一発合格!FP 技能士 3 級完全攻略実戦問題集 18-19 年版 別冊 FP 技能士 3 級 2018 年 9 月実施試験 解答 & 解説 実技試験個人資産相談業務 ( 金融財政事情研究会 ) 問題 解答 解説 第 1 問問 1 1 1) 適切 医療費の一部負担金等の額が自己負担限度額を超える場合は 所定の手続により 自己負担限度額を超えた額が高額療養費として支給される 自己負担限度額は 所得区分に応じて その額が異なる 2) 不適切 Aさんに係る医療費の一部負担金の割合は 入院 外来を問わず 実際にかかった費用の3 割である 3) 不適切 Aさんが病気やケガによる療養のために 連続 4 日以上 業務に就くことができず 当該期間について事業主から報酬が支払われない場合は 所定の手続により 傷病手当金が療養を開始した日から起算して1 年 6カ月を限度として支給される 問 2 3 現時点においてAさんが死亡した場合 妻 Bさんに対して遺族厚生年金と遺族基礎年金が支給されます 遺族厚生年金の額は 原則として Aさんの厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の4 分の3に相当する額になります ただし その計算の基礎となる被保険者期間の月数が 300 月に満たないときは 300 月とみなして年金額が計算されます また 長男 Cさんの 18 歳到達年度の末日が終了すると 妻 Bさんの有する遺族基礎年金の受給権は消滅します その後 妻 Bさんが 65 歳に達するまでの間 妻 Bさんに支給される遺族厚生年金の額に中高齢寡婦加算が加算されます 問 3 3 遺族基礎年金の年金額 ( 平成 30 年度価額 ) は 779,300 円であり 子 ( 長男 Cさん ) がいるので 子の加算 224,300 円が加算される よって 779,300 円 +224,300 円 =1,003,600 円となる 第 2 問問 4 2 1) 適切 つみたてNISA 勘定に受け入れることができる限度額は年間 40 万円である 購入方法は累積投資契約に基づく定期かつ継続的な買付けに限られているので 40 万円分を一括で購入することはできない 2) 不適切 つみたてNISAの非課税期間は 20 年間である つみたてNISAは 長期の分散投資を前提とした資産運用の方法なので 短期の売買を目的とした資産運用に利用することには適していない 3) 適切 つみたてNISA 勘定に受け入れることができる商品は E
TF( 上場投資信託 ) や公募株式投資信託のうち一定の要件を満たすものである Aさんが購入を検討しているX 社株式をつみたてNIS A 勘定に受け入れることはできない 問 5 1 1) 適切 PERは 株価が 1 株当たり当期純利益の何倍であるかを示す指標である 何倍程度が妥当であるかは 業種や会社の規模等により異なるので 同業他社との比較や過去のトレンドとの比較等 相対的な比較に利用する 2) 不適切 ROEは 自己資本 ( 株主資本 ) に対する当期純利益の割合を示す指標である ROEが高い水準で推移していれば 企業の収益性は高いと判断できる 総資産 ( 総資本 ) に対する当期純利益の割合を示す指標はROAである 3) 不適切 配当性向は 当期純利益のなかから配当金がどの程度支払われているのかを示す指標である この指標により 株主への利益還元の傾向を見ることができる 配当利回りは 株価に対する年間配当金の割合を示す指標である 問 6 1 1) 不適切 X 社株式の次回の配当および株主優待を受け取るためには 権利確定日である平成 31 年 2 月 28 日 ( 木 ) の3 営業日前までにX 社株式を購入しておく必要がある 2) 適切 Aさんが特定口座 ( 源泉徴収あり ) でX 社株式を株価 1,200 円で 100 株購入し 同年中に株価 1,500 円で全株売却した場合 手数料等を考慮しなければ 売却益 3 万円の 20.315% 相当額が源泉徴収等される 3) 適切 Aさんが特定口座 ( 源泉徴収あり ) でX 社株式を購入する場合 証券会社所定の売買委託手数料を負担する必要がある 手数料体系は 証券会社各社でさまざまな特徴があるので 口座を開設する前に比較してみるとよい 第 3 問問 7 2 ⅰ) 事業所得に係る取引を正規の簿記の原則に従い記帳し その記帳に基づいて作成した貸借対照表 損益計算書その他の計算明細書を添付した確定申告書を法定申告期限内に提出することにより 事業所得の金額の計算上 青色申告特別控除として最高 65 万円を控除することができます なお 確定申告書を法定申告期限後に提出した場合 青色申告特別控除額は最高 10 万円となります ⅱ) 青色申告者が受けられる税務上の特典として 青色申告特別控除のほかに 青色事業専従者給与の必要経費算入 純損失の3 年間の繰 越控除 純損失の繰戻還付 棚卸資産の評価について低価法を選択す
