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Transcription:

無線通信システム研究会 / 情報理論研究会 / 信号処理研究会 Polar 符号の移動通信システムへの適用と 5G 標準化動向 三木信彦 ( 香川大学 ) 永田聡 (NTT ドコモ ) 27..9

はじめに 本発表では, 近年着目されている Polar 符号について移動通信の適用と 5G 標準化動向について概説 通信路分極 符号化 復号法 他のチャネル符号化との比較 Turbo 符号 (LDPC 符号 ), 畳込み符号 特性評価 移動通信に適した構成 5G 標準化動向 : 制御チャネルの符号化として合意 香川大学工学部電子 情報工学科 2

通信路分極 3

二元対称通信路 離散無記憶であり 2 元対称通信路 () が対象 BSC: Binary Symmetric Channel BEC: Binary Erasure Channel BAGNC: Binary nput AGN Channel 誤り率特性等の評価は BAGNC を用い, 通信路分極の説明には説明の簡単さから BEC を用いる. 入力 x X={,}, 出力 y Y とした場合の遷移確率 (y x) x y BEC 消失率 :² 通信路容量 C()=-² -² -² ² ² Erasure 香川大学工学部電子 情報工学科 4

通信路分極の原理 複数のチャネルを Combine, Split して, 分極化した通信路に変換 Erdal Arıkan, Polar Coding Tutorial より 香川大学工学部電子 情報工学科 5

具体的な例 独立な 2 通信路 x y x y Combining u x y u x Splitting y u が出力になっている点に注意 u 入力 u x u x y y 出力 u u x x y y 出力 香川大学工学部電子 情報工学科 6

具体的な例 通信路, の通信路容量 入力 u x u x y y 出力 u の消失率 (y, y ) のどちらか or 両方が消失すると u は消失 両方が消失 y が消失 y が消失 香川大学工学部電子 情報工学科 7

具体的な例 通信路, の通信路容量 入力 u x u x y y 出力 u の消失率 (y, y ) のどちらか or 両方が消失すると u は消失 両方が消失 y が消失 y が消失 u x u y 出力 (y, y ) の両方が消失すると u は消失 u の消失率 入力 u x y 香川大学工学部電子 情報工学科 8

具体的な例 通信路, の通信路容量 入力 u x u x y y 出力 u の消失率 (y, y ) のどちらか or 両方が消失すると u は消失 両方が消失 y が消失 y が消失 の順に復号 u x u y 出力 (y, y ) の両方が消失すると u は消失 u の消失率 入力 u x y 香川大学工学部電子 情報工学科 9

具体的な例 通信路, の通信路容量 入力 u x u x y y 出力 u の消失率 (y, y ) のどちらか or 両方が消失すると u は消失 両方が消失 y が消失 y が消失 の順に復号 u x u y 出力 (y, y ) の両方が消失すると u は消失 u の消失率 入力 u x y 香川大学工学部電子 情報工学科

具体的な例 独立な 4 通信路 x y x y y 2 y 3 香川大学工学部電子 情報工学科

具体的な例 独立な 4 通信路 x y x y y 2 y 3 香川大学工学部電子 情報工学科 2

具体的な例 独立な 4 通信路 劣悪な通信路 を結合 x y x y y 2 良好な通信路 y 3 を結合 香川大学工学部電子 情報工学科 3

具体的な例 独立な 4 通信路 劣悪な通信路 を結合 x y x y y 2 良好な通信路 y 3 を結合 香川大学工学部電子 情報工学科 4

具体的な例 独立な 4 通信路 劣悪な通信路 を結合 x y x y y 2 良好な通信路 y 3 を結合 u u u 2 u 3 y y y 2 y 3 香川大学工学部電子 情報工学科 5

具体的な例 独立な 4 通信路 劣悪な通信路 を結合 x y x y y 2 復号順 良好な通信路 y 3 を結合 u u u 2 u 3 y y y 2 y 3 u u u 2 u 3 y y y 2 y 3 香川大学工学部電子 情報工学科 6

