大阪府福祉のまちづくり条例ガイドライン平成 29 年 12 月 4-1 障がい者等の便所内の動作例 杖使用者 ( 片マヒ ) 脳血管障がいなどにより 身体の片側の機能がマヒしている場合 姿勢保持のために体を預けられる手すりが有効です 1 便器に近づき 手すりのそばに杖を置きます POINT 便器の前

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B-1 多機能トイレ 2 便房の きさ 図 Ⅰ- 42 図 Ⅰ- 44 多機能トイレは 原則としてトイレ内の出入口付近に設け 車いすで回転できるスペース ( 直径 150cm の円が内接できる程度 ) を確保する 便房の広さは 内法寸法 200cm 200cm 以上を標準とする 建築物の規模により十

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別紙 1-2 移乗介助 ロボット技術を用いて介助者による抱え上げ動作のパワーアシストを行う非装着型の機器 移乗開始から終了まで 介助者が一人で使用することができる ベッドと車いすの間の移乗に用いることができる ( ベッドと車いすの間の移乗における使い勝手は ステージゲート審査での評価対象となる点に留

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コンセントレーションカール 腕を鍛える筋トレメニュー 鍛えられる筋肉 : 上腕二頭筋 前腕屈筋 1. ベンチに座り 片手でダンベルを持ち 上腕を太ももの内側に固定します 2. ゆっくりとひじを曲げてダンベルを上げ ゆっくりと戻します フレンチプレス 鍛えられる筋肉 : 上腕三頭筋 1. 片手にダンベ

指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準 ( 短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分 ) 及び指定施設サービス等に要する費用の額の 別紙 2 算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について ( 抄 )( 老企第 40 号平成 12 年 3 月 8 厚生省老人保健福祉局企

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事業案内 障害のある方や高齢者の自立生活や社会参加を支援します 自分らしい生活を送るために必要な福祉用具や住宅改修などの相談 支援を行います 具体的な技術支援を必要とされる方には リハビリテーションセンターの専門職が医療 保健 福祉関係機関と連携して相談 支援に対応します 相談内容 身体状況の確認日

⒉ 食事介助 食事前の準備を行うことができる 声を掛けたり肩を叩いたりするなどして 利用者の覚醒状態を確認したか 嚥下障害のある利用者の食事にとろみをつけたか 禁忌食の確認をしたか 飲み込むことができる食べ物の形態かどうかを確認したか 5 食べやすい座位の位置や体幹の傾きはないか等座位の安定を確認し

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いずれも 日常の何気ない場面で転倒事故が起きています 家電の位置を変えたり カーペットがめくれないように固定したり 床に物を置かないなど 自分の動線を整理 工夫することで 転倒のリスクを減らすことができます 暮らしの点検高齢者の転倒予防というとすぐに住宅改修を検討しがちですが 住宅改修をする前に 暮

制育Ⅰ チェックポイント まず, 下の表にチェックを入れてください 各項目は, 介護職場で行う安全衛生活動のうち, 介護者の腰痛予防に必要な 人力での抱え上げをしない や 無理な姿勢を取らない ことにつながる, 介助や福祉用具の使用に関する取り組みです 実施 不十分 未実施 のにレ印を入れて, 不十

在宅生活ハンドブックNo.10 自分で行う排泄動作

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介護の知識50

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振り返り 研修全体を振り返り 本研修を通じて学んだことについて再確認を行うとともに 就業後も継続して学習 研鑚する姿勢の形成 学習課題の認識をはかる 修了時のポイント 介護職員としての基本的な姿勢はいうまでもなく 日常的に自身を高める課題を明確に意識しながら就業する姿勢が重要 コース 1. 振り返り

特殊寝台 ベッド 楽匠Z専用付属品 キャスター I Vポールホルダー 延長フレーム 91 幅 延長 91 幅 ベッドのは3cm高くなります 自費 1,500 KQ-P70C セット 500 延長フレームとセット 1, KQ-P70V KQ-

