薬-1 長期収載品と後発品

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医療用医薬品の薬価基準収載等に係る取扱いについて(厚生労働省保険局医療課:H )

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資料の目的 平成 30 年 3 月 7 日の合同部会において 費用対効果評価に関する検討を進めるにあたり 科学的な事項については 医療経済学等に関する有識者による検討を行い 中医協の議論に活用することとされた 本資料は 当該分野の有識者による検討を行い 科学的な観点から参考となる考え方やデータを提示

301226更新 (薬局)平成29 年度に実施した個別指導指摘事項(溶け込み)

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院日数 10 円医療機関別係数はその病院の機能及び過去の算定実績により設定されている また 各診断群の平均の在院日数より早く退院した場合は 1 日当たりの点数が高くなるよう設定されている また その後も診断群分類の精緻化がなされ 支払対象の分類数は 2014 年 4 月現在で 2,873 に変更され

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260401【厚生局宛て】施行通知

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タイトル

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講演 3 本体報酬については 基本診療料と調剤基本料という 一番見えやすいものに上乗せをしようということになりました 過去 2 回 診療報酬のうち36 項目に上乗せがなされましたが 少し見えにくく 16 年経って環境も変わっていることから 今度は比較的見えやすいものに上乗せが決まったのではないかとい

Transcription:

中医協薬 - 1 2 5. 1 1. 2 0 長期収載品と後発品 ~ 後発品への置換えによる財政効果並びに長期収載品及び新薬創出 適応外薬解消等促進加算 ~

中間とりまとめ ( 抜粋 ) 中間とりまとめの閾値について 中医協薬 -1 25.11.13 2. 長期収載品 ( 先発医薬品 ) の薬価及び後発品への置き換えについてイ ) 長期収載品の薬価については 市場実勢価格を反映することを原則とするが 一定期間を経ても後発品への適切な置き換えが図られていない場合には 特例的な引き下げを行い 薬価を見直すというルールを導入することとする また 新薬創出 適応外薬解消等促進加算について その効果を十分に検証した上で 導入についても併せて議論することとする 論点一定期間とは どの程度の期間とすることが適当か 適切な置き換えとは 何 % 位の置き換えが適当か 特例的な引き下げ幅は 何 % 位が適当か 議論の方向性 一定期間 及び 適切な置き換え については 後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ の目標を参考にしてはどうか 特例的な引き下げ幅 については 新薬創出 適応外薬等解消等促進加算額 と 初めて後発品が薬価収載された既収載品の薬価の改定の特例 に加え 後発品への置換えによる医療費適正効果の額 も併せて検討してはどうか 2

新薬創出 適応外薬解消等促進加算の検証 平成 24 年度薬価制度改革の骨子 ( 抜粋 ) 第 2 具体的内容 4. 新薬創出 適応外薬解消等促進加算前略 別紙の通り一部改正した上で 実施することとする ( 別紙 ) 新薬創出 適応外薬解消等促進加算 3. 仕組みの検証 評価 (1) 次々期 ( 平成 26 年度 ) 薬価改定時には 新薬創出等加算を一定額以上受けているが開発要請等を受けていないことについて 業界全体の取り組みについて検証するとともに 公募品目に対応する等開発への具体的な貢献を確認し 不適切と判断された企業については 当該企業が製造販売する新薬については 加算を適用せず これまで加算された分を 市場実勢価格に基づく算定値から追加して引き下げた薬価とする (2) ドラッグラグ解消の指標については 真に医療の質の向上に貢献する医薬品の国内開発状況の確認などが考えられるが この妥当性も含めどのような指標が適当か検討し その指標に基づく対応状況を 真に医療の質の向上に貢献する医薬品を世界に先駆け国内開発したことに対する評価も含め検証する (3) 新薬創出等加算返還分や 22 年度試行導入時の長期収載品の追加引き下げ効果も含めた財政負担への影響については 次々期 ( 平成 26 年度 ) 薬価制度改革の議論のなかで再度検証する 3