具体的な例 独立な 4 通信路 劣悪な通信路 を結合 x y x y y 2 良好な通信路 y 3 を結合 u u u 2 u 3 復号順 y y y 2 y 3 u u u 2 u 3 復号順 y y y 2 y 3 u u u 2 u 3 香川大学工学部電子 情報工学科 7 y y y 2 y 3

具体的な例 独立な 4 通信路 劣悪な通信路 を結合 x y x y y 2 良好な通信路 y 3 を結合 u u u 2 u 3 復号順復号順復号順 y y y 2 y 3 u u u 2 u 3 y y y 2 y 3 u u u 2 u 3 香川大学工学部電子 情報工学科 8 y y y 2 y 3 u u u 2 u 3 y y y 2 y 3

具体的な例 独立な 4 通信路 消失率 x y x y y 2 y 3 消失率 香川大学工学部電子 情報工学科 9

具体的な例 独立な 8 通信路 x y x y y 2 y 3 x 4 y 4 x 5 y 5 x 6 y 6 x 7 y 7 香川大学工学部電子 情報工学科 2

具体的な例 独立な 8 通信路 x y x y y 2 y 3 x 4 y 4 x 5 y 5 x 6 y 6 x 7 y 7 香川大学工学部電子 情報工学科 2

具体的な例 独立な 8 通信路 x y を結合 x y y 2 を結合 y 3 x 4 y 4 を結合 x 5 y 5 x 6 y 6 を結合 x 7 y 7 香川大学工学部電子 情報工学科 22

通信路分極 ²=.4 の場合 香川大学工学部電子 情報工学科 23

通信路分極 ²=.4 の場合 香川大学工学部電子 情報工学科 24

通信路分極 ²=.4 の場合 香川大学工学部電子 情報工学科 25

通信路分極 ²=.4 の場合 香川大学工学部電子 情報工学科 26

通信路分極 ²=.4 の場合 香川大学工学部電子 情報工学科 27

通信路分極 ²=.4 の場合 香川大学工学部電子 情報工学科 28

通信路分極 ²=.4 の場合 香川大学工学部電子 情報工学科 29

通信路分極 ²=.4 の場合 香川大学工学部電子 情報工学科 3

通信路分極 ²=.4 の場合 4 割程度が C()= 2 割程度が C()= 香川大学工学部電子 情報工学科 3

通信路分極 ²=.4 の場合 n= n= n=2 n=4 n=8 n=6 香川大学工学部電子 情報工学科 32

通信路分極 ²=.4 の場合 6 割が C()= n= n= n=2 n=4 n=8 n=6 n C()= or の通信路に収束 その割合は通信路容量と一致 C()= となる通信路のみを用いることでシャノン容量を実現可能 - C()= となる通信路 : データ - C()= となる通信路 : ダミービット ( 凍結ビットと呼ぶ ) 4 割程度が C()= 香川大学工学部電子 情報工学科 33

符号化 復号法 34

符号化法 有限長の場合には, 通信路容量は完全に or に分極していない 通信路容量, 誤り率などの指標の良好な通信路を用いて通信 例 )BEC (²=.4), n=3 (N=8 ビット ) の場合 情報ビット k=4 ビットを符号化 ( 符号化率 4/8=/2) C() の高い 4 ビット : 情報ビット () その他の 4 ビット : 凍結ビット () C().2.24.35.83.5.9.95. 香川大学工学部電子 情報工学科 35 u u u 2 u 3 u 4 u 5 u 6 u 7 x x x 4 x 5 x 6 x 7

符号化の具体例 k =4 ビット, 符号化後のビット数 N=8 の場合, 情報ビット (u 3,u 5,u 6, u 7 )=(,,,) を符号化する場合を説明. u u u 2 u 3 u 4 u 5 u 6 u 7 x x x 4 x 5 x 6 x 7 香川大学工学部電子 情報工学科 36

