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体外診断用医薬品 この添付文書をよく読んでから使用してください *208 年 2 月改訂 ( 第 2 版 ) 製造販売承認番号 : 22900EZX00002000 207 年 3 月作成 ( 第 版 ) ROS 融合遺伝子検出キット 84090000 OncoGuide AmoyDx ROS 融合遺伝子検出キット 全般的な注意. 本製品は 体外診断用医薬品であり それ以外の目的には使用しないでください 2. 判定結果に基づく 診断 使用目的欄に記載の医薬品の適用については 本キットの結果 及び他の関連する検査結果 臨床症状とあわせて 担当医師が総合的に判断してください 3. 添付文書に記載された使用目的及び用法 用量に従って 使用してください 記載された使用目的及び用法 用量以外での使用については 結果の信頼性を保証しかねます 4. 使用の前に添付文書をよく読み 本製品の各構成試薬及びその使用方法をよく理解してください また 使用する機器の添付文書及び取扱説明書をよく読み 記載に従って使用してください 5. 本製品は 4 種類の ROS 融合遺伝子から発現された mrna を検出するものです 未知の ROS 融合遺伝子や低頻度で存在する 4 種類以外の ROS 融合遺伝子は検出できません 6. 本製品は 反応あたり 25 コピーのプラスミド DNA があれば融合遺伝子が検出できることを確認していますが 逆転写反応の効率なども考慮すると 25 コピーの融合 mrna が検出できないことも考えられます 7. 検査をする際には 本品の使用目的欄に示される医薬品の最新の添付文書を参照してください 形状 構造等 ( キットの構成 ). ROS 反応 Mix,00μL 本 () デオキシヌクレオシド三リン酸 (dntp) 混合物 2'-デオキシウリジン-5'- 三リン酸 (dutp) (2) ROS-M-F2-tag-EAフォワードプライマー (3) ROS-M2-F2-tag-EAフォワードプライマー (4) ROS-M3-F2-tag-EAフォワードプライマー (5) ROS-M4-F2-tag-EAフォワードプライマー (6) ROS-M5-F2-tag-EAフォワードプライマー (7) ROS-M-R2-tag-EAリバースプライマー (8) Tag-EAプライマー (9) ROS-M-P2プローブ 2. ROS 反応 Mix2,00μL 本 () デオキシヌクレオシド三リン酸 (dntp) 混合物 2'- デオキシアデノシン -5'- 三リン酸 (datp) 2'- デオキシシチジン -5'- 三リン酸 (dctp) 2'- デオキシグアノシン -5'- 三リン酸 (dgtp) 2'- デオキシチミジン -5'- 三リン酸 (dttp) 2'- デオキシウリジン -5'- 三リン酸 (dutp) (2) ROS-M6-F2-tag-EA フォワードプライマー (3) ROS-M7-F2-tag-EA フォワードプライマー (4) ROS-M8-F2-tag-EA フォワードプライマー (5) ROS-M9-F2-tag-EA フォワードプライマー (6) ROS-M0-F2-tag-EA フォワードプライマー (7) ROS-M6-R2-tag-EA リバースプライマー (8) Tag-EA プライマー (9) ROS-M6-P プローブ 3.ROS 反応 Mix3,00μL 本 () デオキシヌクレオシド三リン酸 (dntp) 混合物 2'-デオキシウリジン-5'- 三リン酸 (dutp) (2) ROS-M-F2-tag-EAフォワードプライマー (3) ROS-M2-F2-tag-EAフォワードプライマー (4) ROS-M3-F2-tag-EAフォワードプライマー (5) ROS-M-R2-tag-EAリバースプライマー (6) Tag-EAプライマー (7) ROS-M-P2プローブ 4.ROS 反応 Mix4,00μL 本 () デオキシヌクレオシド三リン酸 (dntp) 混合物 2'-デオキシウリジン-5'- 三リン酸 (dutp) (2) ROS-M4-F2-tag-EAフォワードプライマー (3) ROS-M4-R2-tag-EAリバースプライマー (4) Tag-EAプライマー (5) ROS-M4-P2プローブ (6) HPRT-F2フォワードプライマー (7) HPRT-Rリバースプライマー (8) HPRT-P23プローブ 5.ROS 逆転写酵素 () ROS 逆転写酵素 20μL 本 6.ROS 逆転写反応 Mix 550μL 本 2 () デオキシヌクレオシド三リン酸 (dntp) 混合物 (2) ROS-M-R2プライマー (3) ROS-M6-R2プライマー (4) ROS-M-R2プライマー (5) ROS-M4-R2プライマー (6) HPRT-Rプライマー 7.ROS 陽性コントロール 8.ROS 酵素 Mix () HS-Taq DNAポリメラーゼ (2) ウラシル-N-グリコシラーゼ (UNG) 250μL 本 50μL 本 --

使用目的 癌組織または細胞診検体から抽出した RNA 中の ROS 融合遺伝子 mrna の検出 ( クリゾチニブの非小細胞肺癌患者への適応を判定するための補助に用いる ) 測定原理 本製品は 逆転写反応 (RT) 及び蛍光標識加水分解プローブ法を用いたリアルタイム PCR( ポリメラーゼ連鎖反応 ) を連続して行うツーステップ RT-PCR を原理として ホルマリン固定パラフィン包埋 (FFPE) 組織 新鮮凍結組織 細胞診検体 または細胞診検体由来 FFPE セルブロックなどの各種ヒト非小細胞肺癌検体から抽出した RNA 中の 4 種類の ROS 融合遺伝子 mrna を検出するキットです 本製品による ROS 融合遺伝子 mrna の検出は 主に以下のプロセスで行います. RNA の抽出検体から任意の方法で RNA を抽出します 2. 逆転写反応逆転写酵素及び配列特異的プライマーの働きにより逆転写反応を行い cdna( 相補 DNA) を合成します 3. PCR ROS の遺伝子融合によって形成された各融合部位を標的領域とした 2 段階の PCR を行います 2 段階の反応は 異なる温度設定により全自動装置内で連続して行われます 原理図は図 の通りです 第 段階の PCR は 高い特異性を維持しながら反応液中の標的配列の濃度を高めることを目的としています 非特異的な増幅を抑え高い特異性を維持するために 高い温度 ( アニーリング温度 ) 帯で反応させるとともに 検出対象の融合遺伝子から得られた cdna に対して相補的である 2 種類の配列特異的なプライマー ( フォワードプライマー及びリバースプライマー ) を用いています 第 2 段階の PCR は 第 段階の PCR で得られた産物を対象として 第 段階で特異的に増幅したものを 効率よく遺伝子増幅させ その増幅の際に得られる蛍光強度を検出し 蛍光強度が一定量に達した際のサイクル数である Cycle threshold(ct) 値を算出することを目的としています 効率よく遺伝子増幅させるために 第 段階より低い温度帯を設定するとともに それぞれの融合遺伝子を共通に増幅させる共通プライマーを用いています この共通プライマーの配列は 第 段階で用いたフォワードプライマー及びリバースプライマーに付加した標的配列とは異なる配列と同じです 従って この共通プライマーはフォワード及びリバースプライマーとして機能します また 配列特異的プライマーより低い温度帯で働くように設計されているため 第 2 段階の PCR でのみ機能します 4. 蛍光強度のモニタリングと Ct の算出 Ct 値の算出には 蛍光標識プローブを用います この蛍光標識プローブは 標的配列に対して相補的であり 配列の両端にそれぞれ 蛍光物質 (FAM) と消光物質 (BHQ) が標識されています この蛍光標識プローブは 反応前は消光されていますが 融合遺伝子の伸長反応に伴い 蛍光を発します 従って この融合遺伝子の増幅に伴い蛍光強度は増大します その蛍光強度を PCR のサイクルごとに測定し Ct 値に応じて結果を判定します 図 原理 本製品の検査は各検体につき 4 本のチューブを用いて行います 各チューブでは 使用する ROS 反応 Mix(~4) に応じてそれぞれ 5 種 (ROS エキソン 32) 5 種 (ROS エキソン 34) 3 種 (ROS エキソン 35) 種 (ROS エキソン 36) の ROS 融合遺伝子 mrna を対象とし そのいずれかが検出された場合に陽性と判定します 本製品で検出可能な ROS 融合遺伝子 mrna は表 の通りです チューブ No. 