2. 現状と課題 3 大津市の観光地としての課題 大津市の観光地として成長するには強みを磨き上げていく事と並行して 他の観光地と比較し課題を明らかにする事が大切です 大津市の観光地としての課題は 複数の調査結果をまとめ 次の5つであると考えています 1 一人あたりの来訪者の現地小遣いが低い 2 来訪者の大津市での滞在時間が短い 3 観光地としての知名度が低い 4 市民に大津の魅力をより知ってほしい 5 来訪者の満足度が低い 1 大津市第 2 期観光交流基本計画
1 一人あたりの来訪者の現地小遣いが低い 大津市には多くの宿泊施設が有り 日帰りの来訪者よりも単価の高い宿泊を伴う来訪者が多く訪れており 一人あたりの来訪者の宿泊費 + 交通費についても 全国平均を上回っております 一方で 一人あたりの宿泊者の宿泊費以外の現地小遣い ( 食事やお土産 体験などにかかる費用 ) については 全国や関西の平均よりも低いことがわかっています 宿泊者一人あたりの観光消費額 : 宿泊旅行 1 回あたりにかかった費用 ( 宿泊費 交通費 現地小遣い ) を示しております 観光消費額とは 一人の人が観光をする際に使う金額を指します 交通 宿泊 食事だけでなく現地での買い物やレジャーに使う全ての出費が含まれます 金額については 百の位までの四捨五入で示しています 旅行費用については 金額の高すぎる回答が平均値に大きな影響を与えることを避けるために.5% トリム平均をおこないました ( 円 ) 6, 5, 5,8 52, 46, 46,956 4, 17, 18,7 12,4 12,735 3, 2, 33,8 33,3 33,6 34,221 1, 全国関西滋賀県大津市 現地小遣い 宿泊費 + 交通費 全国 関西 県のデータはじゃらん宿泊旅行調査 215( インターネット調査 ) 大津市のデータは平成 27 年度大津市来訪者満足度調査 ( 聞き取り調査 ) から出典 県の観光消費額は 滋賀県を主に滞在した方の費用総額となります 交通費は発地からの交通費も含まれております 大津市第 2 期観光交流基本計画 11
2. 現状と課題 2 来訪者の大津市での滞在時間が短い 滞在時間とは 観光で目的地に滞在をしている時間を指します この時間が長くなればなるほど宿泊 食事 買い物 レジャー 移動などのための観光消費額も増加するため 来訪者に長い時間滞在してもらうことが観光による地域の活性化のためには必要です 大津市内に宿泊している来訪者 ( 域内泊あり ) が長時間滞在している一方で 日帰り および大津市外に宿泊している来訪者 ( 域外泊のみ ) の滞在時間は3 時間未満であり 他地域と比べても短い事がわかっています 来訪者平均滞在時間 : 大津市への来訪者 ( 日帰り 域内泊 域外泊などの旅程別 ) の 平日 休前日 連休日 休日別の平均滞在時間を示しております ( 時間 ) 25 2 17:58 19:43 2:8 18:17 15 1 5 4:34 2:52 2:51 3: 2:59 2:43 2:4 2:34 2:33 全体平日休前日 連休日休日平日休前日連休日休日平日休前日連休日休日 日帰り域内泊あり域外泊のみ 平成 26 年度大津市観光動態調査 ( 携帯端末位置情報 ( ビックデータ ) を活用した調査 ) から出典 12 大津市第 2 期観光交流基本計画
3 観光地としての知名度が低い 滋賀県外の方に大津市のイメージを調査したところ 多くの人が びわ湖 を挙げていましたが 一方で びわ湖でのマリンスポーツ 豊かな自然 歴史 文化的な街並み お寺や神社など 観光に関連するイメージを持った方は少ないことがわかりました また 何が有名かわからない と言った回答も多く 大津市はまだ観光地としての認知が高くないといえます 大津市のイメージ調査結果 : 滋賀県以外に在住する人に対して大津市のイメージについて聞いたインターネット調査結果を示しております あてはまるどちらともいえないあてはまらない無回答 2 4 6 8 1(%) びわ湖 82.8 13.1 4.1 京都から近い 67.7 24. 8.3 車がないと不便 65.5 28.6 6. 