市原市国民健康保険 データヘルス計画書

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1 保健事業実施計画策定の背景 北海道の後期高齢者医療は 被保険者数が増加し 医療費についても増大している 全国的にも少子高齢化の進展 社会保障費の増大が見込まれる このような現状から 一層 被保険者の健康増進に資する保健事業の実施が重要となっており 国においても 保健事業実施計画 ( データヘルス

1 疾患別医療費札幌市国保の総医療費に占める入院医療費では 悪性新生物が 21.2% 循環器疾患が 18.6% となっており 循環器疾患では 虚血性心疾患が 4.5% 脳梗塞が 2.8% を占めています 外来医療費では 糖尿病が 7.8% 高血圧症が 6.6% 脂質異常症が 4.3% となっています

第2期データヘルス計画について

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目次 1. 趣旨 2. 計画の期間 3. 兵庫県の特徴 (1) 人口 後期高齢者数について (2) 平均寿命について (3) 医療 健診 介護 ( 有病状況 ) について 4. 目標 5. 実施事業 < 参考 > 別添資料 KDB の分析帳票等について

対象疾患名及び ICD-10 コード等 対象疾患名 ( 診療行為 ) ICD-10 等 1 糖尿病 2 脳血管障害 3 虚血性心疾患 4 動脈閉塞 5 高血圧症 6 高尿酸血症 7 高脂血症 8 肝機能障害 9 高血圧性腎臓障害 10 人工透析 E11~E14 I61 I639 I64 I209 I

第 2 章 西東京市の現状 第 2 章 東京市の現状 1 人口等の動向 (1) 東京市の 年次推移西東京市の人口は 平成 7(1995) 年以降 一貫して増加の傾向にあり 平成 27(2015) 年の国勢調査では 20 万人を超えています 図表 2-1 西東京市人口の年次推移と伸び率 ( 人 ) 2


第 1 章計画策定にあたって 1 計画策定の背景と趣旨 ( 注近年 特定健康診査 ) ( 注 ) ( 以下 特定健診 という ) の実施や診療報酬明細書等 ( 以 下 レセプト という ) の電子化の進展等により 保険者 ( 注 ) が健康や医療に関する情 報を活用して被保険者 ( 注 ) の健康課

21

2 第 1 期データヘルス計画 ( 平成 27 年度 ~ 平成 29 年度 ) の要点 ⑴ 加入者の状況被保険者は 男性が約 85% と多く 年齢構成は 40 歳代 50 歳代が多い 被扶養者は 子供を除くと女性が多い ⑵ データに基づく健康課題 1 生活習慣病及び生活習慣病関連疾患が医療費に占める

国民健康保険制度改革の施行に向けて

目次 1. 基本事項... 1 (1) 計画策定の背景... 1 (2) データヘルス計画の位置づけ... 1 (3) 計画期間 北海道建設国民健康保険組合の特性把握... 2 (1) 被保険者の構成... 2 (2) 医療費の状況 これまでの取り組み... 6 (1

Microsoft Word - 44-第4編頭紙.doc

~ 第 1 章計画策定にあたって ~ 1. データヘルス計画策定の背景及び位置付けこれからの高齢者の大幅な増加が見込まれる中で 高齢者ができる限り長く自立した日常生活を送ることができるよう 被保険者の健康の保持増進の取組みを支援することが重要です また 特定健康診査の実施やレセプト等の電子化の進展

5. 死亡 (1) 死因順位の推移 ( 人口 10 万対 ) 順位年次 佐世保市長崎県全国 死因率死因率死因率 24 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 位 26 悪性新生物 350

Microsoft Word - 特定健康診査等実施計画2期(YNK).docx

第三期特定健康診査等実施計画 ニチアス健康保険組合 最終更新日 : 平成 30 年 02 月 20 日


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(2) 傷病分類別ア入院患者入院患者を傷病分類別にみると 多い順に Ⅴ 精神及び行動の障害 千人 Ⅸ 循環器系の疾患 千人 Ⅱ 新生物 千人となっている 病院では Ⅴ 精神及び行動の障害 千人 Ⅸ 循環器系の疾患 千人 Ⅱ 新生物 147.

