親と同居の壮年未婚者 2014 年

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Ⅲ 結果の概要 1. シングル マザー は 108 万人我が国の 2010 年における シングル マザー の総数は 108 万 2 千人となっており 100 万人を大きく超えている これを世帯の区分別にみると 母子世帯 の母が 75 万 6 千人 ( 率にして 69.9%) 及び 他の世帯員がいる世

第2章 基本的諸概念と用語

平成 年 2 月 日総務省統計局 労働力調査 ( 詳細集計 ) 平成 24 年 10~12 月期平均 ( 速報 ) 結果の概要 1 Ⅰ 雇用者 ( 役員を除く ) 1 1 雇用形態 2 非正規の職員 従業員の内訳 Ⅱ 完全失業者 3 1 仕事につけない理由 2 失業期間 3 主な求職方法 4 前職の

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平成 22 年国勢調査産業等基本集計結果 ( 神奈川県の概要 ) 平成 22 年 10 月 1 日現在で実施された 平成 22 年国勢調査 ( 以下 22 年調査 という ) の産業等基本集計結果が平成 24 年 4 月 24 日に総務省統計局から公表されました 産業等基本集計は 人口の労働力状態

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02世帯

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平成27年版高齢社会白書(全体版)

第 1 子出産前後の女性の継続就業率 及び出産 育児と女性の就業状況について 平成 30 年 11 月 内閣府男女共同参画局

図表 1 人口と高齢化率の推移と見通し ( 億人 ) 歳以上人口 推計 高齢化率 ( 右目盛 ) ~64 歳人口 ~14 歳人口 212 年推計 217 年推計

-4- く 15 歳以上の男性就業者全体の 15.6% を占めており 次いで 専門的 技術的職業従事者 が 10 万 928 人で 15.4% となっています 一方女性は 事務従事者 が 13 万 1560 人と最も多く 15 歳以上の女性就業者全体の 24.6% を占めており 次いで介護職員や美容

労働市場データ 2018 年 号 今月の概況 就業構造 雇用構造 2018 年 4~6 月期平均 就業者数 6,676 万人 非正規の職員 従業員 2,095 万人 求人 求職および求人倍率の推移 2018 年 8 月 季節調整値 有効求人倍率 1.63 倍 前月から横ばい パートの有効求人倍率 1

資料 7 1 人口動態と子どもの世帯 流山市人口統計資料 (1) 総人口と年少人口の推移流山市の人口は 平成 24 年 4 月 1 日現在 166,924 人で平成 19 年から増加傾向で推移しています 人口増加に伴い 年尐人口 (15 歳未満 ) 及び年尐人口割合も上昇傾向となっています ( 人

Microsoft Word 結果の概要(1世帯)

~~~ 目 次 ~~~ 1 労働力状態 1 2 就業者数 2 3 産業別就業者数 4 4 教育 5 5 夫婦の労働力状態 6 6 外国人の就業者数 7 統計表 ( 表 1~9) 8 数値の見方 総数には分類不詳を含む このため 各項目の合計と一致しない場合がある 割合は 特に注記のない限り分母から不

労働力調査(詳細集計)平成29年(2017年)平均(速報)結果のポイント,概要,統計表等

人口 世帯に関する項目 (1) 人口増加率 0.07% 指標の説明 人口増加率 とは ある期間の始めの時点の人口総数に対する 期間中の人口増加数 ( 自然増減 + 社会増減 ) の割合で 人口の変化量を総合的に表す指標として用いられる 指標の算出根拠 基礎データの資料 人口増加率 = 期間中の人口増

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C 労働 (1) 総数 ( 単位人 ) 年齢 (5 歳階級 ) 総 総数主に仕事 C-1 労働力状態 (8 区分 ), 年齢 家事のほか仕事 通勤のかたわら仕事 休業者 98,762 59,160 56,303 45,585 8,703 1, ~19 歳 6,689 1,108 9

