平成10年2月4日

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資料 5 公共施設更新コスト試算 1 試算ケース ケース1: 旧耐震基準のうち 築 60 年以上は建替え それ以外は大規模改修 新耐震基準は老朽箇所修繕 耐用年数を 60 年と想定した場合 旧耐震基準の施設のうち 築 60 年以上の施設は 築 60 年が経過した施設から建替える 建替え対象以外の旧耐

青文字は、長谷川が修正したものです

(3) 中規模改修工事費 建設年代別にm2単価を設定する 大規模改修後及び改築後は 水準別にm2単価を設定し 冷房設備ありの場合は別途m2単価を設定して加算する 表 中規模改修工事費 大規模改修前 大規模改修後 改築後 中規模改修建設年代改築後改築後大規模改修後円 / m2従来改築一般施

瑞穂市建物系公共施設個別施設計画 【概要版】

美里町学校施設長寿命化計画 ( 案 ) 検討資料編 平成 30 年 月 美里町教育委員会

イ使用年数基準で更新する施設 ( ア ) 使用年数基準の設定使用年数基準で更新する施設については 将来の更新需要を把握するためにも 更新するまでの使用年数を定める必要がありますが 現時点では 施設の寿命に関する技術的な知見がないことから 独自に設定する必要があります このため あらかじめ施設を 耐久

2. 子ども人口の推計について 人口推計は 今後の教育 保育の量の見込みを算出する上で非常に重要であるため 改めて平成 30 年度及び平成 31 年度の人口推計値を算出しました 当初計画値と実績値を比較すると 人口は計画値ほど減少しないことから平成 30 年度以降も人口減少は緩やかなものとして見直し

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序章 公共施設再生計画策定にあたって 1 公共施設の現状と一般的な課題 1. 公共施設の老朽化問題とは 公共施設の老朽化問題とは どの様な問題なのでしょうか これは 昭和 30 年代から 50 年代にかけての高度経済成長期に 人口増加などの環境変化を踏まえ 住民福祉の向上を目指して短期間に急速に整備

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目次 第 1 章小牧市公共施設適正配置計画の概要 適正配置計画策定の主旨と位置付け 対象施設の範囲 計画期間... 2 第 2 章適正配置に向けた基本的な考え方 適正配置計画策定にあたっての考え方 施設ごとの今後の取組み


H28秋_24地方税財源

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[ 図表 35: 見直しのイメージ ] 質の高い施設 安心安全で コストの最適化 施設を安心安全に利用するため 点検 診断を実施し その結果に基づき 必要な対策を適切な時期に着実かつ効率的 効果的に実施します また これらの取組を通じて得られた施設の状態や対策履歴等の情報を記録し 次の点検 診断等に

豊洲移転時の収支試算の条件とパターン 収支試算の条件 平成 29 年度予算をベースとして推計 一般会計繰入金の対象範囲や水準は 据え置き 改修経費を 5 億円 / 年とした上で 5 年毎に 5 億円 / 年ずつ増加するものと仮定して試算 変更点 売上高割使用料は 5 年毎に 3% ずつ減少するものと

(2) 施設の状況 幼稚園施設は 昭和 50 年前後に建築され 築 30 年以上が経過しています ( 表 2) ( 表 2) 公立幼稚園施設一覧 施設名称 竣工年月 構造 階数 酒匂幼稚園 昭和 48 年 2 月 鉄筋コンクリート造 ( 一部鉄骨造 ) 地上 2 階 東富水幼稚園 昭和 46 年 3

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各取組は PDCA サイクルを回し効果を評価し 目標が達成できない見通しとなったときは さらなる総量の縮減や取組 体制の強化等 基本方針等を見直します [ 図表 40] [ 図表 40:PDCA サイクル ] 計画修正 Action 計画修正 Action Plan Check 計画等修正 Acti

1 計画改訂の趣旨 (1) 趣旨 1 (2) 見直しのための考え方 2 (3) 対象期間 2 (4) 対象事業 2 2 教育 保育の 量の見込み 及び 確保方策 について (1) 就学前の推計児童数 3 (2) 教育 保育の 量の見込み 3 (3) 量の見込み に対する 確保方策 4 (4) 見直し


< > 特別県営住宅 1 棟 県営住宅 2 棟の合計 3 棟である 県営住宅はほぼ満室の状態であるが 特別県営住宅は入居率が 53.3% である 特別県営住宅の間取りは 3LDK であり 約 60 m2と約 70 m2の広さのものがある 特別県営住宅は外観が県営住宅とほとんど変わらず 面積が若干広い

