Microsoft PowerPoint 説明資料(きのこを活用してGABA富化素材を作る)林産試験場

Similar documents
<4D F736F F F696E74202D E282A28D8782ED82B990E682C882A2816A966B8A4393B9945F8CA EB90EC90E690B62E707074>

3. 生化学的検査 >> 3C. 低分子窒素化合物 >> 3C045. 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料採取量測定材料ネ丸底プレイン ( 白 ) 尿 9 ml 注 外 N60 セイカ 検体ラベル ( 単項目オーダー時 ) ホンハ

B0B820DFD845F9DE49256B7D0002B34

1_alignment.ppt

<4D F736F F F696E74202D B5A8F7090E096BE89EF8E9197BF E898EBF816A2E707074>

Perl + α. : DNA, mrna,,

™·”õ/sec3_p63_84/fiü“eflÅ

錆還元剤

記載データ一覧 品目名 製造販売業者 BE 品質再評価 1 マグミット錠 250mg 協和化学工業 2 酸化マグネシウム錠 250mg TX みらいファーマ 3 酸化マグネシウム錠 250mg モチダ 持田製薬販売 # 4 酸化マグネシウム錠 250mg マイラン マイラン製薬 # 5 酸化マグネシ

<4D F736F F F696E74202D203692B98EE691E58A C946E8D758E74205B8CDD8AB B83685D>


注 ) 材料の種類 名称及び使用量 については 硝酸化成抑制材 効果発現促進材 摂取防止材 組成均一化促進材又は着色材を使用した場合のみ記載が必要になり 他の材料については記載する必要はありません また 配合に当たって原料として使用した肥料に使用された組成均一化促進材又は着色材についても記載を省略す

Polyoxometalateが有するcysteine検出能の検討及びジスルフィド結合形成反応への展開

スライド 1

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

(3) 摂取する上での注意事項 ( 該当するものがあれば記載 ) 機能性関与成分と医薬品との相互作用に関する情報を国立健康 栄養研究所 健康食品 有効性 安全性データベース 城西大学食品 医薬品相互作用データベース CiNii Articles で検索しました その結果 検索した範囲内では 相互作用

アントシアニン

狂牛病調査第2巻1章,2章.doc

血圧を下げるペプチド丸山進 Susumu Maruyama 元工業技術院微生物工業技術研究所 要旨食品タンパク質の酵素分解物から見出されたアンジオテンシン I 変換酵素阻害ペプチドを含有する食品が 血圧が高めの方の の表示が許可された特定保健用食品として数多く商品化されている その第一号として許可

1 Q A 82% 89% 88% 82% 88% 82%

Microsoft PowerPoint - 新技術説明会配付資料rev提出版(後藤)修正.pp

PowerPoint プレゼンテーション

日本食品成分表分析マニュアル第4章

津村漢方雑誌表紙_ol.ai

グルコースは膵 β 細胞内に糖輸送担体を介して取り込まれて代謝され A T P が産生される その結果 A T P 感受性 K チャンネルの閉鎖 細胞膜の脱分極 電位依存性 Caチャンネルの開口 細胞内 Ca 2+ 濃度の上昇が起こり インスリンが分泌される これをインスリン分泌の惹起経路と呼ぶ イ

グルタミン酸受容体活性をもつ新たなジペプチド及び GABA A 受容体活性をもつ有機酸 近畿大学工学部化学生命工学科 教授山田康枝 独立行政法人酒類総合研究所主任研究員伊豆英恵

0.45m1.00m 1.00m 1.00m 0.33m 0.33m 0.33m 0.45m 1.00m 2


HOE901 A S S Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Gly

宗像市国保医療課 御中

m 3 /s

平成15年度マーケットバスケット方式による安息香酸、ソルビン酸、プロピオン酸、

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

新技術説明会 様式例

2. 背景タンパク質を構成するアミノ酸には L-アミノ酸と D-アミノ酸の 2 つの鏡像異性体が存在します ( 図 1) これまで生物は L-アミノ酸のみを選択的に利用していると考えられてきました ところが分析技術の進歩と共に 生物の体内に少量ながらも D-アミノ酸が存在することが分かってきました

i ( 23 ) ) SPP Science Partnership Project ( (1) (2) 2010 SSH

資料4-4 木酢液の検討状況について

別紙様式 (Ⅱ)-1 添付ファイル用 本資料の作成日 :2016 年 10 月 12 日商品名 : ビフィズス菌 BB( ビービー ) 12 安全性評価シート 食経験の評価 1 喫食実績 ( 喫食実績が あり の場合 : 実績に基づく安全性の評価を記載 ) による食経験の評価ビフィズス菌 BB-12