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労働市場データ 月号 今月の概況 就業構造 雇用構造 ~3 月期平均 就業者数 6,354 万人 非正規の職員 従業員 2,007 万人 求人 求職および求人倍率の推移 月 季節調整値 有効求人倍率 1.36 倍 前月から 0.02ポイント上昇 パートの有効求

2014人口学会発表資料2

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平成 2 8 年 6 月 平成 27 年中における行方不明者の状況 警察庁生活安全局生活安全企画課

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2011 年度第 63 回日本人口学会 2011 年 6 月 12 日 カンボジアの職業別人口構造 総務省統計研修所西文彦 注 ) 本資料に記載されている内容は すべて個人の見解に基づくものである 1 本報告の目的 カンボジアの人材の状況に視点を置いて 持続的な経済成長の可能性を検証する 人口ボーナ

労働市場データ 2017 年 9 月号 今月の概況 就業構造 雇用構造 2017 年 4~6 月期平均 就業者数 6,543 万人 非正規の職員 従業員 2,018 万人 求人 求職および求人倍率の推移 2017 年月 7 季節調整値 有効求人倍率 1.52 倍 前月から 0.01ポイント上昇 パー

ふくい経済トピックス ( 就業編 ) 共働き率日本一の福井県 平成 2 2 年 1 0 月の国勢調査結果によると 福井県の共働き率は % と全国の % を 1 1 ポイント上回り 今回も福井県が 共働き率日本一 となりました しかし 2 0 年前の平成 2 年の共働き率は

3.HWIS におけるサービスの拡充 HWISにおいては 平成 15 年度のサービス開始以降 主にハローワーク求人情報の提供を行っている 全国のハローワークで受理した求人情報のうち 求人者からインターネット公開希望があったものを HWIS に公開しているが 公開求人割合は年々増加しており 平成 27

2. 女性の労働力率の上昇要因 М 字カーブがほぼ解消しつつあるものの 3 歳代の女性の労働力率が上昇した主な要因は非正規雇用の増加である 217 年の女性の年齢階級別の労働力率の内訳をみると の労働力率 ( 年齢階級別の人口に占めるの割合 ) は25~29 歳をピークに低下しており 4 歳代以降は

(2) 高齢者の福祉 ア 要支援 要介護認定者数の推移 介護保険制度が始まった平成 12 年度と平成 24 年度と比較すると 65 歳以上の第 1 号被保険者のうち 要介護者又は要支援者と認定された人は 平成 12 年度末では約 247 万 1 千人であったのが 平成 24 年度末には約 545 万

スライド 1

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1 15 歳以上人口の就業状態 富山県の 15 歳以上人口 人のうち 有業者は 人 ( 全国 6621 万 3 千人 ) と 平成 24 年と比べると 人減少しています 有業率 (15 歳以上人口に占める有業者の割合 ) についてみると 59.5%( 全国 5

目次 第 1 章調査概要 調査の目的 調査の方法... 1 第 2 章分析内容 世帯主年齢階級別の世帯数割合 世帯主年齢階級別の等価可処分所得 世帯主年齢階級別の等価所得 拠出金の内訳 世帯主年齢階級別

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労働力調査(基本集計)平成25年(2013年)平均(速報)結果の要約,概要,統計表等

ポイント 〇等価尺度法を用いた日本の子育て費用の計測〇 1993 年 年までの期間から 2003 年 年までの期間にかけて,2 歳以下の子育て費用が大幅に上昇していることを発見〇就学前の子供を持つ世帯に対する手当てを優先的に拡充するべきであるという政策的含意 研究背景 日本に

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平成27年国勢調査世帯構造等基本集計結果の概要

第 2 章高齢者を取り巻く現状 1 人口の推移 ( 文章は更新予定 ) 本市の総人口は 今後 ほぼ横ばいで推移する見込みです 高齢者数は 増加基調で推移し 2025 年には 41,621 人 高齢化率は 22.0% となる見込みです 特に 平成 27 年以降は 後期高齢者数が大幅に増加する見通しです


