平成 24 年度宮古市中央公民館事業 3.11 大津波体験語り継ぎエピソード集 第 2 期 当時 私たちは何を思い どんな行動をしたのでしょうありのままの体験談が 今後の減災につながります 平成 25 年 3 月宮古市中央公民館

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東日本大震災に係る災害等廃棄物処理事業の実地調査について

東北地方太平洋沖地震への 気象庁の対応について ( 報告 ) 気象業務の評価に関する懇談会 平成 23 年 5 月 31 日 気象庁 1

平成28年4月 地震・火山月報(防災編)

佐賀県の地震活動概況 (2018 年 12 月 ) ( 1 / 10) 平成 31 年 1 月 15 日佐賀地方気象台 12 月の地震活動概況 12 月に佐賀県内で震度 1 以上を観測した地震は1 回でした (11 月はなし ) 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 図 1 震央分布図 (2018 年 1

宮古市災害公営住宅位置図 凡例 田老三王 ( 防集 ) 木造平屋 2 階 /71 戸 田老 ( 区画 ) RC 造 5 階 /40 戸 市営 ( 市整備 ) 市営 ( 県整備 ) 県営 崎山 ( 防集 ) RC 造 4 階 /24 戸 日の出町木造 2 階 /26 戸 佐原 RC 造 5 階 /50

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(/9) 07 年に発生した地震の概要. 佐賀県の地震活動 07 年に佐賀県で震度 以上を観測した地震は 9 回 (06 年は 85 回 ) でした ( 表 図 3) このうち 震度 3 以上を観測した地震はありませんでした (06 年は 9 回 ) 表 07 年に佐賀県内で震度 以上を観測した地震

日向灘 佐伯市で震度 2 を観測 8 日 08 時 33 分に日向灘で発生した M3.9 の地震 ( 深さ 31km) により 佐伯市 愛媛県西予市 高知県宿毛市などで震度 2 を観測したほか 大分県 宮崎県 愛媛県および高知県で震度 1 を観測しました ( 図 1) 今回の地震の震源付近 ( 図

津波警報等の留意事項津波警報等の利用にあたっては 以下の点に留意する必要があります 沿岸に近い海域で大きな地震が発生した場合 津波警報等の発表が津波の襲来に間に合わない場合があります 沿岸部で大きな揺れを感じた場合は 津波警報等の発表を待たず 直ちに避難行動を起こす必要があります 津波警報等は 最新

過去に経験のない規模の巨大地震 津波が発生 東日本大震災の概要 死者 行方不明者数 死者 15,355 名 行方不明者 8,281 名 (6 月 4 日現在 警察庁調べ ) 建築物被害 ( 住家 ) 全壊 10 万 9,147 棟 半壊 6 万 9,789 棟 一部破損 31 万 7,710 棟 全

1 東日本大震災での多くの被害が発生!! 平成 23 年 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災は 三陸沖を震源としたマグニ チュード 9.0 仙台市内での最大震度 6 強 宮城野区 という巨大な地震でした 東部沿岸地域では 推定 7.1m 仙台港 もの津波により 家屋の浸水やライフラ

2 被害量と対策効果 < 死者 負傷者 > 過去の地震を考慮した最大クラス あらゆる可能性を考慮した最大クラス 対策前 対策後 対策前 対策後 死者数約 1,400 人約 100 人約 6,700 人約 1,500 人 重傷者数約 600 人約 400 人約 3,000 人約 1,400 人 軽傷者

津波に対する水門 陸閘等の操作指針について 1. 目的 本指針は, 水門 陸閘等に関して, 海岸, 河川, 港湾, 漁港等の管理者 ( 以下 施設管理者 という ) と現場操作員が平常時及び津波発生時に実施すべき事項や, 施設に関する閉鎖基準等及び配備体制などの基本的な方針を定め, 本県沿岸に襲来す


当面の事業概要 < 平成 25 年度 > 実施設計業務委託 < 平成 26 年度 > 市道 1504 号線電線共同溝整備工事 道路改築工事 < 平成 27 年度 > 市道 1504 号線電線共同溝整備工事 市道 1504,1505,1507 号線道路改築工事 < 平成 28 年度 > 市道 1504