血糖値 (mg/dl) 血中インスリン濃度 (μu/ml) パラチノースガイドブック Ver.4. また 2 型糖尿病のボランティア 1 名を対象として 健康なボランティアの場合と同様の試験が行われています その結果 図 5 に示すように 摂取後 6 分までの血糖値および摂取後 9 分までのインスリ

医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では 皮膚から侵入したアレルゲンが 食物アレルギー アトピー性皮膚炎 喘息 アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすきっかけになる

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

ŁRŁ¸•ñŁŁŁ‘

ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに

別紙様式 (Ⅴ)-1-3で補足説明している 掲載雑誌は 著者等との間に利益相反による問題が否定できる 最終製品に関する研究レビュー 機能性関与成分に関する研究レビュー ( サプリメント形状の加工食品の場合 ) 摂取量を踏まえた臨床試験で肯定的な結果が得られている ( その他加工食品及び生鮮食品の場合

レイアウト 1

スライド 1

Microsoft PowerPoint 熊大 城野.ppt

保健機能食品制度 特定保健用食品 には その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をすることができる 栄養機能食品 には 栄養成分の機能の表示をすることができる 食品 医薬品 健康食品 栄養機能食品 栄養成分の機能の表示ができる ( 例 ) カルシウムは骨や歯の形成に 特別用途食品 特定保健用

胚乳細胞中のタンパク質顆粒 I(PB-I) に改変型 Cry j 1タンパク質 及びCry j 2タンパク質を蓄積させたものです 2 スギ花粉ペプチド含有米( キタアケ ) スギ花粉が有する主要アレルゲンタンパク質 2 種 (Cry j 1 Cry j 2) の7 種類の主要 T 細胞エピトープを連

,328 C 6426 H 9900 N 1700 O 2008 S , ,

豚丹毒 ( アジュバント加 ) 不活化ワクチン ( シード ) 平成 23 年 2 月 8 日 ( 告示第 358 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した豚丹毒菌の培養菌液を不活化し アルミニウムゲルアジュバントを添加したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株 名称豚丹

untitled

テイカ製薬株式会社 社内資料

PowerPoint プレゼンテーション

014E83AC26AFE ACA001C23F

AQUAAQUA 2 NEW! 作業スケジュール NEW! サービス内容 ID 項目 ファースト抗体 ファースト抗体プラス エピトープデザイン 簡易報告 詳細報告 純度 50% 70% 抗原 収量 5 mg 5 mg ペプチド 鎖長 ~ 25 AA ~ 25 AA 修飾 - ( 有償オプ

<4D F736F F D FB89BBBAC8B8C0B082CC FB964082C982C282A282C45F F2E646F63>

PowerPoint プレゼンテーション

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

スライド 1

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial

ウェブ23Brev2

別紙様式 (Ⅵ)-2 ギャバ 商品名 : 無洗米 GABA ライス 届出食品に関する表示の内容 科学的根拠を有する機能性関与成分名及び当該成分又は当該成分を含有する食品が有する機能性一日当たりの摂取目安量 機能性関与成分名 :γ-アミノ酪酸(gaba) 機能性関与成分が有する機能性 : 本品にはγ-

PowerPoint プレゼンテーション

スライド 1

<4D F736F F D CF68A4A977082C992B290AE817A B838A83938CA48B8695F18D DB D88D81816A>

<4D F736F F F696E74202D20385F E096BE8E9197BF E95D395B691BE90E690B6816A8F4390B E>

スライド 1

<4D F736F F F696E74202D BF90B68E59926E88E68E968BC690E096BE8E9197BF205B8CDD8AB B83685D>

質量分析計を用いて腸内細菌叢が産生するD-アミノ酸を新発見―高感度ハイスループット・キラルアミノ酸解析でD-アミノ酸研究に新展開―

L- 19 L L- L-


日本化学療法学会雑誌第57巻第1号

() () () () kcal/100g /100g /100g () mg/100g mg/100g g/100g 100 DHA DHA

すとき, モサプリドのピーク面積の相対標準偏差は 2.0% 以下である. * 表示量 溶出規格 規定時間 溶出率 10mg/g 45 分 70% 以上 * モサプリドクエン酸塩無水物として モサプリドクエン酸塩標準品 C 21 H 25 ClFN 3 O 3 C 6 H 8 O 7 :