人口減少と将来の労働力不足について(資料編)

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1 はじめに

このジニ係数は 所得等の格差を示すときに用いられる指標であり 所得等が完全に平等に分配されている場合に比べて どれだけ分配が偏っているかを数値で示す ジニ係数は 0~1の値をとり 0 に近づくほど格差が小さく 1に近づくほど格差が大きいことを表す したがって 年間収入のジニ係数が上昇しているというこ


表紙

平成 25 年 7 月 12 日 平成 24 年就業構造基本調査結果 要約 就業構造基本調査とは 就業構造基本調査は, 就業 不就業の実態を種々の観点から捉え, 我が国の就業構造を全国だけでなく, 地域別にも詳細に明らかにし, 国や都道府県における雇用政策, 経済政策などの各種行政施策立案の基礎資料

結果の概要 - 利用上の主な用語 - 行動者数 過去 1 年間に該当する種類の活動を行った人 (10 歳以上 ) の数 行動者率 10 歳以上人口に占める行動者数の割合 (%) 平均行動日数 行動者について平均した過去 1 年間の行動日数 - 利用上の注意 - 1 ポイント差, 構成比等の比率は,

2 東京都産業労働局雇用就業部調 平成 26 年労働組合基礎調査結果 ( 東京都分 ) 発表 労働組合数 組合員数とも減少 労働組合推定組織率は 23.9% ( 組合 ) 1, 8, 6, 4, 2, ( 万人 ) 組合員数

Ⅲ 働く女性に関する対策の概況(平成15年1月~12月)

労働市場分析レポート第 43 号平成 26 年 10 月 31 日 マッチング指標を用いたマッチング状況の分析 労働市場における労働力需給調整を評価するための指標として 就職率や充足率があるが 求人倍率が上昇する時には 就職率が上昇し充足率が低下するなどの動きがみられ それぞれ単独の利用には注意が必

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事業所規模 5 人以上 (1 表 ) 月間現金給与額 産 業 ( 単位 : 円 %) 現金給与総額 きまって支給する給与 所定内給与 特別に支払われた給与 対前月増減差 対前年同月増減差 全国 ( 調査産業計 確報値 ) 262, , ,075

事業所規模 5 人以上 (1 表 ) 月間現金給与額 産 業 ( 単位 : 円 %) 現金給与総額 きまって支給する給与 所定内給与 特別に支払われた給与 対前月増減差 対前年同月増減差 全国 ( 調査産業計 確報値 ) 278, , ,036

(2) 幼保連携型認定こども園 1 園数 20 園 ( 公立 9 園 私立 11 園 : 前年度比 3 園増 ) 表 1 2 園児数 2,189 人 ( 前年度比 416 人増 ) 図 1 表 2 3 教員数 ( 本務者 ) 307 人 ( 前年度比 83 人増 ) 表 3 4 就園率 ( 本年度小

資料1 小動物獣医師数の需給バランスの展望


2013 年 9 月 5 日一般財団法人南西地域産業活性化センター 沖縄県の最近の雇用情勢 沖縄県の労働力調査によると 2013 年 6 月の完全失業率は 4.9%( 原数値 ) で 前年同月と比べて 1.7% ポイント改善し 1995 年 6 月の 4.9% 以来 18 年ぶりに4% 台に低下した

3 調査項目一覧 分類問調査項目 属性 1 男女平等意識 F 基本属性 ( 性別 年齢 雇用形態 未既婚 配偶者の雇用形態 家族構成 居住地 ) 12 年調査 比較分析 17 年調査 22 年調査 (1) 男女の平等感 (2) 男女平等になるために重要なこと (3) 男女の役割分担意

条件画面報告対象期間報告年月日 (6 月 1 日現在 ) 得意先 NO 部門出勤区分ファンクションキーヘルプ (F1) プレビュー (F8) 印刷 (F9) 終了 (F12) 年度報告する期間の開始年月日と終了年月日を指定します システム日付の年とシステム固定で持つ決算年月日の日付により 初期値をセ

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Ⅲ 働く女性に関する対策の概況(平成15年1月~12月)

製造業の雇用削減が本格化し 失業率は5.4% に上昇 雇用情勢の悪化が足元で鮮明になっている 急激な減産局面に突入した昨年 11 月あたりから 派遣切り と言われるような非正規労働者を中心とした解雇に注目が集まったが 実際には今年 2 月まで雇用者数はほぼ横ばいで推移しており (2008 年平均は前

