未承認の医薬品又は適応の承認要望に関する意見募集について

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未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類

要望番号 ;Ⅱ 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 1) 1. 要望内容に関連する事項 要望 者 ( 該当するものにチェックする ) 優先順位 学会 ( 学会名 ; 日本ペインクリニック学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 2 位 ( 全 4 要望中 )

要望番号 ;Ⅱ-286 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 33 位 ( 全 33 要望

スライド 1

要望番号 ;Ⅱ-183 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者学会 ( 該当する ( 学会名 ; 日本感染症学会 ) ものにチェックする ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 1 位 ( 全 8 要望中 ) 要望する医薬品

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

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DRAFT#9 2011

未承認の医薬品又は適応の承認要望に関する意見募集について

要望番号 ;Ⅱ-24 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 8 位 ( 全 33 要望中

会社名

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No.16-35

第 4 章小児 思春期のてんかんと治療 41 PubMed( 検索 2008 年 11 月 8 日 ) 絞り込み : 小児 6 12 歳 ((epilepsy syndrome)and(meta-analysis[mh]or meta-analysis[pt]or metaanaly * [tiab

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審査結果 平成 25 年 9 月 27 日 [ 販売名 ] アナフラニール錠 10 mg 同錠 25 mg [ 一般名 ] クロミプラミン塩酸塩 [ 申請者名 ] アルフレッサファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 5 月 17 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 4 月 26 日開

試験デザイン :n=152 試験開始前に第 VIII 因子製剤による出血時止血療法を受けていた患者群を 以下のい ずれかの群に 2:2:1 でランダム化 A 群 (n=36) (n=35) C 群 (n=18) ヘムライブラ 3 mg/kg を週 1 回 4 週間定期投与し その後 1.5 mg/k

患者向医薬品ガイド フィコンパ錠 2mg フィコンパ錠 4mg 2016 年 5 月作成 この薬は? 販売名 フィコンパ錠 2mg フィコンパ錠 4mg Fycompa Tablets 2mg Fycompa Tablets 4mg 一般名 ペランパネル水和物 Perampanel Hydrate


第 6 章 てんかん症候群別の治療ガイド 表 1 各種てんかん症候群に対する選択薬 てんかん症候群 第一選択薬 第二選択薬 併用療法 他 避けるべき薬剤 特発性部分てんかん カルバマゼピン バルプロ酸 レベチラセタム スルチアム ラモトリギン オクスカルバゼピン BECTS トピラマート ガバペンチ

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

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D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

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ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

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症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

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15 第1章妊娠出産子育てをめぐる妻の年齢要因

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3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

2008年10月2日

ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ

別添 1 抗不安薬 睡眠薬の処方実態についての報告 平成 23 年 11 月 1 日厚生労働省社会 援護局障害保健福祉部精神 障害保健課 平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 向精神薬の処方実態に関する国内外の比較研究 ( 研究代表者 : 中川敦夫国立精神 神経医療研究センタートラン

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レベチラセタム 新規抗てんかん薬として日本では 2010 年に薬価収載 適応 : てんかん患者の部分発作 ( 二次性全般化発作を含む ) 代謝 排泄 : 肝臓で 1/3 代謝 (CYP を介さない : 相互作用がほとんどない ), 腎臓で 2/3 排泄 t1/2: 約 8 時間 (2 日弱で定常状態

2018 年 11 月改訂 ( 第 11 版 ) 日本標準商品分類番号 医薬品インタビューフォーム 日本病院薬剤師会の IF 記載要領 (2013 年 ) に準拠して作成 抗てんかん剤 抗てんかん剤 双極性障害治療薬 剤形チュアブル ディスパーシブル錠 製剤の規制区分 規

(3) 摂取する上での注意事項 ( 該当するものがあれば記載 ) 機能性関与成分と医薬品との相互作用に関する情報を国立健康 栄養研究所 健康食品 有効性 安全性データベース 城西大学食品 医薬品相互作用データベース CiNii Articles で検索しました その結果 検索した範囲内では 相互作用