わたしたちのやりたいケア 介護の知識50

ホームシアター固定フレームカーブドスクリーン リュネット (Lunette) シリーズ ユーザーガイド重要 : 安全に使用するための注意事項 ご使用前に このユーザーガイドをご一読ください 正しく使用することで長くお使いいただけます 1. スクリーンは 照明スイッチ コンセント 家具 窓などの障害物

既存施設のアクセシビリティ改修について

用語集

P-2 3 自分で降りられないように ベットを柵 ( サイドレール ) で囲む 実施の有無 1 他に介護の方法がないため 2 同室者 他の利用者からの依頼 4 不穏や不安など本人の混乱を防止 5 暴力行為など他人への迷惑行為を防止の為 6 夜間以外の徘徊を防止 7 夜間の徘徊を防止 8 不随運動があ

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設計内容説明書 ( バリアフリー性 : 等級 3 対応 ) 専用部分 ( 第二面 ) 手すり 通路及び出入口の幅員 ( 日常生活空間 ) 寝室 便所及び浴室 ( 日常生活空間 ) 廊下階段 ( 開放されている側 ) 転落防止 手すり子 通路 出入口 ( バルコニー勝手口を除く ) 浴室 便所 特定寝

1

老計第 10 号平成 12 年 3 月 17 日 各都道府県介護保険主管部 ( 局 ) 長殿 訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について 厚生省老人保健福祉局老人福祉計画課長 訪問介護の介護報酬については 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準 ( 訪問通所サービス及び居宅療養管理

自立活動の内容

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補助犬の接し方 盲導犬は白いハーネス 介助犬 聴導犬がそれぞれケープを着用している時は 仕事中ですので 3 つの約束 ( 見つめない 勝手に触らない 声をかけない ) を守ってください 補助犬はユーザーの指示で排泄するようにトレーニングされていますので一般の方へ 迷惑を掛けない ことを理解しておいて

必須務 Ⅱ 安全衛生務 ( ) 雇い入れ時の安全衛生教育 介護職種における疾病 腰痛予防 福祉用具の使用方法 及び 点検 介護事故防止のための教育 5 緊急時 事故発見時の対応. 掃除 洗濯 調理務 利用者の居室やトイレ 事所内の環境整備 利用者の衣類等の洗

アコルくらぶvol.19

腰痛多発業種における 作業姿勢特性調査 独立行政法人労働者健康福祉機構所長酒井國男 大阪産業保健推進センター 相談員久保田昌詞 特別相談員浅田史成 大阪労災病院勤労者予防医療センター所 長大橋誠 関東労災病院リハビリテーション科 技師長田上光男 日本産業衛生学会産業医部会 部会長岡田章

国等の庁舎におけるバリアフリー推進に関する行政相談 ~石川行政苦情処理委員会の意見を踏まえたあっせんに対する回答~

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訪問介護事業所の役割 1 訪問介護計画や手順書への記載居宅サービス計画に通院介助及び院内介助の必要性が位置付けられている場合に限り 訪問介護サービスとして 介助が必要な利用者が 自宅から病院 受診手続きから診察 薬の受け取り 帰宅までの一連の行為を円滑に行うために訪問介護員が行うべき援助内容を訪問介

添削指導及び面接指導の指導方法書 1 添削指導 (1) 添削指導の進め方ア ) 指導の回数 9 回イ ) 課題の配布第 1 日目 ( スクーリング ) に全 9 回分を配布ウ ) 回答の提出期限指定通学日 ( スクーリング ) の当日まで提出する エ ) 評価方法提出された課題は 添削責任者の指導の

1. Tokyo 2020 アクセシビリティ ガイドライン ( 以下 ガイドライン ) とは 国際パラリンピック委員会 ( 以下 IPC) が定める IPC アクセシビリティガイド ( 以下 IPC ガイド ) の技術仕様や大会関係者向けトレーニングに関する項目と 国内関係法令等に基づき アクセシビ