ることができることなどが挙げられます 低価法とは 資産の取得原価と時価を比較して いずれか低い方の価額を期末棚卸資産の評価額とする資産の評価基準のことである 問 8 1 1) 不適切 妻 Bさんは青色事業専従者給与 ( 平成 30 年分 :84 万円 ) の支払を受けているので 控除対象配偶者とならず Aさんは配偶者控除の適用を受けることができない 2) 適切 Aさんの場合 公的年金等の収入金額の合計額が 70 万円以下であるため 公的年金等に係る雑所得の金額は算出されない 65 歳未満の場合 公的年金等の収入金額の合計額が 70 万円までの場合は所得金額はゼロとなる 3) 適切 不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち 土地等の取得に係る負債の利子 10 万円に相当する部分の金額は Aさんの事業所得の金額と損益通算することはできない 問 9 2 Aさんの平成 30 年分の所得税における総所得金額は次のように計算する 事業所得の金額 350 万円 雑所得の金額 0 円 公的年金等の収入金額の合計額が 70 万円以下であるため 公的年金等に係る雑所得の金額は算出されない ( 問 8) 不動産所得の損失 100 万円 土地等の取得に係る負債の利子 10 万円に相当する部分の金額は 損益通算できない ( 問 8) ので 10 万円を差し引いた 90 万円について通算する よって 総所得金額は 350 万円 -90 万円 =260 万円となる 第 4 問問 10 3 土地上に賃貸マンションを建築する場合の建築面積の上限は 建蔽率を用いて計算する ただし 指定建蔽率が 80% で 防火地域内に耐火建築物を建築する場合は 100% 建築が可能となる よって 300 m2となる 問 11 2 土地上に賃貸マンションを建築する場合の延べ面積の上限は 容積率を用いて計算する 指定容積率:400% 前面道路幅員による容積率の制限:6m 6/10=360% どちらか数値の低いほうが その敷地の容積率となるので 延べ面積の上限は次のようになる 300 m2 360%=1,080 m2
問 12 2 1) 適切 賃貸マンションの敷地 ( 貸家建付地 ) の価額は 自用地評価額 (1- 借地権割合 借家権割合 賃貸割合 ) の算式により評価される 2) 不適切 賃貸マンションを建築することで土地に係る固定資産税が軽減される 住戸 1 戸当たり 200 m2までの小規模住宅用地について 課税標準となるべき価格を6 分の1とする特例の適用が受けられる 3) 適切 賃貸マンションを建築することで相続税等の軽減が期待できるが 将来の賃料の低下 空室リスク 借入金の返済が滞ることのリスクなどを考慮し 実行にあたっては慎重な計画が求められる 第 5 問問 13 3 ⅰ)Aさんの相続における遺産に係る基礎控除額は 3,600 万円である 3,000 万円 +600 万円 1 人 =3,600 万円 ⅱ) 相続税の申告書は 原則として その相続の開始があったことを知った日の翌日から 10 カ月以内に提出しなければならない ⅲ) 賃貸アパートを経営していたAさんが平成 30 年分の所得税および復興特別所得税について確定申告書を提出しなければならない場合に該当するとき 長男 Bさんは 原則として 相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内に準確定申告書を提出しなければならない 問 14 3 相続税の総額は次のように計算する 1 課税遺産総額を 各法定相続人が法定相続分に従って取得したものとして 各法定相続人の取得金額を計算する 長男 Bさん 1 億円本問では相続人は長男 Bだけなので すべてを相続する 2 各法定相続人の取得金額に税率を乗じて相続税の総額のもとになる税額を算出する 長男 Bさん 1 億円 30%-700 万円 =2,300 万円本問では長男 B さんの税額が相続税の総額になる 問 15 2 1) 不適切 長男 Bさんが賃貸アパートの敷地を相続により取得し 貸付事業用宅地等として小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた場合 その敷地は 200 m2までの部分について 50% の減額が受けられる 2) 適切 長男 Bさんが相続により取得した実家の敷地および建物を一定の要件を満たしたうえで譲渡し 被相続人の居住用財産 ( 空き家 ) に係る譲渡所得の特別控除の特例の適用を受けた場合 最高 3,000 万 円の特別控除の適用を受けることができる
3) 不適切 相続税の申告書の提出先は 相続により財産を取得した長 男 B さんの住所地を所轄する税務署ではなく A さんの住所地を所轄 する税務署となる