AM部会用資料(土木・建築構造物)

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橋 梁 長 寿 命 化 修 繕 計 画

様式 1-1 池田町橋梁長寿命化修繕計画 平成 25 年 4 月 池田町役場建設水道課

雲仙市公共施設等総合管理計画 概要版 平成 29 年 3 月 雲仙市

資料1-2 「学校施設の長寿命化計画策定に係る手引」(案)」(事例・参考資料等)(4/5)

1

0 事前準備 公共施設等の更新費用比較分析表作成フォーマット の作成に当たっては 地方公共団体の財政分析等に関する調査研究会報告書 公共施設及びインフラ資産の更新に係る費用を簡便に推計する方法に関する調査研究 における更新費用試算ソフト ( 以下 試算ソフト という ) を用います 試算ソフトは今回

公益財団法人和歌山市文化スポーツ振興財団 ( 財団法人和歌山市都市整備公社から名称変更 ) 経営健全化 ( 自立化推進 ) 計画 ( 平成 22 年度 ~ 平成 25 年度 ) 取組結果報告 取組結果報告における各取組の最終進捗結果の説明区分基準 A ほぼ予定どおり 若しくは予定以上に進んだ B 取

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§1 業務概要

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草津市 ( 幼保一体化 ) 集計表 資料 4 幼児教育と保育の一体的提供のための現況調査 ( 施設アンケート ) 速報 平成 25 年 7 月草津市 1

1 個別施設計画の基本的な考え方本計画は 公共施設等総合管理計画の内容を基本とし 同計画に示す類型のうち中分類を基本に現状の施設管理者を勘案して個別に策定した 計画の基本的考え方として 個別具体の方向性を示し 原則 長寿命化を推進し 鉄筋コンクリート造の建築物は目標供用年数を 80 年とし 長寿命化

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施策の体系 本目標3 地域力と行政の連携がつくる人と地球に優しいまち179

目 次 1 個別計画策定の趣旨及び概要 1 (1) 策定の趣旨 1 (2) 概要 1 2 施設別財産状況 2 3 各種分析結果 5 (1) 築年数別状況 5 (2) 利用状況 6 (3)1 m2当たりの運営コスト状況 7 (4) 消防団員 1 人当たりの運営コスト状況 8 (5) 施設配置状況 9

橋梁長寿命化修繕計画 ( 案 ) 平成 25 年 3 月 那覇市役所 建設管理部道路管理課

資料 2 第 3 回旭市公立保育所在り方検討委員会資料 ~ 旭市における教育 保育の現状について ~ ( 旭市立 13 保育所 ) 平成 28 年 7 月 22 日開催

第1回まちづくり評価委員会 市民部会 開催記録概要

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4.1 自転車駐車場の現状 (1) 公営の自転車駐車場の状況区内の公営の自転車駐車場には 区立施設のほか 公益財団法人練馬区環境まちづくり公社と公益財団法人自転車駐車場整備センターが開設している施設があります 現在 公営自転車駐車場は 84 箇所あり そのうち区立の施設は 72 箇所 収容台数は 3

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構造 用途 鉄筋コンクリート造鉄骨 鉄筋コンクリート造 高品質の場合 普通の品質の場合 高品質の場合 重量鉄骨 鉄骨造 普通の品質の場合 軽量鉄骨 ブロック造れんが造 木造 学校庁舎 Y 100 以上 Y 60 以上 Y 100 以上 Y 60 以上 Y 40 以上 Y 60 以上 Y 60 以上

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3.記載事例・参考事例(6)(7)

第 3 回検討会でご意見を頂いた内容に対する対応方針 ( 案 ) 中長期保全計画の策定において 更新 修繕 といった言葉の使い分けは明確にすべき その際 部位による使い分けや ライフサイクルコストの視点を踏まえた 更新 修繕 のレベル設定にも留意すること 建物を 使える 状態に維持するという観点から

基本方針

(3) 容積率 1-の改修 + 増設 1-2 現図書館の位置に建替 3ラピオ内改修 容積率 200% 400% 400% 建築可能延床面積 9,846m2以下 15,212m2以下 ( 延床面積 ) (4,923 m2 200%) (3,803 m2 400%) 容積率とは 敷地面積に対する建築物の

