都市計画の概要と課題について 佐賀県都市計画課
( 都市計画法第 2 条都市計画の基本理念 ) 都市計画は 農林漁業との健全な調和を図りつつ 健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと並びにこのためには適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきことを基本理念として定めるものとする ( 都市計画法第 4 条定義 ) 都市計画 とは 都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用 都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画土地利用 ( 市街化区域 市街化調整区域 用途地域など ) 都市計画 都市施設の整備 ( 道路 公園 下水道など ) 市街地開発事業 ( 土地区画整理事業など ) 2
都市計画区域とは 一体の都市として総合的に整備 開発及び保全する必要がある区域として 行政区域にとらわれることなく 県が国土交通大臣の同意を受けて指定します 都市計画区域においては 都市計画の基本理念を達成するため 各種の都市計画が定められ 都市計画事業などが実施されています 3
市街化区域と市街化調整区域 ( 都市計画法第 7 条 ) 都市計画ではスプロールといわれる無秩序な市街化を防止し 都市の健全で計画的な市街化を図るため 都市の発展の動向を勘案し 都市計画区域を市街地として積極的に整備する 市街化区域 と当分の間市街化を抑制する 市街化調整区域 に区分することができます これを一般に 線引き といい 佐賀県では佐賀都市計画区域と鳥栖基山都市計画区域において適用しています ( 出展 : 国土交通省 HP) 4
佐賀都市計画区域の変遷 H17.10.1 旧佐賀市 諸富町 大和町 富士町 三瀬村の合併 S46.7.5 旧佐賀都市計画区域と大和都市計画区域を統合しさらに諸富町全域を加えて佐賀都市計画区域を変更 S46.7.6 佐賀都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に指定 H2.6.30 川副都市計画区域の指定 H22.10.1 H19.10.1 佐賀市 川副町 東与賀町 久保田町の合併 H20.3.27 開発許可 (50 連たん制度) に関する佐賀市条例制定 (H20.7.1より施 ) H22.10.1 川副町 東与賀町 久保田町を佐賀都市計画区域 ( 市街化調整区域 ) に編入
用途地域 ( 都市計画法第 8 条地域地区の一つ ) 用途地域は 住居 商業 工業など市街地の大枠としての土地利用を定めるもので 12 種類あります 用途地域が指定されると それぞれの目的に応じて 建てられる建物の種類が決められます 各市町の都市計画図のように 地域の目指すべき土地利用の方向を考えて いわば色塗りが行われる ( 住居系用途 7 種類 ) 第一種低層住居専用地域第二種低層住居専用地域第一種中高層住居専用地域第二種中高層住居専用地域第一種住居地域第二種住居地域準住居地域 ( 商業系用途 2 種類 ) 近隣商業地域商業地域 ( 工業系用途 3 種類 ) 準工業地域工業地域工業専用地域 6
佐賀市の都市計画図 第一種中高層住居専用地域 第二種中高層住居専用地域 準工業地域 第二種住居地域 近隣商業地域 工業地域 商業地域 第一種住居地域 第一種住居地域 第二種中高層住居専用地域 第一種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域 7
地区計画 ( 都市計画法第 12 条の4) 地区の特性に応じた きめ細やかなまちづくりを進める制度として地区計画 地区レベルの都市計画 があり 地区の目標将来像を示す 地区計画の方針 と生活道路の配置など 地区整備計画 から構成される ( 出展 : 国土交通省 HP) 8