表. 検出対象のROS 融合遺伝子 mrna 融合パートナー及びエキソン ROS エキソン SLC34A2 SLC34A2 CD74 エキソン 4 エキソン エキソン 6 3del2046 32 SDC4 SDC4 エキソン 2 エキソン 4 - SLC34A2 エキソン 4 SLC34A2 エキソン 3del2046 EZR エキソン 0 LRIG3 エキソン 6 CD74 エキソン 6 2 34 SDC4 - エキソン 4 TPM3 GOPC 3 35 エキソン 8 エキソン 8* GOPC 4 - - 36 エキソン 4* *GOPC-ROSとFIG-ROSは同じ融合を示します 操作上の注意. 測定試料の性質 採取方法 本製品の検査には 腫瘍細胞の存在が確認された FFPE 組織 新鮮凍結組織 細胞診検体 または細胞診検体由来 FFPE セルブロックから抽出した RNA を使用してください - FFPE 検体 (FFPE 組織 及び細胞診検体由来 FFPE セルブロックを含む ) 及び新鮮凍結組織 ホルマリン固定処理により組織中の核酸 (RNA) の断片化を伴いますので FFPE 検体を用いる際は 医療機関の定める方法 または 各種の FFPE 取扱いガイドライン ( 例 : 肺癌患者における ALK 融合遺伝子検査の手引き ; 日本肺癌学会バイオマーカー委員会 遺伝子関連検査検体品質管理マニュアル ; 日本臨床検査標準協議会作成 乳癌診療ガイドライン 2 病理組織検体の適切な取扱いについて ; 日本乳癌学会作成 等 ) に記載の条件に基づいて 適切に取り扱ってください 検体の乾燥 核酸分解防止のために速やかに十分量の固定液で固定開始し 固定完了後は 水洗い 脱水 脱アルコール 保存等を行ってください ( 例 : 患者から採取された生検検体や手術材料を 0% 中性緩衝ホルマリン十分量にて速やかに固定開始し 室温 (20 前後 ) にて 短時間 (48 時間以内 ) の固定完了 作製後 2 年以内の検体使用 ) -2-

5~0μm の厚さの切片を使用して 適切なスライド枚数を用いて RNA を抽出してください FFPE スライドとして保存した検体を用いる場合は 通常は 4~6 週間以内に使用してください やむを得ず長期間保存した検体を用いる場合でも 最長 2 年以内のものを使用することを推奨します RNA 抽出の前に 検体中に腫瘍細胞が 30% 以上あることの確認を推奨します 新鮮凍結組織を用いる際は 医療機関の定める方法 または 各種規定 ( 例 : 日本病理学会ゲノム研究用病理組織検体取扱い規程 ) などを参照し 適切に取り扱ってください ( 例 : 手術検体を用いる際は 5 ミリ立方以上 気管支鏡による生検検体を用いる際は遺伝子解析が実施可能と考えられる充分量 ( 生検検体 2~3 個以上が望ましい ) の組織を -80 凍結保存 ただし 組織内の腫瘍細胞の存在を病理学的に確認する ) -2 細胞診検体 細胞診検体 ( 胸水 気管支洗浄液またはこのペレット 気管支洗浄に用いた器具洗浄液またはこのペレット など ) を用いる際は FFPE 検体及び新鮮凍結組織を用いる際と同様に 腫瘍細胞が存在するかどうかを確認することが重要です 医療機関の定める病理学的な方法 ( 例 : セルブロック 塗抹標本 などを用いた細胞診検査 ) や EGFR 遺伝子変異検査の手引き最新版 ; 日本肺癌学会バイオマーカー委員会などを参照し 腫瘍細胞の存在を適切に確認してください -3 全検体種 (FFPE 検体 新鮮凍結組織 細胞診検体 ) 検査には 質及び量の良好な RNA を使用することが大切です 検体から RNA を抽出後 分光光度計により吸光度 (OD) を測定して RNA 濃度を算出してください 以下の基準を満たす RNA 溶液を使用することを推奨します 総 RNA 濃度 50~800ng/μL OD 260/OD 280 値.9~2. RNA は分解されやすいため 採取 保管 運搬などについて 注意してください 検体から RNA を抽出後 すぐに検査を行わない場合は -70 で保管し 週間以内に使用してください RNA の逆転写反応の後 すぐに PCR を行わない場合は cdna 溶液を -20±5 で保管し 週間以内に使用してください 2. 