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取材時における留意事項 1 撮影は 参加者の個人が特定されることのないよう撮影願います ( 参加者の顔については撮影不可 声についても収録後消去もしくは編集すること ) 2 参加者のプライバシーに配慮願います 3 その他 (1) 撮影時のカメラ位置等については 職員の指示に従ってください (2) 参

原稿

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Ⅰ 調査の概要 1. 調査の目的 本調査は 今後の公的年金制度について議論を行うにあたって 自営業者 被用者 非就業者を通じた横断的な所得に関する実態を総合的に把握し その議論に資する基礎資料を得ることを目的とする なお 本調査は 平成 22 年公的年金加入状況等調査 の特別調査として 当該調査の調

社団法人日本生産技能労務協会

Transcription:

2015 年 11 月 30 日 総務省統計研修所 西文彦 親と同居の壮年未婚者 2014 年 1. はじめに総務省統計研修所における調査研究の一環として 近年 総じて増加傾向にある 親と同居の壮年未婚者 (35~44 歳 ) について研究分析を行ったので その結果の概要を紹介する 以下に述べることは筆者の個人的な見解である 1) 2. 使用したデータと用語の定義本稿で紹介する統計は 総務省統計局が毎月実施している労働力調査 2) のデータのうち 1980 年から 2014 年までの いずれの年次も9 月の全国データを使用して特別に集計したものであるが 一部 過去に公表されたものも含まれている 本稿で取り扱う 親と同居の壮年未婚者 は 山田昌弘中央大学教授が 1999 年 a) に提起した パラサイト シングル と類似している パラサイト シングルは 学卒後もなお 親と同居している未婚者のうち 基礎的生活条件を親に依存している者とされている 本稿では まず 後半の条件 ( 基礎的生活条件を親に依存している ) を考慮しない数値 すなわち パラサイト シングルだけではなく 親にはほとんど依存せずに同居している者や 親を介護又は支援するために同居している人等も含まれている数値を 親と同居の壮年未婚者 として表示している 次に 後半の条件も考慮した数値については 近似値として 完全失業者 3) 無就業 無就学者 4) 及び臨時雇 日雇者の合計値を表示している 3. 特別に集計した結果の概要 (1) 親と同居の壮年未婚者 は 2014 年に 308 万人と 1980 年以降最多全国の 親と同居の壮年未婚者 数をみると 1980 年には 39 万人で 35~44 歳人口の僅か 2.2% であったが 1990 年は 112 万人で 5.7% 2000 年は 159 万人で 10.0% と増途をたどり 2010 年には 295 万人で 16.1% と急増し 2014 年は 308 万人で 16.7% 数及び割合ともに増加が続いている このことから 親と同居の未婚者 が壮年層まで拡大してきていることが分かる これは 団塊ジュニアが 2006 年から 35~44 歳の年齢層に入ってきていることが一因である しかしながら 実数のみならず割合も上昇していることから この年齢層における単なる人口増加のみが主な要因ではなく それ以外の要因が内在していることをうかがわせている ( 図 1 表 1 参照 ) (2) 親と同居の壮年未婚者 の完全失業率は 2014 年に 9.1% と依然として高水準 親と同居の壮年未婚者 の完全失業率をみると 2005 年が 9.6%(35~44 歳人口の完全失業率は 3.8%) で 2010 年には 11.5%( 同 4.8%) とピークに達した 2014 年に 1