新宮市国民健康保険第 2 期特定健康診査等実施計画 ( 平成 25 年度 ~ 平成 29 年度 ) 平成 25 年 4 月 新宮市国民健康保険

第2章

1. 趣旨 目的 香川県糖尿病性腎症等重症化予防プログラム 香川県医師会香川県糖尿病対策推進会議香川県国民健康保険団体連合会香川県 本県では 糖尿病患者の人口割合が全国上位にあり 糖尿病対策が喫緊 の課題となっている 糖尿病は放置すると網膜症や腎症 歯周病などの合 併症を引き起こし 患者の QOL

背景及び趣旨 我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する法律

背景及び趣旨我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する法律に

特定健康診査等実施計画(案)

7 対 1 10 対 1 入院基本料の対応について 2(ⅲ) 7 対 1 10 対 1 入院基本料の課題 将来の入院医療ニーズは 人口構造の変化に伴う疾病構成の変化等により より高い医療資源の投入が必要となる医療ニーズは横ばいから減少 中程度の医療資源の投入が必要となる医療ニーズは増加から横ばいにな

特定健康診査等実施計画 東京スター銀行健康保険組合 平成 25 年 4 月

第三期 特定健康診査等実施計画 ウシオ電機健康保険組合 平成 30 年 4 月

調査の概要と対象レセプトについて本レポートは メンタルヘルスに関連する 気分 [ 感情 ] 障害 神経症性障害 ストレス関連障害及び身体表現性障害 の入院外の動向を中心に 24 年度の受診者数の推移や対前年同期比の推移を調査したものです 職場でのメンタルヘルス対策や注意喚起など 広報誌 ホームページ

Ⅰ 目標達成

特定健康診査等実施計画 ( 第 3 期 ) ベルシステム 24 健康保険組合 平成 30 年 3 月 1 日 ( 最終更新日 : 平成 30 年 7 月 27 日 )

保健事業実施計画書


特定健康診査等実施計画 ( 第 3 期 ) 三菱製紙健康保険組合 平成 30 年 4 月

第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %

1) 疾患別死亡数 死亡率 ( 七尾市 ) 死亡数 ( 総数 ) 資料 : 衛生統計報 死亡率 ( 総数 ) 人口 10 万対

特定健康診査等実施計画 ( 第 2 期 ) ベルシステム 24 健康保険組合 平成 25 年 3 月 1 日

財務省財務総合政策研究所 フィナンシャル レビュー 平成 27 年第 3 号 ( 通巻第 123 号 )2015 年 6 月 Ⅱ. 医療 介護レセプト 特定健診データの有効活用 : 分析によりわかること レセプトの分析及び特定健診データとの突合により, 個々の医療保険者において以下のような活用が可能

第三期 小平市国民健康保険 特定健康診査等実施計画 平成 30 年 3 月 小平市

特定健康診査等実施計画

(この実施計画は「高齢者の医療の確保に関する法律」第19条の規定に基づき作成し、

<4D F736F F D DC58F49817A88B089AE8E738C928D4E8C7689E68F918CB488C42E646F63>

現状分析による課題抽出のためのワークシート ( 高血圧 糖尿病 脂質異常症 ) 高血圧糖尿病脂質異常症 要介護認定を受けた被保険者の医療費の状況 ( 資料 :KDB システム 12 月末抽出分 ) 有病状況では糖尿病等の基礎疾患が約 6 割となっている 中分類別医療費 1 人当たり医療費が県と比較し

■● 糖尿病

平成26年度  レセプトデータ利活用に 関するモデル事業

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会


特定健康診査等実施計画 ( 第二期 ) 三重交通健康保険組合 平成 25 年 7 月

医療費適正化計画の概要について 国民の高齢期における適切な医療の確保を図る観点から 医療費適正化を総合的かつ計画的に推進するため 国 都道府県は 医療費適正化計画を定めている 根拠法 : 高齢者の医療の確保に関する法律作成主体 : 国 都道府県計画期間 :5 年 ( 第 1 期 : 平成 20~24

