「新しい都市づくりのための都市開発諸制度活用方針」

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Microsoft Word - ●決定⑤地区計画-2.docx

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Taro-全員協議会【高エネ研南】

東京都市計画第一種市街地再開発事業前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業位置図 東京停車場線 W W 江戸橋 JCT 日本橋茅場町 都 道 一石橋 5.0 特別区道中日第 号線 江戸橋 15.

市街化調整区域の土地利用方針の施策体系 神奈川県 平塚市 神奈川県総合計画 神奈川県国土利用計画 平塚市総合計画 かながわ都市マスタープラン 同地域別計画 平塚市都市マスタープラン ( 都市計画に関する基本方針 ) 平塚都市計画都市計画区域の 整備 開発及び保全の方針 神奈川県土地利用方針 神奈川県

計画的な再開発が必要な市街地 特に一体的かつ総合的に再開発を促進すべき地区 市町名 名称 再開発の目標 土地の合理的かつ健全な高度利用及び都市機能の更新に関する方針 特に整備課題の集中がみられる地域 ( 課題地域 ) 地区名 西宮市 C-4 浜脇 ( 約 175ha) 居住環境の向上 良好な都市景観

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多摩ニュータウン地域再生ガイドライン|第4章 多摩ニュータウンが目指す将来像

目次 1. 市街化調整区域の土地利用方針について... 1 (1) 策定の目的... 1 (2) 方針の位置付け 市街化調整区域の課題 土地利用の方針... 3 (1) 土地利用の基本的な方針... 3 (2) 地区ごとの土地利用方針 開発計画等の調整

4. 都市づくりの目標と方針 4-1 都市づくりの基本理念 地域の個性が輝く生活快適都市 上田 ~ 魅力あるふるさと活気ある交流風格ただようまち ~ 基本理念の意味あい 上田市は 歴史 文化 自然 産業などに恵まれた特色ある地域から成り立っており 各地域が個性を発揮し 連携し合い 交流を促進しながら

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

区域の整備 開発及び保全に関する方針公共施設等の整備の方針 建築物等の整備の方針 1 道路の整備方針 (1) 地区周辺の交通円滑化に資する道路ネットワークの形成及び 東西の主要な道路軸の形成を図るため 地区幹線道路を拡幅整備する (2) 開発に伴い発生する交通を円滑に処理するとともに 新駅整備に伴う

区域の整備 開発及び保全に関する方針土地利用の方針 地区施設の整備の方針 地区の立地特性を踏まえ 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るため 土地利用の方針を以下に定める 1 国際化に対応した業務 商業 宿泊等の多様な機能に加え 氷川神社と連携した江戸文化や赤坂地域の魅力を伝える歴史

スライド 1

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Microsoft Word - (新)滝川都市計画用途地域指定基準121019

目 次 1 基本方針 再開発を促進すべき地区等の整備又は開発の方針... 2 別表再開発促進地区の整備又は計画の概要... 3 都市再開発方針図 ( 総括図 )... 6 都市再開発方針附図

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第 1 章基本計画の策定 1 策定の趣旨 総合計画基本構想では 豊かな自然と歴史 文化につつまれ人と人がつながる市民創造都市高岡 をまちの将来像に掲げ 17 のめざすまちの姿を目標として設定しています 第 3 次基本計画は 基本構想で示した市の基本的な取り組みの方向性に基づき 中期的な視点に立って

都市再開発の方針の概要 概要をまとめた参考資料

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

直近 13 カ月空室率推移 調査月 千代田区 7.50% 7.01% 6.60% 6.64% 6.48% 6.

北部大阪都市計画彩都地区計画 ( 案 ) 北部大阪都市計画彩都地区計画を 次のとおり変更する 1. 地区計画の方針 名称彩都地区計画 位 置 茨木市大字粟生岩阪 大字宿久庄 大字清水 大字佐保 大字泉原 大字千提寺 大字大岩 大字福井 大字大門寺 大字生保 大字安威 山手台一丁目 山手台三丁目 山手

直近 13 カ月空室率推移 調査月 千代田区 7.01% 6.60% 6.64% 6.48% 6.46% 6.

