第 7 章自然対流熱伝達 伝熱工学の基礎 : 伝熱の基本要素 フーリエの法則 ニュートンの冷却則 次元定常熱伝導 : 熱伝導率 熱通過率 熱伝導方程式 次元定常熱伝導 : ラプラスの方程式 数値解析の基礎 非定常熱伝導 : 非定常熱伝導方程式 ラプラス変換 フーリエ数とビオ数 対流熱伝達の基礎 : 熱伝達率 速度境界層と温度境界層 層流境界層と乱流境界層 境界層厚さ 混合平均温度 強制対流熱伝達 : 管内乱流熱伝達 円柱および球の熱伝達 管群熱伝達 自然対流熱伝達 : 垂直平板自然対流熱伝達 密閉層内自然対流 共存対流熱伝達 輻射伝熱 : ステファン-ボルツマンの法則 黒体と灰色体 輻射率 形態係数 凝縮熱伝達 : 鉛直平板膜状凝縮 凝縮数 水平円管膜状凝縮 滴状凝縮 沸騰熱伝達 : 沸騰曲線 気泡力学 沸騰熱伝達率
加熱物体周りの等温度線を示す干渉写真 ( マッハツェンダー干渉計による計測結果 ) 垂直加熱平板周りの等温線 水平加熱円柱周りの等温線 水平加熱円柱群周りの等温線
自然対流熱伝達 (Natral Convection)
熱伝達率の導出 壁面近傍での流体速度 =0であるから 壁面から流体への熱移動は熱伝導のみによって伝えられる q 0 一方 ニュートンの冷却則により q h だから h h 0 0 すなわち 熱伝達率 h を求めるためには 壁面の温度勾配を知ればよい
運動方程式境界層内で運動方程式 P v 境界層外の圧力勾配 P 上式より v 浮力
浮力の評価体膨張係数 : m m m V V V V V P v 温度変化 浮力とすると 境界層内では 密度は一定
運動方程式の変形 v 運動方程式の左辺 / v v v v 0 v 連続の式 運動方程式はとなる v
境界層内運動量積分方程式 d d d 0 0 0 運動方程式を境界層内で積分すると 0 0 0 d d d d 0 0 0 d d d d
エネルギー式 v c p v c p 左辺 v v v よって エネルギー式は
境界層内エネルギー積分方程式 d d 0 0 0 0 d d d 0 0 d d d 以上のエネルギー式を積分すると
温度分布の決定 3 C C C と仮定すると 境界条件が 0 0 よって C C 3 C 従って
速度分布の決定 3 d c b a と仮定すると 境界条件が 0 0 0 0 0 ( で だから運動方程式より ) 0 0 0 v よって 0 a c b d
熱伝達率の導出壁面近傍での壁面から流体への熱移動は 0 q 一方 ニュートンの冷却則により h q より h 0 h 0 であるから いま
0 0 0 d d d d 境界層内運動量積分方程式の変形 3 ) ( 05 d d : 速度分布温度分布 : 境界層内運動量積分方程式
境界層内エネルギー積分方程式の変形 0 0 d d d ) ( 30 ) ( d d : 速度分布温度分布 : : 境界層内エネルギー積分方程式
代表速度と境界層厚さの決定 3 ) ( 05 d d C d d 5 ) ( / ' C / / C C 3 3 5 ~ ~ 5 5 5 5 ) ( C d C d C d d C d d C d d
未定係数との決定 / / C C C ) ( 30 ) ( d d 3 ) ( 05 d d C 0 ) (.936 3 C 0 ) ( 5.6 C
境界層厚さの決定 3 0 ) (.936 3 Pr 0.95 Pr.936 3 Gr プラントル数 : グラスホフ数 : 3 Pr Gr
グラスフホフ数 Gr の意味 グラスホス数 = 浮力粘性力 層流境界層から乱流境界層への遷移限界を与える レノルズ数 垂直平板の場合 : Gr 8 0 0 9