死亡率 我が国における疾病構造 生活習慣病は死亡割合の約 6 割を占めている 我が国の疾病構造は感染症から生活習慣病へと変化 死因別死亡割合 ( 平成 24 年 ) 生活習


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1 基本健康診査基本健康診査は 青年期 壮年期から受診者自身が自分の健康に関心を持ち 健康づくりに取り組むきっかけとなることを目的に実施しています 心臓病や脳卒中等の生活習慣病を予防するために糖尿病 高血圧 高脂血症 高尿酸血症 内臓脂肪症候群などの基礎疾患の早期発見 生活習慣改善指導 受診指導を実

H23修正版

目次 第 1 章計画の策定にあたって 計画策定の目的と背景 計画の位置づけ 計画の期間 実施体制... 2 第 2 章豊中市の現状 豊中市の特性... 3 (1) 豊中市の概況... 3 (2) 豊中市の人口の推移...

第 1 節人口の推移 1 総人口と世帯数の推移 平成 25 年 1 月 1 日現在 人口は 580,852 人 世帯数は 259,048 で平成 5 年から 人口 世帯数ともに増加傾向にあります 出典 : 各年 1 月 1 日現在総人口 2 段階別人口の推移と将来推計平成 17 年から 25 年まで

特定健康診査等実施計画 豊田合成健康保険組合 平成 30 年 3 月

議題1 介護納付金課税額に係る税率及び課税限度額について(諮問)

PowerPoint プレゼンテーション

特定健康診査等実施計画

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目  次

保健事業実施計画書

目次 1. 目的 2 2. 人工透析患者の年齢等の分析 3 性別 被保険者 被扶養者 3. 人工透析患者の傷病等の分析 8 腎臓病 併存傷病 平成 23 年度新規導入患者 4. 人工透析 健診結果 医療費の地域分析 13 二次医療圏別 1

求する診療報酬明細書の件数 ( 入院以外 ) は 糖尿病や高血圧 心疾患などの生活習 慣病が約 4 割を占めている 生活習慣病患者が増加することにより 医療費は年々増 大していくことが考えられる 図 2 戸田市の医療費の推移 ( ウ ) 健康寿命の延伸県は健康寿命を 65 歳に達した県民が自立した生

ファイル名 GYYMM_1_KDB 被保険者台帳.CSV( 最新 1 月分 ) GYYMM_2_ 健診結果.CSV GYYMM_3_ 医療レセプト管理.CSV GYYMM_4_ 医療傷病名.CSV GYYMM_5_ 医療摘要.CSV GYYMM_6_ 医療最大医療資源 ICD 別点数.CSV GYY

第2次「健康くるめ21」計画


桑名市 パブリックコメント 桑名市国民健康保険保健事業実施計画 ( データヘルス計画 ) ( 平成 27 年度 ~ 平成 29 年度 ) 案 平成 28 年 3 月 桑名市

(7)健診データの受領方法

大阪府医師国民健康保険組合 特定健康診査等実施第 2 期計画 ( 平成 25 年 7 月 1 日 ) 1. 計画策定の背景昭和 36 年の国民皆保険の成立により わが国の平均寿命は飛躍的に伸び 今や世界一の長寿国となった しかし 世界に冠たるこの国民皆保険制度は 平均寿命の伸びによる高齢化の急激な進

Ⅱ 医療費等の状況

特定健康診査等実施計画 第二期 ( 平成 25 年度 ~ 平成 29 年度 ) 第一版 三菱鉛筆健康保険組合 平成 25 年 5 月

芦屋市

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特定健康診査等実施計画

施設の種類別に年次推移をみると 入院では 病院は 8 年からほぼ横ばいであったが 20 年は減少しており 一般診療所は昭和 59 年から減少傾向にある 外来では 病院 一般診療所ともに 20 年は減少しており 歯科診療所は 14 年から増加傾向にある ( 図 1 統計表 1 2) 年齢階級別にみると

特定健康診査等実施計画書 ( 第 3 期 ) JXTG グループ健康保険組合 平成 20 年 4 月 1 日制定平成 22 年 4 月 1 日改訂平成 25 年 4 月 1 日改正平成 30 年 4 月 1 日改正 - 1 -