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抗ヒスタミン薬の比較では 抗ヒスタミン薬は どれが優れているのでしょう? あるいはどの薬が良く効くのでしょうか? 我が国で市販されている主たる第二世代の抗ヒスタミン薬の臨床治験成績に基づき 慢性蕁麻疹に対する投与 2 週間後の効果を比較検討すると いずれの薬剤も高い効果を示し 中でもエピナスチンなら

た 18 歳以上の AD/HD 患者を対象に 日本人を含むアジア人によるプラセボ対照二重盲検比較試験及びその長期継続投与試験が現在実施されており 本剤の製造販売者によれば これらの試験成績に基づき 本剤の成人期 AD/HD 患者への追加適応に関する承認事項一部変更承認申請が行われる予定とされている

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抗精神病薬の併用数 単剤化率 主として統合失調症の治療薬である抗精神病薬について 1 処方中の併用数を見たものです 当院の定義 計算方法調査期間内の全ての入院患者さんが服用した抗精神病薬処方について 各処方中における抗精神病薬の併用数を調査しました 調査期間内にある患者さんの処方が複数あった場合 そ

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2.0 概要 治験情報 : 治験依頼者名 : 武田薬品工業株式会社 (TPC) 大阪市中央区道修町四丁目 1 番 1 号 治験課題名 : びらん性食道炎の患者を対象にした TAK-438 の 20 mg を 1 日 1 回経口投与したときの有効性及び安全性を 1 日 1 回経口投与

オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

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資料 2-4 イソプロピルアンチピリン製剤の安全対策について 平成 23 年 6 月 23 日平成 23 年度薬事 食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 ( 第 2 回 ) 1. イソプロピルアンチピリン製剤の安全性に係る調査結果報告書 ( 別紙 ) 1 ページ

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特定できるものではありませんでした そのため 個人の体質や体調による影響が大きく影響したものであると判断しました よって 当該製品が原因と考えられる健康被害の発生は 確認されませんでした ただし 届出の製品と喫食実績で調査対象とした製品でルテイン量に違いがありましたので 既存情報から喫食経験および安

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1

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恩賜第 42 回社会福祉法人財団済生会中央治験審査委員会 会議の記録の概要 開催日時 平成 28 年 1 月 13 日 ( 水 )15:30~17:17 開催場所 出席委員名 東京都港区三田 三田国際ビル 21 階 社会福祉法人 恩賜財団済生会本部事務局中会議室 豊島

の状態により適宜減量する 成人 A 法 : 他の抗悪性腫瘍剤との併用において ブスルファンとして 1 回 0.8 mg/kg を生理食塩液又は 5% ブドウ糖液に混和 調製して 2 時間かけて点滴静注する 本剤は 6 時間毎に 1 日 4 回 4 日間投与する なお 年齢 患者の状態により適宜減量す

づけられますが 最大の特徴は 緒言の中の 基本姿勢 でも述べられていますように 欧米のガイドラインを踏襲したものでなく 日本の臨床現場に則して 活用しやすい実際的な勧告が行われていることにあります 特に予防抗菌薬の投与期間に関しては 細かい術式に分類し さらに宿主側の感染リスクも考慮した上で きめ細

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

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2. 改訂内容および改訂理由 2.1. その他の注意 [ 厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡に基づく改訂 ] 改訂後 ( 下線部 : 改訂部分 ) 10. その他の注意 (1)~(3) 省略 (4) 主に 50 歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において 選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び

医科_第20次(追加)審査情報提供(広報用)

9 中止基準 ( 研究対象者の中止 研究全体の中止について ) 10 研究対象者への研究実施後の医療提供に関する対応 通常の診療を超える医療行為 を伴う研究を実施した場合 研究実施後において 研究対象者が研究の結果より得られた利用可能な最善の予防 診断及び治療が受けられるように努めること 11 研究

審査結果 平成 26 年 2 月 7 日 [ 販売名 ] 1 ヘプタバックス-Ⅱ 2 ビームゲン 同注 0.25mL 同注 0.5mL [ 一般名 ] 組換え沈降 B 型肝炎ワクチン ( 酵母由来 ) [ 申請者名 ] 1 MSD 株式会社 2 一般財団法人化学及血清療法研究所 [ 申請年月日 ]

