関心 意欲 態度科学的思考力観察 実験の技能 表現第 5 学年理科学習指導案平成 16 年 6 月 15 日 ( 火 ) 第 3 校時指導者宇多幹子場所理科室 1 単元名 植物の発芽と成長 2 単元の目標と評価規準 植物の発芽と成長を, それにかかわる条件に着目しながら調べる活動を通して, 見いだした問題を計画的に追 究する能力や生命を尊重する態度を育てるとともに, 植物の発芽や成長についての見方や考え方を深める 1 植物の発芽や成長の条件について, 自分の経験と照らし合わせて様々な観点から考えようとする 2 植物の発芽や成長の条件に興味 関心をもち, 大切に世話をしながら調べようとする 3 種子の発芽の様子に生命のたくみさを感じ, 種子の内部のつくりと発芽の関係を調べようとする 4 植物の発芽や成長に関わる条件について, それまでの経験を生かして仮説を立てることができる 5 植物の発芽や成長に関わる条件について, 自ら立てた仮説を確かめるための実験方法を考えることができる 6 植物の発芽や成長に関わる条件について, 実験結果をもとに考察することができる 7 実験計画に従って必要なものを準備し, 実験を行うことができる 8 継続的に観察を行い, 発芽や成長の様子を記録することができる 9ヨウ素液を使って, 発芽前後の種子に含まれている養分のちがいを調べることができる 自然事象についての知識 理解10 植物は, 種子の中の養分をもとにして発芽することをまとめることができる 11 植物の発芽には, 水, 空気, 温度が関係していることをまとめることができる 12 植物の成長には, 日光や肥料などが関係していることをまとめることができる 3 単元について本単元は, 植物を育てて発芽や成長の様子を調べ, 植物の発芽 成長とその条件についての考えをもつようにすることをねらいとしている 具体的には, 植物の発芽には水 空気 温度が関係していること, 植物は種子の中の養分を使って発芽すること, また, 植物の成長には日光や肥料が関係していることの見方や考え方ができるようになることをねらっている 本単元に関わる先行学習として,3 年生では 植物をそだてよう 植物のからだをしらべよう 花と実を調べよう で植物の成長のきまりや体のつくりについて学習している また,4 年生では あたたかくなると 暑くなると すずしくなると さむくなると で植物の成長と環境との関わりを学習している 本単元では, これらの学習経験や今までの生活経験をもとにして, 発芽や成長の条件を考えることがポイントになる 理科ー 1
一方, 本単元で学習した内容は, 二学期の 花から実へ の単元につながっていく また, 本単元の後には, 魚や人のたんじょう で, 動物の発生や成長についても学習することになっている これら一連の学習を通して, 生命の連続性についての見方や考え方を育てることは重要なねらいである 尚, 本単元の学習は, 植物の葉に日光が当たるとでんぷんができるという 6 学年の学習に発展していく ところで, 本単元では発芽条件や成長条件を調べる実験で, 初めて条件統御の考え方を扱う また, 種子の中に発芽する際の養分となるでんぷんがあることを確かめるヨウ素でんぷん反応も初めての学習である 条件統御の考え方やヨウ素でんぷん反応は, 今後様々な実験で利用されるので, 十分に時間を取って理解させたり操作技能を習得させたりしていきたい また, 発芽条件や成長条件を調べる実験に使った植物は, 結果が分かった時点で実験を止め, より大きな植木鉢や畑に植え替えて育てることにより, 小さな命も大切にする態度を育てていきたい 4 指導について (1) 児童について ( 男子 8 人, 女子 5 人, 計 13 人 ) 省略 (2) 指導について < 指導の着眼点 > 教材が児童 生徒にとって興味 関心がもてるように取り扱われて, 楽しい充実感のある学習活動が組み立てられているか 児童 生徒の生活経験や素朴な見方や考え方などの実態を十分把握して, それらを 科学的な見方や考え方 に変容させるための指導の工夫がなされているか 直感的な思考で得た結論を既習事項や観察 実験に基づいて筋道を立てて説明付ける授業展開が工夫されているか ( 論理的な思考を育てる授業づくり ) 児童 生徒一人一人の学習の達成度を把握する工夫がなされているか 第一次の発芽条件の導入では, 硬い殻を破って発芽するためには何かの力が加わったことを感じ取らせたい そこで, 一人に 1 個ずつインゲンマメを渡し, これを指で破ってごらん できなければ爪を使ってもいいよ と次々に指示する インゲンマメの殻の硬さが実感できたところで, 硬い殻を持つこの種を眠りから目覚めさせるものは何だろう と問い, 発芽条件を考えさせる きっと意欲的に考えるであろう また, ただ単に条件を考えさせるよりも多くのことを考えるものと思う そして, 発芽実験では, 子ども達が考えた条件を調べる実験を, 可能な限り数多くやろうと考えている このことにより, 自分達で考えたことを自分達で実験方法を考えて調べていくという学習経験をさせたい また, そのことは, 生活経験から考えていたことの真偽を明確にするという体験にもなる だから, 結果が予想と違った場合, それを間違いとしてとらえるのではなく, 違っていたことが実験から分かったとしてプラス評価でとらえる 自分達で考えたことを実際にやってみる経験を重ねることで, 科学的な見方や考え方が身についていくものと考えている 本時の学習は, 植物の成長条件を考える場面である 単に問うのではなく, 実際に育ちが違う 2つのインゲンマメの苗を見せることとする そして, 同じような大きさの苗だったのに, あることを変えただけで育ち方が変わってきました このように植物を大きく丈夫に成長させるためには, 何が必要だと思いますか と問う理科ー 2
