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NAOSIE: Nagaaki Univity' Ac itl パワーエレクトロニクスと電動機制御入門 Autho( 辻, 峰男 Citation パワーエレクトロニクスと電動機制御入門 ; 15 Iu Dat 15 U http://hl.hanl.nt/169/55 ight hi ocumnt i ownloa http://naoit.lb.nagaaki-u.ac.jp

付録 1 誘導機の 軸理論 固定子と回転子それぞれの 相回路について成り立つ 6 つの微分方程式を変数変換することで, 過渡状態でも使える簡単な 4 つの微分方程式を導く つ減少できるのは誘導機が対称でかつ固定子と回転子それぞれ 相電流の和が ( 零相成分が となるからである 空間ベクトル (14((5(51 を定義して複素数として計算する方が行列を用いた計算より簡単である 静止座標系の空間ベクトルは, 定常状態では一般のフェーザと実質的に同じになる 誘導機のモデル ( 静止座標系 固定子の a 相巻線軸と 軸が一致するような, 図の 軸と巻線軸 ( a, b, c ( 固定子, a, b, c ( 軸 ( 静止座標系 を考える 回転子 のなす角の co 成分より, 固定子側に ついて, の場合に, 次式の変数変換を定義する a b c 1 1 1 a b (a1-1 c 逆に, b 1 a 1 b c 1 b c a a c ここで, は電圧, 電流 i, 鎖交磁束 を図 a1-1 巻線軸と 軸 ( 静止座標系 表す いま, 空間ベクトル を次式で定義する ( 静止座標系 j (a1- は電圧, 電流 i, 鎖交磁束 を表す (a1-1 より, 次式が得られる j j a b c ( (a1- 回転子側については, 回転子の巻線軸が回転するので, 定数でなく次式で 量が求まる co co( co( a b in in( in( c 8 (a1-4

回転子側の空間ベクトルも以下のように定義する は電圧, 電流 i, 磁束 を表す j (a1-5 (a1-4 より a(co jin b(co( jin( c (co( jin( j j a b c j ( (a1-6 第 章で求めた固定子側の微分方程式 (-5 より, j j a b c ( i p (a1-7 i i i, i i i であるから,(- より a b c a b c j j a b c ( j j b c a c a b ( l i { i i ( i i ( i i } j j a b c co ( i i i j j b c a co( ( i i i j j c a b co( ( i i i ( l i j j j j i co i j co( i co( j j ( l i i ( 付録公式利用 ( l i i (a1-8 ここで, l, とおくと (a1-9 i i (a1-1 (a1-7 へ代入して, i pipi (a1-11 (-6 より, 84

故に, (- より, j j j a b c ( j j j a b c i p( j j i p( (a1-1 j j j a b c ( ( l i j j j co ( ia ib ic j j ib ic ia co( ( j j co( ( ic ia ib ( l i j j j i co co( co( j ( l i i j ( l i i (a1-1 ここで, l (a1-14 とおくと, i i (a1-15 (a1-1 より, j j j i p( i i i pipi j i j i (a1-16 (a1-11,(a1-16 より, 静止座標系での空間ベクトルを用いた誘導機のモデルは p p i ( p j ( p j i (a1-17 となる (a1-17 式を実部と虚部に分けて, 静止座標系での誘導機のモデルが次式のように得られる 85

p p i p p i p p i p p i (a1-18 固定子鎖交磁束は (a1-1 より i i, i i (a1-19 で表わされ, これを用いると固定子側の式は i p (a1- i p (a1-1 となる 回転子鎖交磁束は (a1-15 より i i, i i (a1- で表わされ, これを用いると回転子側の式は i p (a1- i p (a1-4 となる 最終的に二次側の諸量は全て一次側に換算した式を用いるが, 式は換算後も同じ形なので, 単に二次側の変数や定数は換算された量と考えるだけでよい ( 第 章参照 i i i i 図 a1- 誘導機 α-β 座標系モデル ( 誘導機のモデル ( 任意回転座標系 静止座標系のモデルを任意の角速度 で回転する j j j P 回転座標系へ変換する a 図 a1- 静止座標系と回転座標系 86

図 a1- より,P 点を静止座標系から見た, と 座標系から見た, の関係は, 座標系から見る方が, 長さが同じで 回転して見えるので, 次式が得られる j (a1-5 j (a1-6 (a1-11 に, p にかからないように左から j を掛けて, i pi pi j j j j j ( j i p i j p( j i i pi j ipi ji (a1-7 (a1-16 に同様に, 左から j を掛けて, j j j j j j i p( i p( i j j j j j ( i j ( i i pi j ipi ji j i j i (a1-8 (a1-7,(a1-8 式より, p j p j i p j( p j( (a1-9 i 但し, p (a1-9 を実部と虚部に分けて, j, j とすることで, 任意回転 座標系での誘導機のモデルが以下のように得られる p p i p p i p ( p ( i ( p ( i p (a1- (a1- は固定子及び回転子の - 巻線に成り立つ式と言われる - と 量の関係を行列で求めておく (a1-5 より, j (co jin ( j co in in co co in 逆に, in co (a1-1 (a1-87