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第28回介護福祉士国家試験 試験問題「生活支援技術」

避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン分割版②

様式 1-- 号の別紙 技能実習の内容詳細備考 関連業務及び周辺業務の別 ( 具体的な技術 ) ( 着眼点 ) 指導員の役職 氏名 ( 経験年数 ) 講習 1 0. 共通項目 体調の確認等 1~は 全ての身体介護業務に共通して行う 以下の項目について理解する 1) 体調の確認等 1 あいさつ 主体が

はじめに 本書の特徴と使い方 本格的な基本テキスト 容易に内容が分かるように平易な文章で要点を整理し また多くのイラスト 表 写真などを載せてヴィジュアルなものにした 用語 メモ 太字 はじめに 本書の特徴と使い方 3

銀行におけるバリアフリーハンドブック(改訂版) 1

新潟県福祉のまちづくり条例

書式・記述方法等の統一について

○新潟県高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行細則

イージースワローとマイスワローが解決 一般的な頭頚部調整方法 問題点 枕 タオル クッションは時間とともに崩れる 再現性がない 姿勢調整は介助者によって異なる 病棟での問題をイージースワローが解決 1 2 つの握りポンプと回旋台座で頚部前屈 頚部回旋 一側嚥下を調整 枕がスライドする

補助の対象者 ( 申請者 ) 市内に自らが所有し 居住する住宅を改修する方 現在はまだ居住していないけれど 市内に所有している住宅を改修して居住する方 市税の滞納がない方に限ります 補助の対象となる住宅 バリアフリー改修工事の場合 一戸建ての住宅 併用住宅 ( 住宅部分 ) 長屋 共同住宅 ( 専有

この冊子の見方 事例についての提案 についての バリアフリー法により適合が課せられている整備基準 バリアフリー法により整備が求められている整備基準 整備基準の詳細は, バリアフリー法, バリアフリー条例を確認してください

Q2 日本の観光地および移動にかかる周辺施設について どのように整備されていると また訪れやすくなる と思いますか?( 複数回答 ) 52.7% 45.3% 44.7% 39.3% 32.7% 3.% 26.% 26.% 22.% 2.7% 無料で利用できる公衆無線 LAN スポットが多い トイレが

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A5 定刻に評価するためには その時刻に責任をもって特定の担当者が評価を行うことが必要 となる Q6 正看護師 准看護師 保健師 助産師以外に医師 セラピストなどが評価してもよいか A6 よい ただし 医療職に限られ 評価者は所定の研修を修了した者 あるいはその者が実施した院内研修を受けた者であるこ

移動用リフト [昇降式座いす] [段差解消機] サービスコード 介護予防 特殊寝台 特殊寝台付属品 独立宣言 ❶要介護2 5の方がレンタル対象です ローザ コムラ製作所 床ずれ防止用具 体位変換器 ポイント 座面をわずか1.5cmまで低くすることができるので 床からの乗り降りが らくら

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障害者のスポーツ施設利用促進マニュアル 第3章 共用施設の利用

ので 周りを汚すことなく安心して使用できる 2 水栓は固定式で両手が使用でき パウチの洗浄に便利である 3 しびん洗いやカテーテルなどの器具洗浄に 障害者の方々に便利である としている JOA 会員 (32 名 ) の評価としては 大変良いが 47% やや良いが 25% あまり良くないが 6% で肯

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多様な利用者に配慮したトイレの整備方策に関する調査研究 報告書

住宅改修が必要な理由書 作成について 住宅改修が必要な理由書 の作成の流れ理由書は 手順に従って作成しながら住宅改修のプランを検討するために収集すべき必要な情報が何かがわかるように構成されています 理由書作成にあたっては 住宅改修後の暮らし方を明確にすることから始まり 生活活動 動作レベルの具体的状

