ( 図 1 参照 ) また ユリノーム R 3) 錠服用患者様における肝機能検査の実施状況について調査した結果 投与開始後に一度も肝機能検査が実施されな

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2. 改訂内容および改訂理由 2.1. その他の注意 [ 厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡に基づく改訂 ] 改訂後 ( 下線部 : 改訂部分 ) 10. その他の注意 (1)~(3) 省略 (4) 主に 50 歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において 選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

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減量・コース投与期間短縮の基準

「ガスメット錠10mg・20mg」「ガスメットD錠10mg・20mg」使用上の注意改訂のお知らせ

目次 C O N T E N T S 1 下痢等の胃腸障害 下痢について 3 下痢の副作用発現状況 3 最高用量別の下痢の副作用発現状況 3 下痢の程度 4 下痢の発現時期 4 下痢の回復時期 5 下痢による投与中止時期 下痢以外の胃腸障害について 6 下痢以外の胃腸障害の副

クラリチンドライシロップ 1% クラリチン錠 10mg クラリチンレディタブ錠 10mg 第 1 部申請書等行政情報及び添付文書に関する情報 (7) 同種同効品一覧 シェリング プラウ株式会社

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1)~ 2) 3) 近位筋脱力 CK(CPK) 高値 炎症を伴わない筋線維の壊死 抗 HMG-CoA 還元酵素 (HMGCR) 抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーがあらわれ 投与中止後も持続する例が報告されているので 患者の状態を十分に観察すること なお 免疫抑制剤投与により改善がみられた

スライド 1


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添付文書情報 の検索方法 1. 検索条件を設定の上 検索実行 ボタンをクリックすると検索します 検索結果として 右フレームに該当する医療用医薬品の販売名の一覧が 販売名の昇順で表示されます 2. 右のフレームで参照したい販売名をクリックすると 新しいタブで該当する医療用医薬品の添付文書情報が表示され

ハイゼントラ20%皮下注1g/5mL・2g/10mL・4g/20mL

改訂後 ⑴ 依存性連用により薬物依存を生じることがあるので 観察を十分に行い 用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること また 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により 痙攣発作 せん妄 振戦 不眠 不安 幻覚 妄想等の離脱症状があらわれることがあるので 投与を中止する場合には 徐々に

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医薬品の適正使用に欠かせない情報です

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています


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- 医薬品の適正使用に欠かせない情報です 必ずお読みください - 効能又は効果 用法及び用量の一部変更 使用上の注意改訂のお知らせ 平成 23 年 5 月 劇薬 処方せん医薬品 ( 注意 - 医師等の処方せんにより使用すること ) エタンブトール製剤 エタンブトール塩酸塩錠 このたび 標記製品の 効

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会長 日本製薬団体連合会会長 日本一般用医薬品連合会会長 米国研究製薬 工業協会会長 欧州製薬団体連合会会長及び一般社団法人日本医薬品卸業連合 会会長あてに発出することとしているので申し添えます

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを

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改訂後 ( 下線 : 追加記載 ) 改訂前 ( 下線 : 削除 ) 使用上の注意 1) 腎障害のある患者 [ 高い血中濃度が持続するおそれがある ]( 用法 用量に関連する使用上の注意 の項参照 ) 2)~ 4) 現行のとおり テオフィリン リトナビル 中枢神経抑制剤アルコール ( 飲酒 ) ピルシ

用法 用量 発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制 mg mg mg mg kg 30kg 40kg 20kg 30kg 10kg 20kg 5kg 10kg 1900mg mg mg mg

ヒアルロン酸ナトリウム架橋体製剤 特定使用成績調査

副作用収集状況 市販直後調査期間中 (2011 年 4 月 11 日 ~2011 年 10 月 31 日 ) に収集された副作用は 200 例 258 件でした そのうち 重篤な副作用は 8 例 14 件でした 副作用の内訳を表 1 に示します 重篤な副作用は 高カルシウム血症 3 件 意識変容状態

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食欲不振 全身倦怠感 皮膚や白目が黄色くなる [ 肝機能障害 黄疸 ] 尿量減少 全身のむくみ 倦怠感 [ 急性腎不全 ] 激しい上腹部の痛み 腰背部の痛み 吐き気 [ 急性膵炎 ] 発熱 から咳 呼吸困難 [ 間質性肺炎 ] 排便の停止 腹痛 腹部膨満感 [ 腸閉塞 ] 手足の筋肉の痛み こわばり

