現課程の高校生の実態

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3-1. 新学習指導要領実施後の変化 新学習指導要領の実施により で言語活動が増加 新学習指導要領の実施によるでの教育活動の変化についてたずねた 新学習指導要領で提唱されている活動の中でも 増えた ( かなり増えた + 少し増えた ) との回答が最も多かったのは 言語活動 の 64.8% であった

この章のポイント 高校での指導の実態からみる高校教育の課題 Benesse 教育研究開発センター研究員 岡部悟志 解説の時間 が中心の高校での授業中学校から高校にかけて生徒が様々なとまどいを感じていることは第 1 章で確認した通りだが その背景には中学校と高校とで大きく異なる指導の実態がありそうだ

報道関係各位 2012 年 1 月 25 日 株式会社ベネッセコーポレーション 代表取締役社長福島保 高校受験調査 ~ 高校 1 年生は自らの高校受験をどのように振り返っているのか ~ 高校受験を通じて やればできると自信がついた 71% 一方で もっと勉強しておけばよかった 65% 株式会社ベネッ

本日 2012 年 2 月 15 日の記者説明会でのご報告内容をお送りいたします 文部科学省記者会でも配布しております 報道関係各位 2012 年 2 月 15 日 株式会社ベネッセコーポレーション代表取締役社長福島保 新教育課程に関する校長 教員調査 新教育課程に関する保護者調査 小学校授業 国語

A Research on Can-do Abilities and Ways of Teaching across Korea, China, and Japan

(2) 学習指導要領の領域別の平均正答率 1 小学校国語 A (%) 学習指導要領の領域 領 域 話すこと 聞くこと 66.6(69.2) 77.0(79.2) 書くこと 61.8(60.6) 69.3(72.8) 読むこと 69.9(70.2) 77.4(78.5) 伝統的な言語文化等 78.3(

Taro-① 平成30年度全国学力・学習状況調査の結果の概要について

Water Sunshine

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

平成28年度「英語教育実施状況調査」の結果について

資料1 団体ヒアリング資料(ベネッセ教育総合研究所)

調査結果概要

2017 年 9 月 8 日 このリリースは文部科学記者会でも発表しています 報道関係各位 株式会社イーオンイーオン 中学 高校の英語教師を対象とした 中高における英語教育実態調査 2017 を実施 英会話教室を運営する株式会社イーオン ( 本社 : 東京都新宿区 代表取締役 : 三宅義和 以下 イ

小学生の英語学習に関する調査

の間で動いています 今年度は特に中学校の数学 A 区分 ( 知識 に関する問題 ) の平均正答率が全 国の平均正答率より 2.4 ポイント上回り 高い正答率となっています <H9 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平

2 調査結果 (1) 教科に関する調査結果 全体の平均正答率では, 小 5, 中 2の全ての教科で 全国的期待値 ( 参考値 ) ( 以下 全国値 という ) との5ポイント以上の有意差は見られなかった 基礎 基本 については,5ポイント以上の有意差は見られなかったものの, 小 5 中 2ともに,

資料3 高校生を取り巻く状況について

5 教5-1 教員の勤務時間と意識表 5 1 ( 平均時間 経年比較 教員年齢別 ) 中学校教員 調査年 25 歳以下 26 ~ 30 歳 31 ~ 40 歳 41 ~ 50 歳 51 ~ 60 歳 7:22 7:25 7:31 7:30 7:33 7:16 7:15 7:23 7:27 7:25

家庭における教育

< DDD8A7790B E90B688C88A4F816A B83678F578C762E786C7378>

< F C18D E93788EF38D7590B B CC8F578C76834F E786C73>

B 学校の授業をどのくらい理解していますか ( わかっていますか ) 次にあげる学校の勉強方法は どのくらい好きですか 10) 総合的な学習の時間 1) 国語 2) 社会 3) 算数 4) 理科 5) 外国語 ( 英語 ) 活動 [2] あなたの学校での授業についておききします A 1) 先生が黒板