Microsoft Word - にしはら健康21(第2次)最終(表紙、間紙入り)

特定健康診査等実施計画 ( 第二期 : 平成 25 年度 ~ 平成 29 年度 ) リクルート健康保険組合 平成 25 年 4 月 1

練馬区国保における糖尿病重症化 予防事業について 平成 29 年 3 月 6 日練馬区区民部国保年金課 1 東京都糖尿病医療連携協議会配布資料

表紙裏 ( 空白 )

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第三期特定健康診査等実施計画 横浜ゴム健康保険組合 最終更新日 : 平成 30 年 10 月 16 日

平成13年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

保健事業実施計画書 ( データヘルス計画 ) 平成 30 年度 ~ 平成 35 年度 長野県医師国民健康保険組合

3 成人保健

資料編

平成 28 年 5 月診療分疾病分類統計について 調査の目的 この調査は 国民健康保険の疾病状況及び医療費の実態を把握することを目的に 毎年 5 月診療分を対象に行っている 調査の対象と集計方法平成 28 年 6 月に国保連合会において審査対象となった医科 歯科の診療報酬明細書 ( レセプト ) を

特定健康診査等実施計画

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資料 6 広島市健康福祉局保健部保健医療課 元気じゃ健診 ( 特定健診 ) の受診に関する地域包括支援センターから地域住民への呼びかけについて 1. 趣旨 広島市は 全国平均に比べて 平均寿命は長いが 健康寿命は短くなっている また 広島市国民健康保険の 1 人当たり医療費は 政令市の中で最も高くな

Ⅰ 計画策定にあたって 1. はじめに私たちは 国民皆保険制度 フリーアクセス という日本の医療を支える象徴的な仕組みを享受し 世界最長レベルの平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 日本経済が長期停滞する中 少子高齢化の進展や生活スタイルの変化 加えて医療技術の高度化や疾病構造の変化など

01_地域の全体像の把握

平成 29 年 5 月診療分疾病分類統計について 調査の目的 この調査は 国民健康保険の疾病状況及び医療費の実態を把握することを目的に 毎年 5 月診療分を対象に行っている 調査の対象と集計方法平成 29 年 6 月に国保連合会において審査対象となった医科 歯科の診療報酬明細書 ( レセプト ) を

第 1 章 ヘルスプランぎふ 21 の基本的な考え方 1 計画策定の趣旨 ヘルスプランぎふ 21 は 岐阜県健康増進計画として平成 14 年 3 月に策定し その後平成 20 年度には 国が策定した 健康日本 21 と連動しながら メタボリックシンドロームに着目した生活習慣病の一次予防に重点をおいた

Transcription:

市原市国民健康保険保健事業実施計画 ( データヘルス計画 ) 概要版 平成 28 年 3 月 市原市

Ⅰ. 事業目的等 1. 策定の趣旨 近年 特定健康診査の実施や診療報酬明細書等の電子化の進展 国保データベースシステム等の整備により 保険者が健康や医療に関する情報を活用して被保険者の健康課題の分析 保健事業の評価等を行う基盤整備が進んでいます 本市においては これまでも 統計資料等を活用することにより 市原市国民健康保険特定健康診査等実施計画 ( 以下 特定健診等実施計画 という ) の策定や見直し その他の保健事業を実施してきたところですが 今後は さらなる被保険者の健康の保持増進に努めるため 保有しているデータを活用しながら 被保険者をリスク別に分けてターゲットを絞った保健事業の展開などが求められています こうした背景を踏まえ 本市では 被保険者の健康寿命の延伸 QOLの向上 ひいては医療費適正化に資することを目的に 本計画を策定することとしました 2. 計画期間 計画期間は 保健事業実施指針において 特定健診等実施計画や健康増進計画との整合性を踏まえ 複数年とすること とされていること 保健事業の中核をなす特定健診 特定保健指導との整合を図る必要があることなどから 第 2 期の特定健診等実施計画の最終年度である平成 29 年度までの2 年間とします また 次期計画策定においては 特定健診等実施計画と一体的に策定することを検討します H25 H26 H27 H28 H29 H30 H31 データヘルス計画 次期計画 第 2 期特定健診等実施計画 改訂健康いちはら 21 1

