大阪府豊中保健所 永井仁美 コッホ現象を診断したら 市町村長は ( 中略 ) 医師がコッホ現象を診断した場合 直ちに被接種者の居住区域を管轄する市町村長へ報告するよう協力を求めること ( 平成 7 年 月 7 日厚生労働省健康局長通知 ) 市町村長 都道府県知事 厚生労働大臣に報告
BCG による皮膚病変の推移 BCG 接種制度変更 森亨, 山内祐子.BCG 副反応としての皮膚病変の最近の傾向. 結核 9;8:9-5 大阪府への報告例における接種月齢 ( 平成 7 年度 ~9 年度大阪市を除く ) H7 男児 H7 女児 H7 不明 H8 男児 H8 女児 ヶ月未満 ヶ月 ヶ月 5ヶ月 6ヶ月以降不明 H7 年度報告数 8 例 ヶ月未満 ヶ月 6ヶ月以降 H9 女児 H8 年度報告数 例 ヶ月未満 ヶ月 6ヶ月以降 H9 年度報告数 例
大阪府への報告例 例のツベルクリン反応結果 ( 最大発赤径 ) ツ反 5mm 以上は全員 INH の 6 ヶ月投与実施 8 6 5 ~5mm ~9mm ~mm ~9mm ~mm ~9mm ~mm 正常児 接種当日 接種 7 日後 接種 6 日後 接種 7 日後
正常児 接種当日 接種 日後 接種 日後 接種 58 日後 コッホ現象における grade( 案 ) grade 5 6 症状針痕部の発赤のみ針痕部の発赤 + 刺入部周辺の健常皮膚の発赤針痕部の硬結 (ヶ所以上) 針痕部の化膿疹 (ヶ所以上) 針痕部の浸出液漏出 or 痂皮形成 (~9ヶ所) 針痕部の浸出液漏出 and/or 痂皮形成 (ヶ所以上)
例 Grade 例 局所反応所見針痕部の発赤のみ 例 例 Grade 局所反応所見針痕部の発赤および針痕部周辺の皮膚の発赤が見られる 例 例 5
例 (6 個 ) Grade 局所反応所見針痕部に硬結が認められる ( ) は所見が認められる針痕数 例 (8 個 ) 例 ( 個 ) 例 (7 個 ) Grade 局所反応所見針痕部に化膿疹が認められる ( ) は所見が認められる針痕数 例 (9 個 ) 例 ( 個 ) 6
Grade5 局所反応所見針痕部に痂皮形成 or 浸出液の漏出が ~9 ヶ所認められる 例 例 例 例 例 Grade6 局所反応所見針痕部に痂皮形成 or/and 浸出液の漏出がヶ所以上見られる 例 例 7
正常児の経過 grade 6 5 6 5 day 6 7 8 9 コッホ現象陰性 ( ツ反陰性 ) 例 grade( 発赤 + 周辺発赤 ) grade( 発赤 ) 接種 日め 接種 5 日め 事例 grade( 硬結 ) grade( 発赤 ) 事例 接種 日め 接種 5 日め 8
grade( 硬結 コ ) grade( 発赤 ) 事例 接種 日め 接種 日め 事例 接種 7 日め 接種 日め grade ( 硬結 5 コ ) grade( 発赤 ) grade( 化膿疹 9 コ ) grade( 硬結 9 コ ) 事例 5 接種 日め 接種 5 日め 9
コッホ現象陰性 ( ツ反陰性 ) 例 grade 6 5 数日内に反応が減弱 事例 事例 事例 事例 事例 5 5 6 7 接種後 (day) 接種 日め :Grade () コッホ陽性 ( ツ反陽性 ) 事例 ( 非直後型 ) < ツベルクリン検査 > /5 硬結径 / 発赤径 中等度陽性 接種 6 日め :Grade () 接種 5 日め :Grade 5()
接種 7 日め : Grade (8) コッホ陽性 ( ツ反陽性 ) 事例 ( 非直後型 ) <ツベルクリン検査 > /7 7 (5 ) 硬結径/ 発赤短径 ( 発赤長径 ) 強陽性 接種 日め : Grade (8) 接種 6 日め : Grade (8) 接種 5 日め :Grade 5() コッホ陽性 ( ツ反陽性 ) 事例 ( 直後型 ) < ツベルクリン検査 > /9 6 硬結径/ 発赤径 中等度陽性 接種 7 日め :Grade 5(6) 接種 85 日め :Grade