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東日本大震災初動期復旧期復興期創造的復興2


2014年度_三木地区概要

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凡例震度 7 震度 6 強震度 6 弱震度 5 強震度 5 弱震度 4 震度 3 震度 2 震度 1 陸前高田市 震央 ( 本震について発表したマグニチュード ) 3 月 11 日 14 時 49 分発表 M:7.9( 気象庁マグニチュード : 速報値 ) 3

日本海溝海底地震津波観測網の整備と緊急津波速報 ( 仮称 ) システムの現状と将来像 < 日本海溝海底地震津波観測網の整備 > 地震情報 津波情報 その他 ( 研究活動に必要な情報等 ) 海底観測網の整備及び活用の現状 陸域と比べ海域の観測点 ( 地震計 ) は少ない ( 陸上 : 1378 点海域

防災対策にも役立つ道路整備 (津波防潮ラインとしても機能する道路盛土)

協定の資料 1. 番号の付け方 災害応急対策時に, 各部及び各班で利用する資料が分かるよう, 下記の規定で番号を付ける 部班連番 基準 A1 1 A: 統括部 1. 本部班 2. 情報分析班 3. 情報記録班 4. 広報班 5. 財政班 6. 渉外班 E: 建設部 1. 建設総務班 2. 応急仮設住

家族みんなの防災ハンドブック 保存版

地区復興まちづくり計画のイメージ


津波の怖さを知っていますか? 平成 5 年 (1993 年 ) 北海道南西沖地震では地震発生から 5 分と経たないうちに大津波が押し寄せ 死者 202 人 行方不明者 28 人などの被害が生じました ( 写真は函館海洋気象台職員撮影 ) 宮崎地方気象台

目 次 1. 想定する巨大地震 強震断層モデルと震度分布... 2 (1) 推計の考え方... 2 (2) 震度分布の推計結果 津波断層モデルと津波高 浸水域等... 8 (1) 推計の考え方... 8 (2) 津波高等の推計結果 時間差を持って地震が

平成23年東北地方太平洋沖地震の概要について

資料 4 平成 29 年 1 月 27 日記者会見 土地区画整理事業に関する土地利活用意向調査の実施結果について 復興推進本部都市整備推進室 1 土地利活用意向調査の目的 市内 4 地区の土地区画整理事業は 平成 29 年度末を目標に全ての宅地引渡しが完了できるよう鋭意工事を進めております 地権者へ

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

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1 想定地震の概要南海トラフで発生する地震は 多様な地震発生のパターンが考えられることから 次の地震の震源域の広がりを正確に予測することは 現時点の科学的知見では困難です そのため 本市では 南海トラフで発生する地震として 次の2つの地震を想定して被害予測調査を行いました (1) 過去の地震を考慮し

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の両方を提出する必要がある 問 3 還付額は 領収証に記載されている金額を還付するのか それともレセプト情報から自己負担分を計算するのか 領収証により保険診療に係る一部負担金の額を確認して還付する 問 4 領収証の紛失 または医療機関等の全壊等により 対象の被保険者が負担した一部負担金の額の確認が取

を誘発すると共に 家屋等の災害廃棄物とともに港内外水域に漂流 沈没することとなり 航路や泊地等の水域施設が使用不可能な状況となった また 押し波 引き波により 航路や泊地等の水域施設において 洗掘あるいは埋没が発生し 洗掘された箇所では 防波堤の転倒等が誘発され 埋没した箇所では 計画水深の確保のた

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2019 年1月3日熊本県熊本地方の地震の評価(平成31年2月12日公表)

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東日本大震災 鳴らされていた警鐘

熊本地震における 西原村の現状と今後の対応等

災害等の特徴 東日本大震災の被害状況 平成 23 年 3 月 11 日 ( 金 )14 時 46 分頃 三陸沖を震源とする東日本大震災 ( モーメントマグニチュード 9.0 最大震度 7 宮城県栗原市 ) が発生し 東日本に甚大な被害が発生 我が国の観測史上最大規模 ( モーメントマグニチュード9.