3. 市原市の基本情報 (1) 基本情報 本市の平成 26 年度の人口は 271,839 人で 高齢化率 (65 歳以上 ) は 21.3% となっています 本市の高齢化 率は国 県 同規模市町村と比較するとやや低くなっています 国民健康保険被保険者数は 86,252 人で 市の人口に占める国保加入率は 31.7% となっています 国保被 保険者平均年齢は 50.4 歳で 県や国とほぼ同程度となっています 人口構成概要 (H26 年度 ) 人口 ( 人 ) 高齢化率 (65 歳以上 ) 出生率 死亡率 被保険者数 国保の状況 加入率 (%) 平均年齢 ( 歳 ) 市原市 271,839 21.3 7.7 8.7 86,252 31.7 50.4 県 5,975,492 21.8 8.6 8.4 1,765,330 29.5 50.8 同規模 200,991 22.1 8.7 8.7 53,242 26.4 51.2 国 124,852,975 23.2 8.6 9.6 32,318,324 28.8 50.3 (2) 医療費等の状況 本市の医療基礎情報を 国 県 同規模市町村と比較すると 外来 入院ともに1 件当たりの医療費 及び 1 日当たり医療費が高い傾向にあります 医療基礎情報 (H26 年度 ) 医療項目 市原市県同規模国 一件当たり医療費 ( 円 ) 34,230 34,260 34,130 34,740 一般 ( 円 ) 34,140 34,190 34,030 34,650 退職 ( 円 ) 36,400 36,060 36,200 36,580 外来 外来費用の割合 (%) 62.5 62.1 60.7 59.7 外来受診率 622.2 615.6 667.7 652.3 一件当たり医療費 ( 円 ) 21,900 21,810 21,250 21,320 一人当たり医療費 ( 円 ) 13,620 13,430 14,190 13,910 一日当たり医療費 ( 円 ) 13,700 13,890 13,250 13,210 一件当たり受診回数 1.6 1.6 1.6 1.6 入院 入院費用の割合 (%) 37.5 37.9 39.3 40.3 入院率 14.9 15.2 17.4 18.1 一件当たり医療費 ( 円 ) 548,580 538,180 527,720 517,930 一人当たり医療費 ( 円 ) 8,190 8,190 9,200 9,380 一日当たり医療費 ( 円 ) 37,730 36,080 33,550 32,530 一件当たり在院日数 14.5 14.9 15.7 15.9 2

4. 現状分析 (1) 特定健康診査の受診状況別の医療費特定健康診査の受診者と未受診者の医療費を比較すると 未受診者の方が一人当たりの医療費が約 1.7 倍高くなっています これは 健診を受診することで生活習慣病の早期発見ができ 重症化を防ぐことができている あるいは 未受診者は早期発見の機会がなく 重症化してから治療が始められるため 医療費が高額化しているのではないかと考えられます 生活習慣病罹患状況と医療費 罹患状況 ( 投薬のある患者 ) 患者数 ( 人 ) 医療費 ( 円 ) 一人当たり医療費 ( 円 ) 受診者未受診者受診者未受診者受診者未受診者 3 疾病併存患者 2 疾病併存患者 小計 481 1,645 277,644,690 1,271,611,800 577,224 773,016 糖尿病 高血圧症 364 1,415 160,914,610 1,147,980,310 442,073 811,294 糖尿病 脂質異常症 262 633 113,948,770 327,905,770 434,919 518,019 高血圧症 脂質異常症 2,168 3,085 790,966,320 1,675,289,520 364,837 543,044 1 疾病患者 小計 2,794 5,133 1,065,829,700 3,151,175,600 381,471 613,905 糖尿病 325 821 120,780,560 516,707,170 371,632 629,363 高血圧症 3,448 5,944 1,041,683,180 3,012,400,390 302,112 506,797 脂質異常症 1,811 1,514 448,745,030 653,510,420 247,789 431,645 小計 5,584 8,279 1,611,208,770 4,182,617,980 288,540 505,208 合計 8,859 15,057 2,954,683,160 8,605,405,380 333,523 571,522 データ化範囲 ( 分析対象 ) 医科 調剤の電子レセプトのみ 対象診療年月は平成 26 年 4 月 ~ 平成 27 年 3 月診療分 (12 か月分 ) データ化範囲 ( 分析対象 ) 健康診査データは平成 26 年 4 月 ~ 平成 27 年 3 月健診分 (12 か月分 ) 患者数 該当傷病名で投薬のある患者のみ集計 医療費 データ化範囲内における該当患者の医療費全体となり 生活習慣病に関する医療費に限らない 3