検体の調製法 2- 総 RNA 抽出 検体の種類に応じた任意の RNA 抽出キットを用いて検体より RNA を抽出します ( 推奨 RNA 濃度は 50 ~ 800ng/μL) 操作方法は使用する RNA 抽出キットの取扱説明書に従ってください RNA の抽出操作は PCR 増幅物などを取り扱う区域とは区別された区域で行ってください RNA 抽出を行う区域は DNA 抽出のための RNase を取り扱う区域とは厳密に区別し 作業者の移動などにも配慮してください 区別された区域ごとに 区別された専用のピペット及びフィルター付きピペットチップを用いることを推奨します RNA は 試料や操作者に由来するヒトの皮膚 唾液などに含まれる RNase により容易に分解され 測定結果に誤りが生じることが考えられます RNA 抽出及び取り扱いの作業時は必ず手袋 専用の作業着 マスク及び帽子を着用してください クロスコンタミネーションに十分注意し エアロゾルの発生やキャップの開閉時の手袋からの汚染を避けるなどに注意してください 特に 複数の検体を同時に取り扱う際は 検体ごとにキャップの開閉 分注を完了してください 2-2 吸光度の測定 吸光度測定は NanoDrop UV-Vis Spectrophotometer (ND-2000) を使うと少ない検体量での測定が可能です 正確な検査のため 2 重測定を行ってください 3. 妨害物質 妨害薬剤 ROS 野生型 GOPC-ROS 融合型 及び SLC34A2-ROS 融合型の細胞株を用いて作製した FFPE 検体由来の RNA 及び非小細胞肺癌患者の FFPE 検体由来の RNA を用いて検討を行ったところ トリグリセライド 74mmol/L まで影響は認められませんでした また オキシヘモグロビン 4 g/l まで検討したところ最大 程度の Ct 値の上昇が観察されましたが 検討した条件下では検査結果への影響はありませんでした 用法 用量 ( 操作方法 ). 試薬の調製方法 各試薬は解凍後 十分に混和してから そのまま使用してください 2. 別途必要な器具 器材 試薬等 RNA 抽出キット [ 推奨品 ] AmoyDx FFPE RNA Kit( アモイダイアグノスティクス社 Cat. No. ADx-FF04) RNeasy FFPE Kit( 株式会社キアゲン Cat. No. 73504); ただし FFPE の場合 AllPrep DNA/RNA Mini Kit( 株式会社キアゲン Cat. No. 80204 など ); ただし未固定凍結検体 細胞診検体の場合 * リアルタイム PCR 装置 マイクロ遠心機 ボルテックスミキサー プレート遠心機 ( プレートを使用する場合 ) 反応用チューブ ( ヌクレアーゼフリー ): 逆転写反応 試薬混合用 PCR 用のチューブあるいはプレート型チューブ及びキャップあるいはシール ( 各リアルタイム PCR 装置に適合するもの ) 試薬の混合及び反応液調製に用いるピペット ピペットチップ ( フィルター付きヌクレアーゼフリー ) 水 (PCR 専用水 ): コントロール (NTC :No Template Control) として用います 3. 操作方法 3- RNA の抽出 操作上の注意 2- 総 RNA 抽出 を参考に 生体由来の検体から総 RNA を抽出します 3-2 逆転写反応 () 検体あたり ROS 逆転写反応 Mix 8.5μL 及び ROS 逆転写酵素 0.5μL をチューブに取り 試薬をよく混和します (2) 試薬が入ったチューブに RNA 溶液を 6μL 添加し よく混和します (3) チューブを 42 で 時間反応させます (4) チューブを 95 に加熱して 5 分間静置した後 氷冷します ボルテックスミキサーで器壁についた水滴を混ぜ合わせ遠心してチューブの底に溶液を集めます この反応によって得られた cdna 溶液を PCR の検体とします -3-