符号化の具体例 k =4 ビット, 符号化後のビット数 N=8 の場合, 情報ビット (u 3,u 5,u 6, u 7 )=(,,,) を符号化する場合を説明. u u u 2 u 3 u 4 u 5 u 6 u 7 x x x 4 x 5 x 6 x 7 香川大学工学部電子 情報工学科 37

符号化の具体例 k =4 ビット, 符号化後のビット数 N=8 の場合, 情報ビット (u 3,u 5,u 6, u 7 )=(,,,) を符号化する場合を説明. u u u 2 u 3 u 4 u 5 u 6 u 7 x x x 4 x 5 x 6 x 7 香川大学工学部電子 情報工学科 38

符号化の具体例 k =4 ビット, 符号化後のビット数 N=8 の場合, 情報ビット (u 3,u 5,u 6, u 7 )=(,,,) を符号化する場合を説明. u u u 2 u 3 u 4 u 5 u 6 u 7 x x x 4 x 5 x 6 x 7 香川大学工学部電子 情報工学科 39

復号法 ( システムモデル ) 情報系列 (u,u,u 2,u 3,u 4,u 5,u 6,u 7 ) を符号化した系列 (x,x,,,x 4, x 5,x 6,x 7 ) を送信し,AGN が乗算された受信信号された系列より計算した対数尤度比 (L,L,L 2,L 3,L 4,L 5,L 6,L 7 ) から情報系列を推定 u x L u x L u 2 L 2 u 3 L 3 u 4 x 4 L 4 u 5 x 5 L 5 u 6 x 6 L 6 u 7 x 7 L 7 香川大学工学部電子 情報工学科 4

復号順 逐次除去復号法 [] u u u 2 u 3 u 4 u 5 u 6 u 7 の順に復号 凍結ビットの場合は既知なので復号は不要 尤度は右から左に 尤度の流れ u x L u x L u 2 L 2 u 3 L 3 u 4 x 4 L 4 u 5 x 5 L 5 u 6 x 6 L 6 u 7 x 7 L 7 香川大学工学部電子 情報工学科 4

尤度の基礎計算 (LDPC 符号と同一 ) 尤度の流れは以下の 2 パターン XOR への入力が既知 or 未知によって決定 既知の場合 未知の場合 f g g 香川大学工学部電子 情報工学科 42

逐次除去復号法 u を復号 u f f f x L u u 2 f x L L 2 u 3 u 4 f f x 4 L 3 L 4 u 5 u 6 f x 5 x 6 L 5 L 6 u 7 x 7 L 7 香川大学工学部電子 情報工学科 43

逐次除去復号法 u を復号 u u 2 g f f f x x L L L 2 u 3 u 4 f f x 4 L 3 L 4 u 5 u 6 f x 5 x 6 L 5 L 6 u 7 x 7 L 7 香川大学工学部電子 情報工学科 44

逐次除去復号法 u 2 を復号 u 2 f g f f x x L L L 2 u 3 u 4 u 5 u 6 g f f x 4 x 5 x 6 L 3 L 4 L 5 L 6 u 7 x 7 L 7 香川大学工学部電子 情報工学科 45

逐次除去復号法 u 3 を復号 u 3 u 4 u 5 u 6 g g g f f f f x x x 4 x 5 x 6 L L L 2 L 3 L 4 L 5 L 6 u 7 x 7 L 7 香川大学工学部電子 情報工学科 46

逐次除去復号法 u 4 を復号 u 4 u 5 u 6 u 7 f f f g g g g x x x 4 x 5 x 6 x 7 L L L 2 L 3 L 4 L 5 L 6 L 7 香川大学工学部電子 情報工学科 47

逐次除去復号法 u 5 を復号 f g g x x L L L 2 L 3 u 5 u 6 u 7 g f g g x 4 x 5 x 6 x 7 L 4 L 5 L 6 L 7 香川大学工学部電子 情報工学科 48

逐次除去復号法 u 6 を復号 g x x L L g g L 2 L 3 u 6 u 7 f g g g x 4 x 5 x 6 x 7 L 4 L 5 L 6 L 7 香川大学工学部電子 情報工学科 49