アビガン錠 200mg に係る 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 アビガン錠 200mg 有効成分 ファビピラビル 製造販売業者 富士フイルム富山化学株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 10 月 1.1. 安全性検討事項 重要な特定されたリスク 頁 重要な潜在

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医薬品の添付文書等を調べる場合 最後に 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 特定の文書 ( 添付文書以外の文書 ) の記載内容から調べる場合 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 最後に 調べたい医薬品の名称を入力 ( 名称の一部のみの入力でも検索可能

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LDL HbA1c6. 5% AST51 ALT51 - GT LDL180 1, mmHg 85mmHg 150mg/dL HDL 40mg/dL 100mg/dL HbA1c 5.6% mmhg mg/dl mg/

使用上の注意改訂のお知らせ スピーゲル

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ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

スイッチ OTC 医薬品の候補となる成分についての要望 に対する見解 1. 要望内容に関連する事項 組織名日本消化器病学会 要望番号 H28-11 H28-12 H28-16 成分名 ( 一般名 ) オメプラゾール ランソプラゾール ラベプラゾールオメプラゾール : 胸やけ ( 胃酸の逆流 ) 胃痛

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1. 重篤な不正出血の発現状況 ( 患者背景 ) (1) 患者背景 ( 子宮腺筋症 子宮筋腫合併例の割合 ) 重篤な不正出血発現例の多くは子宮腺筋症を合併する症例でした 重篤な不正出血を発現した 54 例中 48 例 (88.9%) は 子宮腺筋症を合併する症例でした また 子宮腺筋症 子宮筋腫のい

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糖尿病経口薬 QOL 研究会研究 1 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12

2. 改訂内容 ( ) 自主改訂 オルメテック錠 5mg 錠 10mg 錠 20mg 錠 40mg 改訂後改訂前 3. 相互作用併用注意 ( 併用に注意すること ) 薬剤名等 リチウム製剤炭酸リチウム -2- 臨床症状 措置方法 血清カリウム値が上昇することがある 血中リチウム濃度が上昇し リチウム

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使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d

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2 抗インフルエンザウイルス薬と異常行動の議論と今後の予定 平成 21 年に取りまとめられた報告書以降の知見を改めて報告書にまとめ 以下の議論がなされた 平成 21 年以降の非臨床研究及び 10 年に及ぶ疫学研究の科学的な知見を総括し 以下の事実から タミフル服用のみに異常行動と明確な因果関係がある

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タフィンラーカプセル50mg/75mg、メキニスト錠0.5mg/2mg 添付文書改訂のお知らせ

プラザキサ服用上の注意 1. プラザキサは 1 日 2 回内服を守る 自分の判断で服用を中止し ないこと 2. 飲み忘れた場合は 同日中に出来るだけ早く1 回量を服用する 次の服用までに 6 時間以上あけること 3. 服用し忘れた場合でも 2 回量を一度に服用しないこと 4. 鼻血 歯肉出血 皮下出

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

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タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

ベージニオ(アベマシクリブ)患者向医薬品ガイド

から (3) までの具体的な予定については添付 2 の図のとおりですので申し添 えます

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第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

肝疾患に関する留意事項 以下は 肝疾患に罹患した労働者に対して治療と職業生活の両立支援を行うにあたって ガイド ラインの内容に加えて 特に留意すべき事項をまとめたものである 1. 肝疾患に関する基礎情報 (1) 肝疾患の発生状況肝臓は 身体に必要な様々な物質をつくり 不要になったり 有害であったりす

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相互作用DB

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( 別添 ) 御意見 該当箇所 一般用医薬品のリスク区分 ( 案 ) のうち イブプロフェン ( 高用量 )(No.4) について 意見内容 <イブプロフェン ( 高用量 )> 本剤は 低用量製剤 ( 最大 400mg/ 日 ) と比べても製造販売後調査では重篤な副作用の報告等はない 一方で 今まで