3-3 PCR () 下表 2 の割合で必要量の試薬をチューブに取り 試薬混合液 ~4 を調製します 表 2. 試薬混合液 ~4の調製 ( 検体分 ) ROS 反応 Mix(~4) 35μL ROS 酵素 Mix 0.3μL (2) ボルテックスミキサーなどで軽く混ぜ合わせ (5 秒以内 ) 遠心により溶液をチューブの底に集めます (3) 各検体とコントロール ( 陽性コントロール :PC No Template コントロール :NTC の 2 種 ) につき 4 本の PCR 用チューブを準備し ( 検体の場合は合計 2 本 検体増えるごとに 4 本ずつ増えます ) 手順 () で調製した 4 種類の試薬混合液 ~4 を 35μL ずつ添加します ( 以降 試薬混合液 ~4 を入れたチューブを チューブ ~ チューブ 4 と呼びます ) (4) チューブ ~ チューブ 4 に検体の cdna 溶液を 5μL ずつ添加します PC には陽性コントロールを 5μL 添加します また NTC には PCR 専用水を 5μL 添加します 注 : この時 各チューブに添加した溶液の全量が 40μL ( 試薬混合液 ~435μL+ 検体またはコントロール 5μL) あることを確認してください (5) 各チューブに蓋をしてボルテックスミキサーなどで穏やかに攪拌し試薬液と cdna 液とをよく混ぜ合わせます 遠心操作により溶液全体をチューブの底に集めてください 注 : 試薬及び検体をここでよく混和することが大切です (6) 各チューブを使用するリアルタイム PCR 装置内にセットします 表 3. プレート配置の例 (2テストの場合) チューブ No. 2 3 4 5 6 7 検体 検体 3 検体 5 検体 7 検体 9 検体 NTC 2 検体 検体 3 検体 5 検体 7 検体 9 検体 NTC 3 検体 検体 3 検体 5 検体 7 検体 9 検体 NTC 4 検体 検体 3 検体 5 検体 7 検体 9 検体 NTC 検体 2 検体 4 検体 6 検体 8 検体 0 検体 2 PC 2 検体 2 検体 4 検体 6 検体 8 検体 0 検体 2 PC 3 検体 2 検体 4 検体 6 検体 8 検体 0 検体 2 PC 4 検体 2 検体 4 検体 6 検体 8 検体 0 検体 2 PC (7) 使用するリアルタイム PCR の取扱説明書に従って 以下の条件でリアルタイム PCR を行います 95 5 分 95 25 秒 64 20 秒 5 サイクル 72 20 秒 93 25 秒 60 35 秒 ( ) 3 サイクル 72 20 秒 の箇所で 下表 4の波長でFAM 及びHEX(VIC) の蛍光強度を測定します 表 4. 測定波長 FAM 494nm の励起光から得られた 58nm における蛍光強度 HEX 535nm の励起光から得られた 556nm における蛍光強度 VIC 538nm の励起光から得られた 554nm における蛍光強度注 : サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社のリアルタイムPCR 装置を使用する場合は 以下のように設定してください Reporter Dye: FAM 及びVIC Quencher Dye: TAMRA Passive Reference: NONE (8) 判定方法に従い 結果を判定します 測定結果の判定法. 増幅曲線の作成と判定の準備 第 2 段階の PCR の各サイクルで測定した蛍光強度に基づき リアルタイム PCR 装置により増幅曲線が作成されます チューブ ~ チューブ 4 の FAM の蛍光は ROS 融合遺伝子の状態を チューブ 4 の HEX(VIC) の蛍光は検体中の参照遺伝子 (HPRT) の状態を表します 2. Ct 値の算出と結果の判定チューブ ~ チューブ 4 の FAM チャネル 及びチューブ 4 の HEX(VIC) チャネルの増幅曲線において蛍光強度が一定量以上となるサイクル数である Cycle threshold(ct) 値を求め この値に応じて以下のように結果を判定します () NTC 及び PC の Ct 値が以下の基準を満たすことを確認します 満たさない場合は 再検査を行ってください NTC のチューブ 4 の HEX(VIC) チャネル 及びチューブ ~ チューブ 4 の FAM チャネルの Ct 値は全て 30 以上であること PC のチューブ 4 の HEX(VIC) チャネル 及びチューブ ~ チューブ 4 の FAM チャネルの Ct 値は全て 24 未満であること (2) 検体のチューブ 4 の HEX(VIC) チャネルの Ct 値に応じて参照遺伝子の検査結果を確認します Ct 値が 20 以下の場合 次の手順に進みます Ct 値が 20 超の場合は再検査を推奨します ただし 次の手順で FAM チャネルの Ct 値が 30 