土地利用計画のイメージ土地利用に関しては 大枠を決める仕組みから きめ細やかなまちづくりをするための仕組みまで 数多くの制度が用意されており それらを組み合わせて活用することにより 地域のルールが作られている ( 出展 : 国土交通省 HP) 9
都市施設 :( 都市計画法第 11 条 ) 道路 都市高速鉄道 駐車場 その他の交通施設 公園 緑地 広場 墓園その他の公共空地 水道 電気供給施設 下水道 ごみ焼却場など 河川 運河その他の水路 学校 図書館 研究施設その他の教育文化施設 病院 保育所その他の医療施設又は社会福祉施設 その他政令で定める施設 佐賀都市計画道路佐賀大和線 佐賀東部都市計画公園吉野ヶ里歴史公園 武雄都市計画都市高速鉄道 JR 九州佐世保線武雄温泉駅 10
都市計画道路 都市計画道路の役割と機能 都市の骨格をなす道路 将来の必要な交通量に対応したネットワークを構成 歩行者 自転車の安全性を確保 沿道の土地利用などの特性に配慮 都市計画施設の区域内での建築制限 建築の制限 ( 都市計画法第 53 条 ) 都市計画施設の区域内で建築物を建築する場合は知事の許可が必要 許可の基準 ( 都市計画法第 54 条 )= 建築可能な建築物 2 階建て以下 ( 地下は不可 ) 主要構造部が木造 鉄骨造 CB 造など
都市計画決定手続き 県が定める都市計画決定の手続き 都市計画の原案作成住 説明会公聴会国 交通省との事前協議 市町村の意 聴取 市町村都市計画審議会 都市計画案の公告 縦覧 2 週間 県都市計画審議会 国 交通大臣の同意 都市計画決定 決定告示
市街化区域の拡大 13
市街化区域の拡大 14
市街化区域の拡大 15
市街化区域の拡大 16
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地区計画決定までの経緯平成 13 年の西城内の9 階建てマンションの建設計画を契機として 平成 14 年に高度地区の都市計画決定を行い 建築物の高さを15mに制限 併せて 城内地区を都市景観形成地区に指定 平成 16 年に再びマンション建設計画が持ち上がり 地元関係自治会が主体となって城内地区の地区計画の素案を作成し 都市計画決定を行っている 佐賀城内地区地区計画 県庁 図書館体育館 高度地区 附属小 景観形成地区 佐賀西高 附属中 美術館博物館 佐賀城本丸歴史館 ( 出展 : 佐賀市都市計画審議会資料 ) 18
住民主体によるまちづくり ( 約 64hа) 用途地域図 区域の整備 開発および保全に関する方針 地区計画の目標 城内 として受け継いできた風格やお堀の水と緑が織りなす ゆとり をまもるため 低層住宅を中心とした住環境を保全し 佐賀市のシンボルとしてのふさわしいまちなみの形成を図ることを目標とする 土地利用の方針 1 城内 A 地区 ( 第一種住居地域 第二種住居地域約 13.0ha) 来街者が利用する幹線道路沿道や良好な景観を形成している堀端等では共同住宅を原則として制限 2 城内 B 地区 ( 第一種住居地域 第二種住居地域 第二種中高層住居専用地域 商業地域約 51.0ha) 共同住宅の規模を制限 建築物等の整備の方針 建築物等の用途の制限 建築物等の高さの最高限度建築物等の形態又は意匠の制限垣又はさくの構造の制限 19
高度経済成長期 = 都市化社会 ( 人口増加 急速な都市化 ) 安定 成熟した都市型社会 ( 都市化の安定 ) 人口減少 超高齢社会 都市の課題 空家 空き店舗の増加 都 の空洞化 人口密度の低下 生活サービスの維持困難 地域産業の停滞 中 市街地の衰退 地域の活 低下 公共交通利 者の減少 公共交通サービス水準低下 都市計画の考え方 コンパクト プラス ネットワーク ( 持続可能なまち 歩いて暮らせるまちの実現 ) 効果 医療 福祉 商業等の都市機能の集約による生活サービスの効率的な提供 人口密度の維持による生活サービスやコミュニティの持続 外出機会の増加による消費拡大 経済の活性化 公共施設の維持管理費 等の 政コストの削減 地球環境への負荷の低減(CO2 削減等 ) 利 者増に伴う公共交通ネットワークの充実 20