逐次除去復号法 u 7 を復号 g x x L L g g L 2 L 3 g x 4 x 5 L 4 L 5 u 7 g g g x 6 x 7 L 6 L 7 香川大学工学部電子 情報工学科 5

逐次除去リスト復号法 逐次除去復号法の問題点 既知系列の復号誤りに弱い 以降の凍結ビットについての考慮がない 逐次除去リスト復号法 [2] が提案 累積メトリックの低い L 候補を保存 C().2.24 u u x x 通信路容量の低いチャネルを先に復号.35.83.5 u 2 u 3 u 4 x 4 誤り伝搬の可能性.9 u 5 x 5.95 u 6 x 6. u 7 x 7 香川大学工学部電子 情報工学科 5

CRC を用いる逐次除去リスト復号法 [3] 逐次除去リスト復号法では L 個の系列候補が存在 通常は累積メトリックが最小の系列を復号結果として出力 一方, パケット伝送ではエラーフリー伝送のため,CRC といった誤り検出符号を連接 L 個の系列候補のうち,CRC により誤りが検出されなかった系列を復号結果として出力することで特性改善を図る 香川大学工学部電子 情報工学科 52

他のチャネル符号化との比較 53

他のチャネル符号化との比較 Turbo 符号 /LDPC 符号 : 繰り返し復号処理を適用 Polar 符号 / 畳み込符号 : 系列推定を適用 逐次除去リスト復号法では軟出力が困難 Belief Propagation アルゴリズムを適用 逐次除去復号法を拡張して軟出力を得る方法 [4] などが提案 ブロック誤り率特性を比較 Turbo 符号との比較 : 情報ビット長 52, 符号化率 /2 畳込み符号との比較 : 情報ビット長 64, 符号化率 /2 香川大学工学部電子 情報工学科 54

BLER Turbo 符号との比較 Polar 符号 ( 逐次除去復号法 ) Polar 符号 ( 逐次除去復号法 ) は Turbo 符号に比較して大幅に特性が劣化 Turbo 符号 Received E b /N (db) 香川大学工学部電子 情報工学科 55

BLER Turbo 符号との比較 L= L=2 L=4 L=8 L=6 Polar 符号 ( リスト型逐次除去復号法 ) Polar 符号 ( 逐次除去復号法 ) は Turbo 符号に比較して大幅に特性が劣化 リスト型逐次除去復号法の適用により大幅に特性が改善 L=8 程度で改善は飽和 傾きはいまだ悪い Turbo 符号 Received E b /N (db) 香川大学工学部電子 情報工学科 56

BLER Turbo 符号との比較 L= L=2 L=4 L=8 L=6 Turbo 符号 Polar 符号 (CRC を用いるリスト型逐次除去復号法 ) Received E b /N (db) Polar 符号 ( 逐次除去復号法 ) は Turbo 符号に比較して大幅に特性が劣化 リスト型逐次除去復号法の適用により大幅に特性が改善 L=8 程度で改善は飽和 傾きはいまだ悪い CRC の適用により更に特性が改善 L=6 でも改善は未飽和 傾きも大幅に改善 一例のみであり, 常にこの特性差になるわけではないので注意が必要 香川大学工学部電子 情報工学科 57

BLER 畳込み符号との比較 Polar 符号畳み込符号 L= L=2 L=4 L=8 L=6 CRC を用いるリスト型逐次除去復号法を適用 L が増大するとほぼ同等の特性 注意 : 符号化率, 情報ビット長により特性の優劣が異なる Received E b /N (db) 香川大学工学部電子 情報工学科 58

移動通信に適した構成 59

要求条件 データチャネル 良好な特性の実現 様々な符号化率 情報ビット長の実現 パケット合成型ハイブリッド ARQ の実現 低処理遅延 処理量の実現 制御チャネル 良好な特性の実現 様々な符号化率 情報ビット長の実現 香川大学工学部電子 情報工学科 6