パラアーチェリー 1 序文 1.1 この項は細則のみによって構成されている クラス分けされた障害を持つ競技者が WA 公認競技に出場する際に適用される補則に関する解説である 2 国際クラス分け委員 2.1 身体に障害を持つ競技者は国際クラス分け委員 2 名に審査され クラスおよび使用が認められた補助

1. 入国後講習用教材の位置づけの明確化技能実習法では 技能実習生を監理 監督する監理団体は 技能実習生に対して 実習実施機関が技能等の習得活動を実施する前に2か月間の 入国後講習 を実施することが義務付けられている ( 入国前講習を行った場合には 内容に応じて時間数を省略できる ) 介護職種では

車いす対応洗面器 の意匠について 車いす対応洗面器 の意匠は 車いす使用者や介助者の皆さまの声を反映させ 双方の視点から使い勝手を検証することにより 使用者への配慮 と 介助者への配慮 に徹底してこだわりました アプローチ性 ( 近づきやすさ ) ボウル前面の縁を薄く握りやすくし 中央部を凹ませた形

75 ロールカーテンや停電時の非常降下スイッチ いたずら防止のキースイッチ など安全面には細心の注意を払っています 平らな場所があれば設置のた めの基礎工事は必要ありません 直進進入 次の各部の寸法をご確認ください ①地面から出入り口までの高さ 65cm 以下 ②出入り口の開口寸法 72cm 以上

オプション チェストサポート 体幹や骨盤の支持をする事ができ幅の調節や前後のパッドの角度の調節ができます S:47 ー 64cm( 内径 ) M:67 ー 78cm( 内径 ) L:87 ー 114cm( 内径 ) シート 休憩時に座ることができ 歩行時にも荷重を調節することもできます 足が前後にス

留意点 1. 利用者 家族の生活状況と生活上の希望について 総合的に把握する P1-1: 利用者の身体状況 利用者の状況は 日常的に接していない者には見えにくい場合もあります 健康 疾病 日常生活動作等については利用者の了解のもと 主治医やリハビ 福祉用具との関係から どういった改修がお リテーショ

洗面化粧台作図システム操作マニュアル

多様な利用者に配慮したトイレの整備方策に関する調査研究 報告書

3 介護の基本 (6 時間 ) 項目名 時間数 講義内容及び演習の実施方法 1 介護職の役割 専門性と多 職種との連携 各介護現場での介護職の役割を理解する 地域包括支援センター創設 の背景からチームアプローチの意味を理解する 家族による介護と専門職による介護の相違点を挙げながら 介護の専門性を理解

1 以上の出入口を適合させる ( 段を併設する場合は 90 以上 ) ( 傾斜路の高さ 16 以下の場合は 1/8 以下 ) ( ウ ) 踊場 ( 踏幅 150 以上 ) の設置 ( 高さ 75 以内ごとに設置 ) ( エ ) 傾斜路の手すりの設置 ( オ ) 壁のない傾斜路には 左右の縁端部には脱

聴覚障害者のマーク(国内マーク)

平成29年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書について

便所 縮尺 福祉型便房のある便所の構造 福祉型便房並びに腰掛便座及び手すりの 設けられた便房の構造並びに床置式の小便器の構造 手すり 縮尺 外形 両端部及びわん曲部の構造並びに傾斜路及び階段の両端部の構造 視覚障害者用 床材 縮尺 視覚障害者用床材及び周囲の床材の仕上げ材料 仕上げ方法 色及び形 状

目次 はじめに 1 Ⅰ. 衣類について 1 1. 注意点 1 2. 衣類の改良 1 Ⅱ. 更衣動作の環境 2 1. ベッド環境 2 2. 高床環境 2 3. 端座位環境 2 Ⅲ. 更衣動作方法 3 1. グローブの着脱 3 (1) 着脱方法の一例 3 (2) ループ付きグローブの着脱の一例 3 2.