CERT化学2013前期_問題

untitled

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

パナテスト ラットβ2マイクログロブリン

ⅱ カフェイン カテキン混合溶液投与実験方法 1 マウスを茶抽出液 2g 3g 4g 相当分の3つの実験群と対照群にわける 各群のマウスは 6 匹ずつとし 合計 24 匹を使用 2 実験前 8 時間絶食させる 3 各マウスの血糖値の初期値を計測する 4 それぞれ茶抽出液 2g 3g 4g 分のカフェ


2011年度版アンチエイジング01.ppt

Microsoft PowerPoint - protein1.ppt [互換モード]

高 1 化学冬期課題試験 1 月 11 日 ( 水 ) 実施 [1] 以下の問題に答えよ 1)200g 溶液中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 整数 ) 2)200g 溶媒中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 有効数字 2 桁 ) 3) 同じ

2016_H1-H4_コーフ<309A>き<3099>ふCSR報告書.indd


untitled

講義資料2012

Microsoft Word - 座談会「小泉政治」.doc

無印良品 2012 自転車 カタログ

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

g 51 52

木村の理論化学小ネタ 緩衝液 緩衝液とは, 酸や塩基を加えても,pH が変化しにくい性質をもつ溶液のことである A. 共役酸と共役塩基 弱酸 HA の水溶液中での電離平衡と共役酸 共役塩基 弱酸 HA の電離平衡 HA + H 3 A にお

「タンパク質・アミノ酸栄養学の過去・現在・未来」 講演1

ナノの技術をバイオに応用

あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

Nov12_2009.pptx


NEWS RELEASE 東京都港区芝 年 3 月 24 日 ハイカカオチョコレート共存下におけるビフィズス菌 BB536 の増殖促進作用が示されました ~ 日本農芸化学会 2017 年度大会 (3/17~

「いわゆる健康食品」の安全性評価ガイドライン(案)

Transcription:

きのこを活用して GABA 富化素材を作る

説明内容 はじめに きのこと GABA のこと 本技術の開発と技術内容 GABA に着目した理由 きのこのGABA 生産能素材の機能性評価素材生産プロセスの効率化 本技術の活用 素材の多様化 用途企業等への期待 課題 展開

施設栽培により生産されているきのこ

GABA( ギャバ ) の機能性 血圧上昇抑制精神安定成長ホルモン分泌促進その他記憶学習促進体重低減血中の中性脂肪低減 GABA を関与成分とした商品が高血圧に対応した特定保健用食品に認可されている HO O ラットやヒトによる機能性の検証が行われている γ- アミノ酪酸 γ-aminobutyric acid GABA NH 2

きのこの GABA 生産能に着目 mg/100g 乾 エノキタケ エノキタケ ブラウン 純白系 Asp 63.2 133.1 Thr 503.3 345.4 Ser 275.9 86.7 Glu 1202.8 952.7 Gly 202.7 54.4 Ala 737.2 320.7 Cys 774.9 324.4 Val 404.2 96.6 Met 115.6 14.9 Ileu 301.7 52.5 Leu 524.7 95.1 Tyr 271.8 140.4 Phe 379.9 264.3 GABA 159.8 20.6 His 337.5 174.6 Lys 635.9 252.2 Arg 596.6 91.5 遊離アミノ酸の分析結果 2 種類のエノキタケには グルタミン酸やアラニンが多く含まれていた GABA も比較的多く含まれていた GABA 生産能が示唆された きのこを使って GABA を増やせるかもしれないと考え, 技術開発をスタートした

本技術の概要 HO O O NH 2 OH + グルタミン酸 エノキタケやシイタケを原料として, 低中温でギャバ (GABA) を生成させ,GABA 高含有素材を作出する技術です CO 2 O GABA の生産 血圧を抑えたり リラックスしたりする効果を持ち食品への利用が広がる機能性アミノ酸 HO NH 2 GABA 高含有素材の作出 健康志向の加工食品への活用