参考資料 ( 美祢都市計画区域 ) 目次 1. 区域区分の二次検討 25 23

本日の説明内容 1 板橋駅西口周辺地区のまちづくり 2 板橋駅西口地区都市計画素案について 1 市街地再開発事業 2 地区計画 3 高度利用地区 4 高度地区 3 今後のスケジュール 1

4. 都市機能誘導区域 4.1 都市機能誘導区域設定の基本的な考え方 (1) 都市機能誘導区域とは医療 福祉 商業等の都市機能を都市の中心拠点や生活拠点に誘導し集約することにより これらの各種サービスの効率的な提供を図る区域のことです 原則として 居住誘導区域内において設定します これらの都市機能は

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都市計画図 平河町二丁目東部地区(PDF)

直近 13 カ月空室率推移 調査月 千代田区 7.69% 7.50% 7.01% 6.60% 6.64% 6.

直近 13 カ月空室率推移 調査月 千代田区 6.48% 6.46% 6.20% 6.15% 6.52% 6.2

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - 16_資料編09_上位計画関連_

直近 13 カ月空室率推移 調査月 千代田区 6.52% 6.24% 6.05% 6.22% 6.36% 6.0

神宮外苑地区計画

[ 概要版 ] 倉吉都市計画 マスタープラン素案 鳥取県倉吉市

数値目標 平成 29 年 オープンカフェ新規参加店舗数 58 店 6 店 6 店 オリオン市民広場集客数 1,500 人 3,000 人 3,000 人 センターコア歩行者 自転車通行量 ( 平日 ) 1,700 人 1,700 人 1,700 人 5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概

Microsoft Word - 09池町通り.doc

市町合併という基本的枠組みの変更に対応した 市全域を対象とした計画の見直し 少子高齢化をはじめとする本市を取り巻く社会経済情勢の変化に対応した計画づくり 総合計画や都市計画区域マスタープランなど 上位関連計画との整合 調整の必要性 都市計画マスタープランは 都市計画法第 18 条の 2 に基づいて策

筑豊広域都市計画用途地域の変更 ( 鞍手町決定 ) 都市計画用途地域を次のように変更する 種類 第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域第二種中高層住居専用地域 面積 約 45ha 約 29ha 建築物の容積率 8/10 以下 8/10 以下 建築物の建蔽率 5/10

資料2-1 「築地まちづくりの大きな視点」骨子案について

直近 13 カ月空室率推移 調査月 千代田区 6.20% 6.15% 6.52% 6.24% 6.05% 6.2

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東京の国際競争力の一層の強化に向けた都市再生の推進【最終版】

計画書

Ⅰ 用途地域指定の基本方針 1 用途地域別 市街地像 と指定の基本方針 1 2 境界の設定 4 3 用途地域見直しの時期 5 4 その他の地域地区や地区計画の活用 6 Ⅱ 用途地域の指定基準 第一種低層住居専用地域 7 第二種低層住居専用地域 9 第一種中高層住居専用地域 11 第二種中高層住居専用

資料5 東京の土地利用計画の変遷

目次 1. 策定の目的と位置づけ (1) 策定の目的 1 (2) 市街化調整区域における地区計画運用基準の位置づけ 1 2. 市街化調整区域における土地利用方針の基本的な考え方 (1) 市街化調整区域における土地利用方針 2 (2) 市街化調整区域における地区計画の運用にあたっての基本的な考え方 3

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立川市絶対高さを定める高度地区指定に関する検討方針 平成 26 年 5 月 立川市 0