9(1) 介護の基本的な考え方 9() 介護に関するこころのしくみの基礎的理解 9() 介護に関するからだのしくみの基礎的理解 9(4) 生活と家事 5 9(5) 快適な居住環境整備と介護 9(6) 整容に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護 4 4 理論と法的根拠に基づき介護を行うこと

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高齢化率 2015 年 4 人に 1 人 2008 年 22% 離島 2005 年 33% 2


姿勢分析 姿勢分析 お名前 北原有希様 体重 45.0 kg 運動レベル 中 生年月日 1977 年 9 月 18 日 身長 cm オレンジ色の項目は 優先度の高い項目です 最適な状態にするための姿勢矯正プログラムが提供されます 頭が前に 18.3 出ています / 前に 2.9 cm 傾

パテントピンをパテントボタンに し ます し むと に ック れます 300 の に えますので 大 が く いてもはずれることはありま の ターンボタンはパテントボタンより に ックする です パテントボタンとの はありま はずす場合は マグネットキーを使用します マグネットキーをパテントボタンの

日常生活機能評価 評価の手引き 1. 評価票の記入は 院内研修を受けたものが行うこと なお 院内研修は 所定の研修を修了したもの あるいは評価に習熟したものが行う研修であることが望ましい 2. 評価票の記入にあたっては 下記の等に従って実施すること 3. 評価の対象は 回復期リハビリテーション病棟に

りたたみ式の 一般的な りたたみ式 式 4 1,000円 非課税 NA-4A 軽量 軽量 りたたみ式 ,000円 非課税 式 り調整 NA-A type A 競技用 競技用 NA-0 寸法 り インチ キャスタ PHOTO NA-A

目 次 はじめにはじめに この事例集のねらい 1. この事例集のねらい 交換利用事例の分析結果交換利用事例の分析結果 効果的な交換利用のための取り組み効果的な交換利用のための取り組み 事例の紹介事例の紹介

次に 車いす シーティングの適合評価をすすめるにあたって 評価の目的 対象をどのように考えるべきかといったとらえ方を基本概念として4つの要素に分けて認識しておくことが大切です その上で どのような内容について どのような方法で評価を行えばよいかといった適合技術を具体的に習得し 実施できるようにしてお

別紙 1 整備基準チェックリスト 太枠の中を記入してください 施設の名称主要用途 施設の所在地 記入者の氏名電話番号 整備適用の別 整備箇所整備基準設計概要 1アプローチ (1) 道路から建物入口まで歩行者通路を設ける (2) 歩行者通路と自動車通行路は原則分離 (3) 通路に段差を設けない ( 段

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演習:キャップハンディ ~言葉のわからない人の疑似体験~

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非常時のための設備 乗降ロビー 制御装置 かご内に設ける制御装置 ( 車いす使用者が利用しやすい位置及びその他の位置に制御装置を設ける場合にあっては 当該その他の位置に設けるものに限る ) に 停電等の非常の場合に外部の対応の状況を表示する聴覚障害者に配慮した装置を設けること 乗降ロビーは 高低差が

新人教育チェックシート目次ページ新人教育チェックシート目次ページ 排泄関係 清潔整容関係 おむつ交換の実際 1 歩行入浴 7 おむつ交換の準備と片づけ 2 機械入浴 7 トイレ誘導 2 モーニンク イフ ニンク ケア 8 排泄記録 2 口腔ケア 8 清拭 8 食事関係 観察報告 9 準備 3 急変対

資料2 災害拠点病院の震災対策の現状と課題(5/7)

福祉用具を使用した移乗介助法の導入-取り組みと事例を通し、導入のあり方を考える-

( 株 ) ビー エス ケイ / コンパクトトイレ S 会社名 株式会社ビー エス ケイ 独自の洋式便座で臭い逆流防止はトリプル防臭機能 ご自宅と同じようにドアの内側 外側から施錠が 製品名 コンパクトトイレS ( フラッパー付 ) で嫌な臭いをシャットアウトし より快適空間 でき安易にドアは開きま

Transcription:

4-1 障がい者等の便所内の動作例 杖使用者 ( 片マヒ ) 脳血管障がいなどにより 身体の片側の機能がマヒしている場合 姿勢保持のために体を預けられる手すりが有効です 1 便器に近づき 手すりのそばに杖を置きます 便器の前方に杖を立てかけられるようにしておくことが望ましい 2 壁側の手すりなどにもたれかかり 姿勢を保持したうえでズボン 下着の脱衣を行います 姿勢保持のための適切な位置への手すりの設置 及び手すりの十分な前出が必要 3 健側 ( マヒのない側 ) の手で手すりなどを持ち 健側の脚と手だけで体重を支えながらゆっくり座ります 手すりと 立ち座りに適した高さの便器を設置する 後方への倒れを防ぐための背もたれを設置する 4 健側の体重をかけて 脚 臀部 背もたれで保持します 安定した姿勢を保つためには 両脚が床に完全につく高さの便器が必要 5 健側の脚で支え 健側の腰を洗面器につけ 安定した姿勢で手を洗います 前傾姿勢を強いられず手洗い動作ができる洗面器の高さと水栓の高さが必要 参考 -261

車いす使用者 ( 介助不要 ) 1 便器に移乗する前に手荷物を棚に置く 又はフックに掛けます 便器の前方に杖を立てかけられるようにしておくことが望ましい 2 車いすを便器側方 斜め前方 又は前方につけ 車いすや手すりを持って車いすから便座に移乗します ( 次ページ参照 ) 3 便器に座ったまま手 ( 指 ) 洗いをします 座位姿勢で手洗いが必要な方や 座った状態でないと手洗いができない方もいます 便器横に手洗い器を設置することが望ましい 4 楽な姿勢でしっかり手を洗います 洗面器に十分アプローチできるようにする 参考 -262

便器に自立して移乗できる方の身体状況はさまざまであるため 便器へのアプローチには多様な方法があります 多様なアプローチ方法に対応できるように便器まわりに十分スペースを確保し 便器横の壁がない側に可動式手すりを設置します 2-1 側方アプローチ ( 座位移乗の場合 ) 便器の側方に便器と車いすが接するように車いすをつけ 車椅子や手すりを持って ( もしくは便座に手をついて ) 腰をスライドさせて車いすから便器に移乗します 洗面器に十分アプローチできるようにする 2-2 直角アプローチ ( 座位移乗の場合 ) 便器に対してほぼ直角にアプローチし 便器と車いすが接するように車いすをつけ 車いすや手すりを持って腰をスライドさせて車いすから便器に移乗します 便器の側方に車いすがアプローチできる十分な空間を確保する 壁側手すりは前出の大きいものを選び移乗時に頭が壁と接触しないように手すりと壁との空間を確保する 2-3 斜め前方アプローチ ( 立位移乗の場合 ) 便器に対して斜め前方からアプローチし 手すりを使っていったん立ち上がり 便器に移乗します 便器の前方と側方に車いすがアプローチできる十分な空間を確保する 2-4 正面アプローチ ( 立位移乗の場合 ) 便器の正面に車いすをつけ 手すりを使って便器に移乗します 便器の前方に車いすがアプローチできる十分な空間を確保する 参考 -263

車いす使用者 ( 要介助 ) 便器へ自立して移乗できない方は介助者のサポートが必要です 便器への移乗などの際に必要な空間として 車いす待機スペースのほかに介助者のスペースを確保します 1 被介助者が便器に移乗する前に 荷物を棚に置く 又はフックに掛けます 棚又はフックは動作の妨げにならない位置に設置する 2 車いすを便器の側方 前方につけます 便器の側方と前方に車いすがアプローチできる十分な空間を確保する 3 被介護者に手すりを支えにして一時的に立ってもらい介助者が被介助者の脱衣をします 介助する人の動作を考慮した十分な空間を確保する 4 介助者が被介助者を正面から抱きかかえ 便器に移乗させます オープンスペース側の手すりは可動式手すりとする 参考 -264