公募情報 平成 28 年度日本医療研究開発機構 (AMED) 成育疾患克服等総合研究事業 ( 平成 28 年度 ) 公募について 平成 27 年 12 月 1 日 信濃町地区研究者各位 信濃町キャンパス学術研究支援課 公募情報 平成 28 年度日本医療研究開発機構 (AMED) 成育疾患克服等総合研

Transcription:

( 別紙様式 1-2) 適応外薬の要望 要望者 日本てんかん学会 優先順位 10 位 ( 全 12 要望中 ) 医薬品名 成分名 Lamotrigine 販売名 Lamictal 会社名 グラクソ スミスクライン株式会社 承認又は公的 EU で承認済み 医療保険適用国 効能 効果 EU 成人及び13 歳以上の小児 部分発作および強直間代発作を含む全般発作の併用療法または単剤療法 Lennox-Gastaut 症候群による発作 ラミクタールは併用療法として使用 されるが 初期抗てんかん薬としても使用できる 2~12 歳の小児 部分発作ならびに強直間代発作および Lennox-Gastaut 症候群を含む全般発作の併用療法 定型欠神発作の単剤療法 用法 用量 ( 単剤療法のみ ) EU 成人及び 13 歳以上の小児に対して推奨されるラミクタールのてんかん治療法 治療法 1+2 週 3+4 週 通常維持用量 単剤療法 25mg (1 日 1 回 ) 50mg (1 日 1 回 ) 100~200mg(1 日 1 回あるいは 2 回に分割投与 ) 最適維持用量に達するまで 1~2 週毎に 50~ 100mg ずつ漸増することができる 患者によっては 効果を得るため 1 日用量 500mg が必要な場合がある 2 歳 ~12 歳までの小児に対して推奨されるラミクタールのてんかん療法 (1 日総投与量 mg/kg/) 治療法 1+2 週 3+4 週 通常維持用量 1

定型欠神発 0.3mg/kg 0.6mg/kg 1~10mg/kg/ 日 作の単剤療 (1 日 1 回ま (1 日 1 回また (1 日 1 回または 2 回に分割投与 ) 法 たは 2 回に分割 は 2 回に分 患者によっては効果を得るために高用量 ( 最大 投与 ) 割投与 ) 15mg/kg/ 日 ) が必要となる場合もある 最適維持用量に達するまでに 1~2 週間毎に最 大 0.6mg/kg ずつ漸増することができる 文献 学会発表等のエビデンスに基づく安全性 有効性の評価 略号 AED: 抗てんかん薬 LTG: ラモトリギン VPA: バルプロ酸 CBZ: カルバマゼピン TPM: トピラマート GBP: ガバペンチン PHT: フェニトイン (1) 無作為化比較試験等の公表論文 1. 併用療法から単剤療法への切り替えこれまでの AED で発作コントロール不良または許容できない副作用が原因で治療の変更を必要とするてんかん患者を対象に LTG または既存 AED(CBZ PHT VPA) を一旦併用した後 単剤に切り替える無作為化比較試験はこれまでに 3 件報告されている 発作頻度の変化や有害事象を評価した結果 これまでの治療でコントロール不良の患者や不耐性の副作用がある患者に対して LTG 単剤療法は 既存 AED と同等に有効であり 忍容性がより高いと考えられる Kaminow L, et al.: Epilepsy Behav 4,659-666,2003. Gilliam F, et al.: Neurology 51,1018-1025,1998. Fakhoury T, et al.: Epilepsy Behav 5,532-538,2004. 2. 未治療患者に対する単剤療法 LTG vs. CBZ 小児 成人 高齢者の各年齢層で部分発作および強直間代発作のある未治療てんかん患者を対象とした試験実施されており LTG は CBZ と同等の有効性を示し 忍容性がより高いことが報告されている Brodie MJ, et al.: Lancet 345,476-479,1995. Nieto-Barrera M, et al.: Epilepsy Res 46,145-155,2001. Reunanen M, et al.: Epilepsy Res 23,149-155,1996. Brodie M, et al.: Epilepsy Res 37,81-87,1999. Gillham R, et al.: Seizure 9,375-379,2000. Marson A, et al.:lancet 369,1000-1015,2007. LTG vs. VPA 全般てんかん患者を対象とした大規模試験 (SANAD study) において LTG は有効性では VPA より若干务るものの 忍容性は同等であることが示されている (Marson A, et al.:lancet 2