南海トラフ地震発生時の不安 南海トラフ地震が発生した場合 不安や危険に思うことは何ですか?( は 3 つまで ) 66.7% の人が 自宅の倒壊や損壊 49.2% の人が 家族等の安否やその確認手段 と答えています 自宅の

宮城県総合防災情報システム(MIDORI)

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

事業計画 ( 岩手県久慈市 ) 1. 海岸対策 1 海岸の状況市内の地区海岸数被災した地区海岸数応急対策を実施した地区海岸数本復旧を実施する地区海岸数 7 地区海岸 6 地区海岸 2 地区海岸 6 地区海岸 2 堤防高 9 月 26 日及び10 月 20 日に堤防高を公表 久慈湾 :T.P. 8.0

内閣府自殺対策推進室提出資料 平成 23 年 6 月 15 日内閣府自殺対策推進室内閣府経済社会総合研究所自殺分析班警察庁厚生労働省 東日本大震災に関連する自殺の実態把握について 平成 23 年 3 月 11 日に発災した東日本大震災に関連する自殺の実態把握について 以下 のとおり実施する 1. 定

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知っておきたい災害知識_書類

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第 Ⅰ 章東日本大震災からの復旧 復興に向けて 1. 東日本大震災による被害と初期対応 平成 () 年 3 月 日に 三陸沖を震源と する国内観測史上最大規模の地震が発生し 広い範囲で強い揺れが観測された また 太平洋沿岸を中心に高い津波が観測され 特に東北地方の太平洋沿岸地域で大規模な津波被害が発

(2) 本部の設置場所本部の設置場所は 原則として浦安市集合事務所 301 会議室とする (3) 関係機関との連絡体制関係機関との連絡が必要な場合は 関係機関連絡室 を浦安市集合事務所に設置し 警察 自衛隊 ライフライン等から連絡要員の派遣を要請し 連絡 調整にあたる 連絡室は 浦安市集合事務所内に

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ii 8. 河川法と漁港法との調整に関する協定 ( 抄 ) 運輸省港湾局と農林省水産庁生産部とに関連ある港湾災害復旧事業の処理について 76 第 2 漁港関係災害関連事業 Ⅰ 補助金交付要綱 1. 漁港関係災害関連事業等補助金交付要綱 77 Ⅱ 災害関連漁業集落環境施設復旧事業 1. 災

平成 30 年 4 月 9 日 01 時 32 分頃の島根県西部の地震 震度分布図 各地域の震度分布 : 震央 各観測点の震度分布図 ( 震央近傍を拡大 )

東日本大震災における施設の被災 3 東北地方太平洋沖地震の浸水範囲とハザードマップの比較 4


別紙 14 Q A Q A

事業計画 ( 岩手県山田町 ) 1. 海岸対策 1 海岸の状況町内の地区海岸数被災した地区海岸数応急対策を実施した地区海岸数本復旧を実施する地区海岸数 8 地区海岸 8 地区海岸 3 地区海岸 8 地区海岸 2 堤防高 9 月 26 日及び10 月 20 日に堤防高を公表 重茂海岸 :T.P. 14

二戸市地域防災計画 ( 震災編 ) の一部修正の新旧対照表現行改正案 目次 ( 震災編 ) 目次 ( 震災編 ) 第 1 章総則 第 1 章総則 第 1 節 計画の目的 351 第 2 節 計画の性格 352 第 2 節の2 災害時における個人情報の取り扱い 352 第 3 節 防災関係機関の責務及

目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

第1章 災害予防計画

スライド 1

1. 気象庁の津波警報の概要 2. 東北地方太平洋沖地震に対する津波警報 3. 津波警報の改善について 2

白紙のページ

イ留意事項 ( ア ) 対処基本方針が廃止された場合は 救援の継続や復帰のための措置について 何らかの措置により行います ( イ ) 復帰のための措置 a 誘導以外の措置 b 市長 知事による誘導 (2) 別紙第 1 情報計画 参照 2 構想 (1) 活動方針市 ( 環境防災課ほか各課 ) は 県