相量と 量の関係も求めておこう (a1-,(a1-5 より, j j j a b c ( a {co jin } b{co( jin( } c{co( jin( } co co( co( a b in in( in( c (a1- 以下の式からも求まる 1 1 1 a co in b in co c (a1-6,(a1-6 より, j j j j a b c ( (a1- と比べて, のかわりに とおけばよく, co co( co( a b in in( in( c (a1-4 で, とおくと,(a1-4 の静止座標系の変換に一致する (a1-4 瞬時トルク 誘導機が発生するトルク は静止座標系の量を用いると次式で与えられることが判っている * は共役複素数を表す Im は虚部を意味する P I m ( i P I m ( ii (a1-1 より P ( i i i i (a1-,(a1-5 より (a1-5 回転座標系の変数で表わすと,(a1-5,(a1-6 より, P j j I m( i i P I m ( i i 88

P ( i i i i P ( i i (a1-6 定常等価回路 定常状態で成り立つ誘導機の等価回路を静止座標系の空間ベクトルを使って導出する これは, 章で導出した 形等価回路 ( 鉄損無視の場合 に一致する また, ベクトル制御と関係が深い -I 形等価回路も導出する 誘導機の相電圧を co t a b V co( t (a1-7 c co( t とすると, 静止座標系の (a1- より j j a b c ( j j V{cot co( t co( t } j t V 一方, 一般に二次側は短絡されて だから a b c 89 (a1-8 (a1-9 (a1-17 で, j t V は交流入力である よって, 定常状態では, p j とおいて解 析できる ( フェーザと同様の計算が可能である 定常状態では, 次式が成り立つ j j i j( j( i (a1-4 行目に,1/ /( を掛けて j j i j j i (a1-41 (a1-41 より, 図 a1-4 の 形定常等価回路が得られる ただし,(-1, (a1-9,(a1-14 より,, l を一次側に換算すると l ', ' l ' ' が成り立つことが判る ダッシ ュを省き,, lを一次側に換算した値と考えると, l, l である 図中, i ' は励磁電流で, iii (a1-4 ' とする また, ギャップ磁束は次式となる i (a1-4 '

l ' i l i i j t V ' i ' 図 a1-4 形定常等価回路 ( 時間を含んだ空間ベクトル表示 電圧電流が相電圧と相電流の 倍フェーザの様に計算可能 一般の誘導機の等価回路 (1 相分 は, 相電圧フェーザ E, 相電流フェーザ I を考えて E, i I, i I と直すだけで図 a1-5 のように求まる ただし, jt jt jt E, i I, i I (a1-44 の関係がある l ' I l I I I ' E V E ' 図 a1-5 形定常等価回路 ( 一般のフェーザ表示相電圧と相電流 発生トルク は / で消費される電力から次式より計算できる P i P ' I ' (a1-45 (a1-5 を用いて, (a1-45 を導く (a1-5 に (a1-4 を用いると P I m( i ' (a1-46 が得られる 図 a1-4 より ' ( jl i ' だから, ' i l i j j ' ( ' 上式を (a1-46 に代入すると (a1-45 が得られる (a1-44 より i ' I ' である 次に,-I 形定常等価回路を導く (a1-41 より, 次式が成立する 9

j j k i j k ( j k i k ここで,(a1-47 の 行目で i, i k (a1-47 が同じインダクタンスを流れるように j の係数を同 じにすると, 二次側の漏れインダクタンスが消えた等価回路に出来るので, k k k (a1-48 となる このとき, 図 a1-6 の -I 形等価回路が得られる i i i i 1 図 a1-6 -I 形定常等価回路 ( 時間を含んだ空間ベクトル表示 電圧電流が相電圧と相電流の 倍フェーザの様に計算可能 ここで,, i i ' E i I i I i I (a1-49 jt jt jt jt,,, 回路の式が,(a1-47 式を満足することを確認せよ この場合にも, 一般のフェーザを用いた等価回路 (1 相分 は, 図 a1-6 のように記号を置き換えるだけでよい I E I 1 E I 図 a1-7 -I 形定常等価回路 ( 一般のフェーザ表示相電圧と相電流 発生トルクは,(a1-45 より /( で消費される電力 ( 二次入力 を同期角速度 ( 機 械角 で割った値になる すなわち, P P i I (a1-5 (a1-5 式を計算すると, 発生トルクは次式で与えられる 91