直近 13 カ月空室率推移 調査月 千代田区 6.64% 6.48% 6.46% 6.20% 6.15% 6.5

1 総合設計 一定規模以上の敷地面積及び一定割合以上の空地を有する建築計画について 特定行政 庁の許可により容積率 斜線制限などの制限を緩和する制度である 建築敷地の共同化や 大規模化による土地の有効かつ合理的な利用の促進と 公開空地等公共的な空地 空間の 確保による市街地環境の改善を図ることを目的

一宮市住宅マスタープラン ~ 住み続けたいまち 住んでみたいまち 人々が生き生きと暮らせるまち ~ 概要版 平成 2 5 年 3 月 一宮市

環状第二号線沿道新橋地区街並み再生地区及び街並み再生方針について


目次 方針策定の背景 1-1. 用途地域指定の基本的な考え方 1-2. 住居系 [ 第一種低層住居専用地域 ] [ 第二種低層住居専用地域 ] [ 第一種中高層住居専用地域 ] [ 第二種中高層住居専用地域 ] [ 第一種住居地域 ] [ 第二種住居地域 ] [ 準住居地域 ] [ 田園住居地域 ]

仙台市市街地再開発事業補助金交付要綱取扱い基準 ( 平成 27 年 3 月 30 日都市整備局長決裁 ) 目次 序章 1 はじめに 2 基準の位置づけ 第一章補助採択の方針 1 補助採択に対する市の基本的な考え方 第二章補助対象となる事業 1 市街地再開発事業の要件 2 本市施策との整合 3 事業効

表面.ai

中井町緑の基本計画(概要版)

市川都市計画都市再開発の方針の変更 市川都市計画都市再開発の方針を次のとおり変更する

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交通結節点が備えるべき機能を整理すると 最も基本となるものとして があり これに加えて 都市機能の誘導 集積を促進させ 都市内の中心的な拠点地区を形成する 及び 都市の顔 となる 交通結節点の計画 整備の検討においては 先に示した の三種の機能がそれぞれ交通結節性 人の交流や景観等の面で役割を果たし

参考資料 鳥取市都市計画マスタープラン 環境 文化 交流 拠点都市 とっとり ~ 個性ある新 生活交流都市 (( ハーモニーシティ )) をめざして ~ 概要版 平成 18 年 5 月 鳥取市

区域の整備 開発及び保全に関する方針地区施設の整備の方針建築物等の整備の方針 (2) 公園 緑地の整備方針地域に親しまれる やすらぎと憩いの空間を形成するとともに 西武立川駅から玉川上水に向けて形成される緑のネットワークの拠点となるよう公園や緑地を配置する (3) その他の公共空地の整備方針各敷地の

2. 住民アンケート調査 以下の既往のアンケート調査から 都市計画及びまちづくりに関する住民ニーズや方向性等を以下の とおり把握 解析する (1) 第 2 次長久手町土地利用計画策定にあたってのアンケート調査 1 調査の概要 調査対象は 町内在住住民及び市街化調整区域の土地所有者とし それぞれ 2,

(Microsoft Word p55\201`61\201E\221\3464\217\315.doc)

柏駅西口北地区まちづくり

大規模住宅団地の現状と活性化・再生の進め方

第 2 章立地適正化計画の基本方針 第 2 章立地適正化計画の基本方針 1. 沼津市における立地適正化計画の導入について (1) 沼津市における立地適正化計画の活用方針 立地適正化計画は 本市を持続的に発展させるため 居住 と 交流 に一体的に取り組み 将来の目指すべき都市像 * を実現する計画とし

区域の整備 開発及び保全に関する方針 地区施設の整備の方針 建築物等の整備の方針 (1) 道路の整備方針区域内外との円滑な交通ネットワークの形成と歩行者等の安全で快適な歩行環境の向上を図るため 街区幹線道路及び区画道路を整備する 生活利便施設や良質な街並みを形成する住宅等の立地を誘導し 地域拠点にふ

