. 化学反応と溶液 - 遷移状態理論と溶液論 -.. 遷移状態理論 と溶液論 7 年 5 月 5 日
衝突論と遷移状態理論の比較 + 生成物 原子どうしの反応 活性錯体 ( 遷移状態 ) は 3つの並進 つの回転の自由度をもつ (1つの振動モードは分解に相当 ) 3/ [ ( m m) T] 8 IT q q π + π tansqot 3 h h との並進分配関数 [ πmt] 3/ [ ] 3/ πmt q & q 3 3 h h 反応速度定数 T q exp[ Ea / T] h q q 8π T d exp[ Ea / T] μ 衝突論と一致! 分子どうしの反応 と N, N 原子を含む非直線分子分子は 3 つの並進 3 つの回転 (3N 6), (3N 6) の振動の自由度活性錯体は [3(N +N ) 7] の振動自由度 q q q q 3 3 3( N+ N) 7 tans ot ot 3( N + N ) 7 T q q q exp[ Ea / T] h q q q q q q T h q q 3 3 tans ot vib 3 3 3N 6 3 3 3N 6 tans ot vib tans ot vib 5 qvib exp[ E / ] 3 3 a T tans ot と が原子の場合 T q exp[ Ea / T] h q ot 3 tans これが遷移状態理論と衝突論の違い 遷移状態理論 q q q q q q q 衝突論 5 3 3 5 vib tans ot vib 3 5 ot tans ot 衝突論は分子では全く
溶液中での反応 溶液反応の特徴は 反応する分子の周囲に常に溶媒分子が存在していること 反応過程が遅い 反応自体の化学的効果が重要 遷移状態理論の熱力学表示が適用できる反応過程が速い 反応物が相互に接近したり 生成物が離れていく拡散過程が律速 溶媒効果は拡散現象 溶液中の反応では 分子は周囲の溶媒分子のケージ内で衝突を繰り返す可能性が高い 衝突数は溶液中でも気相中でもあまり変わらない 溶液中での衝突の概念図 N O 5 の分解速度 媒体 (5 )/1-5 s -1 log 1 (/s -1 ) E a (J mol -1 ) 気相 3.38 13.6 13.3 CCl 4 4.69 13.6 11.3 CH 3 Cl 5.54 13.7 1.9 CH 3 NO 3.13 13.5 1.5
拡散律速反応 Ficの法則を球対称な濃度勾配の場に適用 dc 溶質 iの流束密度 D i 濃度 φi i d 拡散定数 + 生成物の反応分子 の周囲の半径 の球を通過する分子 の流束密度 d[ ] における分子 の濃度 φ ( D + D ) d の全流束 ( 流束密度 面積 )J [ ] 4 d J π ( D + D ) d J [ ] + [ ] ( で[] [] より ) 4π( D + D ) ととの反応が速く Rでとが必ず反応するならば J + [ ] 4πR( D + D ) J 4π ( D + D ) R[ ] 1 個の分子 の反応速度定数 分子 の全流束の絶対値 4 π ( D + D ) R dolf Eugen Fic (189 191) y Roman Smolucowsi (191 - ) 拡散定数に対する Einstein-Stoes の関係式 D T 6πη ( T ) 粘性率 T ( + ) 3η ( T ) ならば 速度定数 lbet Einstein (1879 1955) 8T 3η ( T ) Geoge G. Stoes (1819 193)
標準反応 Gibbs エネルギー 遷移状態理論の熱力学的記述 G Gibbsエネルギーの圧力依存性 : Δ G T V 反応 + 生成物標準反応 Gibbsエネルギー変化は反応物と生成物のGibbsエネルギーの差 RT RT RT Δ G ΔG d d + d Δ ln 1 1 1 G + RT 平衡では Δ G より RT ln RT RT ln K 遷移状態理論より 反応速度定数 ΔG ΔH TΔS T h より T h [ ] [ ][ ] ΔG T exp h RT ΔS exp R ΔH exp RT
反応速度に及ぼす静電力の効果 電解質溶液中でのイオンの反応周囲に電荷分布 ( 比誘電率 ε ) があるときの電荷分布と電場との関係 (oisson 方程式 ) 電場の中でイオンが平衡分布しているとすると 荷電数 z i をもつ濃度 n i のイオン i の平衡分布 : de( ) d 1 d ρ( ) d εε z iee( ) ni ni exp T z ee n z e i ( ) ρ( ) exp T 各種イオンが存在するときの電荷分布 i i 距離が大きいところでの電気的中性条件 n z e を用い 指数項を 次まで展開 ni zi e E( ) ρ( ) T i i oisson 方程式 liq z ze gas exp 4πε ε RT de( ) d λはdebyeの長さイオンの静電場の有効半径 1 d e λ E( ), ただし λ ni zi d ε ε T E(), E( )z e/(4πε ε ) の境界条件を満たす解 指数項を第 項まで展開 イオン, 間のポテンシャル ze zze πεε 4πεε z U( ) zee( ) 4 イオン雰囲気 ( 電荷分布 ) がないとき λ λ イオン強度 ete Debye (1884-1966) ze E( ) exp( λ) 4πε ε 1 I c i z i イオン雰囲気の効果 z z e λ exp 4πε ε T ln liq const. liq 同種符号イオン間の反応は誘電率やイオン強度の増加で促進 異種符号間は減速 liq liq Debye-Hücel の極限法則 z z I 1/
QM/MM 法溶媒分子が直接的に結合する領域 ( 第一溶媒和圏 ) と間接的に関与する領域 ( 第二溶媒和圏 ) に分けてモデル化する方法分離方法は任意 溶媒和モデル 溶媒分子をすべて含めた計算は不可能溶媒効果は溶媒和モデルで近似 分極連続体モデル (CM) 分子のまわりに溶媒排除領域を設定し 分極させた連続体で溶媒効果を取り込む 相互作用点モデル (ISM) 溶質 溶媒分子に含まれるすべての原子間の相互作用を積分方程式で計算する方法 3D-RISM 理論でもとめた蛋白質 (α-chymotypsinogen ) の周りの水和構造 (3 次元分布関数 ) 赤 : 水が通常より多く分布している領域青 : 水が通常より少なく分布している領域
問題個々の分子の状態がエネルギーをとるとき 分子分配関数はつぎのように定義される q exp( ε / T) i ただし はoltzmann 定数 Tは絶対温度である 1. 分子 1 個あたりの平均のエネルギーを ε とすると q となることを示せ. 直線型の異核分子の回転エネルギーは ε JM J( J + 1), J,1,,, M J, J + 1,,,, J 1, J である ただし J, Mは量子数 は定数である 1 回転の分子分配関数を書き表せ 高温のとき 和を積分に変換して qの近似値を求めよ 3 エネルギー等分配の法則が成り立つことを示せ ヒント 1. そのまま微分すればよい. 1 J についての和となる J(J+1)x と置くと q はどう積分される? 3 1 の結果を使う i q ε (1/ T)