M28_回答結果集計(生徒質問紙<グラフ>)(全国(地域規模別)-生徒(公立)).xlsx

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

別紙様式7

①H28公表資料p.1~2

この章のポイント 良好な人間関係を志向し 学びに向かいにくい高校生が増加 Benesse 教育研究開発センター VIEW21 編集長 小泉和義 学習への意識は2 極化が進む高校生の平日の学習時間は 1990 年から 2006 年にかけて 全体的に減少している そのなかでとくに着目したい点は 偏差値

別紙様式7

平成16年度小学校及び中学校教育課程研究協議会報告書

学生確保の見通し等を記載した書類2

調査の概要調査方法 : インターネットによる調査調査対象 : 全国のイーオンキッズに通う小学生のお子様をお持ちの保護者 500 名全国の英会話教室に通っていない小学生のお子様をお持ちの保護者 500 名計 1,000 名調査実施期間 : イーオン保護者 :2017 年 4 月 1 日 ( 土 )~

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

<2020 年度における高校 3 年生がその年度の 4 月 ~12 月に受検する試験について > 必須回答 Q1. 参加試験について 貴校に在籍する現在の高校 1 年生が 3 年生になった際 大学入学者選抜に用いるため どの試験をどの月に受検すると予測されますか 大学進学を希望する生徒について 黄色


1. 調査結果の概況 (1) の児童 ( 小学校 ) の状況 < 国語 A> 今年度より, ( 公立 ) と市町村立の平均正答率は整数値で表示となりました < 国語 B> 4 国語 A 平均正答率 5 国語 B 平均正答率 ( 公立 ) 74.8 ( 公立 ) 57.5 ( 公立 ) 74 ( 公立

2.3.事前に調べておこう

小学校の結果は 国語 B 算数 A で全国平均正答率を上回っており 改善傾向が見られる しかし 国語 A 算数 B では依然として全国平均正答率を下回っており 課題が残る 中学校の結果は 国語 B 以外の教科で全国平均正答率を上回った ア平成 26 年度全国学力 学習状況調査における宇部市の平均正答

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

Microsoft Word - 医療学科AP(0613修正マスタ).docx

2017 年 12 月 19 日 報道者各位 プレスリリース ~ 中学受験まであと 2 ヵ月 ~ 中高一貫校生の得意苦手科目 勉強時間 に関する調査得意科目 苦手科目ともに 数学 が 1 位 中だるみ中高一貫校生の成績を跳ね上げる 個別指導塾 WAYS を運営する株式会社メイツ ( 所在地 : 東京

前橋育英高等学校 生徒募集要項 2017

組合員対象 奨学金制度に関するアンケート の集計状況 1. はじめに調査概要とサンプル特性について < 調査概要 > 調査実施期間 2016 年 11 月 16 日 ~12 月 28 日 調査対象 全国の国公立および私立大学の学部学生 院生 回収数 1,745 有効回答数 文責 : 加藤

平成 30 年度全国学力 学習状況調査の結果について ( 速報 ) 1. 調査の概要 実施日平成 30 年 4 月 17 日 ( 火 ) 調査内容 1 教科に関する調査 ( 国語 A 国語 B 算数 数学 A 算数 数学 B 理科 (3 年に 1 回 )) A 問題 : 主として知識に関する問題 B

平成 26 年度生徒アンケート 浦和北高校へ入学してよかったと感じている 1: 当てはまる 2: だいたい当てはまる 3: あまり当てはまらない 4: 当てはまらない 5: 分からない 私の進路や興味に応じた科目を選択でき

今年度は 創立 125 周年 です 平成 29 年度 12 月号杉並区立杉並第三小学校 杉並区高円寺南 TEL FAX 杉三小の子

国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている

言語は人とコミュニケーションを取るためにあるものだが 実際に使うために学んでいるのではなく受験で格差をつけるために日本人は英語を学習している 日本人で英語を話せる人がより増えるようにするためには 実際に使える英語 を学び 英語を学ぶ目的を明確にさせれば良い 3 方法 日本 韓国 中国 ( 都市部 )

高等学校における英語教育の現状と今後の方向性

図表 私立中学校に進学した理由 ( 中学 2 年生 ): 生活困難度別 % 66.8% 68.5% 66.9% 47.2% 48.9% 41.1% 41.7% 30.4% 27.5% 21.1% % 17.9% 13.1% 10.4% 10.8