369,1016-1026,2007.) また 小児欠神てんかんを対象とした試験において 12 ヶ月後の LTG の発作消失率は VPA と同等であったが 効果発現時期は VPA のほうが早期であった (Coppola G, et al.: Epilepsia 45,1049-1053,2004.) 体重 気分 QOL への影響については LTG のほうが VPA よりも良好であることが示されている (Biton V, et al. : Neurology 56,172-177,2001. Sackellares JC, et al.: Epilepsy Behav. 3,376-382,2002. Edwards K, et al.: Epilepsy Behav 2,28-36,2001.) これらの試験から LTG は VPA よりも有効性はやや务るものの 忍容性はより高いと考えられる LTG vs. PHT LTG は PHT と同等に有効であり QOL は LTG 群で良好であった Steiner TJ, et al.: Epilepsia 40,601-607,1999. LTG vs. GBP LTG と GBP の発作消失率 および有害事象による投与中止率は同等であった Brodie MJ, et al.: Epilepsia 43,993-1000,2002. LTG vs. Placebo 小児の欠神発作に対して LTG を投与したところ 71.4% の症例で発作が消失した その後 LTG を継続した症例では Placebo に切り替えた症例よりも発作消失の維持率が高かった Frank LM, et al.: Epilepsia 40,973-979,1999. 3. 健康被験者を対象とした試験認知機能 行動への LTG の影響を評価するために健康被験者を対象に VPA CBZ TPM との比較試験が行われ LTG はいずれの対照薬よりも影響が少ないことが報告されている Meador KJ, et al.; Neurology 64,2108-2114,2005.(vs TPM) Meador KJ et al.: Neurology 56,1177-1182,2001. (vs CBZ) Aldenkamp AP, et al.:epilepsia 43,19-26,2002.(vs VPA) 4.AED に子宮内曝露された小児の知能米国および英国において 1999 年から 2004 年までの間に抗てんかん薬 (CBZ LTG PHT または VPA) を単剤投与したてんかんを有する妊娠女性を プロスペクティブ多施設共同観察研究に組入れ 誕生した小児 309 例の 3 歳の時点での認知機能 (IQ) を調査した 母親の IQ 母親の年齢 抗てんかん薬投与量 出生時の在胎週数 および 3

母親の妊娠前の葉酸使用に調整後の平均 IQ は LTG 曝露小児 101 PHT 曝露小児 99 CBZ 曝露小児 98 であり VPA 曝露小児は 92 であった VPA に曝露した小児の IQ スコアは LTG 曝露小児のスコアより 9 ポイント (95% 信頼区間 [CI]3.1-14.6;P=0.009) 低かった (Meador K, et al.: N Engl J Med 360,1597-1605,2009.) (3)peer-review journal の総説 メタアナリシス ( 総説等ごと ) Gamble C, et al.:neurology 66,1310-1317,2006. LTG と CBZ 単剤療法を比較した無作為化臨床試験 5 件のメタ解析を行った ( 被験者 1,384 例 ) LTG は CBZ よりも 投与中止となる可能性が有意に低いが 初回発作までの時間で評価した有効性では CBZ のほうが発作コントロールに関して優れていることが示唆された Meador K, et al.:epilepsy Res 81,1-13,2008. 女性てんかん患者 (WWE) が出産した新生児での先天性奇形発生 (CM) について発表された全ての登録およびコホート試験をレビューした 算出された CM 発生率は WWE[7.08%] のほうが健康女性 [2.28%] より高かった CM 発生率が最も高い AED は VPA であり 単剤療法で 10.73% であった LTG 単剤の CM 発生率は 2.91% であった (4) 学会又は組織 機構の診療ガイドライン ( ガイドラインごと ) 米国てんかん専門医の意見 (Karceski S, et.al,:epilepsy behave 7,S1-S64,2005.) LTG は特発性全般てんかんの強直間代発作 欠神発作に対する初回単剤療法として 通常適当 症候性部分てんかんでも単純部分発作および二次性全般化発作の初回単剤療法として 通常適当 とされている 複雑部分発作に対しては 第 1 選択 と評価されている さらに 特発性全般てんかんでの強直間代発作 欠神発作で VPA が奏功しない場合の第 2 の単剤療法および症候性部分てんかんで CBZ または PHT が奏功しない症例での第 2 の単剤療法において 第 1 選択 とされている また 挙子希望患者 うつ症状を有する患者 高齢者において 全般てんかん 症候性部分てんかんともに 第 1 選択 となっている 米国小児てんかん専門医の意見 (Wheless JW, et al.: J Child Neurol 4