熱伝達率の導出 壁面近傍での速流体速度 =0であるから 壁面から流体への熱移動は熱伝導のみによって伝えられる q 0 一方 ニュートンの冷却則により q h だから h h 0 0 すなわち 熱伝達率 h を求めるためには 壁面の温度勾配を知ればよい
熱伝達率とヌッセルト数の導出 h 0 ここで よりであるから h 0
熱伝達率とヌッセルト数の導出 ここで より h よって h 0 3.936Gr Pr 0.95 Pr N Gr Pr 3.936 h 0.508 Gr 0.95 Pr Pr 0.95 Pr
実際の自然対流における速度と温度勾配
自然対流における熱伝達率の実験式 ヌッセルト数 N C Gr レイリー数 : Ra Gr グラスホフ数 : Pr Pr Gr m C と m は実験的に決定 ここで ヌッセルト数 : N h 3 プラントル数 : Pr a
自然対流熱伝達率の実験式 N C Gr Pr m
自然対流熱伝達率の簡易予測式 表面形状 層流 0 Gr Pr 0 9 乱流 Gr Pr 0 9 垂直平板あるいは垂直円柱 水平円柱水平円板加熱上向き平板または冷却下向き平板 加熱下向き平板または冷却上向き平板. L h 0.95 h 3 h.3 d h.3 L h 0.6 L 5 3 h. 3 h.3 球 N 0.3 Gr Pr ( Gr Pr 0 ) 5
問題 7-3 50 直径 0.308mの水平円管が 空気温度 5 の室内に置かれている m 当たりの 自然対流による熱損失を 以下の関係式を用いて 求めなさい ただし 膜温度 3.5 における以下の物性値を使用して良い 6.6 0 Pr 0.0306(W / m K ) 0.687 f 6 05.5 ( m () 実験式 : N () 簡易予測式 / s ).7 0 C 3 Gr ( / Pr K ) m
密閉層内自然対流熱伝達 N h Gr 3 Pr
ベナール対流
自然対流熱伝達率 ヌッセルト数 7 0 Gr Pr 0 Pr 0,000 0 L 0 0.30 0. 0.0 Pr L N Gr 6 9 0 Gr Pr 0 Pr 0 0 L 0 N 0.06 Gr 熱流束 q A Pr 3 N h みかけの熱伝導率 ( 有効熱伝導率 ) q A e L N e e C Gr Pr n q A L d m
e C Gr Pr n L d m 密閉流体の自然対流熱伝達率の実験式
問題 7- e C C 0.97,n Gr Pr n L / d m /,m / 9 二重ガラス窓がある 窓ガラスの大きさは0.5m 四方で ガラス同士の間隔は5mmである 二重ガラスの間は空気で満たされているとする 外気温が00 のとき内部での温度を0 に保つ時 両ガラス窓間の熱伝達量を求めなさい ただし 物性値は 両ガラス窓間の平均温度 70 における以下の物性値を使用して良い.09( f / m 5.06 0 ( / m s ) 0.095(W / m K ) Pr 0.7 3.95 0 ( / 33 3 ) K )
問題 7-3 図に示すように 消費電力 00 W の白熱電球を考える 周囲温度が = 95 K で 点灯時の電球表面温度は = 00 K であった 自然対流による平均熱伝達率が h = 7. [W/(m K)] のとき 対流による熱損失を推定せよ ただし, 電球を直径 6 cmの球とする.
自然対流と強制対流の共存対流 ( 垂直管内の場合 )
自然対流と強制対流の共存対流 ( 水平管内の場合 )
定期試験 日時 : 平成 7 年 6 月 6 日 ( 金 )5 6 時限 場所 : 3B0 教科書 資料 ノート等 : 持ち込み不可 電卓 : 持込可 提出物 : 回答用紙 + 授業アンケート用紙