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

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建築物等震災対策事業について

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山県市地域防災計画【 改訂版】

三原市津波避難対策ガイドライン(平成25年11月修正)

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津波情報に活用する観測地点の追加について 別紙 津波情報への活用を開始する海底津波計の分布図 活用を開始する海底津波計沿岸の津波観測点 GPS 波浪計海底津波計 活用を開始する海底津波計の地点名称は 沖 を省略して記載しています ( 宮城牡鹿沖 及び 茨城神栖沖 を除く)

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素早い避難の確保を後押しする対策として位置付けるべきものであることとされているところである 国及び関係公共団体等は 最大クラスの地震 津波に対して被害を減ずるため これらの報告で示された地震 津波対策を速やかに具体化し 推進する必要がある 主な津波対策を以下に示す (1) 強い揺れや弱くても長い揺れ

スライド 1

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地震の概要 検知時刻 : 1 月 3 日 18 時分 10 発生時刻 : 1 月 3 日 18 時 10 分 マグニチュード: 5.1( 暫定値 ; 速報値 5.0から更新 ) 場所および深さ: 熊本県熊本地方 深さ10km( 暫定値 ) 発震機構 : 南北方向に張力軸を持つ横ずれ断層型 ( 速報


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平成 24 年度宮古市中央公民館事業 3.11 大津波体験語り継ぎエピソード集 第 2 期 当時 私たちは何を思い どんな行動をしたのでしょうありのままの体験談が 今後の減災につながります 平成 25 年 3 月宮古市中央公民館

~ はじめに ~ 3 月 今年もまたあの季節が巡ってきました 改めて震災により犠牲になられた方々に深い哀悼の意を捧げますとともに被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます 平成 24 年 5 月発行のエピソード集では 震災後約半年 ~1 年の間に聞き取った皆さんの体験を掲載しました やはり自ら進んで話す方は少なく 聞き取りが難しいこともありましたが その時期に聞き取る体験が訴える力を感じました 一方で 時が経ち冷静に振り返る体験から見えてくる教訓もあります そこで 震災から 2 年が経つ中で聞き取りした体験の物語を第 2 期エピソード集として発行することになりました 第 1 期では 主に避難行動についてお話しいただきましたが 第 2 期では 避難後にどのように助け合い生き延びたのか 教訓や課題 要望や期待などの様々な内容も物語として掲載されています 各地域で起こった現象や立場の異なる人々の行動 感情をありのままに伝える物語には 共感するお話もあると思います また 同じ地域で起こっていた全く知らない話もあることでしょう いつ何処でこのような災害に遭うかは誰にもわかりません 自然の猛威に人間は非力かもしれませんが この物語から得る教訓や知恵が一人ひとりの防災力を強化し 自らが全体の復興を支える力として新たな行動を起こすきっかけとなれば幸いです また 今後子ども達がこのような悲劇に遭わないように後世へ伝わることを願っております 聞き取りしたお話は 語り口を残す物語として編集し 被災の有無に拘わらず当時の状況証言として掲載しております また 物語の中には 必ずしも正しい行動とは言えない部分もありますが 当時の様々な場面を皆さんで考える際の資料となりますことを願っております エピソード集作成にあたり 生活再建 復興支援などお忙しい中 ご協力くださいました皆様に心から感謝を申し上げます