栽培きのこの GABA 生産能の比較 GABA 生成量 (g/100g 原料 ) 10 8 6 4 2 0 GABA 生成量 GABA 生成率 100 80 60 40 20 0 GABA 生成成率 (%) 原料 : 施設栽培されているきのこ11 種類材料調製 : 凍結乾燥粉末 1g グルタミン酸 100mg 水 10mLに分散混合 GABA 生成反応 : 20 6 時間アミノ酸分析 : HPLC 法 きのこの種類 GABA 生成率 (%)= (GABA 生成量 /Glu 添加量 ) ( Glu 分子量 /GABA 分子量 )

エノキタケ粉末を原料とした GABA 生成反応に対する温度の影響 GABA 生成量 (g/100g 原料 ) 8 6 4 2 0 10 20 30 40 80 60 40 20 0 GABA 生成成率 (%) 原料 : エノキタケ ( ブラウン ) 材料調製 : 凍結乾燥粉末 1g Glu 100mg 水 10mL に分散混合 GABA 生成反応 : 10~40 6 時間アミノ酸分析 : HPLC 法 反応温度 ( ) GABA 生成量 GABA 生成率

エノキタケ粉末を原料とした GABA 生成反応に対する時間の影響 GABA 生成量 (g/100g 原料 ) 10 8 6 4 2 0 0 2 4 6 8 16 反応時間 (h) GABA 生成量 GABA 生成率 100 80 60 40 20 0 GABA 生成成率 (%) 原料 : エノキタケ材料調製 : 凍結乾燥粉末 1g Glu 100mg 水 10mL に分散混合 GABA 生成反応 : 20 0~16 時間アミノ酸分析 : HPLC 法 原料の 6~7% に相当する GABA が生成

エノキタケ素材の機能性の検証 ( 財 ) 日本食品分析センターで実施 ラットの飼育 試験動物高血圧自然発症ラット (SHR/Izm 雄 ) 正常血圧ラット (BrlHan:WIST 雄 ) 投与方法胃ゾンデによる強制経口投与 GABA 3% 含有粉末 素材の投与 血圧測定 素材の投与用量試験液 10mL/kg 0 mg/kg( 対照群 ) 30 mg/kg( 投与群 GABA 0.9mg/kg) 90 mg/kg( 投与群 GABA 2.7mg/kg) 100 mg/kg(wist への投与 ) 収縮期および拡張期の血圧測定投与前 (9:00~10:00) 投与後 4 時間 (13:00~14:00) 8 時間 (17:00~18:00) 24 時間 (9:00~10:00)

エノキタケ素材の血圧降下作用 ( モデル動物への投与実験 : 日本食品分析センター ) 収縮期血圧 (mm Hg) 190 185 180 175 170 165 160 155 150 145 140 ** * * ** SHR/Izm 系収縮期の血圧 0 4 8 12 16 20 24 時間 (h) 0mg/kg 90mg/kg 30mg/kg 30mg/kg b.w. 投与群で血圧降下作用を示した (p>0.01 で有意差あり ) 0.9mg/kg b.w. に相当する GABA により作用が発現した可能性

GABA 関連素材の機能性評価 素材 形態 被験対象 摂取方法 GABA 摂取量 作用 GABA 水溶液 ラット 単回経口 0.5 mg/kg 血圧降下 醤油 水溶液 ラット 単回経口 0.3 mg/kg 血圧降下 ジャガイモスナック 水溶液 ラット 単回経口 0.8-1.7 mg/kg 血圧降下 エノキタケ 水溶液 ラット 単回経口 0.9 mg/kg 血圧降下 ギャバロン茶 浸出液 ラット 自由摂取 血圧抑制 カボチャ 水溶液 ラット 自由摂取 血圧抑制 和風調味料 水溶液 ヒト 継続摂取 20 mg/ 日 血圧抑制 発酵乳 ヒト 継続摂取 12 mg/ 日 血圧抑制 コメ胚芽 粉末 ヒト 継続摂取 26 mg/ 日 精神安定 オカラ 粉末 ヒト 継続摂取 30 mg/ 日 リラックス 1 日当り 50 mg 弱の GABA 摂取による作用発現の報告あり