回答結果については 回答校 36 校の過去 3 年間の卒業生に占める大学 短大進学者率 現役 浪人含む 及び就職希望者率の平均値をもとに 進学校 中堅校 就職多数校 それぞれ 12 校ずつに分類し 全体の結果とともにまとめた ここでは 生徒対象質問紙のうち 授業外の学習時間 に関連する回答結果のみ掲

Microsoft Word 年度入学時調査報告.docx

2 全国 埼玉県 狭山市の平均正答率 ( 教科に関する調査の結果 ) ( 単位 %) (1) 小学校第 6 学年 教科ごとの区分 教科 狭山市 埼玉県 全国 国語 A 国語 B 算数 A 算数 B 学習指導要領の

平成27年度公立小・中学校における教育課程の編成実施状況調査結果について

(3) 将来の夢や目標を持っていますか 平成 29 年度 平成 28 年度 平成

3. 一般入試における大学入試センター試験の利用教科 科目及び個別学力検査等の出題教科 科目について 教科 科目名等大学入試センター試験の利用教科 科目名個別学力検査等 ( 前期日程 ) 個別学力検査等 ( 後期日程 ) 学部 学科 課程等教科科目名等 注 教科科目名等教科科目名等国語 国語 人間形

別紙様式7

B 学校の授業をどのくらい理解していますか ( わかっていますか ) 10) 総合的な学習の時間 1) 国語 2) 社会 3) 数学 4) 理科 5) 英語 [3] あなたの学校での授業についてうかがいます A 1) 先生が黒板を使いながら教えてくれる授業 あなたは次にあげる学校の勉強方法が どのく

2018 年 9 月 3 日 このリリースは文部科学記者会でも発表しています 報道関係各位 株式会社イーオンイーオン 中学 高校の英語教師を対象とした 中高における英語教育実態調査 2018 を実施 英会話教室を運営する株式会社イーオン ( 本社 : 東京都新宿区 代表取締役 : 三宅義和 以下 イ

世の中の人は信頼できる と回答した子どもは約 4 割 社会には違う考え方の人がいるほうがよい の比率は どの学年でも 8 割台と高い 一方で 自分の都合 よりみんなの都合を優先させるべきだ は 中 1 生から高 3 生にかけて約 15 ポイント低下して 5 割台にな り 世の中の人は信頼できる も

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

九州女子入試要項13(Y書体置換).indd

別表第 1 平成 30 年度首都大学東京入学者選抜の実施教科 科目等について 個別学力検査等 欄の科目名は 平成 21 年 3 月に告示された高等学校学習指導要領に対応しています 学部 学科名 学力検査等の区分 日程 教科 大学入試センター試験の利用教科 科目名 科目名等 教科等 個別学力検査等 科

(4) 学校の規則を守っていますか (5) いじめは, どんな理由があってもいけないことだと思いますか

推薦試験 ( 公募制 ) 募 集 人 員 296 名 出 願 資 格 高等学校若しくは中等教育学校を平成 31 年 3 月に卒業見込みの者で 次の 1~6の条件のいずれかを満たし かつ 学校長の推薦を受けたもの 1 全体の評定平均値が3.3 以上の者 2 皆勤の者 3 課外活動 ( 文化活動 体育活

B 学校の授業をどのくらい理解していますか ( わかっていますか ) 9) 総合的な学習の時間 1) 国語 2) 地歴 公民 * は 社会 3) 数学 4) 理科 5) 英語 [3] あなたの学校での授業についてうかがいます A 1) 先生が黒板を使いながら教える授業 あなたは 次にあげる学校の勉強

18 歳人口予測 ( 全体 : :217~228 年 ) 年 45,961 人 228 年 4,98 人 (5,863 人減少 ) は 12 年間で 5,863 人 12.8% 減少し 全国の減少率 9.6% を 3.2 ポイント上回る 223 年に 41,13 人まで減少した後 224

推薦入試 ( 単願 ) 平成 26 年 01 月 09 日 ( 木 ) 募集コース :α コース β コース (β 7 β 6) 募集人数 :250 名 一般入試 ( 単願 併願 ) 併願型推薦入試 ( 千葉県受験者 ) 平成 26 年 01 月 16 日 ( 木 ) 募集コース :α コース β