車いす使用者 ( 自己導尿 ) ( 注 ) 導尿 : 膀胱に管 ( カテーテル ) を入れて尿を体外に導くこと 男性の自己導尿では車いすに座ったまま便器に排泄する方もいます 補助具を置く棚の設置が有効です 1 補助具を出して 排泄の準備をします 補助具ケースを置く ( 引っ掛ける ) 棚又はフックを設置する 2 排泄が終わったら 補助具をケースにしまいます 参考 -265

大型ベッド使用者 ( 自己導尿 ) 便器や車いす上だけではなく ベッド上で自己導尿する方もいます ベッドを広げた状態で車いすの待機スペースを確保する必要があります 女性の自己導尿 ベッド上で排泄する場合 1 車いすをベッドに密着させ 車いすのフレームとベッド上面を支えとして ベッドへ移乗します 車いすからのアプローチに問題ないように ベッドに隣接する位置に車いすが入るスペースが必要 2 ベッドに移乗し 上半身を起こした状態で脱衣を行います 左右片側ずつ脱衣するために 左右に手をついて 支えることのできるベッド広さが必要 3 壁に寄り掛かり 姿勢を安定させます 可能なかぎり 長座位のときに壁にもたれかかることができる位置にベッドを設置することが望ましい 参考 -266

大型ベッド使用者 ( おむつ交換 ) ベッドに横になり 着替えやおむつ交換をする方もいます 車いす待機スペースと介助者のスペースを確保します 1 車いすをベッドに近づけ 介助者が非介助者の正面又は側面から抱きかかえベッドに移乗します 可能なかぎり 長座位のときに壁にもたれかかることができる位置にベッドを設置することが望ましい 2 ベッドに移乗し 横向きに寝かせて衣服の着脱 おむつ交換を行います 参考 -267

視覚障がい者 ( 全盲 ) 1 白杖で前方を確認しながらゆっくり便器に近づきます 2 白杖をドア横の角などに立てかけます 3 便座の位置や状態 ( ふたが開いているかどうかなど ) を手で触り確認します 4 トイレ内の設備を手探りで確認します 触って判別しやすい形状の器具とし 標準の 1 に配置することが望ましい また 器具が識別できるように点字による表示を行う 参考 -268

視覚障がい者 ( 弱視 ) 1 便器に顔を近づけて状態 ( ふたが開いているかなど ) を確認します 2 顔を近づけてトイレ内の設備を確認します 触って判別しやすい形状の器具とし 標準の位置に配置することが望ましい また 器具を識別できるよう大きくシンプルな文字や図記号 ( ピクトグラム ) による表示を行う 参考 -269

オストメイト ( 人工肛門 人工膀胱保有者 )1 1 パウチにたまった排泄物を汚物流しに捨てます ストーマ装具 ( パウチ ) 内の排泄物を捨てやすい大きさ 形状 高さの汚物流しが必要 2 パウチを外し ( 必要な場合 ) 腹部に付着した汚れを洗い落とします 温水シャワーと腹部やパウチを確認できる高さの鏡が必要 < パウチを交換する場合 > 3 使用済みのパウチを捨てる前に洗います パウチを洗いやすい水栓が必要 参考 -270

オストメイト ( 人工肛門 人工膀胱保有者 )2 オストメイトの排泄処理は汚物流しや一般便器で行います パウチから便が漏れるなどのトラブルの際にはシャワー付きの汚物流しが便利です 腰掛便座 ( パウチ しびん洗浄水栓付 ) 使用の場合 < 便座に座って排泄処理する場合 > 1 便座に深く座り パウチにたまった排泄物を便器に捨てます 便器は大型サイズが望ましい < 中腰で排泄処理する場合 > 1 便座を上げ パウチにたまった排泄物を便器の中に捨てます 2 便座を上げた状態で パウチ しびん洗浄水栓を使って使用済みのパウチを洗浄します 出典 : 福祉のまちづくり条例施設整備 管理運営の手引き ( 公益的施設編 ) 兵庫県 参考 -271