様々な符号化率 情報ビット長の実現 様々なサイズのデータを様々な符号化率を用いて伝送することが必要 u x u x u 2 情報ビット / 凍結ビット数を変更することで, 容易に変更可能 u 3 u 4 x 4 符号語のビット数は基本的に 2 のべき乗に限定 u 5 x 5 u 6 x 6 u 7 x 7 香川大学工学部電子 情報工学科 6

様々な符号化率 情報ビット長の実現 [5] k= ビット ( 符号化率 k/n=/8) の場合 nformation bit ():u 7 rozen bit (): u,u,u 2,u 3,u 4,u 5,u 6 k 2 3 4 5 6 7 C().2 u x.24 u x.35 u 2.83 u 3.5 u 4 x 4.9 u 5 x 5.95 u 6 x 6. u 7 x 7 香川大学工学部電子 情報工学科 62

様々な符号化率 情報ビット長の実現 [5] k=2 ビット ( 符号化率 k/n=/4) の場合 nformation bit ():u 6,u 7 rozen bit (): u,u,u 2,u 3,u 4,u 5 k 2 3 4 5 6 7 C().2 u x.24 u x.35 u 2.83 u 3.5 u 4 x 4.9 u 5 x 5.95 u 6 x 6. u 7 x 7 香川大学工学部電子 情報工学科 63

様々な符号化率 情報ビット長の実現 [5] k=3 ビット ( 符号化率 k/n=3/8) の場合 nformation bit ():u 5,u 6,u 7 rozen bit (): u,u,u 2,u 3,u 4 k 2 3 4 5 6 7 C().2 u x.24 u x.35 u 2.83 u 3.5 u 4 x 4.9 u 5 x 5.95 u 6 x 6. u 7 x 7 香川大学工学部電子 情報工学科 64

様々な符号化率 情報ビット長の実現 [5] k=4 ビット ( 符号化率 k/n=/2) の場合 nformation bit ():u 3,u 5,u 6,u 7 rozen bit (): u,u,u 2,u 4 k 2 3 4 5 6 7 C().2 u x.24 u x.35 u 2.83 u 3.5 u 4 x 4.9 u 5 x 5.95 u 6 x 6. u 7 x 7 香川大学工学部電子 情報工学科 65

様々な符号化率 情報ビット長の実現 [5] k=5 ビット ( 符号化率 k/n=5/8) の場合 nformation bit ():u 3,u 4,u 5,u 6,u 7 rozen bit (): u,u,u 2 k 2 3 4 5 6 7 C().2 u x.24 u x.35 u 2.83 u 3.5 u 4 x 4.9 u 5 x 5.95 u 6 x 6. u 7 x 7 香川大学工学部電子 情報工学科 66

様々な符号化率 情報ビット長の実現 [5] k=6 ビット ( 符号化率 k/n=3/4) の場合 nformation bit ():u 2,u 3,u 4,u 5,u 6,u 7 rozen bit (): u,u k 2 3 4 5 6 7 C().2 u x.24 u x.35 u 2.83 u 3.5 u 4 x 4.9 u 5 x 5.95 u 6 x 6. u 7 x 7 香川大学工学部電子 情報工学科 67

様々な符号化率 情報ビット長の実現 [5] k=6 ビット ( 符号化率 k/n=7/8) の場合 nformation bit ():u,u 2,u 3,u 4,u 5,u 6,u 7 rozen bit (): u k 2 3 4 5 6 7 C().2 u x.24 u x.35 u 2.83 u 3.5 u 4 x 4.9 u 5 x 5.95 u 6 x 6. u 7 x 7 香川大学工学部電子 情報工学科 68

様々な符号化率 情報ビット長の実現 符号語のビット数を変更する方法として以下の 2 種類が存在 Puncturing[6]: 特定の符号語を未送信. 受信側では対数尤度比 として復号 Shortening[7]: 特定の u i を既知の値 () とすることで, 符号語 x j を一意に決定する方法. 受信側では対数尤度比 として復号 u Punc u x u x u x u 2 u 2 u 3 u 4 Punc u 4 x 4 u 5 x 5 u 5 x 5 u 6 x 6 u 6 u 7 Puncturing x 7 Shortening 香川大学工学部電子 情報工学科 69