27年センター試験実施概要|旺文社教育情報センター

(2) あなたは選挙権年齢が 18 歳以上 に引き下げられたことに 賛成ですか 反対ですか 年齢ごとにバラツキはあるものの概ね 4 割超の人は好意的に受け止めている ここでも 18 歳の選択率が最も高く 5 割を超えている (52.4%) ただ 全体の 1/3 は わからない と答えている 選択肢や

❷ 学校の宿題をする時間 宿題に取り組む時間は すべての学年で増加した 第 1 回調査と比較すると すべての学年で宿題をする時間は増えている 宿題に取り組むはおよ そ 40~50 分で学年による変化は小さいが 宿題を しない 割合はになると増加し 学年が上がるに つれて宿題を長時間する生徒としない生

( その 1) 等の配点等 試験の区分国語地歴公民数学理科 外国語小論文実技面接配点合計 その他の選抜方法等 * * 1, 2 指定校推薦 社会人 計 * * 1, 2 1, 1, 2 計 1, 2 1, 1, 2 * * 指定校推薦 社会人 計 * * 1, 2 1, 1, 2 計 1, 2 1,

【資料5】小中高等学校における外国語教育の現状

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解禁日時新聞平成 30 年 8 月 1 日朝刊テレビ ラジオ インターネット平成 30 年 7 月 31 日午後 5 時以降 報道資料 年月日 平成 30 年 7 月 31 日 ( 火 ) 担当課 学校教育課 担当者 義務教育係 垣内 宏志 富倉 勇 TEL 直通 内線 5

調査概要 基本属性 調査の枠組み 調査概要 調査テーマ中高生の英語学習の実態と意識に関する調査 調査方法郵送法による自記式質問紙調査 調査時期 2014 年 3 月 調査対象全国の中 1 生 ~ 高 3 生 6,294 名 ( 有効回答数 ) * 中 1 生 1,057 名中 2 生 1,028 名

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

Microsoft PowerPoint - syogaku [互換モード]

3. 分析と結果 公表に対する配慮事項 公表に際しては 文部科学省が定めた平成 29 年度全国学力 学習状況調査実施要領に基づき 次の点に配慮して実施します 1) 本調査は 太子町の子どもたちの学力や学習状況を把握し分析することにより 全国 大阪府の状況との関係において教育及び教育施策の成果と課題を

国際商経学部推薦入試 ( グローバルビジネスコース ) 学科 募集人員国際商経学科 ( グローバルビジネスコース ) 20 名 出願期間平成 30 年 11 月 1 日 ( 木 )~ 平成 30 年 11 月 7 日 ( 水 ) 入学考査日平成 30 年 11 月 25 日 ( 日 ) 合格発表日平

PowerPoint プレゼンテーション

本調査では 学習時間を十分に取っている子どもほど学業成績がよいという結果が明らかになりました 学習の 量 と 成績 は ある程度比例します この意味で 一定の学習時間を確保することは 学力を高めるのに重要な要素といえます しかし一方で 相対的に短い学習時間でも 学習方法の工夫によって成果を上げること

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

5-1. 高大連携活動の実施状況 高校生のの通常授業の履修 聴講が入学後にの単位となる制度を 15% が実施 高大連携活動としてたずねた項目のうち 多く実施されているのは 高校への出張授業 93.5% 次いで オープンキャンパス以外の高校生向けの公開講座 授業 ( 高校での単位付与なし ) 69.0

2019 年 2 月 12 日株式会社ベネッセホールディングス代表取締役社長安達保 進研ゼミ 受講費内で英語検定試験対策や入試対策も! 学年を超え英語 4 技能を学ぶ 12 段階習熟度別トレーニンク 導入 ~2019 年 4 月号教材から小中高講座で提供開始 ~ 株式会社ベネッセホールディングスの子

平成20年度AO入試基本方針(案)

123

平成 28 年度大分大学入学者選抜における実施教科 科目等について ( 予告 ) 平成 27 年 8 月大分大学 平成 28 年度入学者選抜 ( 一般入試 大学入試センター試験を課す推薦入試及びAO 入試 ) における大学入試センター試験の利用教科 科目及び個別学力検査等の出題教科 科目については,