阿賀野市の発展と市民福祉の向上を図ることを目的とした 行政運営の指針となる 阿賀野市総合計画 に定める本市の将来像 人 まち 自然が輝く幸福祉都市阿賀野 の実現に向けて また こよなく愛するふる里創造のため 全力を上げ取り組んでいるところでございます 国から地方への事務 権限移譲や三位一体改革が加速

アニュアルレポート2015

山手地区の概要 面積 約50ha 用途地域 工業地域 建ぺい率 60 容積率 200 高さの限度 第一種高度地区 最高限20m 2

スライド 1

PowerPoint プレゼンテーション



指定標準 適用区域 建ぺい率 容積率 建築物の高さの最高限度 m 用途地域の変更に あたり導入を検討 すべき事項 ( 注 2) 1. 環境良好な一般的な低層住宅地として将来ともその環境を保護すべき区域 2. 農地等が多く 道路等の都市基盤が未整備な区域及び良好な樹林地等の保全を図る区域 3. 地区計

3-2 都心まちづくりの 5 つの展開戦略 1 さっぽろ象徴戦略 ~さっぽろの持つ魅力を象徴する都心 ~ 札幌の新たな魅力と活力を都心において来街者がひと目で見て取り 体感できる象徴性を有 する街並みを創造します 骨格軸の強化と展開軸の形成を図ります にぎわいの軸 ( 駅前通 ) 地下歩行空間整備

平成 24 年 3 月改訂 茅ヶ崎海岸グランドプラン 西浜駐車場跡地北側に位置する茅ヶ崎警察署職員公舎が取り壊され 平成 23 年 3 月には グランドプランで駐車場機能の確保として位置づけのあった県営茅ヶ崎西浜駐車場が閉鎖された これを受け 海岸利用者のための駐車場を維持し かつ国道 134 号南

勝どき駅では 朝の通勤時間帯 駅の出入口 駅と晴海間のアクセス歩道が 極めて厳しい混雑状況となっています このため 勝どき駅構内から晴海までの移課題動環境は 大変低い評価となっています 通勤時の勝どき駅及び周辺に対する印象通勤時の勝どき駅に対する印象 0% 20% 40% 60% 80% 100%

8 月 : 新大阪駅周辺地域について 都市再生緊急整備地域の候補となる地域として公表 10 月 : 第 3 回大阪港ベイエリアに関する意見交換会 を開催 11 月 : 旧成人病センター跡地等に関するマーケットリサーチ結果の公表 ( 予定 ) グランドデザイン 大阪都市圏 の推進 淀川沿川の広域連携型

Microsoft Word - 事前評価調書(案)ver_7.doc

Microsoft Word _MICE_Q&A(最終案)


かごしまコンパクトなまちづくりプラン ( 立地適正化計画 ) 素案概要版 - 目次 - 1. 立地適正化計画の概要 2 2. 計画策定に係る基本的な考え方 4 3. 居住誘導区域 6 4. 都市機能誘導区域 8 5. 誘導施設 届出制度 目標値の設定 都市機能及び

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7-7 丸子地域 (1) 将来像 ( 将来像 ) 水辺 里山 人きらめき 産業活力が満ちた依田川流域のまち ( 基本目標 ) 製造業の集積が高い地域であることから 職住近接のゆとりある生活空間の創出をめざすとともに 地域内外の交流促進や日常生活のための道路交通環境整備を進めます 依田川 内村川周辺に

資料 2 東京都市計画都市再生特別地区の変更都市計画都市再生特別地区を次のように変更する 種類 面積 建築物その他の工作物の誘導すべき用途 都市再生特別地区 ( 虎ノ門 麻布台地区 ) 建築物の容積率の最高限度 建築物の容積率の最低限度 建築物の建ぺい率の最高限度 約 8.1ha 99/10 8/1

( 新 ) 藤沢都市計画住宅市街地の開発整備の方針 平成年月 神奈川県 藤沢 住宅 -1

Ⅰ 全体構想 1 都市づく りの将来 目標 都市づくりの目標 悠久の歴史が育む にぎわい 快適 まごころ創造都市 大和郡山 自然 歴史等の地域資源の保全と活用 自然 歴史等に触れ 親しみ 学べるような環境づくりをめざします また 県内各地の観光地とのネッ トワーク化を図り その拠点となることをめざし