未満であった場合は陽性と判定します (3) 検体のチューブ ~ チューブ 4 の FAM チャネルの Ct 値に応じて検査結果を判定します Ct 値が 30 未満の場合 陽性と判定します Ct 値が 30 以上の場合 陰性と判定します [ 判定上の注意 ] NTC において Ct 値が 30 未満であった場合はコンタミネーションの可能性がありますので データは全て破棄して再検査を行ってください PC の Ct 値が 24 以上の場合 ROS 陽性コントロールや他の試薬の入れ忘れの可能性 及びキットの品質劣化の恐れがありますので データは全て破棄し 再検査を行ってください キットの品質劣化が疑われる場合は キットを取り換えて再検査を行ってください 参照遺伝子の Ct 値が 20 超であった場合 RNA 量が不十分であったり断片化などにより増幅が十分に行われていない可能性があります この場合 検体から再度 RNA を抽出して再検査を行うことを推奨しますが いずれかのチューブの FAM チャネルの Ct 値が 30 未満であれば反応は正常に進行したとみなし 陽性と判定します 臨床的意義 本品は RT-PCR 法を原理として 検体から抽出した RNA 中の ROS 融合遺伝子 mrna を検出するキットです 本品は クリゾチニブの非小細胞肺癌患者への適応を判定するための補助を目的として用います ROS 融合遺伝子陽性非小細胞肺癌に関するクリゾチニブの治験成績概略 : 国際共同第 Ⅱ 相試験 (OO2-0 試験 ) 本品を用いて ROS 融合遺伝子陽性と判定された非小細胞肺癌患者 27 例 ( うち日本人患者 26 例 ) にクリゾチニブを投与した結果 主要評価項目である奏効率 (RECIST) は 69%(95% 信頼区間 :6% 77%) であり 臨床的に意義のある抗腫瘍効果を示した ( 独立判定委員会による評価 ) -4-

性能. 性能 用法 用量 ( 使用方法 ) 欄記載の方法に従って感度 正確性 同時再現性試験を行った時 以下の結果となります - 感度試験 4 種の陽性 DNA 管理検体を用いて検査を行うとき HEX (VIC) チャネルの Ct 値は 30 以上である また各 ROS 融合型塩基配列を検出する ROS 反応 Mix(~4) の FAM チャネルの Ct 値は 30 未満である -2 正確性試験 4 種の陽性 RNA 管理検体を用いて検査を行うとき HEX (VIC) チャネルの Ct 値は 30 以上である また各 ROS 融合型塩基配列を検出する ROS 反応 Mix(~4) の FAM チャネルの Ct 値は 30 未満である 陰性 DNA 管理検体を用いて検査を行うとき HEX(VIC) 及び FAM チャネルの Ct 値は 30 以上である 陰性 RNA 管理検体を用いて検査を行うとき HEX(VIC) チャネルの Ct 値は 20 以下である また FAM チャネルの Ct 値は 30 以上である -3 同時再現性試験 弱陽性コントロール及び強陽性コントロールを用いて それぞれ 0 回同時に検査を行うとき 弱陽性コントロールの HEX(VIC) 及び FAM チャネルの Ct 値は全て 27 未満であり 強陽性コントロールの HEX(VIC) 及び FAM チャネルの Ct 値は全て 24 未満である また Ct 値の変動係数 (CV%) は 0% 以下である 管理検体 陽性 DNA 管理検体 : 検出対象の ROS 融合型塩基配列を含有する 4 種の精製プラスミド DNA( 濃度 : 検査反応あたり 25 コピー ) 陽性 RNA 管理検体 : 検出対象の ROS 融合型塩基配列を含有する 4 種のタンパク被覆一本鎖 RNA 陰性 DNA 管理検体 : 本品陰性のヒト由来 DNA 陰性 RNA 管理検体 : 本品陰性のヒト由来 RNA 弱陽性コントロール : 検出対象の ROS 融合型塩基配列を含有する 4 種の精製プラスミド DNA と HPRT 遺伝子由来の標的配列を含有する精製プラスミド DNA の混合液 ( 各成分の濃度 : 検査反応あたり 500 コピー ) 強陽性コントロール : 検出対象の ROS 融合型塩基配列を含有する 4 種の精製プラスミド DNA と HPRT 遺伝子由来の標的配列を含有する精製プラスミド DNA の混合液 ( 各成分の濃度 : 検査反応あたり 5000 コピー ) 2. 