様々な符号化率 情報ビット長の実現 凍結ビット / 情報ビット数を可変とし,Puncturing/Shortening を用いることにより様々な符号化率 情報ビット長を実現可能 良好な特性を実現しつつ, 様々な符号化率 情報ビット長を一元的に決定する方法の検討が必要 ²=.4 ²=.6 香川大学工学部電子 情報工学科 7

パケット合成型ハイブリッド ARQ の実現 エラーフリー伝送の実現のため, ハイブリッド ARQ( チャネル符号化と再送の併用 ) が必須 誤ったパケットの軟判定を保存して再送パケットと合成するパケット合成法が有効 HSDPA 以降,ncremental redundancy 法 [8] が採用 再送時に異なる符号化系列を送信し, 受信側で合成することによって低符号化率を実現 ( 一般的に Puncturing を用いて実現 ) 情報ビット u u 符号化ビット x x x 4 x 5 x 6 x 7 初回送信 ( 符号化率 /2) 再送 x x x 4 x 5 x 6 x 7 x x x 4 x 5 x 6 x 7 Puncturing Puncturing 符号化率 /4 x x x 4 x 5 x 6 x 7 香川大学工学部電子 情報工学科 7

パケット合成型ハイブリッド ARQ の実現 Puncturing を用いる場合の問題点 初回送信と再送において最適な凍結ビットが変わる可能性 初回送信, 再送どちらかで最適化すると特性劣化の懸念 u Punc u x u x u x u 2 Punc u 2 u 3 u 3 u 4 Punc u 4 x 4 u 5 x 5 u 5 x 5 u 6 Punc u 6 x 6 u 7 x 7 u 7 x 7 初回送信 再送 香川大学工学部電子 情報工学科 72

Reliable Unreliable 情報ビット 情報ビット 凍結ビット 凍結ビット パケット合成型ハイブリッド ARQ の実現 ncremental reezing 法 [9],[] 初回送信した情報ビットの一部を再送時に送信 正しく復号された場合にそのビットを凍結ビットとして初回送信を復号 ( 初回送信の符号化率が低減 ) v 5 v 4 v 3 u u u 2 u 3 u 4 初回送信 ( 符号化率 6/8) x x x 4 u u u 2 u 3 u 4 再送 ( 符号化率 3/8) x x x 4 v 2 u 5 x 5 v 5 u 5 x 5 v u 6 x 6 v 4 u 6 x 6 v u 7 x 7 v 3 u 7 x 7 香川大学工学部電子 情報工学科 73

Reliable Unreliable 情報ビット凍結ビット 情報ビット 凍結ビット パケット合成型ハイブリッド ARQ の実現 ncremental reezing 法 [9],[] 初回送信した情報ビットの一部を再送時に送信 正しく復号された場合にそのビットを凍結ビットとして初回送信を復号 ( 初回送信の符号化率が低減 ) v 5 v 4 v 3 v 2 v v u u u 2 u 3 u 4 u 5 u 6 u 7 初回送信 ( 符号化率 6/8) x x x 4 x 5 x 6 x 7 香川大学工学部電子 情報工学科 74 v 5 v 4 v 3 u u u 2 u 3 u 4 u 5 u 6 u 7 再送 ( 符号化率 3/8) x x x 4 x 5 x 6 x 7