は 9.1%( 同 3.5%) と 低下傾向にあるものの 未だ高い水準で推移している 一方 35 ~44 歳人口の完全失業率は 2005 年以降 3.3~4.8% と比較的低い水準で推移している このため 35~44 歳全体と そのうちの親と同居の未婚者との間には 完全失業率で この間に 4.8~6.6 ホ イントという かなり大きな差があることが特徴である ( 図 2 表 1 参照 ) (3) 基礎的生活条件を親に依存している可能性のある人 は 2014 年に 62 万人 親と同居の壮年未婚者 のうち 基礎的生活条件を親に依存している可能性のある人 すなわち 完全失業者 無就業 無就学者および臨時雇 日雇者数の合計についてみると 1980 年には僅か 5 万人であったが 1990 年に 19 万人 2000 年に 28 万人と増加しており 2010 年には 75 万人と急増してピークに達している その後 2014 年には臨時雇 日雇者の減少により 62 万人となっている この 基礎的生活条件を親に依存している可能性のある人 は 親が死亡した途端に 深刻な生活難に陥ってしまう可能性が高いことが懸念される すなわち 親子共倒れのリスクを抱えている可能性がある ( 表 1 参照 ) 4. おわりに以上述べたとおり 親と同居の壮年未婚者 数が 300 万人を超えていること その完全失業率が高い水準で推移していること また 親と同居の壮年未婚者 が実数及び割合ともに増加が続いていることなどが明らかとなった 本稿が 各種行政や学術研究等のための基礎資料として一助となれば 幸いである 1) 本研究は 国立社会保障 人口問題研究所の文部科学研究費補助金プロジェクト 結婚 離婚 再婚の動向と日本社会の変容に関する包括的研究 ( 研究代表者 : 岩澤美帆 ) の一環として行われている 研究内容は全て執筆者の個人的見解であり 執筆者 研究代表者が所属する機関の見解を示すものではない 2) 労働力調査の詳細については 以下の総務省統計局のページを参照 http://www.stat.go.jp/data/roudou/index.htm なお 労働力調査は 全数調査ではなく標本調査であるため 本表の数値には標本誤差が含まれている 標本誤差の大きさについては 以下のページを参考にされたい http://www.stat.go.jp/data/roudou/10.htm ( 労働力調査調査結果の誤差 ) また 総務省統計研修所が特別に集計した数値は 総務省統計局が過去に公表した数値とは必ずしも一致しない場合がある 3) 完全失業者とは 次の 3 つの条件を満たす者をいう 1 仕事がなくて調査週間中に少しも仕事をしなかった ( 就業者ではない ) 2 仕事があればすぐ就くことができる 3 調査週間中に, 仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた ( 過去の求職活動の結果を待っている場合を含む ) 2

4) 無就業 無就学者とは 就業 通学及び家事のいずれもしていない人のことである したがって 通学には含まれない職業訓練のみを受けている人や病院に3か月以上入院している人なども含まれているが それらは極めて少数であると考えられる 一方 ニートは 一般的に 無就業 無就学で なおかつ職業訓練も受けていない人のことを指す 5) 臨時雇 日雇者の定義は以下のとおりである 臨時雇 : 1 か月以上 1 年以内の期間を定めて雇われている者 日雇 : 日々又は 1 か月未満の契約で雇われている者 [ 参考文献 ] a) 山田昌弘 ( 中央大学教授 ) パラサイト シングルの時代 ちくま新書 1999 年 3

( 万人 ) 350 300 250 200 150 100 50 図 1 親と同居の壮年未婚者 (35~44 歳 ) 数の推移 - 全国 (1980,1985,1990,1995-2014 年 ) 実数 ( 万人 ) 35~44 歳人口に占める割合 (%) % 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 0 1980 1985 1990 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 ( 年 ) 注 ) 上図は各年とも9 月の数値である 4

(%) 図 2 親と同居の壮年未婚者 (35~44 歳 ) の完全失業率の推移 - 全国 (1980,1985,1990,1995-2014 年 ) 14 12 10 8 6 4 2 35~44 歳の完全失業率 うち親と同居の未婚者の完全失業率 0 1980 1985 1990 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2 ( 年 ) 注 ) 上図は各年とも9 月の数値である 5