国語 B 柏原 埼玉県 全国 話すこと 聞くこと 書くこと 読むこと 算数 A 柏原 埼玉県 全国 数と計算 量と測定 図形 数量関係 算数 B 柏原 埼玉県 全国

調査結果からみえてきたことこの調査は 大入試センター試験がスタートし 受験競争の弊害や詰め込み教育が問題視されていた 1990 年に開始しました その後 国の方針がゆとり教育へシフトしましたが 2000 年前後の力低下論争を経て 再度 力向上路線へと転換しました 変動の 25 年の中で 子どものびが

資料5 TIMSS2007関連資料

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

 

春期教務だより  特別号

Microsoft Word - 調査書等中学校先生記入用紙.docx

公式WEBサイト_取得できる免許・資格(H27入学生~)Ver_02

問 1 貴校のこれまでの外国語活動の取り組みについて あてはまるもの 1 つを選んでください 本調査のサンプル数 1530 校のうち もっとも多かったのは いずれの区分にもあてはまらない で 1140 校 ( 74.5%) であった 次いで 平成 21 年度における文部科学省指定の 教材の活用 評価

<次年度以降の募集人員の変更について>

H31 入学時アンケート 全学科 専攻 平成 31 年度入学時アンケート報告用.xlsx 平成 31 年度入学時アンケート 全学科 専攻 実施日 : 平成 31 年 4 月 3 日 ( 水 )~5 日 ( 金 ) 調査方法 : 集合法 ( 学科 / クラス ) による 自記入式質問紙調査 調査対象

Microsoft Word - 05出力帳票詳細

Transcription:

2009 年 12 月 13 日 ( 日 ) 上智大学 ARCLE 応用言語学シンポジウム ベネッセコーポレーション Benesse 教育研究開発センター 1

1. 現行課程の高校生 1. 学校外での姿 2. 学校での姿 (1) 学習全般 (2) 高校での英語学習 (3) 中学校での英語学習 2. 2013 年高校 1 年生が経験する変化 3. 学ぶ側の課題 2

Benesse 教育研究開発センター WEB サイト Web: http://benesse.jp/berd/index.shtml 3

高校生の放課後での学習時間は 1 時間強程度 表 1 高校生の生活時間 (1 日あたり 平均時間 ) (n=948 名 ) (n=874 名 ) (n= 860 名 ) (n= 945 名 ) 62.7% の高校生は学習時間を増やしたいと思っている 学習時間 小学生 5 6 年平均 1 時間 11 分中学生 1 2 3 年平均 1 時間 36 分 学習 の平均時間は 学校の宿題をする 学校の宿題以外の勉強をする の合計 いずれかが無回答 不明の場合は分析から除いている 出典 :Benesse 教育研究開発センター 放課後の生活時間調査子どもたちの時間の使い方 意識と実態 速報版 2009 年 4

学習時間は学力の上位層と中 下位層とで異なり 2 極化の傾向 Q: あなたはふだん ( 月曜日 ~ 金曜日 ) 学校での授業以外に 1 日にだいたい何時間くらい勉強していますか 学習塾や予備校 家庭教師について勉強する時間も含めてください 図 1 平日の平均家庭学習時間 ( 偏差値帯別 ) 1990 年 1996 年 2001 年 2006 年 注 1) 高校生の偏差値は 弊社 進研模試 のデータを使用 注 2)( ) 内は全体のサンプル数 全国 4 地域 ( 東京都内 および東北 四国 九州地方の都市部と郡部 ) の高校 2 年生 ( 普通科のみ ) 高校の平均偏差値 55 以上は 第 1 回 422 名 第 2 回 830 名 第 3 回 1,462 名 第 4 回 1,593 名 50 以上 55 未満は 第 1 回 621 名 第 2 回 435 名 第 3 回 824 名 第 4 回 905 名 45 以上 50 未満は 第 1 回 562 名 第 2 回 231 名 第 3 回 619 名 第 4 回 416 名 45 未満は 第 1 回 400 名 第 2 回 1,119 名 第 3 回 903 名 第 4 回 1,550 名 出典 :Benesse 教育研究開発センター 第 4 回学習基本調査 国内調査報告書 高校生版 2007 年 5