接種 7 日め : Grade (8) コッホ陽性 ( ツ反陽性 ) 事例 ( 直後型 ) <ツベルクリン検査 > 7 6/7 6 (7 ) 硬結径/ 発赤短径 ( 発赤長径 ) 強陽性接種 7 日め : Grade 6 接種 9 日め : Grade 6 コッホ現象陽性例 ( ツ反陽性 ) grade 6 7 日め 5 事例 事例 事例 事例 6 9 5 5 6 75 9 5 ( 日数 )
局所反応 直後型と非直後型 直後型 ( 症例,) 非直後型 ( 症例.) grade 正常 or コッホもどき 時間 接種部位の局所反応が grade 以上 (BCG 接種後 週間以内 ) いいえ はい 問診 フォロー中止 但し 経過中に局所反応の悪化が認められるならツ反検査を実施 局所反応が経過中軽減しない はい いいえ ツ反実施フォロー中止 (BCG 接種後 週間以内が望ましい ) 発赤径 mm 以上発赤径 mm 未満 ( コッホ現象 ) 問診 ( 詳細に ) フォロー中止 胸部 X 線検査 異常所見あり 異常所見なし 精査にて発病の有無を確認し 発病があれば治療 発病なければ化学予防 化学予防 *BCG 接種後 週間を過ぎた場合 ツ反発赤径は mm 以上とする
発病児における経過 ( 症例 ) 6 年 月出生この時期に 父親がヶ月前より咳症状 (+) のまま 会社の定期健診受診にて異常陰影を指摘される 7 年 月父の TB 診断 rⅡ 塗 ( ー ) PCR(-) 本児に対して 直後の接触者健診 ( 家族健診 ) が実施されておらず 本児 ヶ月時点 (7.) で BCG 接種を受ける 翌日には BCG 接種部位が化膿 7 年 月父親の登録後 ヶ月時点 (BCG 接種の 週間後 ) で通常通りの家族健診を実施したところ ツ反 9mm(+++) 胸部異常陰影あり TB 治療となる 治療開始時 QFT(+) 肺門リンパ節石灰化 (+) 結核発病児に見られた局所の変化 ( 症例 ) 接種後の局所変化 BCG 接種翌日に針痕部の発赤と化膿疹 (+) ~ 家族の話より ~ 接種後 日目 接種後 日目 接種後 日目接種後 65 日目接種後 日目
発病児における経過 ( 症例 ) 7 年 月 出生 月 日 BCG 接種 母 数時間後に接種部位全体が腫れた おかしい 月 日受診母が異常に思い 近医を受診し ツ反 6mm(+++) Dr 心配ない 母 ほんと? 月 日市民病院受診 Dr 心配ない 母 おかしい ほんと? 月 6 日別の病院受診 Dr コッホ現象? 母が咳をしていることに気づく 胸部 XP 異常あり 母の TB 診断 rⅡ 塗 (+) PCR(+) 本児も胸部異常陰影あり TB 治療開始 QFT(+) 結核発病児に見られた局所の変化 ( 症例 ) 接種後の局所変化 BCG 接種当日に発赤と腫脹 BCG 接種翌日にはさらに強い発赤と腫脹 ~ 家族の話より ~ 接種後 5 日目 接種後 7 日目 接種後 6 日目 接種後 日目 接種後 5 日目 5
まとめ 大阪府下では毎年コッホ現象として届出がある コッホ現象への対応としての提案 保護者から接種後の局所の変化について相談や連絡を受けた場合 接種後何日目か grade はどのくらいかなどの聞き取りを行い できれば直接観察が望ましい また局所変化について写真撮影を依頼しておくとよい 接種後約 週間以内に grade 以上の変化が見られているような場合にはツベルクリン反応検査を早急に実施する grade 以下であっても その後の変化には十分に観察をし 局所反応が強く増強するような場合はツベルクリン反応検査をおこなう ( 接種後 週間以内 ) 6