改訂後 改訂前 使用上の注意 3. 副作用 (1) 重大な副作用 ( 頻度不明 ) 下記の重大な副作用があらわれることがあるので 観察を十分に行い 異常が認められた場合には投与を中止し 適切な処置を行うこと ₁) 現行通り ₂) 中毒性表皮壊死融解症 (Toxic Epidermal Necroly

患者向医薬品ガイド

5 がん化学療法に附随する消化器症状への対応 下痢, 便秘および 重篤な消化管症状への対応 後藤歩, 小栗千里, 光永幸代, 市川靖史 小林規俊, 前田愼, 遠藤格

第 4 章感染患者への対策マニュアル ウイルス性肝炎の定義と届け出基準 1) 定義ウイルス感染が原因と考えられる急性肝炎 (B 型肝炎,C 型肝炎, その他のウイルス性肝炎 ) である. 慢性肝疾患, 無症候性キャリア及びこれらの急性増悪例は含まない. したがって, 透析室では HBs

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AC 療法について ( アドリアシン + エンドキサン ) おと治療のスケジュール ( 副作用の状況を考慮して 抗がん剤の影響が強く残っていると考えられる場合は 次回の治療開始を延期することがあります ) 作用めやすの時間 イメンドカプセル アロキシ注 1 日目は 抗がん剤の投与開始 60~90 分

改訂後 ( 下線部 : 追記又は変更 ) ( 重大な副作用 失神 意識喪失 (0.1% 未満注 ) ): 血圧低下に伴う一過性の意識喪失等があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 投与を中止し適切な処置を行うこと 肝機能障害, 黄疸 ( いずれも 0.1% 未満注


要旨 平成 30 年 2 月 21 日新潟県福祉保健部 インターフェロンフリー治療に係る診断書を作成する際の注意事項 インターフェロンフリー治療の助成対象は HCV-RNA 陽性の C 型慢性肝炎又は Child-Pugh 分類 A の C 型代償性肝硬変で 肝がんの合併のない患者です 助成対象とな

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表イ 同種同効品一覧表

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重篤な副作用は 自然流産の 1 例 1 件であった 本症例は 本剤服用後も性交があり どの時点での妊娠か判断できず 本剤と自然流産との関連は評価できないと考えた 非重篤な副作用のうち 使用上の注意から予測できない副作用は 腹部膨満及び月経困難症各 2 件 腹部不快感 口内炎 ざ瘡 尿臭異常 月経障害

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(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

2017 年 9 月 画像診断部 中央放射線科 造影剤投与マニュアル ver 2.0 本マニュアルは ESUR 造影剤ガイドライン version 9.0(ESUR: 欧州泌尿生殖器放射線学会 ) などを参照し 前マニュアルを改訂して作成した ( 前マニュアル作成 2014 年 3 月 今回の改訂

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日本医薬品安全性学会 COI 開示 筆頭発表者 : 加藤祐太 演題発表に関連し 開示すべき COI 関連の企業などはありません

この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 過去に NikP に含まれる成分で過敏症のあった人 妊婦または妊娠している可能性のある人および授乳中の人 次の人は 慎重に使う必要があります 使い始める前に医師または薬剤師にその旨を告げてください 肝臓に重篤な障害のあ

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Transcription:

2011 年 11 月 謹啓平素より弊社製品の適正使用にご理解とご協力を賜り 誠にありがとうございます 今般 弊社の尿酸排泄薬 ユリノーム R 錠 の重大な副作用の一つである 肝障害 について より安全にお使い頂くためのご案内を申し上げます < ユリノーム R 錠をより安全にお使い頂くためのお願い > 投与開始後少なくとも 6 ヶ月間は必ず定期的な肝機能検査を実施して下さい 肝障害を早期に発見するために 本剤投与後少なくとも 6 ヶ月間は必ず定期的な肝機能検査を実施し 肝機能検査値の異常が認められた場合には投与を中止し 適切な処置をお願い致します ( 投与開始から 6 ヶ月間は 3 ヶ月に 1 回以上の肝機能検査の実施を心がけて下さい ) また 投与開始から 6 ヶ月経過後も定期的な肝機能検査の実施をお願い致します 本剤投与中は患者様の状態を十分観察し 自他覚症状の発現にご注意下さい 本剤の投与中は肝障害に伴う自他覚症状の発現について 注意深く観察をお願い致します また 患者様に対しては副作用として肝障害が発生する場合があることを予め説明し 食欲不振 悪心 嘔吐 全身倦怠感 腹痛 下痢 発熱 尿濃染 眼球結膜黄染等があらわれた場合には投与を中止し 直ちに受診するよう十分説明をお願い致します 本剤の使用に際しては 警告 禁忌を含む 使用上の注意 をご確認下さい 本剤による劇症肝炎につきましては 2000 年 2 月に緊急安全性情報をもって注意喚起させて頂きました 1) 以来 弊社では本剤の薬物代謝に関する検討や 使用実態下における安全性および有効性に関する調査 2) (2005 年 11 月 ~2008 年 4 月 ) を実施するとともに 弊社へご報告頂いた肝障害の発現状況についても毎年 適正使用情報としてご提供し先生方のご協力の下 継続して安全対策を図って参りました 一方で 緊急安全性情報発出以降も毎年 20 例前後の重篤な肝障害が報告されております 本剤をより安全にお使い頂くため 改めて上記の点にご留意頂き 今後とも適正なご使用をお願い申し上げます 謹白 1) 新薬と臨床, 53(6), 682, 2004 2) 痛風と核酸代謝, 35(1), 19, 2011-1-

20(1) 重篤な肝障害の報告症例数の推移 2000 年 2 月に緊急安全性情報を発出した以後も重篤な肝障害が毎年 20 例前後報告されております ( 図 1 参照 ) また ユリノーム R 3) 錠服用患者様における肝機能検査の実施状況について調査した結果 投与開始後に一度も肝機能検査が実施されなかった症例の割合は 32.1%(382/1,191 例 ) でした ( 再来院のなかった症例は除く ) なお 2005 年 11 月 ~ 2008 年 4 月までに実施した 使用実態下における安全性および有効性に関する調査 の結果では 肝障害 ( 重篤症例 ) の発現症例率は 0.09%[4/4,659 例 ] でした 3) レセプトデータに基づく社内集計 ( 調査対象期間 :2009 年 1 月から 2010 年 12 月 ) 25 22 22 22 10 18 19 19 25 16 18 16 17 8 0 99 年 安 99 年 安 後 00 年 01 年 02 年 03 年 04 年 05 年 06 年 07 年 08 年 09 年 10 年 AST(GOT) あるいは ALT(GPT) が 500U/L 以上の症例等 副作用の重篤度分類基準 ( 厚生省薬務局安全課長通知 1992 年 6 月 29 日 ) グレード 3 もしくは副作用治療のために入院を要した症例 図 1 重篤な肝障害の自発報告症例数 ( 社内集計 :2011 年 3 月現在 ) (1999 年 4 月以降の副作用自発報告における重篤な肝障害 247 例 ) (2) 自他覚症状の発現状況弊社に報告された上記の症例を対象に自他覚症状の発現状況について解析を実施したところ 44.1%(109 例 ) において副作用診断日以前に倦怠感 消化器症状 黄疸 尿濃染などの自他覚症状が認められました ( 図 2 参照 ) AST(GOT) あるいは ALT(GPT) が 500U/L 以上の症例等 副作用の重篤度分類基準 ( 厚生省薬務局安全課長通知 1992 年 6 月 29 日 ) グレード 3 もしくは副作用治療のために入院を要した症例 () 30 25 20 15 10 5 0 6 7 1 15 29 30 以上 症状名 ( 重複あり ) 診断当日 前日 ~6 日前 7~14 日前 15 29 日前 30 日以上前 合 計 倦怠感 ( 体調不良等 ) 26 11 16 11 7 71 消化器症状 ( 嘔気 食欲不振 下痢 腹痛 心窩部痛等 ) 14 17 18 5 4 58 黄疸 ( 皮膚黄染 眼球結膜黄変等 ) 24 14 4 2 44 尿変化 ( 尿濃染 褐色尿等 ) 7 5 12 4 1 29 便変化 ( 白色便 ) 1 1 2 4 感冒様症状 ( 発熱 咳等 ) 8 3 4 2 17 皮膚症状 ( かゆみ 皮疹等 ) 2 2 1 1 1 7 合 計 82 52 56 27 13 230 図 2 自他覚症状が認められた 109 例の症状と発現時期 ( 社内集計 :2011 年 3 月現在 ) (1999 年 4 月以降の副作用自発報告における重篤な肝障害 247 例 ) - 2 -