後発品医薬品への置換えによる医療費適正効果額の推計 以下の方法に基づく推計から 平成 17 年度 ~23 年度のレトロスペクティブな医療費適正効果額は 単調に増加しており 年額 2000~4000 程度となっていると考えられる < 推計方法と考え方 > 各年度の薬価調査の結果から 取引された全ての後発医薬品について 個別に対応する先発医薬品 ( 同一剤形 規格の先発医薬品 ) が取引されていた場合を仮想し 実際の取引額 ( 後発医薬品の薬価ベース ) と仮想の取引額 ( 先発医薬品の薬価ベース ) の差を後発医薬品への置換えによる医療費適正効果額とした 後発医薬品の独自剤形や独自規格など 後発医薬品と同一剤形 規格の先発医薬品が存在しない品目については除外している また 同一剤形 規格で複数価格の先発医薬品がある品目については 最高額と最低額の先発医薬品に置き換えた場合の医療費適正効果額を算出し 効果額を範囲 ( 例 : - ) とした 年間医療費適正効果額については 単月医療費適正効果額の 12 倍とした H17 年度 H19 年度 H21 年度 H23 年度 後発品販売額 ( 月 ) 153 183 284 334 単位 : 推定先発相当額 ( 月 ) 337-323 397-383 587-569 678-671 適正効果額 ( 月 ) 183-169 214-200 303-285 344-337 年間適正効果額 2,201-2,033 2,569-2,398 3,637-3,423 4,128-4,045 年間平均効果額 2,117 2,484 3,530 4,087 4

後発医薬品への置換えによる医療費適正効果額と H22 年 H24 年 H26 年 700 690 3,500 後発医薬品への置換えによる医療費適正効果額 H21 年度薬価調査より 4,100 (H22 年度からの増加分 600 ) 後発医薬品への置換えによる医療費適正効果額 H23 年度薬価調査より? 後発医薬品への置換えによる医療費適正効果額 H25 年度薬価調査より 5

財政影響の検証 ~ 後発品置換えによる医療費適正効果で見た場合 ~ H22 年 H24 年 H26 年 700 3,500 後発医薬品への置換えによる医療費適正効果額 H21 年度薬価調査より 690 130 4,100 (H22 年度からの増加分 600 ) 後発医薬品への置換えによる医療費削減額 H23 年度薬価調査より 新薬創出 適応外薬解消等促進加算にかかる返還額?? 後発医薬品への置換えによる医療費削減額 H25 年度薬価調査より 230 Z 別掲 590 追加引下げ 240 後発医薬品の置換え目標未達に係る措置 250 Z Z/Z2 Z: 初めて後発品が薬価収載された既収載品の薬価の改定の特例 Z2: 中間とりまとめで検討されている長期収載品の引下げ 追加引下げ 6

新薬創出 適応外薬解消等促進加算 が適用された新薬の薬価算定の薬価の推移のイメージ 薬価 先発 A 円 当該加算の対象となった新薬の薬価 当該加算分 中医協薬 -1 25.11.13 同様の目的の特例引下げ制度 当該加算の対象とならなかった場合の新薬の薬価 ( 現行制度における新薬の薬価 ) 当該先発品の 特例引き下げ分 Z 新たに導入が検討されている長期収載品の特例引き下げ分 Z2 新薬の薬価収載 後発品上市又は薬価収載 15 年 新規後発品が上市された後の最初の薬価改定 時間 7

先発品薬価 新規後発品が上市された先発品の薬価推移 ~Z2 のイメージ ~ <1~3 の解説 > 後発品上市後 5 年を経過した後 最初の改定において判定基準 ( 先発品占有率 40) を 1 クリア :Z2 を適用しない 2 クリアせず 次の改定でクリア :1 回 Z2 適用 3 二回ともクリアせず :22 回 Z2 適用 Z2 検討中の長期収載品の引下げ分 1 新規後発品が上市された後の最初の薬価改定 Z2 検討中の長期収載品の引下げ分 2 3 先発品占有率 40% 判定 判定 3 2 1 時間 時間 8

財政影響の検証 後発品置換え効果は 後発品の販売数量に関して 先発品と後発品の薬価の差額に相当する薬剤費削減効果として算出されているため 単なる薬価調査の結果からはわからない 後発品置換え目標未達時の措置として平成 22 年及び 24 年に行われた 追加引き下げ 今般 新たに導入される 長期収載品の特例的な引下げ (Z2) は収支計算上に出てくる顕在的な薬剤費削減効果値 1 新薬等加算の返還分 2 後発置換え額 3 初めて後発品が出たときの先発品の特例引下げ分 (Z) 及び 4 長期収載品の引下げ (Z2) により 新薬創出 適応外薬解消等促進加算の財政影響とともに Z2 における削減率を検討してはどうか また 同趣旨の制度である Z と Z2 についてどう考えるか 9