自然が豊かで美しい 47.4 43.3 9.3 何が有名か分からない 46. 36. 18.1 夏に訪れたいところである ( びわ湖でのマリンスポーツ 湖畔 BBQ) 38.6 46.1 15.4 日帰りでの観光を目的として訪れたい 37.4 42.6 2. 買い物をする場所が少ない 35.8 53.8 1.4 歴史 文化的な町並みを見ることができる 33.1 49.7 17.2 ドライブ ツーリングを楽しめる地域である 32.8 49.5 17.7 アウトドアを楽しめる 32.5 5.2 17.3 お寺や神社が沢山ある 31. 49.7 19.3 都やお城があった地域がある 27.4 55.1 17.5 平成 26 年度大津市観光資源発掘調査から出典 大津市第 2 期観光交流基本計画 13
2. 現状と課題 4 市民に大津の魅力をより知ってほしい 観光による地域の活性化において 市民がその地域の良さを実感し誇りを持ち アピールをする事がとても大切であると考えています 平成 28 年度の調査によると 約 3% の市民が 何が有名かわからない と回答していました 前述の大津市の強みが 市民にとっては当たり前すぎて気付かない状態になっていると考えられます また1 代 ~ 3 代においては 大津市の歴史や観光地 アピールポイント 名物やお土産品などについて普段意識することが少ない傾向が強いことがわかりました 大津市にあてはまると思うイメージについて : 大津市民に対して 大津市の持つ観光資源のイメージについて聞いたインターネット調査結果を示しております 何が有名か分からない日帰りでの観光を目的として訪れたい買い物をする場所が少ない 全体 3.5 45.3 45.2 1 代 34.4 42.2 48.4 2 代 33.3 37.9 39.4 3 代 37.4 39.9 49.5 4 代 32.8 42.9 46. 5 代 28.1 51.4 44.9 6 代以上 18.6 56.8 45.4 25 5(%) 25 5(%) 25 5(%) 平成 28 年度大津市市民意識調査から出典 14 大津市第 2 期観光交流基本計画
5 来訪者の満足度が低い 観光による地域の活性化のためには 来訪者に満足していただくことがポイントとなります 満足をすることでその人がまた来訪をしてくれるだけではなく家族や知人におすすめをしてくれるという効果もあり さらには ソーシャルメディアなどの媒体によってより多くの人にその観光地の良い情報が行き渡ることになります 平成 28 年 (216 年 ) の調査によると 大津市の来訪者満足度は 大変満足 満足 を合わせた数値が32.3% と低いことがわかりました また滞在時間が長いほど 大津の魅力をじっくりと味わっていただき 地元の方との交流も生まれやすいことから 満足度が大きく上昇することもわかっています 大津市への来訪満足度 : 大津市への来訪者に対して 満足度について聞いたインターネット調査結果を示しております 総合満足度 大変満足満足やや満足どちらともいえないやや不満不満大変不満 2 4 6 8 1(%) 7.9 24.4 36.4 27.3.4 2.8.8 旅行形態ごとの満足度 大変満足満足やや満足どちらともいえないやや不満不満大変不満 2 4 6 8 1(%) 立ち寄り程度 (2~3 時間 ) 4.9 15.7 32.5 41.3 3.8 1..7 半日程度 6. 23.4 44.7 23.1 2.1.6 丸 1 日程度 12.9 27. 39.9 16.6 3.1.6 1 泊 2 日 17.9 23.2 34.8 21.4 1.8.9 2 泊以上 28.6 28.6 21.4 21.4 平成 28 年度大津市来訪者満足度調査から出典 課題 1 から課題 5 の結果から 大津市は観光地としての魅力が見えづらいため 多くの人の 旅の目的地となっていない ということが考えられます 一方で観光地としての魅力の原石は数多く それらを磨き上げていくことで日本 大津市の人口減少といった観光を取り巻く厳しい環境の中でも 選ばれる観光地 として成長し続けることが出来ると考えています 大津市第 2 期観光交流基本計画 15