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国土技術政策総合研究所 研究資料

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5.4章.xdw

平成 29 年度版 東大和市公共施設等白書 ( 別冊 ) 施設カルテ 平成 30 年 1 月 東大和市

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四国中央市住宅マスタープラン 概要版 平成 30 年 3 月四国中央市 Since

施設一覧表

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マンション棟数密度 ( 東京 23 区比較 ) 千代田区中央区港区新宿区文京区台東区墨田区江東区品川区目黒区大田区世田谷区渋谷区中野区杉並区豊島区北区荒川区板橋区練馬区足立区葛飾区江戸川区

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平成23年度

番号 9001 名称西部保育園所管部署子ども 子育て課 大中 横田本町 6161 外 校区 小区 西条 中区 高岡西部 2, ( m2 ) うち市有地以外 ( m2 ) 延床面積 異動区分 延床面積 1, ( m2 ) 異動区分 新築 鉄骨 建築年度 築年数 建築年度 S51

平成10年2月4日

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目次 第 1 章再編計画策定の趣旨 2 第 2 章就学前の子育てを取り巻く状況の変化 3 第 3 章再編計画の基本的な考え方 7 第 4 章公立幼稚園再編 ( 認定こども園整備 ) 計画 9 2

日本基準基礎講座 有形固定資産

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公共施設保有の最適化と長寿命化のための基本方針 平成 25 年 6 月 盛岡市

Microsoft Word - 【外務省】インフラ長寿命化(行動計画)

2.調査結果の概要

名前 第 1 日目 建築基準法 2 用途規制 1. 建築物の敷地が工業地域と工業専用地域にわたる場合において 当該敷地の過半が工業地域内であると きは 共同住宅を建築することができる 2. 第一種低層住居専用地域内においては 高等学校を建築することができるが 高等専門学校を建築する ことはできない

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目次 1. 公共施設等総合管理計画策定の背景と目的 1 2. 計画期間 2 3. 対象とする公共施設等 3 4. 本町の公共施設等を取り巻く現状 4 (1) 人口の現状と将来推計 (2) 財政状況 (3) 建物施設の延床面積と耐用年数等 (4) インフラ施設の規模及び耐用年数 (5) 公共施設等のL

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流動資産 3 流動比率 (%) 流動負債短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 当該指標は 1 年以内に支払うべき債務に対して支払うことができる現金等がある状況を示す 100% 以上であることが必要である 一般的に 100% を下回るということは 1 年以内に現金化できる資産で 1 年以内に支

2-2 需要予測モデルの全体構造交通需要予測の方法としては,1950 年代より四段階推定法が開発され, 広く実務的に適用されてきた 四段階推定法とは, 以下の4つの手順によって交通需要を予測する方法である 四段階推定法将来人口を出発点に, 1 発生集中交通量 ( 交通が, どこで発生し, どこへ集中

( 資料 3) 比較検討した住宅 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資料 4) 住宅の選択理由 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資

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2/9 学校 ( 幼稚園 ) 名久保小学校長江小学校土堂小学校 棟用途 棟面積第一次診断第二次診断改修改修後建築年月構造階数区分番号枝番 ( m2 ) 年度 Is 値年度 Is 値年度 普通 特別 管理教室棟 1 1 S8.1 R 3 2,950 旧基準 H H 屋内運動

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改訂履歴施行年月日 改訂理由 内容 平成 25 年 10 月 22 日 制定 平成 27 年 5 月 29 日 一部改正 第 1 項 2 項 3 項及び4 項に空調施設の整備に関 する内容を追加

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2.調査結果の概要

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4. 施設の将来コストシミュレーション 4-1. 公共施設の保全費および建替え費用の将来予測 公共施設は 建築年数の経過とともに建物の老朽化が進むことから 現在の施設の機能を維持するためには 建物の大規模な改修 ( 部位や設備の更新 ) や 耐用年数を過ぎた建物の建替えが必要です ここでは すべての建物を耐用年数まで使用し 耐用年数経過後に同程度の建物に建替えを行うものとして 保全費 ( 修繕費 + 更新費 ) および建替え費の将来予測 ( 推計 ) を行います < 将来費用推計の設定条件 > (1) 推計方法 平成 23 年草津市ファシリティマネジメント推進基本方針 の推計方法を基に行います なお 推計にあたっては 1 修繕と更新費の発生イメージ 2モデル建物の保全発生パターン 3 推計結果に対する注意事項 の前提条件に基づき行いました (2) 建替え費用 建物は耐用年数経過後に同規模 同グレードでの建替えを行うものとし 建替え費用は再調達価額と同じとして設定します 再調達価額は火災保険の算定に用いられる建築コストであり 同等の建物を再建築するために必要な額を指します (3) 保全費用 保全費用は 建物の部分的な 修繕費 と大規模な改修( 部位や設備の更新 ) のための 更新費 の合計として算定します 運営費 光熱水費 保守点検費等の修繕 更新工事費以外の費用は保全費に含みません 修繕費 と 更新費 は それぞれの建物の建設費( 再調達価額 ) に建物種類別の保全費発生パターンに応じた修繕費率と更新費率を乗じて求めます 経過年別の修繕費率と更新費率は 平成 17 年版建築物のライフサイクルコスト ( 国土交通省監修 建築保全センター発行 ) に記されている 3 種類の概算用モデルの数字を採用しています 概算用モデル学校モデル集合住宅モデル中規模事務所モデル 適用建物学校 体育館などの各建物住宅施設の各建物上記以外の各建物 -130-