表 1 親と同居の壮年未婚者数 (35-44 歳 ) 全国 (1980 年, 1985 年, 1990 年, 1995 年, 2000 年, 2005 年 -201 ( 万人 ) 親と同居の壮年未婚者 (35-44 歳 ) 1980 年 1985 年 1990 年 1995 年 2000 年 2005 年 2006 総数 39 68 112 124 159 212 240 262 1うち完全失業者数 2 4 7 8 13 18 18 22 2うち無就業 無就学者数 3 7 9 7 8 16 18 17 3うち臨時雇 日雇者数 1 3 4 3 7 15 18 20 基礎的生活条件を親に依存している可能性のある者の数 (1+2+3) 5 14 19 17 28 48 54 60 完全失業率 (%) 4.9 7.0 7.3 6.8 9.1 9.6 8.5 9.6 ( 特掲 ) 35-44 歳人口 1,755 1,988 1,970 1,676 1,590 1,689 1,725 1,765 うち親と同居の未婚者の割合 (%) 2.2 3.4 5.7 7.4 10.0 12.6 13.9 14.8 完全失業率 (%) 1.3 1.8 1.6 2.3 3.0 3.8 3.4 3.8 ( つづき ) ( 万人 ) 親と同居の壮年未婚者 (35-44 歳 ) 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 総数 269 280 295 296 305 308 308 1うち完全失業者数 20 24 29 23 28 25 25 2うち無就業 無就学者数 19 24 23 21 22 23 25 3うち臨時雇 日雇者数 18 19 22 25 19 15 12 基礎的生活条件を親に依存している可能性のある人の数 (1+2+3) 56 67 75 70 70 63 62 完全失業率 (%) 8.2 9.6 11.5 9.0 10.4 9.4 9.1 ( 特掲 ) 35-44 歳人口 1,802 1,830 1,839 1,871 1,889 1,873 1,846 うち親と同居の未婚者の割合 (%) 14.9 15.3 16.1 15.8 16.1 16.4 16.7 完全失業率 (%) 3.3 4.4 4.8 3.9 4.2 3.8 3.5 資料出所 : 注 ) 総務省統計局 労働力調査 の調査票情報を独自集計した結果 上表は各年とも 9 月の数値である 6

表 2-1 就業状態 (8 区分 ) 男女別 親と同居の壮年未婚者数 (35-44 歳 ) 全国 (2014 年 ) ( 万人 ) (%) 就業状態 総 数 男 女 総 数 男 女 T 総 数 308 183 125 100.0 59.5 40.5 1 主に仕事 236 141 95 76.7 45.9 30.8 2 通学のかたわらに仕事 1 0 0 0.2 0.1 0.1 3 家事のかたわらに仕事 6 1 5 1.8 0.2 1.6 4 休業 4 3 1 1.3 0.9 0.4 5 完全失業者 25 18 7 8.0 5.7 2.3 6 通学 1 0 1 0.3 0.2 0.2 7 家事 10 2 8 3.4 0.7 2.6 8 その他 ( 高齢者など ) 25 18 7 8.1 5.8 2.4 9 不詳 0 0 0 0.1 0.0 0.1 資料出所 : 総務省統計局 労働力調査 の調査票情報を独自集計した結果 注 ) 上表は9 月の数値である 7

表 2-2 就業状態 (8 区分 ) 男女別 親と同居の壮年未婚者数 (35-44 歳 ) 全国 (2004 年 ) ( 万人 ) (%) 就業状態 総数 男 女 総数 男 女 T 総数 198 127 72 100.0 63.8 36.2 1 主に仕事 149 97 52 75.2 49.0 26.2 2 通学のかたわらに仕事 0 0 0 0.1 0.0 0.1 3 家事のかたわらに仕事 4 1 3 1.9 0.5 1.3 4 休業 2 2 0 1.2 0.9 0.2 5 完全失業者 18 13 5 9.2 6.5 2.7 6 通学 1 0 0 0.4 0.2 0.2 7 家事 8 1 6 3.9 0.7 3.2 8 その他 ( 高齢者など ) 16 12 4 8.1 5.9 2.1 9 不詳 0 0 0 0.2 0.0 0.2 資料出所 : 注 ) 総務省統計局 労働力調査 の調査票情報を独自集計した結果 上表は 9 月の数値である 8