震災の状況 地震の状況 ( 気象庁発表 ) 1. 発生時刻 : 平成 23 年 3 月 11 日 14 時 46 分ごろ 2. 震源地 : 三陸沖 ( 北緯 38.1 度 東経 142.9 度 牡鹿半島の東南東約 130 km付近 ) 3. 震源の深さ : 約 24 km 4. 震源の規模 : マグニチュード 9.0 5. 震度 : 震度 5 強 / 茂市震度 5 弱 / 五月町 鍬ヶ崎 長沢 田老 川井 門馬田代 6. 警報等の発表 :3 月 11 日 14:49 岩手県に大津波警報 3 月 12 日 20:20 津波警報に切替 3 月 13 日 7:30 津波注意報に切替 3 月 13 日 17:58 津波注意報解除 地盤沈下の状況 ( 国土地理院 ) 本町 44 cm 磯鶏藤原埠頭 50 cm 津軽石第 9 地割 33 cm 津波の概況 ( 気象庁発表 ) 1. 第 1 波到達時間 :3 月 11 日 14:48 高さ 0.2m 2. 最大波到達時間 :3 月 11 日 15:26 高さ 8.5m 以上 * 後日現地回収した津波観測点記録の分析結果痕跡等から推定した津波の高さ 7.3m(4 月 5 日 盛岡地方気象台発表 ) 3. 津波遡上高 ( 陸地を駆け上がり到達した津波の高さ ) 田老小掘内地区 37.9m( 東大地震研究所発表 ) 重茂姉吉地区 40.5m( 東北地方太平洋沖地震波合同調査グループ発表 ) 4. 津波浸水域 : 約 10 平方km ( 建物用地 幹線交通用地のうち 21% が浸水 ( 国土地理院調べ ) 避難の状況 ( 宮古市危機管理課 ) 1. 避難指示発令 : 平成 23 年 3 月 11 日 14:49 2. 避難指示解除 : 平成 23 年 3 月 13 日 17:58 3. 避難指示対象 :5,277 世帯 (12,842 人 ) 4. 避難者数 : 最大時 85 箇所 8,889 人 *H.23.8.10 全指定避難所閉鎖 主なライフライン復旧状況 ( 宮古市危機管理課 ) 1. 電力 : 平成 23 年 4 月 30 日市内完全復旧 2. 上水道 : 平成 23 年 4 月 15 日復旧率 100% 3. 通信 : 平成 23 年 4 月 15 日固定 携帯電話復旧 応急仮設住宅の状況 ( 宮古市危機管理課 H24.7.6 現在 ) 整備戸数 :62 箇所 2,010 戸入戸状況 :60 箇所 1,713 戸 3,883 人

被害の状況 人的被害 ( 宮古市危機管理課 H24.11.6 現在 ) 死者 :517 人 ( うち死亡届出者 407 人 うち死亡認定者 110 人 ) 行方不明者 :94 人 死亡認定者と行方不明者は重複している 死亡認定者 110 人と行方不明者 94 人の差 16 人は 死亡認定届出後に遺体または DNA 鑑定で行方不明者本人と特定された方の人数である 住家等被害 ( 宮古市危機管理課 H24.11.6 現在 ) 全壊 :5,968 棟 半壊 :1,174 棟 大規模半壊 :1,335 棟 一部損壊 :611 棟 合計 :9,088 棟 災害廃棄物処理状況 ( 宮古市東日本大震災復興計画資料編 H24.3.30 現在 ) がれき推計量 :715,000 トン処理 処分量 :30,000 トン進捗率 :4.2% 雇用への影響等 ( 宮古市東日本大震災復興計画資料編 H24.3.30 現在 ) 解雇 :53 事業所 (728 人 ) 失業保険給付 :19 事業所 (220 人 ) 激甚災害法指定休業 :4 事業所 (39 人 ) 災害救助法適用 * 震災直後のデータ参照 * 従業員の異動が 5 人以上あった事業所のみ 施設等の被害 ( 宮古市危機管理課 H24.11.6 現在 ) 全被害推計額 :2456 億 6088 万 4 千円 庁舎等 通信 社会福祉 社会教育 文化 体育 水道 医療衛生 消防防災 観光 商工労働関係 水産関係 漁港 農業 家畜等 農地農業等 農業用地 林業関係 公共土木 公営住宅 学校 文化財 住宅等