(1) 定期的に肝機能検査を行って下さい本剤による重篤な肝障害は主に投与開始後 6 ヶ月間に認められております ( 図 3 参照 ) 投与開始後少なくとも 6 ヶ月間は必ず定期的に肝機能検査を実施して下さい 投与開始から 3 ヶ月までの間に発現している症例が多いことから 目安としてはこの期間に 1 回以上の肝機能検査の実施を 注その後の 3 ヶ月間にも 1 回以上の肝機能検査の実施を心がけて下さい ) また投与開始から 6 ヶ月経過後も定期的に肝機能検査を実施して下さい 投与中に肝機能検査値の異常が認められた場合は投与を中止し 適切な処置をお願い致します なお 患者様の状況に応じて 検査実施や患者様の観察のための来院頻度をご検討下さい AST(GOT) あるいは ALT(GPT) が500U/L 以上の症例等 副作用 の重篤度分類基準 ( 厚生省薬務局安全課長通知 1992 年 6 月 29 日 ) グレード 3もしくは副作用治療のために入院を要した症例 肝障害発現までの期間 ( 月 ) 査1 回以上 1 回以上実投与開始から 6 ヶ月経過後も定期的に検査実施検査実施検査実施施の目安患者様の状態を十分観察し 自他覚症状の発現に注意 ( 投与期間中 ) 図 3 肝障害発現までの期間 ( 月 ) と検査実施の目安 ( 社内集計 :2011 年 3 月現在 ) (1999 年 4 月以降の副作用自発報告における重篤な肝障害 247 例 ) 注 ) あくまでも検査頻度の目安であり これにより必ず肝障害を早期に発見できるわけではありません 肝障害を早期に発見するためには 日常的に患者様自身および周囲の方に自他覚症状の発現に注意して頂くことが必要です 検(2) 患者様の状態を観察し 自他覚症状の発現に注意して下さい肝障害を早期に発見するためには定期的に肝機能検査を実施して肝機能の状態を確認すると共に 自他覚症状の観察を十分に行うことが重要です 本剤の投与に際しては 患者様に対して下記の点について十分にご説明下さい 本剤の副作用として肝障害が起こる可能性があること 倦怠感 消化器症状 尿変化 黄疸など 肝障害の自他覚症状 自他覚症状が発現した場合あるいは肝機能検査値の異常が認められた場合の服用中止および医療機関への受診なお 弊社ではこれらの自他覚症状について患者様にご説明して頂く際の資材をいくつかご用意しております (p.7 をご参照下さい ) ので 弊社医薬情報担当者 又はお客様相談室までご用命下さい - 3 -