1 修繕費と更新費の発生イメージ 将来の保全費は 当初の建設費に修繕費率と更新費率を乗じた金額が 保全周期 で繰り返し発生するものとして予測します 建設費更新更新 保全費 修繕 修繕周期 年度 更新周期 ( 部材による保全周期と修繕費率等の例示 ) 部材 保全項目 保全周期 修繕費率等 ユニット空調機 ACU-50 更新 20 年 125.8% 修繕エリミネータ交換等 10 年 15 修繕ファンランナー洗浄 7 年 修繕加湿管等交換 4 年 8. 修繕コイル洗浄他 2 年 原典 : 平成 17 年版建築物のライフサイクルコスト 建築保全センター 出典 : 草津市ファシリティマネジメント推進基本方針 ( 平成 23 年 3 月 ) 草津市 -131-

2 モデル建物の保全費発生パターン 35% 25% 機械電気建築累積 更新 1 1 1 10 12% 8% 機械電気建築累積 修繕 5 35% 25% 更新修繕累計 全体 1 1 1 10 8 6% 8 15% 5% 4% 2% 15% 5% 学校モデル 更新 修繕 全体 35% 25% 機械電気建築累積 1 1 1 10 8 12% 8% 6% 機械電気建築累積 5 35% 25% 更新修繕累計 1 1 1 10 8 15% 4% 15% 5% 2% 5% 住宅モデル 35% 25% 機械電気建築累積 更新 1 1 1 10 12% 8% 機械電気建築累積 修繕 5 35% 25% 更新修繕累計 全体 1 1 1 10 8 6% 8 15% 5% 4% 2% 15% 5% 中規模事務所モデル 数値は建設費に対する比率を示します 今回の試算では築後 60 年までのデータを使用しています 出典 : 草津市ファシリティマネジメント推進基本方針 ( 平成 23 年 3 月 ) 草津市 -132-

3 推計結果に対する注意事項 簡易な手法により将来の保全費用を予測したため 下記のような誤差要因が含まれます 保全費発生パターンの影響建築保全センターのデータベースは 5 年平均のパターンのため 1 年単位のパターンよりピークが抑えられている可能性があります 部材構成の影響実際の建物の部材構成はモデル建物とは異なるため 保全費の発生パターンが異なってきます 例えば 小規模建物では受電設備 発電機 昇降機 空調設備などが簡略化されます 建物寿命の影響すべての建物を 50 年間使用するものとしましたが 物理的 経済的 機能的寿命により 50 年間使用できないことも考えられます ( 白書では 60 年で計算しています ) 保全方法の影響モデルでは一定周期で更新 修繕を実施するものとされますが 点検しながら状態監視保全により延命を図ることにより 結果として周期が延長できる可能性もあります 過去の更新 修繕履歴の影響竣工後一定周期で修繕 更新されてきたものとして試算しましたが 現状において積み残しがあれば今後大きなピークを迎える可能性があります 人口増による影響人口の動向によっては 今後 学校の増築等の建設工事費が加算されます 出典 : 草津市ファシリティマネジメント推進基本方針 ( 平成 23 年 3 月 ) 草津市 -133-