福知山都市計画地区計画の変更(福知山市決定)

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(1) 誘導用途整備による割増 (V1) なごや集約連携型まちづくりプラン に定める誘導施設の整備を促進するため 表 1に定める誘導用途の整備を評価し 容積率の割増しを行う 誘導用途の必要性 規模及び寄与度などを勘案して 誘導用途の床面積 ( 容積率不算入部分を除く ) に相当する容積率の割増しを行

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別紙 1 国都計第 号平成 28 年 6 月 13 日 各都道府県知事各指定都市の長殿 国土交通省都市局長 ( 公印省略 ) 宿泊施設の整備に着目した容積率緩和制度の創設について 訪日外国人旅行者数 2,000 万人の目標達成が視野に入ってきたことを踏まえ 本年 3 月 30 日に 明日

Transcription:

新しい都市づくりのための都市開発諸制度活用方針 第 1 章目的東京都は 平成 13 年 10 月 東京の新しい都市づくりビジョン ( 以下 ビジョン という ) を策定し 地域ごとの 将来像 とそれを実現していく方策を示した この ビジョン の将来像を実現していくため 特定街区 再開発等促進区を定める地区計画 ( 旧再開発地区計画 以下 再開発等促進区 という ) 高度利用地区 総合設計の4 制度 ( 以下 都市開発諸制度 という ) の戦略的活用を図るものとし 本方針でその基本的考え方や運用方針を示す なお 本方針は 業務商業施設マスタープラン ( 平成 6 年 11 月 ) 区部中心部整備指針 ( 平成 9 年 4 月 ) 及び 業務商業重点地区の設定と都市開発諸制度の運用について ( 平成 9 年 4 月 ) の内容を統合するものである 第 2 章業務商業等の都市活動拠点の整備 1 整備の方向性バブル期以降 社会経済の状況が大きく変化し 都心部等での大規模開発が進行し 人口が回復に向かうなど 東京の再生へ向けての動きが始まっている こうした状況を踏まえ 東京で 業務商業など 様々な都市活動が展開する拠点的地域を 機能的かつ魅力ある場として更新していくためには 次の三つの方向性が重要である (1) 活力のある都市の形成東京が活力のある都市として持続的 安定的に成長していくためには これまでの業務 商業施設などの集積をいかし 多様な情報交流や活動の連携などにより 付加価値の高い情報を発信し 新しい価値を生み出していくなど 東京固有の活力を高めていく必要がある このような観点から 業務商業等の施設については 過度の集中を避けながらも 東京の魅力を生み出す源泉として その育成を図っていく (2) メリハリのある都市空間の形成都心 副都心などの都市活動の拠点をバランスよく配置し それぞれの地域特性に合わせた都市機能のコンパクトな集積を図り 利便性に優れた 機能的な都市活動拠点の形成を促進する これにより 拠点等とそれ以外の地域で メリハリのある都市空間の整備が進められるようにし 地域ごとに個性豊かで ゆとりのある都市空間の形成を図る (3) 質の高い都市空間の形成 1