従来技術との比較 従来はきのこで GABA を効率的に増やす技術はなかったが, 身近な食用きのこで意外にも増やすことが可能 本技術の適用により,10~20 の低中温で数時間 (2 時間以上 ) の反応により GABA を増やすことが可能 原料当り約 7% の GABA 生成が進み, 少量で GABA の健康機能性を保有する素材製造が可能 従来技術の GABA 生成条件を改良し,GABA 富化素材を効率的に得ることに成功した きのこで GABA を増やすプロセスの効率化と素材の多様化を進めた 次のスライドを参照

プロセスの効率化と素材の多様化 摩砕 粉砕法 特許第 5245304 号 エノキタケシイタケ 材料の調製 改良法 特開 2012-187068 エノキタケシイタケ 材料の調製 摩砕乾燥 粉砕 省力化 凍 結 乾 燥 G A B A 生成反応 GABA 入りペースト 食感が残る G A B A 生成反応 G A B A 入りきのこ 固液分離 GABA 入りエキス 分離が容易 固液分離 GABA 入りエキス

GABA 生成に対する凍結処理の効果 アミノ酸生成量 (mg/ /1g- 乾燥原料 ) 100 80 60 40 20 0 グルタミン酸 GABA エノキタケを凍結処理してから反応を行うと 原料の 50 倍以上に GABA が生成 きのこの食感を味わう GABA 高含有素材の製造が可能

GABA 生成に対する乾燥処理の効果 アミノ酸生成量 (mg/100g 乾 ) 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 Glu GABA 反応前 通風乾燥 凍結乾燥 処理方法 原料 : エノキタケ乾燥条件 : 通風乾燥 (45 ) 凍結乾燥材料調製 : 乾燥原料 2g グルタミン酸 200mg 水 10mLに分散混合 GABA 生成反応 : 20 アミノ酸分析 : HPLC 法

GABA 生成に対する原料の影響 アミノ酸生成量 (mg/100g 生 ) 500 400 300 200 100 0 418.7 220.7 Glu GABA 9.4 原料 : エノキタケシイタケ乾燥条件 : 通風乾燥 (45 ) 凍結乾燥材料調製 : 乾燥原料 10g グルタミン酸 500mg 水 100mLに分散混合 GABA 生成反応 : 10 アミノ酸分析 : HPLC 法

乾燥シイタケのサイズと GABA 含量 S サイズ GABA 生成処理した場合 L サイズ 無処理の場合 GABA 10~70mg/ 日摂取で機能性を発揮? 直径 4 cm 重量 1.3 g GABA 約 40 mg 大きさと GABA 含量の逆転 直径 7 cm 重量 3.8 g GABA 約 4 mg

GABA 含有素材の多様化と用途 GABA きのこ GABA ペースト グルタミン酸 220mg/100g GABA 420mg/100g GABA エキス

これまで ~ 今後の課題 展開 プロセスの開発 プロセスの効率化 プロセスのスケールアップ 素材試作 素材添加製品試作 きのこの GABA 生産能に着目 食感を残したまま GABA 生成が可能 GABA 生成反応条件の検討 単回経口投与による血圧降下作用

企業等への期待 本技術により, きのこを活用した健康志向の食品素材および加工食品の製造を期待 本技術による食品開発 ~ 商品化を期待 最終製品と製造環境に応じた生産プロセスの検証が必要です 食品 ( 素材 ) 製造を考えている企業等に有効と思われます 加工食品開発を検討している企業等に有効と思われます

本技術に関する知的財産権 1 発明の名称 機能性を富化するきのこの製造技術 出願番号特願 2007-176717 公開番号特開 2008-307198 登録番号特許第 5245304 号 出願人 発明者 北海道立総合研究機構 原田陽

本技術に関する知的財産権 2 発明の名称 γ- アミノ酪酸を含有する食品およびその製造方法 出願番号特願 2011-54445 公開番号特開 2012-187068 出願人 北海道立総合研究機構 発明者原田陽由田茂一

本技術に関する問合せ先 北海道立総合研究機構林産試験場利用部微生物グループ研究主査原田陽 TEL 0166-75-4233 FAX 0166-75-3621 E-mail harada-akira@hro.or.jp

知的財産権に関する問合せ先 北海道立総合研究機構研究企画部知的財産グループ鈴木 西山 TEL 011-747-2806 FAX 011-747-0211 E-mail hq-rps@hro.or.jp