4-2. 建替え時期の検討一般的に鉄筋コンクリート造の建物の寿命は 50 年程度とされています 建物を長寿命化し 60 年で建替えた場合と 50 年で建替えた場合をシミュレーションすると 50 年の場合の保全費と建替え費の総額は約 1,734 億円 60 年の場合は約 1,534 億円 1 年当たりの平均は 50 年の場合は約 28.9 億円 60 年の場合は約 25.6 億円となります 市有建築物の保全は これまでは部材や設備の故障の発生後に行う事後保全でした 今後は 建物を長寿命化させるために 計画的 予防的に修繕 更新を行う予防保全へと転換し 施設の将来コストの縮減を図ります 50 年で建替えの場合と 60 年で建替えの場合の将来コスト比較 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 昭和33昭和38昭和43昭和48昭和53昭和58昭和63平成5平成10平成15平成20平成25平成30平成35平成40平成45平成50平成55平成60平成65平成70平成75平成80平成85年度保全 ( 更新 ) 保全 ( 修繕 ) 建替建設平成25年度コスト ( 億円 ) 50 年で建替えの場合保全費 + 建替費の将来コスト総額年平均 28.9 億 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 昭和33昭和38昭和43昭和48昭和53昭和58昭和63平成5平成10平成15平成20平成25平成30平成35平成40平成45平成50平成55平成60平成65平成70平成75平成80平成85年度保全 ( 更新 ) 保全 ( 修繕 ) 建替建設平成25年度コスト ( 億円 ) 60 年で建替えの場合保全費 + 建替費の将来コスト総額年平均 25.6 億 -134-

平成5昭和38昭和43昭和48昭和53昭和58昭和63平成10平成15平成20平成25平成30平成35平成40平成45平成50平成55平成60平成65平成70平成75平成80和334-3. 将来コスト推計の内訳 (60 年建替えの場合 ) 前項の建替え年を 60 年に設定した場合の保全費 + 建替費の将来コスト総額の内訳は以下のようになります 市有建築物については今後とも 修繕や更新などを計画的に実施することで建物の長寿命化を実現し 建替え周期を 60 年程度に延ばすことにより 将来コストの減少を図ることを目標として取り組みます (1) 建替え費の将来コスト耐用年数が経過したすべての建物を同程度の建物に建替えを行うものとして 今後 60 年間の建替え費を推計すると以下のような結果になります なお グラフは過去の建設費も表示します コスト ( 億円 ) 80 70 建設 建替 平成25年度建替費の将来コスト 本庁舎建替 60 50 40 30 20 10 90 昭0 平成85年度 今後 60 年間の建替え費を推計すると 約 672 億円の見込みです この費用を 60 年で割ると 1 年当たりの平均は 約 11.2 億円 / 年になります 平成 30 年代まで建替え件数は少ない見込みですが 昭和 40 年代後半から 50 年代にかけて建設した教育施設が耐用年数を迎える平成 40 年代から建替えが多くなるので それらの対応策の検討が望まれます 建替え費のピークは平成 64 年度に約 73 億円 ( 市役所の建替え時期 ) です -135-

(2) 保全費の将来コスト過去に建設した建物の今後 60 年間の保全費 ( 修繕費 + 更新費 ) を推計すると 以下の結果になります なお グラフは平成 25 年度までに実施すべきであった計画保全の費用も表示しています 今後 60 年間の保全費を推計すると 約 862 億円が見込まれます これは耐用年数が経過して建替えを行なう建物の保全費も含みます この費用を 60 年で割ると 1 年当たりの平均で約 14.4 億円 / 年が見込まれます 年間では約 8 ~23 億円のコストであり 保全費のピークは平成 29 年度の約 23 億円です 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 昭和33昭和38昭和43昭和48昭和53昭和58昭和63平成5平成10平成15平成20平成25平成30平成35平成40平成45平成50平成55平成60平成65平成70平成75平成80平成85年度保全 ( 更新 ) 保全 ( 修繕 ) コスト ( 億円 ) 平成25年度保全費 ( 修繕 更新 ) の将来コスト -136-

(3) 保全費と建替え費合計の将来コスト今後 60 年間の保全費と建替え費を合計すると 将来に要する費用の総額は以下のようになります なお グラフは過去の建設費と保全費も表示しています 今後 60 年間の保全費と建替え費の総額を推計すると約 1,534 億円が見込まれます この費用を 60 年で割ると 1 年当たりの平均で約 25.6 億円 / 年が見込まれ 年間では約 13 ~83 億円 総額のピークは平成 64 年度の約 83 億円です ( 過去 10 年間の保全費と建設費の推計総額の平均は約 26.6 億円 / 年です ) 保全費 + 建替費の将来コスト総額 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 昭和33昭和38昭和43昭和48昭和53昭和58昭和63平成5平成10平成15平成20平成25平成30平成35平成40平成45平成50平成55平成60平成65平成70平成75平成80平成85年度保全 ( 更新 ) 保全 ( 修繕 ) 建替建設平成25年度コスト ( 億円 ) -137-