学習の流れ評価規準と評価方法第一次4時間第二次2時間第三次6時間こととする このことにより, 自分達のインゲンマメを大きく丈夫に育てたい との気持ちが働き, 意欲的に考えるのではないかと思う また, この時に, 発芽条件を調べたときの実験記録を明示する 発芽条件の実験を数多くしておくことは, 成長条件を考える際に大いに参考になると考えている 授業では, 単に口頭発表させるだけでなく, 理科ノートやワークシートを見たり, 行動を観察したりして, 一人一人の達成度を把握するようにしている また, 観察カードや理科ノート, ワークシートを書かせることで, 授業外でも連続した達成度を把握できるようにしている 観察カードを継続して書くことは, 対象物を見る力やスケッチ力の向上にもつながる ところで, 発芽実験をする時には, 一人一人に種を蒔かせる 自分で蒔くことによって, 発芽することに, より興味を持つであろう 実験用以外に, 自分用のインゲンマメも蒔かせる そして, 植え替えの時期になった時に家庭へ持って帰らせる 自分だけのインゲンマメとして, 家で大切に育ててくれることを期待している 5 指導計画と評価 (12 時間 ) 第一次種子はどうなると芽を出すのか第 1 時 種子の発芽条件の考察第 2 3 時 種子の発芽条件を調べる実験の設定種子が発芽する条件を調べよう実験 1 関 1 思 4 5 技 7 技 8 関 2 行動観察 記録発言 記録行動観察 記録行動観察 記録行動観察 第 4 時 種子の発芽条件のまとめ第二次種子にふくまれているものはなにか第 1 時 子葉のはたらきの考察, ヨウ素液に浸した発芽前後の子葉の観察子葉のはたらきを調べよう観察 1 第 2 時 種子の発芽の際の子葉のはたらき第三次植物の成長に必要なものはなにか第 1 時 植物の成長条件の考察 ( 本時 ) 第 2 時 成長条件を調べる実験の設定植物の成長に必要なものを調べよう実験 2 第 3 4 時 実験結果のまとめ第 5 6 時 学習の整理理科ー 3 思 6 知 10 関 3 技 9 知 11 関 1 思 4 5 技 7 技 8 関 2 思 6 知 12 知 10 11 12 発言 記録行動観察 記録行動観察発言 記録行動観察 記録発言 記録発言 記録行動観察 記録行動観察発言 記録発言 記録発言 記録
学習内容学習活動教師の支援と評価 ( ) 前時の次時の計画チャイムが鳴ったら6 本時の目標 ( 本時 7/12 時間 ) 植物の成長に必要な条件とその調べ方を考え, 実験を計画することができる 7 準備物 成長の違いが見られるインゲンマメの苗 (2), 成長が同じインゲンマメの苗 (2), 写真 ( プロジェクターで提示 ), ワークシート, 観察カード 8 本時の学習指導過程 学習の予告 次時の学習を知る 子葉がかれ落ちているインゲンマメの苗を提示す 植物の成長に必要な条件を調べよう る このあと成長するため には何が必要だろう と投げかけ, 次時の学習への意欲づけを行う 学習課題の確認 2 つのインゲンマメの苗を見て, 成長がどのよ 成長が違う 2つのインゲ うに違うかを見つけ発表する ンマメの苗を実際に見せ 本葉の数が右は 6 枚で, 左は 8 枚だ る 葉っぱの大きさが違う 2 つの苗は, 条件を一つ インゲンマメの丈が左の方が高い だけを変えて育てたことを 葉っぱの色が左の方が濃い 話す 植物の成長条件新しい仕事 肥料のない土で発芽したインゲンマメが, このあと大きく成長するために何が必要かを考え, 発表する 水 今までも植物を育てる時には水やりをしてきたから 空気 空気がないと生きていけないから 適当な温度 寒いと育たないから 肥料 バーミュキュライトは肥料がない土だし, 今までもやってきたから 日光 発芽にはいらなかったけれど, 成長にはいると思うから 土 根がはっていくから 関 1 ( 行動観察 記録 ) 思 4( 発言 記録 ) 思いつかない児童へは, 発芽条件を考えた時に出た 意見を参考にするように話 す 実験可能なものは, 全て やらせる方向で条件を出さ せる 意見が出尽くしたら, 各 条件について必要だと思う 児童の数を確認する 植物の成長に必要な条件を調べよう 理科ー 4
実験方法 それぞれの成長条件の実験方法を考えて発表 思 ⑤ 発言 記録 する 思いつかない児童へは 日光 (片方に箱をかぶせて日光を遮る) 発芽実験をした際にどうし たかを思い出させる 日光 肥料以外でも 可 能な実験方法が考えられた ら 行う方向で進める 肥料 片方だけに肥料を与える 条件統御 それぞれの調べることについて 調べる条件と 種子の発芽条件の実験を 調べる条件 同じにする条件を考え ワークシートの表に整理 思い出させて 条件統御の 同じにする条件 する 考え方を再度確認させる 調べること 調べる条件 日光と成 ア日光に当てる 長 同じにする条件 表に書き入れる言葉を提 肥料を与え 示しておき 選んで書かせ イ日光に当てな る る い 肥料と成 ア肥料を与える 長 日光に当て イ肥料を与えな る い 表以外のことで 同じにする条件を考える 同じくらいに成長した苗を使う 温度や水の量を同じにする 条件の統御を一覧表にまとめる 次時の計画 次時の学習の予告 次時の学習を知る 成長条件を調べる実験をセットしよう 9 反省 10 ご高評 理科ー 5 実験に必要なものを簡 単に尋ねることで 次時の 学習の大筋をつかませる