国際ビジネスセンター等にふさわしいオフィスや緑とオープンスペースを備えた快適な都市空間の創出を促し 業務商業をはじめとする多様な都市活動が活発に行われる拠点としての質の高い都市環境を整備する さらに 文化 交流などの多様な機能を適切に導入し 幅広いサービスを提供できるようにすることで 人々が集い都市を楽しむ場を創出し 就業形態の変化等多様なニーズにも対応できるようにするなど 様々な活動が誘発される質の高い都市空間を育成整備する 2 整備区分 ビジョン で示した地域の将来像の実現に向けて 都市整備を着実に進めていくため それぞれの地域の位置付け これまでの機能集積 開発動向等を踏まえて 拠点等の地域を設定し それに基づいて都市開発諸制度等を有効に活用していく (1) 整備区分業務商業機能をはじめとする都市活動の積極的な集積を図る拠点として 交通結節性が高く 首都としての行政機能 企業の中枢的業務機能 大規模な商業施設等が高度に集積し 東京の都市構造を構成する骨格となる 都心等拠点地区 と 地域の中心地として人々の活動や生活利便性を支え 地域の就業の場ともなる 一般拠点地区 の地区を設定する また 近年の都市では 都心部においても単に業務機能の高度化を図るだけでなく 業務 商業 文化 交流 居住などの多様な機能が適切に集積し 利便性と快適性とを備えた複合的都市空間が重要な役割を担うようになってきていることから 従来の無秩序な混在とは異なる多様な機能の計画的集積を積極的に評価し 特に 都心等拠点地区 の周辺で こうした複合的整備を促進する地域を 複合市街地ゾーン とする また 都市開発諸制度を活用して良好な都心居住を積極的に進める地域を 職住近接ゾーン とする ( 図 2-1 整備区分図 及び 表 2-1 整備区分の主な地域 を参照 ) (2) 整備区分ごとの戦略的な都市開発諸制度の活用上記の整備区分を基に 都市開発諸制度を活用し 地域の機能を高め にぎわいを生み出す文化ホール 国際会議室などの文化 交流施設や 医療施設 サービス施設などの生活支援施設など 地域特性に応じて育成すべき用途で かつ 都市開発諸制度の割増容積に充当すべき用途 ( 以下 育成用途 という ) の指定や 適切な容積緩和等により 政策的誘導型の都市づくりを進める 3 エリアの設定 上記の整備区分に基づき 都市開発諸制度を活用する具体的地域は次のとおりである 2

(1) 都心等拠点地区都心 副都心 新拠点の業務商業市街地ゾーン及び核都市の業務商業地域を都心等拠点地区とする 都心等拠点地区は 大手町 丸の内 有楽町 霞が関 銀座 日本橋などの都心 新宿 渋谷 池袋などの副都心 新拠点である秋葉原 品川 多摩地域の活動の中心である八王子 立川 町田などの核都市のように 交通結節点である大規模ターミナルを中心に 都市基盤施設が整備され オフィス 商業施設等の集積も大きく 利便性も高いため 都市開発諸制度を活用して大規模な都市整備を進めるには 最も適した地域である 都心 副都心 核都市は それぞれ 区部中心部整備指針 副都心整備指針 多摩の心育成 整備指針 等で位置付けられていたエリアを継承する 新拠点は 秋葉原と品川のエリアを設定する 都心等拠点地区 1 都心 : 更新都心 ( 大手町 丸の内 有楽町 内幸町 霞が関など ) 再編都心 ( 日本橋 八重洲 京橋 銀座 新橋など ) 2 副都心 ( 新宿 渋谷 池袋 上野 浅草 錦糸町 亀戸 大崎 ) の業務 商業市街地ゾーン 臨海副都心は副都心であるが 本指針によらず 臨海副都心まちづくり推進計画など地域の上位計画に従って 都市開発諸制度を活用する 3 新拠点 ( 秋葉原 品川 ) の業務 商業市街地ゾーン 4 核都市 ( 八王子 立川 町田 多摩ニュータウン 青梅 ) の業務 商業市街地地区 核都市は ビジョン の中で位置付けられたもので 多摩の心育成整備指針 で多摩の拠点として位置付けられた多摩の 心 と同じ地域 (2) 一般拠点地区業務商業施設の集積が都心等拠点地区より小さく 業務 商業をはじめとする様々な都市活動が展開する地域中心地で 業務商業施設マスタープラン で定めていた一般重点地区及び多摩の業務施設集積地区を一般拠点地区とする 区部では高田馬場 蒲田 三軒茶屋 南千住 北千住などの鉄道沿線の中心地や副都心の後背地が 多摩では府中 聖蹟桜ヶ丘などの地域がこれに当たる 一般拠点地区 1 一般重点地区 : 高田馬場 蒲田 三軒茶屋 中野 南千住 北千住 練馬 府中など 2 業務施設集積地区 : 八王子ニュータウン 南大沢センターなど 業務核都市構想において定められた地域 こうした地域で 多様な就業の場や質の高い商業空間を整備することは 通勤混雑 の緩和や都市活動の地域間バランスの回復など 望ましい都市構造の形成を図る上で 3