5. 課題の整理および今後の視点 (1) 課題の整理市の建物面積は 大規模な修繕 更新が必要となる築 30 年以上の建物が半数近くを占め 10 年後には 築 30 年以上の建物面積は約 74%( 約 23.0 万m2 ) を占めるようになります 今後 これらの建物は 経過年数に応じて維持管理や修繕 改修 更新と言った費用が増大することが予想されます また それらの費用が一時期に集中することが考えられるため 市の財政事情からは 保全費用等の平準化を目指すことも必要です 一方 時代の経過とともに利用者のニーズの変化や 人口の変化も予想されるので これに対応するよう機能の見直しなどの検討をすることが必要です そのためには 施設の利用状況 配置状況および建物状況を適切に把握することにより効率的な運営を行うとともに 将来を見据えた施設のあり方を探る必要があります これらを踏まえ 各施設の現状と問題点を以下のようにまとめました 1 行政施設 庁舎等 市役所は延床面積が 2 万m2以上と市有施設の中でも規模が大きいことから 具体的な長寿命化の方策や建物更新について検討が必要です 費用が増加傾向にある維持管理のあり方についての検討も必要です 消防詰所 各消防詰所では 建築後の経過年数と延床面積が同じ施設でもコストに差があることから 施設全体を通したコストの見直しが必要です 2 教育施設 幼稚園 幼稚園は 大規模な修繕 更新が必要となる築 30 年以上のものが半数以上を占めていることから 具体的な長寿命化の方策や建物更新について検討が必要です コスト面では 各幼稚園で単位面積当たりのコストにばらつきがあることから コストが高い園は見直しが必要です すべての幼稚園が定員割れとなっており 中には入園率が 5 の園もあり 幼稚園の園児数は微減傾向にあります 小学校 小学校は 築 30 年以上のものが半数以上を占めており その内 7 校は 40 年以上過ぎていることから 具体的な長寿命化の方策や建物更新について検討が必要です コスト面では 維持管理費として工事請負費が大きな要因となることから 施設維持管理のあり方について検討が必要です また 各学校で単位面積当たりのコストにばらつきがあることから コストが高い学校は見直しが必要です 延床面積は各学校とも差はありませんが 児童数の差は大きく 児童が増えている小学校は -138-

教室数も増加しており その分維持管理費も増加していきます 中学校 中学校は 築 30 年以上のものが半数以上を占めていることから 具体的な長寿命化の方策や建物更新について検討が必要です コスト面では 維持管理費として工事請負費が大きな要因となることから 施設維持管理のあり方について検討が必要です また 各学校で単位面積当たりのコストにばらつきがあることから コストが高い学校は見直しが必要です 延床面積は各学校で大きな差はないにもかかわらず 生徒数の差は大きくなっています 教育集会所 教育研究所 教育集会所はすべて築 30 年以上となっており 具体的な長寿命化の方策や建物更新について検討が必要です コスト面では 教育集会所は年度毎の維持管理費にばらつきがありますが 教育研究所は平成 24 年度の移転に伴い維持管理費が増加しています 利用状況を見ると 教育集会所では西一教育集会所の集会室を除いて 各施設とも利用率が 33% を下回っている部屋が大半であることから 利用率向上の対策検討が必要です 教育研究所は移転とともに新しい部屋など再整備されましたが 利用率が 33% を下回っている部屋もあり 全体的な部屋のあり方や利用率向上対策の検討が必要です 3 生涯学習施設 市民センター 市民センターは 大規模な修繕 更新が必要となる築 30 年以上のものが約半数近くを占めており 25 年以上の施設を加えると約 7 割となります 現在 一部の市民センターについては 改築が計画されていますが 今後 施設全体の長寿命化の方策や建物更新についての検討が必要です 利用状況では 人口一人当たりの利用率にばらつきがあることから 利用率向上対策が必要です また すべての市民センターで調理室の利用率が低いことや 地域により部屋別利用にばらつきがみられることから 社会や時代の変化に応じた施設機能の転換や利用率向上対策など 市民が利用しやすい施設への改善やサービス充実などの検討が必要です その他の施設 その他の施設は 築 20 年以下の建物が約半数ですが 築 30 年を超える施設について まちづくりセンター 人権センターおよび行政施設である合同ビルは複合施設へ移転される予定です また 規模が大きい施設が多いことから 施設維持管理のあり方についての検討も必要です コスト面では 単位面積当たりのコストで人権センターや南草津図書館が高くなっていますが これは事業運営費によるものが多いことから これらの改善策の検討が必要です 利用状況では 利用者数が草津アミカホールのように増加している施設もあることから 各施設とも利用者向上対策や機能の転換など 市民が利用しやすい施設への改善やサービス充実などの検討が必要です -139-