大学 短期大学への進学率は平成 21 年も 5 割強で 年々増加傾向 図 2 大学 短期大学への進学率の推移 出典 : 文部科学省 平成 21 年度学校基本調査速報参考図表 2009 年 6

推薦や AO 入試を希望する高校生は 4 割程度 成績によって希望する割合が異なる Q: 大学へ進学する方法には 大きく分けて 推薦入試や AO 入試 と 一般入試 の 2 つの方法があります あなたは どちらの方法で進学したいですか あなたの希望にどちらかといえば近いほうの番号 1 つに をつけてください 1. できれば推薦入試や AO 入試で 2. できれば一般入試で 図 3 希望する入試方法 ( 全体 偏差値帯別 ) 調査対象 : 高校 2 年生 ( 普通科のみ ) 全国 4 地域 ( 東京都内 および東北 四国 九州地方の都市部と郡部 ) 高校生の偏差値は 弊社 進研模試 のデータを使用 出典 : Benesse 教育研究開発センター 第 4 回学習基本調査 国内調査報告書 高校生版 2007 年 7

Q: あなたは勉強の取り組み方について 次のようなことがあてはまりますか 図 4 学習の取り組み方 高校生の約 6 割が 勉強しようという気持ちがわかない を肯定 受験を目標にして勉強する が 5 割弱 とてもそう + まあそう の % 小学生 ( 小 4 5 6 生 ) n=4,240 名中学生 ( 中 1 2 3 生 ) n=4,550 名高校生 ( 高 1 2 生 普通科のみ ) n=6,051 名 出典 :Benesse 教育研究開発センター 第 1 回子ども生活実態基本調査 速報版 2005 年 市区町村の人口規模および人口密度を考慮した有意抽出法 小 中学生については 大都市 ( 東京都内 ) 中都市 郡部の3 地域区分を設定してサンプルを抽出した 高校生については 上記の3 地域区分に加え 学校の種別やランクを考慮してサンプルを抽出した 8

大半は英語を用いて行っている 教員は OC で 5 分の 1 から 4 分の 1 図 5 授業における英語の使用状況 英語の使用はほとんどあるいは全くない 英語を用いることはあるが半分またはそれ以下である 半分以上は英語を用いて行っている 大半は英語を用いて行っている 英語 Ⅰ 9.9 78.6 10.0 1.5 英語 Ⅱ 13.0 78.8 7.3 1.0 1.8 OCⅠ 43.6 33.9 20.7 OCⅡ 2.9 41.0 29.3 26.7 n= 国際関係学科等とその他の学科等の併設校 国際関係学科等は置いていない を併せた 3701 校のうち 英語 Ⅰ 英語 Ⅱ OCⅠ OCⅡ を実施している国際関係 ( 語学を含む ) 以外の学科 コースについて ( 学校数 ) ( 英語 Ⅰ n=3610 校 英語 Ⅱ n=3436 校 OCⅠ n=3213 校 OCⅡ n=614 校 ) 出典 : 文部科学省 英語教育改善実施状況調査 ( 高等学校 ) 平成 19 年 12 月実施調査 9

現行課程が目指す指導 ( 新課程と基本的に同じ方向性 ) を実践した学校では英語力が伸びている < スコアの目安 > 540~ 英語圏の 2 年制大学への留学に挑戦できるための最低限レベル ほぼ同じ 440~ 短期の語学留学で英語圏に行き 授業についていくための最低限レベル 380~ 英語圏へのホームステイや海外旅行に行って 英語体験を楽しめる最低限レベル GTEC FS スコア : GTEC for STUDENTS TOTAL スコア (Listening, Writing, Reading 合計 ) 2005 年度入学者の平均スコア学年別推移 SELHi(Ⅳ~Ⅵ 期 ) 校ポストSELHi(Ⅰ~Ⅲ 期 ) 校その他の学校 8,039 名 5,790 名 42,586 名 出典 : ベネッセコーポレーション集計 10