重要であり 必要に応じて公共施設整備と合わせた一体的な整備を図ることなどによ り 業務商業機能の一層の充実を図る (3) 複合市街地ゾーン都心周辺部と 副都心や新拠点の複合市街地ゾーンなどの地域は 業務商業が高度に集積した都心等の周辺で 都心等の業務商業と連携を図りつつ より多様な機能が 複合的に展開する市街地が形成されている地域である (*) この地域には 神田 築地 赤坂 六本木 芝浦 勝どき 晴海などの都心周辺部 新宿 渋谷 池袋などの副都心の複合市街地ゾーンなどが含まれ 計画的な複合開発や質の高い個性的な街区 伝統的な地域 ウォーターフロントなど 東京にとって貴重で 魅力的な地域が多い こうしたそれぞれの地域特性をいかして 多様な機能を効果的に組み合わせて 地域の景観や個性を強調したり 新たに見出すことによって 東京の新しい魅力を高めていく 副都心の複合市街地ゾーン 核都市の複合市街地地区等は 副都心育成整備指針 及び 多摩の心育成整備指針 で指定されていたエリアを継続する 都心周辺部は 本指針において 区部中心部整備指針 のエリアを見直したもので 新拠点の複合市街地ゾーンは新たに設定したものである 複合市街地ゾーン 1 都心周辺部 : 御茶ノ水 神田 湊 築地 勝どき 晴海 人形町 浜町 赤坂 六本木 田町 芝 芝浦 海岸 豊洲など * 区部中心部整備指針 において 都心と都心周辺部とを併せた地域を 都心部 として 一体的な機能連携を図る地域として位置付けていたが この考えは本指針においても継承している 2 副都心 ( 新宿 渋谷 池袋 上野 浅草 錦糸町 亀戸 大崎 ) の複合市街地ゾーン 3 新拠点 ( 品川 ) の複合市街地ゾーン 4 核都市の複合市街地地区 これらの地域は エリアの指定がされていたものの これまでは具体的な整備制度 との連携が図られていなかった 今後は これらの地域では 複合市街地が地域の特 徴をいかして展開するよう 都市開発諸制度を有効に活用していく (4) センター コア エリア 及び 職住近接ゾーン 都心を中心とした区部の中心部と東京湾に沿ったウォーターフロントは 現在 東京の都市開発が最も活発に展開している地域である これらの地域は 今後の都市再生においても 開発プロジェクトが集中し 両地域の経済活動も緊密な関係にあるなど 地域的連携が強いため 両方の地域が機能的連携を保ちつつ 4 一体的かつ戦略的な都市整備を進め 東京の機能と魅力を高めていく 4

このため 都市開発諸制度の展開においては ビジョン の センター コア再生ゾーン と 東京湾ウォーターフロント活性化ゾーン の一部とを併せた地域を センター コア エリア として都市開発諸制度の活用を図る センター コア エリアのうち 都心等拠点地区 一般拠点地区 複合市街地ゾーンを除いた地域は 業務商業の高度な集積地に近接し 良好な居住環境を育成整備する 職住近接ゾーン とする ( 図 2-2 拠点位置図 から 図 2-6 都心部範囲図 ( 都心 都心周辺部 ) までを参照) なお これらの地域設定は 都市開発諸制度の戦略的活用のために設定した整備区分で 今後の政策の必要に応じて 設定を見直すこともある 5