重篤な肝障害症例の概要 症例 1 患者 性年代 使用理由合併症等 経過及び処置 男 50 代 痛風 35 日前投与開始日 29 日後 119 日後 尿酸値 :7.1mg/dL AST:21U/L ALT:15U/L γ-gtp:24 U/L T-bil:0.4mg/dL アロプリノールからベンズブロマロン 50mg/ 日投与へ変更 受診 尿酸値 :4.4mg/dL AST:23U/L ALT:20U/L γ-gtp:22u/l T-bil:0.3mg/dL 受診 特に患者からの訴えなく ベンズブロマロン 28 日分処方 1 日投与量投与期間 50mg 128 日間 128 日後 ( 投与中止 ) 中止 21 日後中止 32 日後中止 49 日後 他院受診 2 週間前から全身倦怠感 心窩部不快感 数日前から褐色尿があったとのこと AST:1,315 U/L ALT:1,383 U/L γ-gtp:701u/l T-bil:8.08mg/dL と高値を認めたため入院 安静加療とした ベンズブロマロン投与中止 AST:770U/L ALT:701U/L γ-gtp:394 U/L T-bil:10.35mg/dL 退院 受診 AST:77U/L ALT:57U/L γ-gtp:623 U/L T-bil:2.83mg/dL 併用薬 : なし D LST: ベンズブロマロン陰性 HAV: 陰性 HBV: 陰性 HCV: 陰性 検査項目名 35 日前 29 日後 128 日後 ( 中止日 ) 中止 7 日後 中止 14 日後 中止 21 日後 中止 29 日後 中止 49 日後 AST 21 23 1,315 1,036 999 770 361 77 ALT 15 20 1,383 1,046 963 701 337 57 γ-gtp 24 22 701 615 423 394 421 623 T-bil 0.4 0.3 8.08 11.98 15.19 10.35 6.75 2.83 症例 2 性年代 患者 使用理由合併症等 経過及び処置 女 70 代 高尿酸血症 高脂血症上腹部痛 1 日投与量投与期間 50mg 175 日間 85 日前投与開始日 111 日後 151 日後 165 日後 175 日後 ( 投与中止 ) AST:17U/L ALT:9U/L γ-gtp:23u/l アロプリノールからベンズブロマロン 50mg/ 日投与へ変更 受診 AST:57U/L ALT:77U/L γ-gtp:193u/l T-bil:0.75mg/dL 自覚症状なく ウルソ 300mg 3/ 日開始して経過観察 受診 AST:145U/L ALT:161U/L γ-gtp:95u/l T-bil:0.77mg/dL 受診 微熱 倦怠感 食欲不振等の症状あり チモール混濁反応 (TTT):9.9U 受診時 黄疸を認めベンズブロマロン投与中止 AST:291U/L ALT:355U/L γ-gtp:254u/l T-bil:5.40mg/dL 中止 1 日後中止 19 日後中止 25 日後中止 36 日後 他院へ紹介入院 以降 自然緩解 AST:99U/L ALT:125U/L γ-gtp:155u/l T-bil:1.8mg/dL 退院 受診 AST:31U/L ALT:20U/L γ-gtp:86u/l T-bil:1.2mg/dL 併用薬 : ロスバスタチンカルシウム オメプラゾール D LST: ベンズブロマロン陰性 検査項目名 85 日前 111 日後 151 日後 175 日後 ( 中止日 ) 中止 1 日後 中止 9 日後 中止 19 日後 中止 36 日後 AST 17 57 145 291 253 161 99 31 ALT 9 77 161 355 315 166 125 20 γ-gtp 23 193 95 254 279 220 155 86 T-bil 0.75 0.77 5.40 6.0 3.4 1.8 1.2 D-bil 0.21 0.22 4.34 4.7-4 -

参考資料下記資材につきましては 弊社医薬情報担当者又はお客様相談室へご用命下さい なお 内容等は弊社医療関係者向けホームページ (http://www.torii.co.jp/medipro/index.html) 又は製品ホームページ (http://www.torii.co.jp/urat1/index.html) にてもご覧頂けます また ホームページでは 下記以外の資材もご紹介しています 1. 患者様啓発手帳 下記の他にも数種類ございます p.25 肝機能チェックのポイントを掲載しています (A6 判 32 頁 ) p.27 臨床検査値記入欄血清尿酸値 肝機能検査値等の管理にご利用頂けます 2. 患者様向けユリノーム服薬指導資材 表面 中面 - 5 -