4 福祉施設 隣保館 付属棟は大規模な修繕 更新が必要となる築 30 年以上を経過しており 具体的な長寿命化の方策や建物更新について検討が必要です 利用状況では サロンや会議室の利用率は高いですが 調理室は利用率が低いことや 地域により部屋別利用にばらつきがみられることから 社会や時代の変化に応じた施設機能の転換や利用率向上対策など 市民が利用しやすい施設への改善やサービス充実などの検討が必要です 支援施設 支援施設は 建築後の経過年数が少ない施設が過半ですが 築 30 年以上経過する施設については 具体的な長寿命化の方策や建物更新について検討が必要です コスト面では なごみの郷や長寿の郷ロクハ荘など 工事費を除く維持管理費が高い施設についてコスト縮減の検討が必要です 利用状況では なごみの郷や長寿の郷ロクハ荘の温浴施設利用者や音楽関連施設の利用が好調な反面 調理室はほとんど利用されていないことから 市民が利用しやすい施設への改善やサービス充実などの検討が必要です 保育所 保育所は 築 30 年以上のものが半数以上を占めていることから 具体的な長寿命化の方策や建物更新について検討が必要です コスト面では コストが年々低下している施設と増加している施設があることから 原因究明と全体を通したコストの見直しが必要です 保育所の入所率は 全体として 10 を超えており 共働き世帯の増加など 就労形態の多様化により今後も保育ニーズの増加が見込まれます 児童育成クラブ コスト面では 単位面積当たりのコストに差があることから コストが高い施設の原因究明とコストの見直しが必要です 利用状況を見ると 就労する保護者からの利用ニーズは増加することが予想されることから 適正な規模でサービスが提供できる環境を含め 今後の児童育成クラブのあり方について検討が必要です 5 観光 産業振興施設 観光 産業振興施設 観光 産業振興施設は新しい施設が多いですが 大規模な修繕 更新が必要となる築 30 年以上経過する施設については 具体的な長寿命化の方策や建物更新について検討が必要です コスト面では 全体的に低下傾向にありますが 市民交流プラザは工事請負費を除く維持管理費が年々増加していることから コスト縮減の検討が必要です 利用状況では 市民交流プラザと草津市まちなか交流施設の部屋別利用にばらつきがみられることから 社会や時代の変化に応じた施設機能の転換や利用率向上対策など 市民が利用し -140-

やすい施設への改善やサービス充実などの検討が必要です 6 公園 スポーツ施設 公園 コスト面では 3 年間ほぼ同額で推移していることから コスト縮減が可能かを検討することが必要です また 各施設とも年度によりばらつきがあります 利用状況では 利用者数が減少している弾正公園スタジアムなどの施設について 社会や時代の変化に応じた施設機能の転換や利用率向上対策など 市民が利用しやすい施設への改善やサービス充実などの検討が必要です スポーツ施設 スポーツ施設は 延床面積の広い体育館の半数が 大規模な修繕 更新が必要となる築 30 年以上経過しており これら施設の具体的な長寿命化の方策や建物更新について検討が必要です また 規模が大きい施設が多いことから 施設維持管理のあり方についての検討も必要です コスト面では 3 年間ほぼ同額で推移していることから コスト縮減が可能かを検討することが必要です また 収入が減少している施設がありますが 利用料金制が導入されています 利用状況では 武道館の武道場や相撲場など年々利用者が減少している施設があり 社会や時代の変化に応じた施設機能の転換や利用率向上対策など 市民が利用しやすい施設への改善やサービス充実などの検討が必要です 健康増進施設については 施設の老朽化により修繕費用が増大してきており 点検 整備など総合的な検討が必要です 7 住宅施設 団地 団地は 建築後の経過年数が大規模な修繕 更新が必要となる築 30 年以上のものが大半を占めていることから 今後も 具体的な長寿命化の方策や建物更新について検討が必要です 現在は 平成 23 年度に策定された 草津市市営住宅長寿命化計画 に基づく整備が進められています コスト面では 老朽化した団地が増えると工事請負費や維持管理費が増加することから 市営住宅団地の統廃合の可能性について長期的な視点で検討 判断し 市民の理解を得る必要があります 集会所 集会所は 西一住宅集会所が築 30 年以上 新田住宅集会所が 25 年以上経過していることから 具体的な長寿命化の方策や建物更新について検討が必要です 8 衛生施設 衛生施設 衛生施設は 火葬場 クリーンセンターの建築後の経過年数が大規模な修繕 更新が必要と -141-