表 2-3 就業状態 (8 区分 ) 男女別 親と同居の壮年未婚者数 (35-44 歳 ) 全国 (1980 年 ) ( 万人 ) (%) 就業状態 総数 男 女 総数 男 女 T 総数 39 18 21 100.0 47.2 52.8 1 主に仕事 29 15 14 74.0 38.7 35.3 2 通学のかたわらに仕事 0 0 0 0.0 0.0 0.0 3 家事のかたわらに仕事 1 0 1 3.3 0.7 2.6 4 休業 0 0 0 0.3 0.3 0.0 5 完全失業者 2 1 1 4.0 2.4 1.6 6 通学 0 0 0 0.3 0.3 0.0 7 家事 4 0 4 10.5 0.3 10.2 8 その他 ( 高齢者など ) 3 2 1 7.6 4.4 3.1 9 不詳 0 0 0 0.0 0.0 0.0 資料出所 : 注 ) 総務省統計局 労働力調査 の調査票情報を独自集計した結果 上表は 9 月の数値である 9

表 3-1 従業上の地位 (9 区分 ) 男女別親と同居の壮年未婚者数 (35-44 歳 ) 全国 (2014 年 ) ( 万人 ) (%) 従業上の地位 (9 区分 ) 総数男女総数男女 T 総数 308 183 125 100.0 59.5 40.5 L 労働力人口 271 163 109 88.0 52.8 35.2 E 就業者 247 145 101 80.0 47.1 32.9 01 常雇 ( 無期の契約 ) 167 100 67 54.3 32.5 21.8 02 常雇 ( 有期の契約 ) 41 20 21 13.2 6.3 6.9 03 臨時 9 4 6 3.0 1.2 1.8 04 日雇 3 2 1 0.8 0.6 0.2 05 役員 7 5 2 2.1 1.5 0.6 06 雇用者有り自営業主 2 1 0 0.5 0.4 0.1 07 雇用者無し自営業主 10 7 3 3.4 2.4 1.0 08 家族従業者 6 5 1 1.9 1.5 0.4 09 内職 0 0 0 0.1 0.1 0.0 V 不詳 2 2 0 0.7 0.6 0.1 N 非労働力人口 36 20 16 11.8 6.6 5.2 資料出所 : 総務省統計局 労働力調査 の調査票情報を独自集計した結果 注 ) 上表は 9 月の数値である 10

表 3-2 従業上の地位 (8 区分 ) 男女別 親と同居の壮年未婚者数 (35-44 歳 ) 全国 (2004 年 ) ( 万人 ) (%) 従業上の地位 (8 区分 ) 総数 男 女 総数 男 女 T 総数 198 127 72 100.0 63.8 36.2 L 労働力人口 173 113 60 87.4 57.0 30.5 E 就業者 155 100 55 78.3 50.5 27.8 01 常雇 119 76 43 60.0 38.1 21.9 02 臨時 10 5 5 5.1 2.3 2.7 03 日雇 2 2 0 1.0 0.8 0.2 04 役員 4 3 1 2.0 1.6 0.4 05 雇用者有り自営業主 2 2 1 1.2 0.9 0.3 06 雇用者無し自営業主 7 6 1 3.7 3.0 0.7 07 家族従業者 9 7 3 4.7 3.3 1.4 08 内職 0 0 0 0.2 0.1 0.1 09 不詳 1 1 0 0.4 0.4 0.0 N 非労働力人口 25 14 11 12.4 6.8 5.5 資料出所 : 注 ) 総務省統計局 労働力調査 の調査票情報を独自集計した結果 上表は 9 月の数値である 11

表 3-3 従業上の地位 (8 区分 ) 男女別 親と同居の壮年未婚者数 (35-44 歳 ) 全国 (1980 年 ) ( 万人 ) (%) 従業上の地位 (8 区分 ) 総数 男 女 総数 男 女 T 総数 39 18 21 100.0 47.2 52.8 L 労働力人口 32 16 15 81.6 42.1 39.5 E 就業者 30 15 15 77.6 39.7 37.9 01 常雇 22 11 11 56.5 29.4 27.2 02 臨時 0 0 0 1.2 0.6 0.6 03 日雇 1 1 0 1.3 1.3 0.0 04 役員 0 0 0 0.6 0.6 0.0 05 雇用者有り自営業主 1 0 0 1.9 0.9 1.0 06 雇用者無し自営業主 2 1 1 4.2 2.0 2.3 07 家族従業者 4 2 2 10.4 4.8 5.6 08 内職 1 0 1 1.3 0.0 1.3 09 不詳 0 0 0 0.0 0.0 0.0 N 非労働力人口 7 2 5 18.4 5.1 13.3 資料出所 : 注 ) 総務省統計局 労働力調査 の調査票情報を独自集計した結果 上表は 9 月の数値である 12