E P ( ( (a1-51 図 a1-8 に定常時の空間ベクトル図を示す (a1-49 より, フェーザ図と違い回転するが, ある瞬間で考えれば, フェーザ図と同じである ただし, 大きさは 倍である i i j i i i j i i i i i,,,, i i i i i i j i,, i j i,, i 図 a1-8 定常時の空間ベクトル図 空間ベクトルによる定常時の -I 形等価回路より, i, i は次式となる j i I ( I j と置く I I (a1-5 i (a1-5 (a1-5,(a1-5 より i j i j i i (a1-54 - 軸の空間ベクトルi i ji を考える 軸をi の方向に選ぶと i i ( ii (1 j i (1 j I (a1-55 ゆえに, j j j 9

i I i I (a1-56, (a1-56 より, すべり角周波数は次式となる i l (a1-57 i 定常時の発生トルクは (a1-5 より (a1-54 を用いて次式となる P ( P I P i i i (a1-58 (a1-58 は一般的な式で制御に関係しない ベクトル制御だから成り立つ訳ではない ただ し, - 量は 軸をi の方向に選んだときの量であるから, その方向が判らないと i, i を 知ることができない 一次電流, 二次鎖交磁束を用いた空間ベクトルモデル ( その1 二次鎖交磁束 : i i (a1-59 電圧方程式 : p j ( p j i (a1-6 1 p j( ここで, についての 1 行目の式を電圧モデル, についての 行目の式を電流モデルと呼ぶことがある トルク : 状態方程式 : P I ( (a1-61 m i 1 j ( j 1 i i p 1 j ( (a1-6 (a1-6 の 1 行目には, 行目が代入されているので,1 行目を電圧モデルとは呼ばない 一次電流, 二次鎖交磁束を用いた空間ベクトルモデル ( その 二次鎖交磁束 (-Ⅰ 形回路に基づく : i i (a1-6 電圧方程式 : p j p j i 1 { p j( } (a1-64 9

として, 次式が得られる p j p j i 1 ( p j ( 静止座標系では として, p p i 1 ( p j (a1-65 (a1-66 これは, 図の -Ⅰ 形過渡回路 ( 静止座標系 に対応している 以下の関係式が成立する i, i i, i i i (a1-67 p j ( i (a1-68 (a1-67 は,(a1-6 を満たしている (a1-68 は,(a1-66 を満たす i i i ( j 図 a1-9 -Ⅰ 形過渡等価回路 ((a1-66 pi pi i i j i i i,, j i l ( j pi 図 a1-1 過渡時の空間ベクトル図 過渡時の空間ベクトル図を求めるにあたり, j i i,, l (a1-69 t とおく ただし, i ( 一定とは限らない このとき,(a1-68 より p( i j i ( i j ( pi ji j i ( i ( j i pi jli (a1-7 軸をi の方向に選ぶとき,- 軸の空間ベクトルi i ji を考える ii ( ii i ( pi j i (a1-71 j j l 94

l ゆえに, i i pi, i i (a1-7 (a1-7 より, すべり角周波数は次式となる i l (a1-7 i 過渡時の発生トルクは,(a1-67 を用いて次式となる P I ( P l i P i i (a1-74 * m i (a1-74 は一般的な式で制御に関係しない ただし,- 量は 軸をi の方向に選んだときの量である 状態方程式は 1 1 1 ( j ( j 1 i i p (a1-75 1 ( j ( 定常状態では,(a1-66 で p j とおいて,(a1-68 より j j ( i j( ( i j ( ( ( 等価インピーダンス i となり, 定常時の -Ⅰ 形回路が得られる ( あるいは (a1-65 で p = とおく Q 軸との成す角を θ とした場合 ( 平成 年度まで使用 a * c b Stato c * b a oto a * c b * b * c * a b b i b b i b a i a a i a a c i c c i c c i a a i a l l a co 図 a1-11 旧 - 軸の定義 旧 - 回転座標系の定義 95

in in( in( a co co( co( b 1 1 1 c in in( in( a co co( co( b ただし, 1 1 1 c 空間ベクトル空間ベクトルを得るには, 固定子 a 相巻線軸と 軸が一 致するように選ぶ必要があるので, 図 a1-11 では / に選ぶ必要がある このとき 静止軸 ( 新旧同じ か らみた空間ベクトルは j j j a b c ( 1 a となる 1は, 新旧同じである 旧の - 軸から見ると, 次式が得られる 図 a1-1 旧 - 軸 j( j j ( 旧 - 量, は旧 j( ( は 軸から見るので新旧同じ j j ( 旧 - 量, は旧 in co in co co in 逆に, co in 1 式の空間ベクトルが得られるように,a 相巻線軸と 軸を一致させる必要がある 従来, 図 a1-11 のように - 軸を定義したので, これと 軸との関係は図 a1-1 のようになる しかし, 上記の旧座標系はベクトル制御の説明で 軸方向に磁束の方向をとるとき, 磁束が 方向を向いている と言えないので, 綺麗でない また, /として静止座標系を定義しないと空間ベクトルにならない さらに同期機の解析モデルとも合わない よって, 軸と a 相巻線軸のなす角を として座標変換することにした もちろん, モータの式は同じで, 変換式のみが異なるだけである 新 - の や は, 旧 - の や に比べ 9 度小さいので, 旧 = 新 + /, 旧 = 新 + /とすればよい 96