入学試験や就職試験に関係なくても大切 と 4 分の 3 の生徒が回答し 他の教科より高い Q: 当該科目の勉強は, 入学試験や就職試験に関係なくても大切だ 図 7 学習に対する意識 英語 Ⅰ: n=29,880 名 平成 17 年 5 月 1 日現在の国 公 私立高等学校 ( 全日制課程 )( 中等教育学校の後期課程を含む ) の第 3 学年 出典 : 文部科学省 平成 17 年度高等学校教育課程実施状況調査 平成 17 年 11 月実施調査 11

好き は約 4 割程度で 主要教科とほぼ同じ割合 Q: あなたは 次の教科や学習の時間の勉強がどのくらい好きですか 図 8 好きな教科 とても好き + まあ好き の % 45.1 42.5 42.5 41.8 41.7 国語社会 ( 地歴 ) 英語理科数学 n=4,464 名 全国 4 地域 ( 東京都内 および東北 四国 九州地方の都市部と郡部 ) の高校 2 年生 ( 普通科のみ ) 出典 :Benesse 教育研究開発センター 第 4 回学習基本調査国内調査 速報版 2006 年 12

ほとんどわかっている 70% くらいわかっている 中学生は合わせて約 4 割 Q: あなたは 学校の英語の授業をどれくらい理解していますか 図 9 英語の授業の理解度 (%) n=2,967 名 全国の中学 2 年生 ( 公立校 ) について 市区町村の人口規模および人口密度を考慮した有意抽出方法 出典 :Benesse 教育研究開発センター 第 1 回中学校英語に関する基本調査 ( 生徒調査 ) 速報版 2009 年 13

英語を苦手と感じている中学生は約 6 割 Q: あなたは英語が得意ですか 苦手ですか 図 10 英語の得意 苦手 (%) このうち 8 割弱が 中 1 の後半 までに英語を 苦手 と感じている n=2,967 名 全国の中学 2 年生 ( 公立校 ) について 市区町村の人口規模および人口密度を考慮した有意抽出方法 出典 :Benesse 教育研究開発センター 第 1 回中学校英語に関する基本調査 ( 生徒調査 ) 速報版 2009 年 14

2013 年高校 1 年生の半数以上が 小学校 6 年生で外国語活動 ( 移行措置として ) を経験 新学習指導要領 ( 小学校 ) の特徴 小 5 6 年生で年 35h 外国語活動 ( 英語 ) 必修化 英語ノート を使用 担任と ALT による T.T. を推奨 評定なし 2013 年高校 1 年生が経験していること 移行措置期間 2009 年 ~ (2013 年高校生 :2009 年現在の小 6 生 ) 移行措置段階での外国語活動約 6 割の小学校が必修化後の時数 ( 週 1) 実施 ( 出典 : 文部科学省 平成 21 年度公立小 中学校における教育課程の編成 実施状況調査 より ) 15

中 3 で新課程の英語を学び 新課程対応の高校入試を経験 新学習指導要領 ( 中学校 ) の特徴 語彙数増加 (900 1200 語 ) 授業時数増 (3h 4h) 4 技能統合型指導 2013 年高校 1 年生が経験していること 2012 年 ( 中 3) 中学校新課程施行 高校入試 : 新課程対応の入試を受験 16

学習意欲 学習時間の低下と二極化 課題 中 下位層の生徒の学習意欲 学習時間をいかに引き上げるか 大学入試が圧倒的な学習モチベーションとして作用していない 課題 どのようなモチベーションが有効か 生徒は英語の実践的な必要性を感じつつも 指導は大きく変わっていない一方で 現課程が目指す指導を実践した学校で英語力が伸びた実態 課題 いかにして 実践的な英語力を伸ばすのか 中学校までで 6 割の生徒が英語につまづきを感じている実態 課題 高校入学時にどのように対応すべきか 17

小学校段階約 6 割の生徒が週 1 時間の外国語活動 * を経験 * 移行措置として 中学校段階中 3 で新課程の英語教育 高校入試を経験 課題 高校入学時点でどのように対応すべきか いかにして高校卒業時の英語力を伸ばすか 18

http://www.arcle.jp/ 19