Reliable Unreliable 情報ビット凍結ビット 情報ビット 凍結ビット パケット合成型ハイブリッド ARQ の実現 ncremental reezing 法 [9],[] 初回送信した情報ビットの一部を再送時に送信 正しく復号された場合にそのビットを凍結ビットとして初回送信を復号 ( 初回送信の符号化率が低減 ) v 5 v 4 v 3 v 2 v v u u u 2 u 3 u 4 u 5 u 6 u 7 初回送信 ( 符号化率 6/8) x x x 4 x 5 x 6 x 7 香川大学工学部電子 情報工学科 75 v 5 v 4 v 3 u u u 2 u 3 u 4 u 5 u 6 u 7 再送 ( 符号化率 3/8) x x x 4 x 5 x 6 x 7

Reliable Unreliable 情報ビット凍結ビット 情報ビット 凍結ビット パケット合成型ハイブリッド ARQ の実現 ncremental reezing 法 [9],[] 初回送信した情報ビットの一部を再送時に送信 正しく復号された場合にそのビットを凍結ビットとして初回送信を復号 ( 初回送信の符号化率が低減 ) v 5 v 4 v 3 v 2 v v u u u 2 u 3 u 4 u 5 u 6 u 7 初回送信 ( 符号化率 6/8) 符号化率 3/8 x x x 4 x 5 x 6 x 7 香川大学工学部電子 情報工学科 76 v 5 v 4 v 3 u u u 2 u 3 u 4 u 5 u 6 u 7 再送 ( 符号化率 3/8) x x x 4 x 5 x 6 x 7

パケット合成型ハイブリッド ARQ の実現 ncremental reezing 法 [9],[] Puncturing を適用することなく, 再送時に低符号化率の符号語を生成 Capacity-achieving であることが証明 しかしながら, 再送回数の増大に伴い, 復号回数が増大し遅延が増大 ( 高速伝送が要求されるデータチャネルへの適用時の問題 ) 香川大学工学部電子 情報工学科 77

5G 標準化動向 78

標準化動向 87 会合のレポート [] 香川大学工学部電子 情報工学科 79

まとめ 近年注目を集める Polar 符号について簡単に概説するとともに,5G の標準化動向についてまとめた enhanced Mobile BroadBand (embb) シナリオの制御チャネルの符号化として採用 香川大学工学部電子 情報工学科 8

参考文献. E. Arikan, Channel Polarization: A method for constructing capacity-achieving Codes for symmetric binary-input memoryless channels, EEE Trans. nf. Theory, vol.55, no.7, pp.35 373, Jul. 29. 2.. Tal and A. Vardy, List decoding of polar codes, 2EEE nt. Symp. nf. Theory Proc., pp. 5, EEE, Jul. 2. 3. K. Niu and K. Chen, CRC-aided decoding of polar codes, EEE Commun. Lett., vol.6, no., pp.668 67, Oct. 22. 4. U.U. ayyaz and J.R. Barry, Low-complexity soft-output decoding of polar codes, EEE J. Sel. Areas Commun., vol.32, no.5, pp.958 966, may 24. 5. A. Eslami and H. Pishro-Nik, A practical approach to polar codes, 2 EEE nt. Symp. nf. Theory Proc., pp.6 2, EEE, Jul. 2. 6. K. Niu, K. Chen, and J.-R. Lin, Beyond turbo codes: Rate-compatible punctured polar codes, 23 EEE nt. Conf. Commun., pp.3423 3427, EEE Jun. 23. 香川大学工学部電子 情報工学科三木研究室 8

参考文献 7. R. ang and R. Liu, A novel puncturing scheme for polar codes, EEE Commun. Lett., vol. 8, no. 2, pp. 28-284, Dec. 24. 8. J. Hagenauer, Rate-compatible punctured convolutional codes (RCPC codes) and their applications, EEE Transactions on Communications, vol.36, no.4, pp.389 4, April 988. 9. B. Li, D. Tse, K. Chen, and H. Shen, Capacity-achieving rateless polar codes, 26 EEE nt. Symp. nf. Theory, pp.46 5, Jul. 26.. S. Hong, D. Hui, and. Maric, Capacity-achieving rate-compatible polar codes, Oct. 25. arxiv:5.776. Draft Report of 3GPP TSG RAN G #87 v.2. 香川大学工学部電子 情報工学科三木研究室 82