最小検出感度 2- ROS 融合型塩基配列を含有する精製プラスミド DNA 検出対象の ROS 融合型塩基配列を含有する 4 種の精製プラスミド DNA を用いて検討を行ったところ 検査反応あたり 25 コピーで安定的に検出されました 2-2 ROS 融合 RNA 含有率 ROS 野生型 及び GOPC-ROS 融合型の細胞株から RNA を抽出して一定濃度に調製し 様々な比率で ROS 融合型細胞由来の RNA を含有するように混合したものを検体として用いて検討を行ったところ 本品により 95% の確率で陽性判定が可能な検体の ROS 融合 RNA 含有率 (LoD C 95) は下表 5 の通りでした 表 5. 各 RNA 濃度におけるGOPC-ROS 検出のLoD C95 RNA 濃度 [ng/μl] LoD C 95( 融合 RNA 含有率 ) 0. 8.084%.84% 0 0.46% 20 0.54% 200 0.007% 400 0.003% 注 : 本試験は 本品の検出対象の ROS 融合のうち GOPC- ROS 融合を有する新鮮な細胞株を用いて行ったものです 臨床検体を用いた実使用時には 検体中の細胞の融合 RNA の発現量や総 RNA の発現量は本試験で用いた培養細胞のものとは異なることが予想されます また RNA の品質等の条件によっては本試験の結果よりも実際の感度が低くなる場合があります 3. 臨床性能試験結果 3- クリゾチニブの国際共同第 Ⅱ 相試験 (OO2-0 試験 ) 臨床的意義 欄を参照 3-2 FISH 法との一致率 クリゾチニブの国際共同第 Ⅱ 相試験 (OO2-0 試験 ) のスクリーニングを目的として採取された非小細胞肺癌患者 53 例の FFPE 検体を用いて 本品と事前に性能確認された ROS FISH 法による検査を行った結果 ROS 融合遺伝子または転座の有無に関する結果判定は全て一致しました 表 6. 本品とFISH 法の一致率 FISH 法 陽性 陰性 判定不可 合計 陽性 0 0 9 9 本品 陰性 0 32 2 34 合計 0 32 53 両法の結果が得られた42 例における一致率 : 陽性一致率:00%(0/0) 陰性一致率:00%(32/32) 全体一致率:00%(42/42) 3-3 海外臨床性能試験 中国において肺癌患者 007 例の FFPE 検体を用いて本品と Sanger DNA シーケンス法による検査を行った結果 ROS 融合遺伝子の有無に関する結果判定は全て一致しました 表 7. 本品と Sanger DNA シーケンス法の一致率 Sanger DNA シーケンス法 陽性 陰性 合計 陽性 40 0 40 本品 陰性 0 967 967 合計 40 967 007 検査結果の一致率 : 陽性一致率:00%(40/40) 陰性一致率:00%(967/967) 全体一致率:00%(007/007) 陽性 40 例において本品で陽性判定されたチューブ (~4) は Sanger DNA シーケンス法により判定された融合型と全て一致しました ( 下表 8) -5-

表 8. 陽性 40 例の判定結果 本品 Sanger DNA シーケンス法症例 ( 括弧内の数字はエキソンを示す ) 数 SLC34A2(3del2046)- ROS(32) 2 CD74(6)- ROS(32) SDC4(2)- ROS(32) 3 2 SLC34A2(3del2046)- ROS(34) 2 CD74(6)- ROS(34) 20 2 EZR(0)- ROS(34) 6 3 TPM3(8)- ROS(35) 3 LRIG3(6)- ROS(35) 4 3 GOPC(8)- ROS(35) 4 GOPC(4)- ROS(36) 2 合計 40 40 例中 例において CD74(6)- ROS(32) と CD74(6)- ROS(34) の双方が陽性判定されました 3-4 新鮮凍結組織または細胞診検体での試験成績 日本において 新鮮凍結組織または細胞診検体を用いて本品陽性と判定された非小細胞肺癌患者 50 例に対し 医療機関にて構築された ROS FISH 法による検査を行った結果 ROS 融合遺伝子または転座の有無に関する結果判定は良好な一致率を示しました 表 9. 