~ 過去の津波記録 ~ 昔の大津波 じょうがん貞観地震 11 年 (869)5 月 26 日 ( 陽暦 7 月 13 日 ) けいちょう慶長地震 16 年 (1611)10 月 28 日 ( 陽暦 12 月 2 日 ) 三陸大津波 ( 明治 )M8.2 最大震度 2~3 死者 21,959 名明治 29 年 (1896)6 月 15 日午後 8 時ごろに大津波 弱い揺れだが 震源が近海で夜間の発生だったので県内でも多くの方が亡くなった 三陸大津波 ( 昭和 )M8.1 最大震度 5 死者不明者 3,064 名昭和 8 年 (1933)3 月 3 日午前 3 時ごろに大津波 強い揺れだが 震源が沖合で津波襲来まで時間がかかり 再び寝静まった住民が波に飲まれた チリ地震津波 M9.5* 震度観測なし死者不明者 142 名昭和 35 年 (1960)5 月 24 日午前 3 時 30 分ごろに津波 日本の裏側の南米チリで発生した津波が 22 時間 30 分かけて来襲 地震が無くても津波が来るという教訓になった * モーメントマグニチュードによる 参考資料 気象庁発表 ( 過去の地震 津波被害 ) 広報みやこ (H17.2.1)

NO *** エピソード一覧 *** タイトル 地震遭遇地区 ページ 1 もう少しだ! 頑張れ! 日立浜 1 2 津波対策で 1 階にトンネルを通していたが日立浜 3 3 すぐ取りやすい所にリュック鍬ヶ崎 5 4 病人やペットがいるので遠慮した長町 6 5 初めて2 人で逃げた 日立浜 9 6 地域の人を覚えているのは分団員 新町 11 7 海端と町場では感覚が違う築地 13 8 これまで団員に退避指示が出た事は無かった築地 15 9 どんどん引いていますよ! と騒げば築地 17 10 逃げろー! 逃げろー! 築地 19 11 逃げ遅れた時の判断大通 22 12 走る私達を見て近所も逃げた藤原 24 13 訓練には 10 名ぐらい末広町 28 14 避難場所への道のり表示磯鶏 30 15 非常持ち出し物品には 筆記具も磯鶏 31 16 ここに津波が来るくらいなら宮古は無くなる神林 33 17 印象は波がピチャッと来るぐらい高浜 34 18 裏山を歩いて道を覚えていた高浜 36 19 長い揺れで津波が来る予感金浜 37 20 物に名前を書いていた金浜 38 21 津波のことは全く頭に無い金浜 39 22 避難しないと決めた金浜 40 23 津波を見た事が無いから見よう金浜 42 24 孫らに助けられた金浜 43 25 津波が引いた後に黄土色のもや金浜 44 26 入口が 1 ヶ所だった金浜 46 27 中国で日本の東北に 3m の大津波金浜 48 28 泥の中から見つけた自分の物金浜 50 29 絶対堤防を越えないと思った金浜 53 30 冷蔵庫は浮かんで水が入らなかった田老 54

NO タイトル 地震遭遇地区 ページ 31 常日頃の避難意識と判断力山田町 56 32 地震が来たら津波と思え津軽石 59 33 内陸出身なので津波は頭になかった重茂 61 34 避難所は情報が集まる所重茂 62 35 民生委員の活躍は津波の後重茂 65 36 地区全員が 1 か所 昔の家の並びに入居重茂 68 37 盛岡に買い出しに重茂 71 38 3m の津波で何故? 重茂 74 39 これは只事じゃないから逃げろ! 重茂 75 40 堤防のかさ上げをしていたから安心していた重茂 76 41 遠くではなく 少しでも高く逃げる重茂 77 42 半島にぶつかった波が急に入ってきた重茂 81 43 70 年間騙されたという思い重茂 86 44 震災時の人工透析宮町 90 45 今日は 8000 食 今日は 9000 食新里 92 46 帰ってもいいよと言えなかった田老 94 47 津波が来る時は別 めいめいこで 98 48 救護経験者がいて助かった田老 100 49 大砲のような音が 2 回田老 105 50 手記 忘れられない日々 千徳 112 51 手記 東日本大震災 巨大津波 体験記 磯鶏 114 52 手記 3.11 あの日その時 向町 118 * 平成 24 年 11 月から平成 25 年 3 月までに 聞き取りしたお話を物語として編集しました また 手記 3 篇も掲載しております H23.3.11 夕刻中央公民館前から撮影