(2) 生活習慣病罹患者の医療費 生活習慣病罹患者の医療費は 総医療費の約 50.3% を占めています 基礎統計 月平均 A 被保険者 ( 人 ) 86,359 合計 生活習慣病を有する 者の医療費 B レセプト件数 ( 件 ) 入院外 54,309 651,703 入院 1,296 15,553 調剤 35,853 430,230 合計 91,457 1,097,486 C 医療費 ( 円 ) 1,913,762,654 22,965,151,850 11,560,088,540 D 患者数 ( 人 ) 40,084 481,002 23,916 C/D C/A C/B 患者一人当たりの医療費 ( 円 ) 被保険者一人当たりの医療費 ( 円 ) レセプト一件当たりの医療費 ( 円 ) 47,744 483,362 22,160 20,925 データ化範囲 ( 分析対象 ) 医科 調剤の電子レセプトのみ 対象診療年月は平成 26 年 4 月 ~ 平成 27 年 3 月診療分 (12 か月分 ) 医療費 医療機関もしくは保険薬局に受診されたレセプトに記載されている 保険の請求点数を集計し 金額にするために 10 倍にして表示 患者数 医療機関もしくは保険薬局に受診されたレセプトの人数を集計 同診療年月で一人の方に複数のレセプトが発行された場合は 一人として集計 生活習慣病を有する者の医療費 4

(3) 疾病別医療費統計 医療費 患者数 患者一人当たりの医療費 各項目の上位 10 疾病は以下のとおりとなっています 医療費及び患者数上位の 5 疾病中 3 疾病が生活習慣病となっています 医療費上位 10 疾病 ( 図 2 18) 生活習慣病に関わる疾病項目を網掛けで表示 順位中分類疾病項目医療費 ( 円 ) 構成比 (%) ( 医療費総計全体に対して占める割合 ) 患者数 ( 人 ) 1 腎不全 1,388,442,749 6.1 1,182 2 高血圧性疾患 1,336,831,501 5.9 23,974 3 その他の悪性新生物 1,211,010,107 5.3 6,928 4 糖尿病 1,178,893,843 5.2 21,485 5 統合失調症, 統合失調症型障害及び妄想性障害 944,002,626 4.1 1,933 6 その他の内分泌, 栄養及び代謝疾患 935,949,939 4.1 2,396 7 その他の消化器系の疾患 921,004,419 4.0 20,684 8 その他の心疾患 711,151,045 3.1 8,987 9 虚血性心疾患 620,935,326 2.7 6,898 10 その他の神経系の疾患 546,226,340 2.4 14,589 合計 9,794,447,895 42.9 129,056 患者数上位 10 疾病 ( 図 2 19) 順位 中分類疾病項目 医療費 ( 円 ) 構成比 (%) ( 医療費総計全体に対して占める割合 ) 患者数 ( 人 ) 1 高血圧性疾患 1,336,831,501 32.1 23,974 2 症状, 徴候及び異常臨床所見 異常検査所見で他に分類されないもの 429,120,369 30.1 22,487 3 その他の内分泌, 栄養及び代謝疾患 935,949,939 30.0 22,396 4 糖尿病 1,178,893,843 28.8 21,485 5 アレルギー性鼻炎 306,746,841 27.8 20,764 6 その他の消化器系の疾患 921,004,419 27.7 20,684 7 その他の急性上気道感染症 162,586,797 25.5 19,053 8 胃炎及び十二指腸炎 248,329,096 25.2 18,825 9 屈折及び調節の障害 79,028,498 25.0 18,683 10 皮膚炎及び湿疹 198,509,922 21.3 15,868 合計 5,797,001,225 204,219 患者一人当たりの医療費が高額な上位 10 疾病 ( 図 2 20) 順位 中分類疾病項目 医療費 ( 円 ) 患者数 ( 人 ) 患者一人当たりの医療費 ( 円 ) 1 腎不全 1,388,442,749 1,182 1,174,655 2 白血病 99,122,854 115 861,938 3 妊娠および胎児発育に関連する障害 61,395,014 78 787,116 4 統合失調症, 統合失調症型障害及び妄想性障害 944,002,626 1,933 488,361 5 直腸 S 状結腸移行部及び直腸の悪性新生物 213,627,890 461 463,401 6 悪性リンパ腫 131,533,885 382 344,330 7 気管, 気管支及び肺の悪性新生物 329,682,172 1,490 221,263 8 乳房の悪性新生物 289,032,456 1,443 200,300 9 脳内出血 176,094,181 910 193,510 10 パーキンソン病 117,506,074 623 188,613 合計 3,750,439,901 8,617 4,923,487 5