改訂後の使用上の注意 ( 線部 : 追加改訂箇所 )2011 年 11 月改訂 ( 第 6 版 ) 警告 1. 劇症肝炎等の重篤な肝障害が主に投与開始 6 ヶ月以内に発現し 死亡等の重篤な転帰に至る例も報告されているので 投与開始後少なくとも 6 ヶ月間は必ず 定期的に肝機能検査を行うこと また 患者の状態を十分観察し 肝機能検査値の異常 黄疸が認められた場合には投与を中止し 適切な処置を行うこと 2. 副作用として肝障害が発生する場合があることをあらかじめ患者に説明するとともに 食欲不振 悪心 嘔吐 全身倦怠感 腹痛 下痢 発熱 尿濃染 眼球結膜黄染等があらわれた場合には 本剤の服用を中止し 直ちに受診するよう患者に注意を行うこと 禁忌 ( 次の患者には投与しないこと ) 1. 肝障害のある患者 肝障害を悪化させることがある 2. 腎結石を伴う患者 高度の腎機能障害のある患者 尿中尿酸排泄量の増大により これらの症状を悪化させるおそれがある また 効果が期待できないことがある 3. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人 妊婦 産婦 授乳婦等への投与 の項参照 4. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 使用上の注意 1. 重要な基本的注意 (1) 投与開始前に肝機能検査を実施し 肝障害のないことを確認すること 禁忌 の項参照 (2) 本剤の投与にあたっては 重篤な肝障害が主に投与開始 6 ヶ月以内に発現しているので 投与開始後少なくとも 6 ヶ月間は必ず定期的な検査を行うこと また 投与開始後 6 ヶ月以降も定期的に肝機能検査を行うこと 警告 の項参照 (3) 急性痛風発作がおさまるまで 本剤の投与を開始しないこと (4) 本剤の血中尿酸低下作用は著しく 本剤の投与初期に痛風発作を誘発することがある (5) 尿が酸性の場合 患者に尿酸結石及びこれに由来する血尿 腎仙痛等の症状を起こしやすいので これを防止するため 水分の摂取による尿量の増加及び尿のアルカリ化をはかること なお この場合には 患者の酸 塩基平衡に注意すること 2. 相互作用本剤は 主として肝代謝酵素 CYP2C9 によって代謝される また CYP2C9 の阻害作用をもつ 併用注意 ( 併用に注意すること ) 薬剤名等臨床症状 措置方法機序 危険因子 クマリン系抗凝血薬ワルファリン 抗結核薬ピラジナミド サリチル酸製剤アスピリン クマリン系抗凝血薬の作用を増強することがあるので プロトロンビン時間を測定するなど観察を十分に行い 注意すること 本剤の効果が減弱することがある 本剤の効果が減弱することがある 本剤は CYP2C9 を阻害するため CYP2C9 によって代謝されるクマリン系抗凝血薬の血中濃度を上昇させるなどの機序が考えられる ピラジナミドが腎尿細管における尿酸の分泌を抑制することが知られているため 本剤の効果が減弱することが考えられる サリチル酸製剤は尿酸の排泄を抑制することが知られているため 本剤の効果が減弱することが考えられる 3. 副作用総症例 5,482 例中 112 例 (2.0%) に副作用が認められ 主な副作用は胃部不快感 18 件 (0.33%) 胃腸障害 16 件 (0.29%) 瘙痒感 16 件 (0.29%) 発疹 15 件 (0.27%) 下痢 10 件 (0.18%) であった ( ユリノーム開発時からユリノーム 25mg 承認時までの調査 ) (1) 重大な副作用重篤な肝障害 ( 頻度不明 ): 劇症肝炎等の重篤な肝障害 黄疸があらわれることがあるので 定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い 異常が認められた場合には投与を中止し 適切な処置を行うこと 警告 の項参照 なお 使用実態下における安全性および有効性に関する調査において 肝障害 ( 重篤症例 ) の発現頻度は 0.09% であった [4,659 例中 4 例 ] (2) その他の副作用 0.1% 以上 0.1% 未満 頻度不明 1) 過敏症注 瘙痒感 発疹 蕁 顔面発赤 紅斑 光線過敏症 麻疹 2) 肝臓注 AST(GOT) ALT (GPT) の上昇 AI-Pの上昇 黄疸 消化器 その他 胃部不快感 胃腸障害 下痢 軟便 胸やけ 胃痛 腹痛 悪心 口内の荒れ 浮腫 心窩部不快感 頭痛 注 1) このような症状があらわれた場合には投与を中止すること 注 2) このような症状があらわれた場合には投与を中止し 適切な処置を行うこと 警告 の項参照 自発報告によるものについては頻度不明 4. 高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること 5. 妊婦 産婦 授乳婦等への投与 (1) 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと 動物実験で催奇形作用が報告されている (2) 授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること 授乳中の投与に関する安全性は確立していない 6. 小児等への投与小児等に対する安全性は確立していない ( 使用経験が少ない ) 7. 適用上の注意薬剤交付時 PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用するよう指導すること PTP シートの誤飲により 硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し さらには穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている 8. その他の注意ラットに長期間経口投与 50mg/kg/day( 臨床用量の約 17 倍 ) 104 週間 したところ 肝細胞癌が発生したとの報告がある お問い合わせ 鳥居薬品株式会社お客様相談室東京都中央区日本橋本町 3-4-1 TEL. 0120-316-834 FAX. 0120-797-335-6 -