20,S1-S56,2005. ) LTG は以下のてんかん症候群またはてんかん発作に対して 通常適当 とされる 12 歳の精神遅滞のあるミオクロニーおよび強直間代発作 症候性強直間代発作 (1 歳および 12 歳 ) 潜因性複雑部分発作の初回単剤療法 潜因性複雑部分発作の CBZ が奏功しない症例への第 2 の単剤療法 Lennox-Gastaut 症候群初回単剤療法 Lennox-Gastaut 症候群で VPA が奏功しない症例への第 2 の単剤療法英国国立医療技術評価機構 (NICE) LTG は以下の発作型に 1st-line に位置づけられている強直間代発作 欠神発作 強直発作 脱力発作 部分発作 LTG は以下のてんかん症候群で 1st-line に位置づけられている小児欠神てんかん 若年性欠神てんかん 若年性ミオクロニーてんかん 強直間代発作のみのてんかん 症候性 潜因性部分てんかん 中心 側頭部に棘波をもつ良性てんかん 後頭部に棘波をもつ良性てんかん 徐波睡眠時持続性棘徐波 Lennox-Gastaut 症候群 Landau-Kleffner 症候群 米国神経学会 : 新規発症てんかんの治療ガイドライン (French JA, et al. : Neurology 62,1252-1260,2004.) LTG は部分発作 混合発作への単剤療法および欠神発作に対して推奨されている (5)(1) から (4) を踏まえたエビデンスレベルの総合的な評価 LTG の単剤療法については CBZ との比較ではほぼ同等の有効性 より優れた忍容性が報告されている また VPA との比較では発作抑制作用ではやや务るものの 体重増加 気分 認知機能への影響が少なく 忍容性はより優れている 特に催奇形性 胎児の知的発達への影響が少ないとの報告から LTG は挙子希望の患者では第 1 選択となりうる薬剤であると考えられる プラセボ対照および実薬対照の臨床試験ともに複数報告されており 米国をはじめとする海外のガイドラインで高い評価を得ている 5

ことから すでにその有効性 安全性は確立されていると考える (6) 追加すべき試験の種類とその実施方法案現在 1 種類の抗てんかん薬で治療中で発作コントロール不良または不耐性の副作用のあるてんかん患者を対象に ラモトリギンまたは従来の抗てんかん薬 (VPA CBZ PHT) を付加 漸増しながら これまでの薬剤を減量 中止する LTG 単剤または従来の抗てんかん薬単剤を 24 週間投与する 発作頻度 有害事象 全般改善度などを比較する Kaminow L,et al.: Epilepsy Behav 4,659-666,2003. 医療上の必要性に係 る基準への該当性 1. 適応疾病の重篤性ウ. その他日常生活に著しい影響を及ぼす疾患てんかん発作は 身体的な影響だけでなく 心理社会的 経済的側面からも日常生活に重大な影響を及ぼす 2. 医療上の有用性イ. 欧米の臨床試験において 有効性 安全性等が既存の療法と比べて明らかに優れている これまでの海外での報告から LTG 単剤の発作抑制作用は既存の抗てんかん薬と同等と考えられる しかし 認知機能や行動 気分 体重などへの影響の点から LTG の安全性は 既存薬よりも高く これまでの治療よりも患者の QOL 向上が可能と考える 特に LTG は VPA と同様の広いスペクトラムを持ち 催奇形性や児の IQ 低下等の影響を考慮すれば 挙子希望のてんかん患者における LTG の有用性はきわめて高い ウ. 欧米において標準的療法に位置づけられている 異なる視点でまとめられた欧米の各種ガイドラインにおいて LTG 単剤療法の選択順位は高く LTG は標準的治療と言える 6

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