新鮮凍結組織または細胞診検体での試験成績 医療機関の FISH 法 陽性 陰性 判定不可 合計 本品陽性 42 3 5 50 両法の結果が得られた45 例における一致率 : 陽性一致率:93.3%(42/45) FISH 法陰性の 3 例中 2 例は 設定された判定カットオフ値 (5% 以上の陽性細胞 ) 付近でした 残り 例ではごく一部の細胞でのみ分離シグナルが観察されました いずれもカットオフ値未満で陰性と判定されました 両法での結果判定の相違は 感度の違いによるものと考えられます 使用上または取扱い上の注意. 取扱い上 ( 危険防止 ) の注意 検体は感染の恐れがあるものとして取扱い 検査にあたっては使い捨て手袋 実験着などの保護衣を着用してください また 口によるピペッティングを行わないでください 試薬が誤って目や口に入った場合は 多量の水で十分に洗い流す等の応急処置を行い 必要があれば医師の手当等を受けてください 2. 使用上の注意 製造番号が異なるキットの試薬を混ぜて または組み合わせて使用しないでください 本製品及び各構成試薬は使用目的欄に記載の目的のみのために使用し ほかの目的に転用しないでください 添付文書に記載されていない試薬等の使用は推奨致しません コンタミネーションによる偽陽性の発生防止のため ROS 陽性コントロールは 試薬及び検体と厳重に区別して取り扱ってください また ROS 陽性コントロール飛散を避けるため 容器キャップの開閉にも注意してください 検査の際は 外因性ヌクレアーゼ (RNase DNase など ) が 本試薬 コントロール及び検体への混入を避けるよう注意してください 区別された区域 区域ごとの器具 機械 実験衣 手袋 マスクなどを用いるとともに 作業者の動線にも注意してください 本製品の試薬は解凍後十分混和してから使用してください 蛍光物質の退色による検査結果への影響を防ぐため 試薬及び反応液に強い光が当たらないように注意してください 使用後はすみやかに貯蔵方法に従って貯蔵してください 本製品による検査は トレーニングを受け検査法に精通した技術者のみが行ってください 本製品は低温で輸送してください また到着後は直ちに温度管理された冷凍庫に入れ 遮光して -20±5 で保管してください 試薬の不必要な凍結融解の繰り返しは避け 5 回を超えて凍結融解を行った試薬は使用しないでください 作業終了後は次亜塩素剤 ( 有効濃度 5,000ppm あるいは 0.5%) の液を用いて使用したピペットや実験台を清掃してください 開封後の試薬は遮光して -20±5 で保管し 8 か月以内か または キットの有効期間のいずれか早い期間内に使用してください 使用期限を過ぎた試薬は使用しないでください 3. 廃棄上の注意 検体や試薬の付着したチップは次亜塩素剤 ( 有効濃度 5,000ppm あるいは 0.5%) の液に浸して検体 RNA や ROS 陽性コントロールの DNA を分解したのちビニール袋を 2 重に施し 医療廃棄物として廃棄してください 反応後のチューブは決して開閉しないでください PCR キャリーオーバーコンタミネーションの原因になります また オートクレーブもしないでください 反応後のチューブはそのままビニール袋を 2 重に施し 医療廃棄物として廃棄してください 検体や試薬が飛散した場合 検査が終了した際には 検査台を次亜塩素剤 ( 有効濃度 5,000ppm あるいは 0.5%) にてふき取りと消毒を行ってください この次亜塩素剤は 各施設などの規定に従い 水などでふき取ってください 試薬及び器具類を廃棄する場合には 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 水質汚濁防止法等の規定 各施設及び自治体の廃棄物に関する規定に従って処理してください 貯蔵方法 有効期間. 貯蔵方法 遮光して -20±5 で保管してください 2. 有効期間 製造日から 2 か月使用期限はラベル及び外箱に記載してあります 包装単位 24 テスト用 主要文献 ) 自社データ 問い合わせ先 株式会社理研ジェネシス 4-0032 東京都品川区大崎一丁目 2 番 2 号アートヴィレッジ大崎セントラルタワー電話番号 : 03-5759-604 FAX 番号 : 03-5759-6043 製造販売元 株式会社理研ジェネシス 4-0032 東京都品川区大崎一丁目 2 番 2 号電話番号 : 03-5759-604 FAX 番号 : 03-5759-6043-6- 63-v.2