Ⅱ. 課題と目標設定 1. 課題と対策 データ分析の結果から 生活習慣病に関わる疾患が 患者数 医療費ともに多く 本市の健康課題となっているこ とがわかりました そこで 生活習慣病の予防 早期発見 重症化予防の観点から対策を検討しました 健康課題 対策 生活習慣病に関わる疾患が 患者数 医療費ともに多い 発症予防 早期発見 特定健診の受診率向上 重症化を予防する 腎臓病に絞った重症化予防 2. 目標設定 健康課題に対する実施事業と目標を設定しました 課題 特定健診の受診率向上 実施事業 特定健診不定期受診者への受診勧奨 ( 新規事業 ) 目標 指標現状 H28 H29 特定健診受診率 33.4% 36.4% 40.4% 生活習慣病への対応 重症化予防 糖尿病性腎症重症化予防事業 ( 新規事業 ) 慢性腎臓病 (CKD) 重症化予防事業 (H27~) 指導後に人工透析に移行した患者数 指導後に人工透析に移行した患者数 0 人 0 人 0 人 0 人 6

Ⅲ. 実施事業 1. 発症予防 早期発見 (1) 特定健康診査不定期受診者への受診勧奨 ( 新規事業 ) 特定健診の受診率向上対策として 不定期受診者を対象に受診勧奨します 過去の健診結果や問診票のデータを分析し 健康意識や運動習慣等により対象者を数パターンに分類し それぞれの特徴に合わせた文書で受診勧奨します 各年度 1 万人を勧奨対象とし 2 年間で4 千人の受診者増を目指します ( 期待される効果 ) 早期に生活習慣病の有病者又はその予備群を把握できる層が拡大 することによる 将来的な医療費抑制効果 2. 重症化予防 (1) 糖尿病性腎症重症化予防事業 ( 新規事業 ) 糖尿病性腎症の患者に対し かかりつけ医と連携しながら 保健師 栄養士等の専門職による 生活習慣改善のための保健指導を実施し 人工透析への移行を防止します 年 15 人程度に保健指導を行い 指導後の透析移行者 0 人を目指します (2) 慢性腎臓病 (CKD) 重症化予防事業 ( 継続事業 保健センター実施 ) 1 訪問指導事業医療機関未受診者に対し 訪問指導等により受診につなげ 重症化を予防します 年 100 人程度に訪問指導を行い 腎臓病の悪化を防止します 2 予防講座慢性腎臓病の予防に関する知識の普及啓発活動として 慢性腎臓病患者及び受講を希望する市民を対象に 医師 管理栄養士等の専門職による講演を行います 年 200 人程度を対象に講演を実施し 生活習慣改善への取組を促進します ( 期待される効果 ) 透析への移行を防ぐことで 年間約 500 万円 / 人の医療費抑制効果 Ⅳ. 進行管理 PDCA サイクルにより 各年度に事業評価を実施し 千葉県国民健康保険団体連合会に設置されている保健事 業支援 評価委員会及び 市原市国民健康保険運営協議会に実施状況の報告を行います 7