なる築 30 年以上を経過しています クリーンセンターは 建替えが進められていますが 火葬場は 具体的な長寿命化の方策や建物更新について検討が必要です コスト面では 各施設とも年々コストは低下していますが さらなるコスト縮減が可能かを検討し コスト縮減を継続することが必要です 9 その他施設 駐車場 駐車場の建築年度は 経過年数が大規模な修繕 更新が必要となる築 30 年を経過している草津駅西口自転車駐車場について 具体的な長寿命化や建物更新の検討が必要です コスト面では 自転車駐車場の管理はすべて指定管理者制度を導入しており コストの大半は事業運営費ですが 各自転車駐車場とも年間コストがほぼ横ばいであることから さらなるコスト縮減が可能かを検討することが必要です 利用状況では 草津駅東自転車駐車場で定期利用のキャンセル待ちが発生するなど 各施設とも利用が多いことから 市民がより利用しやすい施設への改善やサービス充実などの検討が必要です その他の施設 コスト面では 文化財収蔵関連施設 学校給食センターとも 3 年間の費用がほぼ同額で推移していることから コスト縮減が可能かを検討することが必要です (2) 今後の視点施設の課題に対応して 本市の公共施設の維持更新を図っていく上で 次のような視点で検討することが必要です 1 施設の修繕 更新費の負担軽減 施設の状態を実態的に把握し計画的に保全していき 施設の長寿命化を図ることが必要です 将来の修繕費 更新費を平準化し 財政負担を軽減するために 中長期的な保全のあり方の検討が必要です 2 施設の再整備 再配置 耐用年数を迎える施設については 同様の施設への建替えか廃止 統合かの判断が必要となり 市有施設全体の再整備 再配置を検討することが必要です 市町が単独であらゆる公共施設等を揃えるといった フルセットの行政 から市町 県間における新たな広域連携の推進を検討することが必要です 公共施設等を総合的かつ長期的に管理することは 地域社会の実情にあった将来のまちづくりを進める上でも不可欠であることから 国においても公共施設等総合管理計画の策定を推進されており 当該計画との整合が必要です 3 時代の変化と市民ニーズに応じたサービスの提供 耐震基準の変更やバリアフリー 省エネ等 時代の変化により機能が相対的に古くなってき -142-

た施設について 基準に見合った施設整備が必要です 利用率の低い施設( 部屋 ) や 有効利用されていない施設は 用途変更等も含めた利用方法の検討が必要です 公共施設の利用者と利用しない市民の負担の公平性を確保するため 維持管理費における公費負担と受益者負担の割合を検証し 適正化を図ることが必要です 必要な公共サービスを将来にわたり維持するためには 民間事業者の資金やノウハウを活用して公共施設整備や公共サービスを実施する PPP( 公民連携 ) の検討も必要です 今後 この施設白書を基に 本市の将来計画 社会潮流 保全計画 建物重要度などの条件を踏まえた検証を行い 市有建築物再整備方針を策定します そして 市有建築物再整備方針を具体化する市有建築物利活用計画を策定し 市有建築物の再整備を進めます 施設白書 施設の現状把握 施設の評価 分析 課題の抽出など 市有建築物再整備方針 再整備の視点 将来ビジョンにあわせた施設整備 市有建築物の用途変更と統廃合 効率的な維持管理 運営 事後保全から計画保全への転換 施設再整備計画の方針 行政サービスとしての施設の必要性 施設の配置場所 施設の将来維持費 施設の運営状況 市有建築物利活用計画 市有建築物の廃止 ( 一部廃止 ) 用途変更 統合 充実 拡大 新設など -143-

草津市公共施設白書 平成 26 年 11 月編集 : 草津市総務部財産管理課 525-8588 滋賀県草津市草津三丁目 13 番 30 号電話 :(077)563-1234( 代表 ) FAX:(077)561-2483 メール :zaisan@city.kusatsu.lg.jp